芸術新聞社の「70年代アメリカ映画100」って本が売っていたので、連休中の暇潰しに
丁度いいかと買ってきたが、読んでいて何やら既視感に襲われた。
むか〜し買ったフィルムアート社の「70年代アメリカン・シネマ103」にそっくりだったからだ。
そりゃ70年代のアメリカ映画から主要作を100本に絞って選ぶとなると大半が被ってしまう
のはやむを得ないが、被ってる作品の紹介スチールが、ほとんど同じ写真なのである。

後者との主な違いは、70年代に劇場未公開だった作品がDVD等で観られるようになった為、
日本の輸入選定の偏り具合の象徴として別項で取り上げられていたジョン・カサヴェテスの
作品やスウィート・スウィートバック、ピンク・フラミンゴなどのカルトムービーなどが普通に
選ばれている点と、パニック映画ブームを大空港やタワーリング・インフェルノを省いて、
ポセイドン・アドベンチャー1本に代表させている点、同様に20年から50年代に材を取った
懐古調映画ブームも、おもいでの夏、追憶、スティング、フロント・ページなどは除外されている。
また、広義のミュージカル、エルビス・オン・ステージ、屋根の上のバイオリン弾き、ジーザス・
クライスト・スーパースター、ザッツ・エンタテインメント、ウイズなども除外。
70年代後半の女性映画ブームも、愛と喝采の日々、グッバイガールの代りに、ミスター・グッド
バーを探してが入選といった具合。

映画としては完成度が高くなくとも、クンフーブームやブラックスプロイテーションなどにそって
70年代を象徴する選定基準に則した選択が両者ともなされているが、ネットワークやアニマル
ハウス、ウォリアーズあたりは今回は入れなくてもよかったような・・・(^^)

また新規のデニス・ホッパーのラストムービー、ラス・メイヤーのワイルドパーティー、リンチの
イレイザーヘッド、フィリップ・カウフマンのワンダラーズといった選択もビミョ〜ですな・・・。