【アート】カルトムービーを語れ【スキモノ】
芸術的な実験作から、下世話な珍作まで、 まじめなドラマから、エログロまで、幅広く「熱狂的な信者」映画を語ろう。 昔のぴあシネクラブだと、「タクシードライバー」や「ブレードランナー」もカルトの 評価をつけていた。ある意味これも範疇に入れても、うなづける。 「幻の市街戦」「魚が出てきた日」「ブラジルから来た少年」みたいな、 今ではわりと簡単に見られる作品も、希少性からかカルトマークがついていたな。 まあ、骨太の内容が、信奉者を呼んだというのはあるか。 でも、俺にとってのカルトムービーは、 「ロッキー・ホラーショー」「エル・トポ」「ファントム・オブ・パラダイス」 「イレイザーヘッド」「ピンク・フラミンゴ」のようなメジャーなカルト。 「エリザとエリック」「エンジェリックカンバセーション」「ケネスアンガー・マジックランタンサイクル」 みたいな、面白さはともかく、これから未知の世界を覗き込むような背徳的な感覚も懐かしいな。 最近腐るほどカルトムービー関係のムック本が出ているが、 メジャーな大作以外はなんでもカルト扱いだもんなあ。 なんでも見られるようになった時点でカルトムービーなんて 無くなったも同然じゃないの? 後、カルトムービーと封印作品を 混同する風潮も何か違う気がする。 アングラ、サブカルと同じだよ ネット社会で趣味趣向も細分化された時点で形骸化した この時代になっても最後までラベリングにしがみつくのはメディア関係者 怪作ならカルトってのも超適当じゃん 個人的には燃えよドラゴンやブレードランナーをカルトと言われた方がまだしっくり来る カルトは映画産業に組み込まれて完全にダメになった 公開前の新作を「これはカルトの傑作」とか銘打って売り出すとは世も末だ カルト・ムービーって誤解してたけど、風変わりな作風、マイナーな作品 だとばかり思っていたけど正確な定義は「作品そのものに対して熱狂的なファンを持つ映画」 と聞いて自分の無知を恥じた。 「風と共に去りぬ」や「ターミネーター2」も確かにカルト映画だったんだな。 自分のお気に入りのカルト映画は「ブッチャーボーイ」「マトリックス・シリーズ」「嫌われ松子の一生」 あたりだ。 ファンタズムってのはカルトに入るのかな? すんげ〜好きなんだけど… 完結編が出来る出来ないで一部では話題になってるようだけど、出来れば早く観たいな。 じゃないとトールマン死んじゃう。 >>10 その通り。どれがカルト映画かを決めるのは客であって、興行側ではない。 カルトの語義通り狂信的な支持者を獲得できるかは、公開してからでなければ分からない。 ディズニーやジブリの作品も、見方によってはカルト映画になりえる。 狭義の「カルト映画」は「少数の熱狂的な支持者が付いていて、世間的にあまり有名でない 作品」あたりになるんじゃないかな。 狂い咲きサンダーロードはカルトでコマンドーはカルトじゃないわけか >>14 今は一般的に忘れられてるからカルトの資格あり コマンドーだってシュワが死んで忘れられてしまえばカルト映画になれるかもしれない >>11 作品的には「傑作・名作」ではないけど、むちゃくちゃ好きというのがあるね。 そういう喜びがないと、映画ファンではいられない。 >>12 確かに。最近邦画でいかにも60年代カルトのムードで撮ったような 作品が出てるけど、狙って撮ったものをみてもなぁ VHSの時代が懐かしい。 「エリザとエリック」とか「アデラ/ニック・カーター プラハの対決」とか ロバート・アルトマンの「ポパイ」や「ロンググットバイ」はカルトに入るのかな 昔は両方とも評判とても悪かったのに、最近はそうでは無さそうなんで アルトマンは名前で誤魔化されてる部分がかなりあるような 気がするが。 そんなことはないでしょ どれも変で面白いしアルトマン映画 ただカルトかといわれるとどなにか違う気はする スターが出ているからだろうか しかも豪華に大勢 ポパイはともかくロンググッドバイは昔から一定の評価あったよ コレジャナイ感の激しさは実写版ブラックジャックと対を張る フィリップ・マーロー物でロング・グッドバイが一番しっくり感があるんだけど。 皆のマーロー人物像が違うって事かな。 人によってはボギーやケーリーグラント、ロバートディュバル(TVムービー)の方が 好まれるのかもしれない。 