犯人は嫉妬の罪でブラピに殺される訳だが、そうすると大罪を犯した為に
罰を受けた者の中に自分も収まってしまう訳で、最後に残った憤怒の罪を
犯したブラピが受ける罰は? 嫁さん(と産まれてくる子供)の死ですか?
嫁さんを失ったのは七つ目の大罪を犯してしまう動機であって、大罪を
犯した者が受けるべき罰を、犯す前に受けてしまうのがこの作品の弱点。

無抵抗の犯人を撃とうとするブラピに「やめろ!」と銃を向けるモーガン、
ブラピが撃った瞬間、モーガンも撃てばブラピは罰を受けたことになるが、
これじゃ一番安易な終わらせ方だし、陳腐だよな。

捜査担当の刑事に大罪を犯させるのが犯人の目的だという解釈もあろうが、
ほかの被害者は犯人によって強欲にされたり高慢になったりした訳ではない
者もいるし、犯罪を実行にうつした一年前からブラピが捜査に加わることを
予測出来る筈も無いし、計画は緻密なようで一貫性がなく穴だらけだ。

にしても、折角モーガン・フリーマンにあと一週間で無事定年という設定を
持ってきているのだから、ブラピを助ける為に彼が最後の大罪を犯さざる
を得なくなるような、そんな救いのないラストが観たかった。