高画質のビスタビジョンは、撮影フィルム代が2倍かかり、上映プリントは35mmの為、
画質は良いけれど、費用がかかるほどの大きな効果が得られず、安価なシネスコほどには
普及しなかった。
「十戒」がビスタビジョンを採用したのは、何重もの合成をするため、出来るだけ劣化の少ない
高画質のネガとして。
やがて 70mm映写機が全米の劇場に普及し、「ベンハー」の頃には日本中の都市にも、
70mm上映館が普及していった。 ビスタビジョンカメラは廃品寸前。
そこでビスタビジョンカメラの再利用として、同カメラにアナモフィックレンズを付けて撮影し、
70mmにプリントする方式が考えられ、スーパーテクニラマ方式70mm映画として、数多く作られた。
チャールトン・ヘストンの「エル・シド」「北京の55日」等がこの方式。

つまり、その時点では、高画質を十全に発揮したけど、すぐに 70mmに抜かれた。