http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-36467396
「アマデウス」などの英劇作家サー・ピーター・シェーファー死去 90歳
2016年06月7日

「アマデウス」や「エクウス」などで知られる英国の劇作家、サー・ピーター・シェーファーが
6日、訪問先のアイルランドで死去した。めいのクレシダさんに看取られ、代理人が発表した。90歳だった。

「アマデウス」と「エクウス」の両方で米トニー賞を受賞したほか、「ブラック・コメディ」、「レティスとラベッジ」、
「五指練習」など人気作を次々と発表し、時代を代表する劇作家のひとりとなった。

「アマデウス」と「エクウス」は映画化もされた。
馬の目を次々とつぶした少年を題材にした「エクウス」は、1977年に脚色賞を含むアカデミー賞3部門で候補になった。

作曲家モーツァルトと作曲家サリエリの確執を描いた「アマデウス」は、
1985年にアカデミー賞11部門で候補となり、作品賞や脚色賞など8部門で受賞した。

多くの作品は英ナショナル・シアターで初演された。
現在のルーファス・ノリス芸術監督は「(サー・ピーターと)実に豊かで創造的な関係を築いたのは、
ナショナル・シアターにとって非常に幸運なことだった。
残してくれた戯曲の数々は、いつまでも残る貴重な遺産だ」と、その功績を称えた。

「アマデウス」の舞台と映画の両方、ならびに「エクウス」にも出演した俳優サイモン・カロウさんは、
どうすれば観客を魅了できるか熟知している職人肌の戯曲家だったと、サー・ピーターをしのんだ。

「(サリエリ役の)ポール・スコフィールドとフェリシティ・ケンドルと自分が舞台で
『アマデウス』をやっていたあの2年間は、死ぬまで絶対に忘れない」とカロウさんは言う。
「観客は毎回必ず夢中だった。例外はなかった。
ピーターの純粋で本能的な、天賦の演劇的才能のおかげだった」。