サワガニがよくいそうな、飛び越えようと思えば飛び越えられるような
小さな清流に思いっきり足を滑らせ、靴を水浸しにする。小川は平野に
向かって流れているのだから、彼に沿って歩けば山を抜けられるだろう。
だが次第に小さな清流はところどころに深い場所が出てき、流れが
早くなり、最初の清流の向こう側に渡ってしまったので、もう元の山裾には
戻れない。変な汗がでる。戻ろうか、戻るまいか考えるうちに足は
どんどん川沿いに下っていく。