「自分が納得出来る原稿を渡したならば、奴らは私の小説を出版する事は絶対無かった筈だ」 (レイモンド・チャンドラー) 大多数はボギーだろうね ただ原作からはかなり端正なイメージを受け取れてしまうから やはりチャンドラーが言うようにグラントあたりが近いのかもしれん ツインピークスは? 2016年に続編があるみたいでかなり楽しみ。 原題はbig trouble in little china なのに 勝手にゴーストハンターズって邦題にされたけどとにかく面白い! クローネンバーグのビデオドローム リンチの砂の惑星 W.デヴィッドはカルト作品が多い気がする >>31 見たかったよね。 ダリやミック・ジャガーが出てさ。 ホドロフスキーが「エイリアン」以前にH.R.ギーガーに注目していたのも驚き。 「ブッチャーボーイ」ニール・ジョーダン監督 もう100回近く観た ニール・ジョーダン監督の最高作なのに上映禁止という皮肉 『殺しの分け前/ポイント・ブランク』よりも ボルヘスに目配せしている『パフォーマンス/青春の罠』の方が好み。 「屋敷女」ってフランス映画だからカルト視されて無いけどえぐいな ドイツとかフランスってやりきるところがすごいよね >>37 「ブッチャーボーイ」ニール・ジョーダン監督 ベルリン映画祭の金熊賞受賞だと思ったが、調べたら銀熊賞だった。 別にそんな事はどうでも良いが、欧米圏で大カルト映画なのに 日本で上映禁止された理由というのが、いかにも知性の低い、民度の低い 日本国の一般大衆への迎合という姿が垣間みれて、落ち込むわー 日本人って、そんなにバカばっかりじゃ無いだろ? ブッチャーボーイって見てみたいと思ったらDVDにすらなってないんだな。 ニール・ジョーダンってこんな評価だっけか。フィオナの海とか評価高かった気がするが・・・ ニール・ジョーダン監督が好きでカルト映画が好きな人は是非VHSの中古を 手に入れてみて欲しい。最高傑作で最大暴力で明るい音楽と爽やかな映像。 こんな映画は他には無いよ。しかも、最後まで見させてラストは小さな感動。 キリスト教国で上映禁止になった理由は統合失調症しか聖母マリアに出会えない カトリックの神父は小児性愛者という描写が理由で 日本で上映禁止になったのはサカキバラ事件が起こった直後だったから 主人公は両親と友達と聖母マリアを愛していたが、全ての人達に裏切られ 何も無くなってしまって、統合失調症になるんだけど、とにかく明るい映画。 殺人シーンも物凄く明るくてポップだ。 昔見て驚いたクライイングゲームがこの人の作品と知ったのはつい最近 で、少々評価が低くても見るようしてるが、今のところがっかりした事はない 「シルバー・グローブ/銀の惑星」 なんか凄い。何が言いたいのか全然わかんないんだけど最後まで惹きつけられるモノがあった。 「サマーキャンプ・インフェルノ」 検索しないで見ることを強く勧める。絶対楽しめないから。でも国内のビデオじゃ意味ないか... ザ・シネマで『愛すれど心さびしく』放送したな。 ようやく観られたわ、胸熱・・・ ジョン・ウォーターズって2の映画関連では人気ないのかな 『ピンク・フラミンゴ』は新盤出る度に購入してるのだけど 他の古い作品は再販なしでプレミアついて買えない 1.非常に熱狂的なファンがいるけど、一般には浸透していない(映画) 2.中二病罹患者が「これ観てたら周囲と違う俺」演出出来ると思い込んでいる作品(映画) 基本的にカルト映画の定義は1。2は、映画秘宝の柳下が茶化して言ったネタ 例を出すならVHSビデオレンタル全盛期にソフト化されているのになかなかDVD化されてない作品 一度はDVD化されたけど、その後絶版または廃盤で再販売されなくてプレ値ついてる作品 補足あればよろしく ピーターグリーナウェイとか、80年代には一世風靡したんだけどなぁ。 今や聞かないね。 「フォービディン・ゾーン」って知ってる? ニコラス・ローグもひとりよがりなところがあってそこが評価を分けるが ストーリーよりも映像表現に凝るタイプの人なので、見ていておいしい。 「美しき冒険旅行」と「赤い影」「ジェラシー」の3本の評価が高いが、 「ジェラシー」はキース・ジャレットのケルンがサントラに使われていて うれしい反面、ちょっとズルい気がする。 