泣ける映画というか社会学的に恐い映画だ
先ず数の論理で馬鹿な人間から皆んな一緒主義的な安易な誤謬から投獄される。
刑務所という帰属社会の中で多くの人物は、適応を決めつける
主人公と勉学への情熱を見せていた若者以外は。
そんな主人公や帰属社会への屈服する人間を観察するモーガンフリーマン。彼もまた
帰属社会での諦めと釈然としない実存に内心悩んではいた。観客を代表する登場人物だった。
大衆統制の中で抑圧された人間が実存の為に立ち上がる人間としての強さを目の当たりにすると、そこに新たな解を認める。
自殺した元図書館管理者、同性愛に落ちていった人間の尊厳を無くしてしまった人々
ささやかなギャンブルに興じ実存の問題から現実逃避する人々。
そして長い受刑者生活から一般社会適応への乖離。
これらは映画ではあっても同じような構造は私達の生活環境にも存在している。
そんな怖さが観客の心に響いたのでは無いかな?
話の内容より、その設定・舞台装置が私達が生きている舞台装置と相似形として突き刺さる。