チャールズ・ブロンソンは強いがリーは弱い
KGB主役では決定打と言っていい傑作。タカ派思想のKGB局員ダルチムスキー(ドナルド・プレゼント)
がマインドコントロールを利用した冷戦時代のテロ作戦テレフォン≠復活させる。
KGB上層部は事態を収拾すべく腕利きのボルゾフ(ブロンソン)を派遣する。
プロスパイはかくや〜という作り込まれたボルゾフのキャラクター。
ピアース・ブロスナンが五代目ボンドに抜擢される前はKGB破壊工作員として英国を崩壊
させようとしていた……小型核を利用したKGBのテロ計画を描くフォーサイスのベストセラー
小説の映画化。スパイマスター同士の冷静な取引でwinwinで終わる原作の結末が権力者の
汚い取引というニュアンスに変わっているとこにフォーサイスが音声解説でブチ切れている(笑)。
ソ連の最新鋭戦闘機を盗み出す任務を帯びてモスクワに潜入した米軍パイロットガント
(クリント・イーストウッド)。夜のモスクワでガントを追いつめていくKGBの描写だは
イーストウッドの演出の上手さもありなかなか。ちゃんとロシア人ぽい俳優揃えている〜警護
責任者のコンタルスキー大佐(ケネス・コリー)はプーチンそっくり(笑)。
西側に亡命したKGB大佐ウラソフ(ユル・ブリンナー)のもたらした爆弾情報は米、英、仏、独の
西側諜報機関を混乱に陥れていく。ウラソフの情報は本物か?西ドイツの将軍や諜報部員を
始末するKGBの手口の怖さ。ただ決め手となるアララト山の写真は今見るとあまりにも
大胆過ぎて…傑作ですけどね。仏防諜機関に内通した暗号名フェアウェル=KGB幹部グリゴリエフの悲劇。
KGB内の人間模様も描かれる。ちとそれるがウイレム・デフォーのCIA長官の描き方……
本作と「誰よりも狙われた男」と「ゴーストライター」合わせてみると欧州がアメリカに対して
抱いている憤懣だぜアンダーウッド