以前この映画を見てから、もう10年以上経っていて、うろ覚えだったから改めて映画を見てみた。
前スレで妙に感動的で分かりやすい解釈をしていた252、253、254に少し勘違いがあったことが分かった。
ニックはスティーブンを見捨てろとかマイケルに2人で逃げようとは言っていない。おそらく原語でも。
マイケルの「もう俺達だけだ」というセリフはあった。それに対してニックが「スティーブンは?」と聞いて
マイケルは「もう駄目だ。もたない」と言う。それに対してニックは「なぜ分かる?」と問い質したほど。
この会話の後にマイケルが脱出計画を話す。例の弾を3発に増やしてRRをやるってやつ。
脱出後、ニックが最初にヘリに乗り込んで一人だけ助かってしまうので、それなりの罪悪感は
あったかもしれないが、スティーブンを裏切った罪悪感から帰るに帰れなくてカネを送っていた、
という解釈には釈然としない。というよりも間違っていたと思う。

ニックが夜のサイゴンの街をうろついているとピストルの発砲音が聞こえてくる。
その音に近付いて行くと、男が庭に頭から血を流した死体を運び出していた。死体は3体あった。
その横に止めてあった白いオープンカーに座っていた男がニックに声を掛ける。
仲介者「驚いたかね」
ニック「中で賭け事を?」
仲介者「大金が動く。自分ではやれないが、私は常に何と言うか、変わった事、珍しい物を捜しているのでね」
死体を見るニック。
仲介者「シャンペンを」グラスを差し出すが断られ「シャンペンを断るのは人生を拒否する事だ」
再び死体を見るニック。
仲介者「前に見た?」
ニック「北で」
仲介者「なるほど」
ニック「失礼」と言って去ろうとする。
仲介者「入りなさい。是非。戦争をやってて何が怖い?戦争はお笑いだ。愚かしい」
ニック「国へ帰る」と言いながら差し出されたグラスを払いのける。
仲介者「勝負師にはアメリカドルの現金払いだ。ドイツマルクでもスイスフランでも好きなようにする。何でも世話する」
ニック「相手が違う」
仲介者「入りなさい」
ニック「よせ」と言って手を払いのける。
仲介者「いいから」と言ってニックを賭博場に引っ張り込んでしまう。

一人の勝負師が引き金を引いた姿を見たニックは、勝負師からピストルを取り上げて、対戦相手にピストルを押し当てて
引き金を引き、更に自分もロシアンルーレットをして、賭博場から逃げ出す。賭博場にはマイケルもいたがニックは気付かなかった。
ニックを追う仲介者とマイケルだったが、仲介者の車が先にニックに追いついて、ニックを乗せて走り去ってしまう。
車の中で前金なのか、札束をニックに手渡す仲介者。その札束をニックは躊躇わずに放り投げた。
ひらひらと舞い落ちてくる紙幣にベトナム人たちが群がった。