いや、原作に忠実じゃないからダメってんじゃなくて(そもそも原作読んでないし)、
原作を、映画の素材としてうまく料理(整理)仕切れなかった結果として、
失敗作になっちゃったんじゃないかって思ったのよ。

この映画、エピソードやキャラの出し入れが唐突で中途半端で、
ドラマとしての大きなうねりとか、有機的な繋がりが不足してんだよね。
そのバラバラな細部を、あのラストで何とか纏まってるような体裁に取り繕りはしたが。
それはリーンとボルトが高名な原作に引きずり回されて
そのエッセンスをうまく「映像化」することが出来なかったからじゃないかと。

メイキングにあったエピソードが良い例なんだが、当時の批評家の
革命家のパーシャの扱いが中途半端じゃみたいな批判に対して、
リーンは確か、原作がそうなっているから、と答えているんだよね(ウロ覚え)。
これは映像作家の言葉じゃないだろうと思うわけです。