ジェルソミーナが道端にしゃがんでいるときに、どこからともなくやってくる
3人組の演奏隊はおかしかったな。あの時代のイタリアでは、ああいうのが
日常だったのだろうか。8 1/2 にも出てくるけど、ああいう、ちょっと可笑しな
キャラクターや海の場面などをシンボリックに見せるところがとても良い。
リアリティのみを追求してしまったら、全く別の映画になっただろう。例えば
ロッセリーニが撮っていたらもっと別のエゲツない「道」になっていていたかもしれない。
現代の別の作家が作っても、ああはならないだろうし、題材を社会問題として
捕らえたりとかして、変に説教臭いものになってしまうかもしれない。