一昨日の深夜、実家で一人暮らしの親父が心臓発作で倒れた。
慌てて病院に駆け付けたら、既に親父は応急手術を受け、薬で眠らされていた。
医者に呼ばれて、更なる手術の同意書にサインし、それが終わるのを待って病院を出たのが明け方。
医者の話だと、延命確率は50%で、この数日の山を乗り越えたとしても長くはもたないだろうという。

親父の事はうざったく思ってたが、急にこうなるとやはり陰鬱な気分になるし、
手術代や入院費の事を考えると更に気が重い。

とりあえずアパートに帰宅して、ふて寝して、夕方に起きて、ラーメン屋に行った。
ヤケッパチになってビールをガフ飲みし、運ばれてきたラーメンにはニンニクをドバドバと入れた。

自分でも「ニンニク臭せえなあ」と思いながらヤケ喰いしてたら、
ふいに、店内の有線放送で、「メロディ・フェア」が流れ始めた。

泣いた。

40数年前に「小さな恋のメロディ」を見た時は、まさか自分がこんな大人になるだろうとは思ってもいなかった。

泣きながらラーメンを喰って、
喰いながら、「泣きながらラーメンを喰ってる自分」を自覚したら更に泣けて、顔を上げられなくなった。

店の人や他の客たちたちは俺の事を見て「危ない男だ」と思ってるだろう、と思ったら、
更に情けなくなって更に泣けた。

子供の頃はダニエル君の事を、「同志」だと思ってた。
でも、それは間違いだった。