ミッドナイト・カルトの傑作『イレイザー・ヘッド』。これはD.リンチの映画というより絵画集。 >>55 有名な話だが、リンチ自身だと思うが「妊婦は此の映画を観ないように」と警告した。 確かに初めて観たひとはシヨックだろう。映画館で流産でもされたら大いに迷惑だろう。 >>52 「赤い影」はジュリー・クリスティの、「ジェラシー」はテレサ・ラッセルのヌードを 拝めるのが魅力。もちろんそれだけの映画ではないけれど。 >>55 あの奇形の赤子が出てきて目をそらしたくなったが何故かスクショをたくさん撮りたくなるような映画だったわ リンチの「大きな魚をつかまえよう」をよむと、本当にポジティブでイイ人って感じなんだよな。 瞑想とかスピリチュアルな話が多く、普通の人じゃないって気はするけど。 ホドロフスキーが、リンチがDUNEの監督に抜擢されたと聞いて「私よりDUNEを素晴らしく撮れる唯一の存在!」と 絶望したとか。 ホントに「空前のカルトムーヴィー完成!」とか銘打ったチラシを見ると、 それ、違うだろ? ってなるよね。 あとカルト映画しか観ない人っていうのもどうかと思う。 とりあえず一通りのジャンルの映画は観てくれと。 >>60 このスレはカルト専門だからよ。映画は己が好きなものを観てればいいのさ。 なにも映画の先生になるわけでもあるまいし。 リンチと言えば「ツインピーマス」が一時バカ流行ったな。 WOWOW開局の目玉番組だった。 でもはじめからカルトっぽさを狙ったとり方はどうだろうなとは思う。 なんかあるよね、ガロ読みすぎみたいな。 作家性が高じて難解になったり、製作状況から意図せずストレンジになったものは面白い。 >>62 リンチの『イレイザー・ヘッド』は、リンチによる、リンチのためだけの映画なんだな。 初めから観客や批評家どもの理解など眼中にはない。 そういう意味では純粋な・・・つまり商用向きではない・・・映画と言える。 リンチの青春そのものの映画と言えるだろう。 >>61 でも普通の映画も観ていないと、どの辺が「カルト」なのかよく理解できんだろ。 審美的な画面の連続で物語を作る作品といえば、 デヴィッド・リンチの「イレイザーヘッド」 セルゲイ・パラジャーノフの「ざくろの色」 アンドレイ・タルコフスキーの「鏡」 ヤン・シュヴァンクマイエルの「アリス」 モノクロ映画で公開時酷評だったのが、いつのまにかカルトにってのも多い >>64 べつに俺はここで「カルト」論をやる気はないが、ちょっただけ。 >どの辺が「カルト」なのかよく理解できんだろ ↑そんな「理解」なんか不要だよ。自分が熱狂的に気に入った映画が、即ち、 己のカルト映画だと思えばいいだけの話。他人様の「批評・批判・評判」など どうでもいいことなんだよ。 >>65 の「鏡」も俺のカルト映画だな。 そりゃ勝手だが、自分はカルト映画しか観ない人は映画ファンとは看做しませんね。 単なるキワモノ好きだろう。 >>68 単なるキワモノ好き キワモノの意味が分かって使っているのか? キワモノ(際物)とは @ ある時季のまぎわにだけ売れる品物。 正月の羽子板、3月のひな人形、5月の鯉のぼりなど。「際物商い」 A 一時的な流行をあてこんで作った商品。 B 演劇・映画・演芸・小説などで、実際にあった事件や流行を ただちに取り入れて題材としたもの。「際物小説」 映画だと、 @に該当するのは、真夏の納涼怪談、年末の忠臣蔵、盆暮れの寅さんなど。 Aに該当するのは、「荒野の用心棒」のヒットに便乗して量産されたマカロニウエスタン 「大空港」と「ポセイドン・アドベンチャー」のヒットに便乗して製作された一連のパニック映画 「燃えよドラゴン」のヒットに便乗して量産されたカンフー・空手映画 「エクソシスト」のヒットに便乗して製作された一連のオカルト映画 「グレート・ハンティング」のヒットに便乗して製作された一連の残酷ドキュメントなど。 Bに該当するのは、「青春の殺人者」「戦後猟奇犯罪史」「実録三億円事件 時効成立 」 「TATTOO<刺青>あり」「顔」「冷たい熱帯魚」など。 カルト映画しか見ない人なんかいないだろ ただ、パッチアダムスみたいな映画ばかり見るのもけっこう品行方正を無言で強要されるようで、 案外疲れるもんだよ。たまにカルトを見て逸脱した感覚に身をゆだねるのも健康的。 