むかーし見て随分記憶も曖昧なんだが、はじめて演出で泣かされた映画だったな

確か、線路に置き去りにされた赤ん坊が大人になってから母親をやっと見つけたら
どこかの施設にいて、しかも痴呆が進んでる状態
医師が「多分あなたと認識出来ないけれど、それでも会いますか?」と言われて
それでも会いに行くシーン

ロングショットで庭の中央にあるベンチの背が写っていて、母親が向こう向きで
頼りなげに座っている
そこに画面端から現れた息子が恐る恐る近寄り、しばらく逡巡したのちに隣に座る
しばらく二言三言何か話し掛けるが母親は無反応
やがて耐えられなくなって息子はベンチを離れフレームアウト
しばしの間の後、今度は意を決した足取りで息子が戻ってきて隣に座り
黙って優しく肩を抱く

この間ロングだから会話も聞こえなければ背後だから表情もわからない
でもここでダダ泣きしてしまった
アップ無し、音声無し、演出だけでここまで心揺さぶられるもんなんだと
驚かされたのを強く覚えてる