>>51
差別するわけではないが、女流監督の名画、と言ったらこれしか思い浮かばないぐらいの影響を受けた。
ナチという道具立て無くして作れない映画であるのは確かだが、それは単なる記号に過ぎなかったりもする。
政治的意味も歴史的意味もない。あの黒い制服は状況と作用を象徴する触媒だ。
心理劇であるように見えて、実は執拗な状況描写に徹した事こそがこの映画の毒。
運命論的と言うより数学的ですらある。ノヴェライズも存在するが、この力は映画でしか成立し得ない。
これ程に観る者の人生を狂わせる映画は、タクシー・ドライバーと愛の嵐だけだろう。