トミー観よう 昔、自分が好きで買ったDVD作品が 発掘良品と銘打って出回ったのを見て 「別にミニシアター系とかマイナー好きってわけではないんだけどな」 と複雑な気分になった 世界中に膨大にある作品群の中から自分好みの映画を見つけるには、 ジャンルってものは重要で、カルト映画なんてジャンルがあれば便利だと思う。 そんなジャンルばかり好む映画ファンがいたって別に何の問題もないんじゃないかな。 また、「エル・トポ」みたいにTSUTAYAでウエスタンのコーナーにあると違和感を感じるけど、 じゃあどのジャンルならいいのか?と迷ってしまう作品もカルト映画のコーナーにあれば納得出来そう。 ただし、アート、ミッドナイトムービー、グラインドハウス等、色々と巻き込んでいて厄介だ。 特に、お勧めのカルト映画を教えて下さい、という漠然とした質問には答えようがないし。 「悪魔のいけにえ」が好きな奴に、俺にとってのカルトといって「田舎の日曜日」を勧めても多分楽しんでもらえないだろうな。 それが居るんですな。 自分の周囲のハナシですがね。 映画なんか全く興味なかったくせに突然「カルト映画」に目覚めてしまった サブカルっ子が。 カルト映画を否定しているんじゃないよ。 でも、あんた映画の何を分かっているの? と突っ込みたくはなる。 独善的とまでは言わないがやや排他的なレスだなあ 余裕がない感じ >>72 >カルト映画なんてジャンルがあれば便利 どんなジャンルの映画でもカルトになってしまう作品は出てくる。既存のあらゆるジャンルを 横断してるのがカルト映画のあり方なんだよ。 君は「この映画がカルトだ」と誰かが分類してくれるのを口を開けて待ってる人間ではないように 見えるんだが…。 おおげさに言えば、カルトかそうでないかは観客の見方で決まる。他人の評価なんて糞くらえだ。 >>73 近年だと「ムカデ人間」にやたらと興味を持つ&高評価だすお子様ですな >>23 『ツインピークス』ね。これは先に書いたと思ったが、WOWOWの開局の目玉番組としての宣伝だった。 当時、このシリーズは米国の若者たちに熱狂的に支持されていて、WOWOWは其れをねらったんだな。 (ちなみにNHK BS開局の目玉はワーグナーの『ニーベルンゲンの指輪』だったかな。) 俺も乗せられたクチで、即、WOWOWと契約したものさ。ところが放送直後は日本では話題にならなかった。 しかし徐々に人気が出始め、そうなると日本人にありがちな「右にならえ」で、 俺も、俺もと大騒ぎになりだしたのが実情さ。まぁ、物語自体、面白かったからね。 *** ところで2016年といえば今年だが、続編やるのかね。WOWOWかい。 どうせ、柳の下のドジョウを狙っているんだろうが、当方は、WOWOW解約しちまったから観られない。 リンチにはツインピークスよりも普通の映画とってほしいな 近年カルト化してるのはマッドマックスだろう なんか立川のシネコンが聖地化して、巡礼のファンが遠くから来ているらしい 映画自体の感覚はストレンジではないから、ロックコンサート的なのり? 正直俺も立川で評判に釣られていったけど、単調で好きになれなかったな ムカデ人間とかは狙った感じだね 上の人にならって自分なりのカルトムービーの種類を書いてみる。 戯れなのでまじめに受け取らないでくれw @作家性が高じて独特の個性がある。したがって、癖の強いファンがつく (ホドロフスキー、デヴィッドリンチ) A十分な大衆性があるが、その中でも一部のファンが先鋭化している (マッドマックスフューリーロード、スターウォーズシリーズ) B糞過ぎて、そのレア感から伝説になる (ホラー食っちまったダ!エドウッド) Cはじめから狙っていて、サブカルファンをまとにしている (ムカデ人間) こんな感じかな。このスレの人はどれのファンだろうか >>80 俺は@だな。 *** 昔、邦画だが『鉄男』ってのがあったな。俺は観てないけど。 Wikiでみるとカフカの『変身』みたいなものかな。 *** オーソン・ウエルズの作品などはカルト的と言えるかも。 『審判』は俺は観てるはずだが、もう一度観たい映画の一つ。 >一部のファンが先鋭化している スターウォーズよりもスタートレックを例に出した方がわかりやすいと思う ドキュメント映画もあるし 普通の映画をあまり観ていないから、ホドロフスキースレで 「ホドロフスキーはパラジャーノフのパクリ!