>>33
マイノリティを描くことは、かなり重要なポイントだったと思います。
もちろん「鹿狩りをする若者」なんて括りではなく「ロシア系移民」ということで。
彼らがいるのは田舎町の小さなロシア移民コミュニティで、移民ならではの結婚式をしてロシア民謡を楽しみます。
自分が住んでいる国と自分のルーツの国がアジアで起こした代理戦争に、アメリカ人として出征しなければならなかった立場。
それが最後にロシア民謡ではなく「アメリカに祝福あれ」と歌わなければならなかったシーンの深みを増していると思うのです。

タカ派や右翼が喜ぶ要素は一つもありませんと書かれていますが、それはどうでしょう。
実際にこの映画はタカ派や右翼に喜ばれ絶賛されました。
戦争終結後、リバラルを中心に「参戦するべきではなかった。我々は加害者だった。戦争を反省しよう」という風潮が巻き起こっていました。
そんな時に公開され、右翼の「参戦した我々だって被害者なんだ。ベトナム人が悪いんだ」という主張と合致した部分があったからです。
当時、アメリカの観客はデ・ニーロがベトコンを倒したとき映画館のなかで猛烈な拍手をして
この映画の社会的機能は「ヴェトナムでの誤ち」をうやむやにする作用を果たしていたなどと書かれています。
そんな状況は、果たしてチミノ本人が望んでいたことなのかどうか?は別にして。

>>34
去年発売されたフランス版、スペイン版と同じ仕様なんだろうと思います。
あれも日本語吹替えは入っていなかったけれど、日本語字幕が入っていましたからね。