「意志の勝利」について

【クレジット】
原題:Triumph des Willens
製作年:1934年
配給:東和商事
上映時間:112分
製作会社:ナチス宣伝部

監督:レニ・リーフェンシュタール
脚本:ヴァルター・ルットマン、レニ・リーフェンシュタール
音楽:ヘルベルト・ヴィント
撮影:ゼップ・アルガイヤー、カール・アテンベルゲル、ヴェルナー・ボーネ、ヴァルター・フレンツ、ハンス・カール・コチャルク
録音:ジークフリード・シュルツ、エルンスト・シュッツ
製作総指揮:レニ・リーフェンシュタール 、アドルフ・ヒトラー
キャスト:アドルフ・ヒトラー、ヘルマン・ゲーリング、ルドルフ・ヘス、ヨーゼフ・ゲッベルス、ハインリヒ・ヒムラー、等多数

本作は、1934年9月。ニュルンベルグで開催されたナチ党の全国党大会は、ナチス党が国威発揚を意図してありとあらゆる手段を駆使して実現化した映像作品である。
ニュルンベルクのツェッペリン広場で行われたナチス党大会は10万人規模の集会でクライマックスの演出は、かがり火や照明を巧みに使って一つのショーとなっていた。
広い会場で演説を聞かせるためのPAシステムも、この時、世界で初めて開発された。

↓が1942年、日本で公開された当時のポスター
https://pbs.twimg.com/media/Eje3MpRVgAA29gQ.jpg

この作品は多くのクリエイターが、映像製作の教科書として認めている

・ローリング・ストーンズのミック・ジャガーは、党大会の模様を収めた映画「意志の勝利」を15回以上も見て、ヒトラーのパフォーマンスからファンを陶酔させる手法を学んだと云われている。
・デヴィッド・ボウイは、その映画(意志の勝利)を見て、ヒトラーのことを「彼はロック・スター」だと評したという

しかし、それゆえに第二次世界大戦勃発と、終戦により、本作は「20世紀映画史最大のタブー」「20世紀の映画で最も呪われた作品」という扱いにされてしまった


この作品は今でもドイツを含めたヨーロッパ諸国では視聴が厳しく制限されているという。如何なる事情があろうとも、やむを得ないだろう。
何の予備知識のない人がいきなりこの作品を見たら、アドルフ・ヒトラーとナチスの思想にハマってしまうかもしれない。
それほどまでに、この作品には高い中毒性がある。出来が良過ぎるのだ。