ハリウッド映画のキャスティングの最終決定権は配給会社にある。
プロデュサーや監督の私情で実力の無い身内を使うなど無理な話。
60年代後半に日米合作の大作映画『トラ・トラ・トラ』の製作が決定し、
日本側監督に予想通り世界的監督の黒澤明が起用された。
黒澤は既存の俳優では観客に先入観を持たせててしまうので
無名の俳優や役者経験のない者を配役した。
しかし、これに配球会社のFOXはオールスターキャストでやるべきと拒否、
黒澤も応じずに監督を降板させられた。

皮肉にも有名な俳優を使うと観客に俳優像という先入観を持たせてしまうので
無名の俳優を起用するという黒澤のこの時の案はゴッドファーザー1で実現することになる。