失望した!」なんて輩が湧いて来る ワケで。 視野が狭過ぎる。 リンチはもう大した映画は撮れないだろう。 本人が創造力の枯渇を訴えているんだから。 >>52 遅いレスになるけど、「ジェラシー」は、 ・撮影中に監督のローグとテレサ・ラッセルが恋中になって結婚 ・主演のガーファンクルの私生活での恋人が撮影中にアメリカで自殺(薬物) などの撮影周辺の話題も色々あるよね。 >>85 逆じゃないかな 普通?の映画ばかり見てるから、両者を「異質」ってキーワードでくくっちゃってるとか。 そういう人はタルコフスキーとアンゲロプスを「長まわし」でくくっちゃうかも。 ピンク・フラミンゴとソドムの市をうんこ映画でくくっちゃっていいですか? パゾリーニとディヴァインは仲の良い友達になれると思うが カルト好きだけどソドムの市だけは無理だった。 パゾリーニ、どんな意図であれとったの? サディズムとファシズムが、まさにこの映画の中で直接結びついている。 まず『ソドムの120日』は、かのスキャンダラスな公爵サドの傑作でわけても 残虐行為の集大成とでもいうべきものだが、パゾリーニはここから骨組みと 台詞を借りている。一方サローという町は、第二次世界大戦末期に窮地に 陥っていたムッソリーニがヒトラーの命を受けて作った傀儡「社会」共和国 の悲しい首都となっていたところである。勿論パゾリーニの意図としては、 この文脈はいくらでもパラダイム変換可能な、形式上の枠に過ぎない。 彼はここから観客一人一人にごく日常的なレベルで即関わってくる、また 別の形の「ファシズム」との対応関係を明らかにしようとしているのである。 そもそも歴史的事実の参照は最小限にとどめられ、幾つかの故意に時代を無視 した部分(バルト、ブランジョ、クロソウスキーからの一連の引用のような) が、巧みにこの映画の持つ哲学的射程を広げている。 事実、作者の狙いは何よりも、権力の「アナーキー」でこの上なく「専横な」 本質と人をモノしようとする操作の、権力の合法化を暴くことにあった。 パゾリーニの発言 (『ソドムの市』は)搾取する側と搾取される側との関係(.....)が象徴する 性的隠喩として構想されたものです。ファシズムもサディズムも、人間をモノ に変えてしまうことを特性としている。その相似性がこの映画のイデオロギー 的基盤です。ある一個人が別の一個人の全面的な屈従によって享受する快楽 (......)はまさに資本主義体制下の経営者と労働者の関係を現しているのです。 サドが「神」と言っているところに、わたしは「権力」を当てはめたのです。 サドの思考への暴力に対抗し、わたしは肉体への暴力に抵抗する。実際は正確に 言えば<歴史>全体を通していろんな形の権力(宗教的なものであれ、封建的な ものであれ)に搾取されてきたのは常に肉体でした。しかし、現在わたしたちは この図式を立派に補完してしまったと言っていいでしょう。搾取されているのは 今や思考も肉体も両方になったという意味でね。消費主義がもたらす見せ掛けの 解放感は、わたしたちに突然、昔のタブーを犯す許可が与えられたことから来て います。しかしこれは昔よりも強い抑圧と同じことなのです。なぜなら『ソドム の市』のある登場人物が言っているように、「何も許されていない社会では、ど んなことだってすることができる。ところが特定の何かが公認された社会では、 特にその何かだけしか実現してはいかんとうことになる」からです。 『パゾリーニ あるいは<野蛮>の神話』ファビン・S・ジェラール著 内村瑠美子/藤井恭子 共訳 青弓社 1986年 より。 この本にはもっと細かいことまで書いてあるから、パゾリーニの意図を理解した 上で観たいという人にはお勧めです。 ヤフオクで3000円くらいで入手できます。 なんとなく理解できたような気がするが、哲学的にはそうかと思っても、 映像的なショックはもう見る気がしない 今で言えば「ファニーゲーム」とかが当てはまりそうな気がするが、 粗筋だけで大打撃だった read.cgi ver 07.5.0 2024/04/24 Walang Kapalit ★ | Donguri System Team 5ちゃんねる