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「 バイデンの対中政策に異変あり 」
https://yoshiko-sakurai.jp/2021/10/21/9255
丁度この頃、米国務副長官のシャーマン氏が中国の天津を訪れ、王毅国務委員兼外相と会談した。王毅氏は高圧的とも言える
対応に終始し、中国側はファーウェイ副会長、孟晩舟氏の釈放を含む対米要求事項の数々を長いリストにして渡した。

米軍のアフガン敗走は、明らかに米国の威信を傷つけ、その負の効果は中国による米国への侮りとなって外交交渉に影を落とし
ている。9月1日、ジョン・ケリー大統領特使(気候変動問題担当)が天津を訪れた。相手はベテランの解振華氏である。ケリー氏は
CO2を削減しなければ地球が滅びるとでも考えているような人物だ。米中関係には多くの懸案事項があるが、それらに関わりなく、
「世界2大CO2排出国は純粋に協力しなければならないと、中国に懇願した」(9月2日、ウォール・ストリート・ジャーナル紙)。

CO2のことなどほとんど気にしていないのが中国の本音であろう。彼らにとってケリー氏のような環境問題が全てだと思い込んで
いる人物はカモである。CO2削減に協力するか否かで条件闘争ができるからだ。予想どおり、中国側は気候変動問題のみを
特別扱いにはできない、中米関係全体の中で考える、と冷たく言い放った。このとき中国側は米国に提出済みの「二つのリスト」に
回答せよと求めたという。

二つのリストとは、?米国が必ずやめなければならない誤った言行のリスト、?中国が重大な関心を持つ重点個別案件のリストである。

前者は、中国共産党員およびその家族のビザ制限、中国の指導者・政府高官・政府部門への制裁、中国人留学生へのビザ制限、
中国企業や孔子学院への圧力などについてだ。先述の孟晩舟氏の引き渡し要求も入っている。後者は、中国人留学生の訪米ビザ
申請の拒絶などを解除すること等だ。

(続く)