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【小説】スナック眞緒物語【けやき坂応援】
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0001名無しって、書けない?(東京都)
垢版 |
2019/01/26(土) 22:18:19.64ID:xbJzQvgN0
宮田愛萌さんのブログや「ひらがな推し」やでネタにされている架空空間「スナック眞緒」を舞台とした小説のスレです。

なお、「ひらがな推し」や宮田ブログでの「スナック真緒」での井口真緒さんと宮田愛萌さんはひらがなメンバーとは別人格という設定ですが、
ここではひらがなメンバーであるのかないのかというのは曖昧にします。
タイトルと冒頭と末尾の文は、宮田愛萌さんがブログで書いているのをテンプレとして使いました。
原案や参照にしたものがある場合には、その小説が完了したとき必ず明記します。
0147名無しって、書けない?(東京都)
垢版 |
2019/02/26(火) 22:08:05.29ID:JZ83XY7g0
本物(その1)
プロカメラマンの芥屋四十六(けや よそむ)の家を守屋茜が訪ねてきた。
彼女は仙台市の出身で、彼女の父親は宮城県で所得者番付の常連に毎年入っていた。
つまり、茜は正真正銘のお嬢様だったのである。その容貌も正統派美女であった。
ところが、彼女の父親は事業に失敗し、財産の全てを失うどころか、多額の借金を背負うことになった。
彼女は写真のモデルで報酬を得るため恥を忍んで申し出に来たのだった。
自分の強みが育ちの良さと美貌であることを十分に知っている茜はファッションモデルとして相応の自信を持っていた。
実際に衣装や立ち居振る舞いも皮相的でなく、自尊心にもあふれていた。
茜の類型はすでに手にしていて必要もないかとも思ったが、その素朴な「本物」ぷりを芥屋は気に入り、雇うことにした。(続く)
0148名無しって、書けない?(東京都)
垢版 |
2019/02/27(水) 21:01:38.68ID:uUicT5Pz0
本物(その2)
上村莉菜という女性モデルをすでに芥屋は雇っていた。
茜は莉菜を見て勝ち誇ったように芥屋に言った。
「まあ、たしかに可愛いっちゃ可愛いですけど、背が低いし、目が離れすぎているのは致命的だわ」
美をアピールするのなら正統派のほう自分のほうが気に入ってもらえるというように自信たっぷりの高笑いをした。
しかし、莉菜はひとたび写真に写ると、かくも可愛らしいのかと誰をもうならせた。
一流のワインの香りを一つずつ抽出すると、ほとんどは香しい匂いだが、中にはとても嫌な臭いもある。
しかし、その嫌な臭いが香全体に立体感と奥深さをもたらし、より一層おいしくなる。
目が離れているという莉菜の欠陥はまさにそのようなものであり、その欠陥のためかえって奥深い美を醸し出した。
妖精、貴婦人、ギャルまでなんでもなれた。
莉菜が中世ヨーロッパの王女役をやると聞いて、「あっはっはっは、そうなの?」と茜は冷笑した。
自分のほうが適任だと思って安堵したわけである。
茜を撮った写真は間違いなく「本物」だった。だが、いつも同じものだった。
多彩さの変化の幅を重視し、本質を照らし出すちょっとした細部を重視する芥屋にはそこが耐えられなかった。(続く)
0149名無しって、書けない?(東京都)
垢版 |
2019/02/28(木) 22:03:23.89ID:03DcMG6x0
本物(その3)
ある日、山形から東京にお登りしてきた家出娘の長沢菜々香がモデルとして使ってほしいと芥屋の元に訪ねてきた。
追い返そうとしたが、その独特の雰囲気はモデルに適していると芥屋は見抜き、雑用することを兼ねて雇用することにした。
菜々香の写真を見て、「ふっふっふっふ」と勝ち誇ったように茜は鼻で笑った。
庶民が無理やり上流の人間を演じているように見えたからである。
しかし、典型的な上流の人間にしか見えないのが茜の欠点であることに芥屋は気付いていた。
いろんな上流の人間のキャラクターを再現しようとしてもいつも同じようなものしか撮れない。
これまで的確に論評してくれた親友のカメラマンが帰国して、芥屋の最近の写真を見て酷評した。
しかし、何が悪いのかという原因は彼にもわからなかった。(続く)
0150名無しって、書けない?(東京都)
垢版 |
2019/03/01(金) 22:29:26.71ID:kl2sGtmS0
本物(その4)
菜々香をモデルにして写真を撮っていたときのことだった。
用もないのに茜がやって来た。
お茶とケーキを望んでいる様子だった。
乗りに乗っている状態だったので、菜々香に雑用させるわけにもいかなかった。
そこで、よかったらケーキを買いに行って、お茶を入れてくれないかと茜に頼んだ。
何でこの私がそんなことをしなくちゃいけないの?といったびっくりした顔を茜はした。
だが、屈辱に塗れながらも、茜は頼みを聞いてくれた。
その代償に茜のために何かをしてあげなければという気持ちに芥屋はなった。
しかし、茜をモデルとして写真を撮るのは芥屋にはもう無理だった。
芥屋は解雇を告げた。
もう二度と会うこともないだろうと思ったが、意に反し、茜はフォトスタジオに戻ってきた。
自分の挫折は受け入れたが、運命までは受け入れられず、雑用係としての雇用を望んでいた。
本物でない者に較べて本物のほうが価値が低いという倒錯した残酷な掟を前にして、
呆然と頭を垂れはしても、飢え死にはしたくなかったのだ。
お嬢様の茜を雑用係に転落させることには忍びず、芥屋はまとまった金を彼女に与え立ち去らせた。
茜のせいで、写真の仕事は危機に瀕し、芸術家の霊感も失うところだった。
しかし、何か特別な思い出が芥屋には残った。(了)
0151名無しって、書けない?(東京都)
垢版 |
2019/03/02(土) 23:14:37.93ID:CKtR0fQD0
本物(後書き)
原案はヘンリー・ジェイムズ「本物」
(たしか全集には収録されていなかったので、「アメリカン・マスターピース古典編」に収録されているもので読んだ。)
一人称主語を三人称主語に変えたり、画家をカメラマンに変えたり、
原作よりも主人公(=守屋)を戯画化して、その勘違いっぷりをどこか憎めない可愛いらしいという感じに変えたりはしたが、
オリジナルの部分は殆どなく、9割くらいはパクった。


上村の美を一流ワインの香りに譬えたところは、NHK Eテレ「サイアンスZERO」のワインを取り上げた回を参照にした。
0152名無しって、書けない?(東京都)
垢版 |
2019/03/02(土) 23:21:41.30ID:CKtR0fQD0
読んでくれた人は、守屋のアンチが書いたと思ったかもしれないが、そうではない。
デビュー前から今まで一貫して守屋は推している。
以前よりは差は縮まったが、今でも握手会での人気は上村>守屋、長沢>守屋である。
上村と長沢は、守屋と同等かそれ以上に押しているので、その人気の理由も十分に分かっているつもりである。
しかし、守屋は間違いなく正統派の美人であり、握手会でのその過小評価が気になっている。
長濱がまだいなかったときには、守屋がビジュアルNO.1と個人的には思っていたので、
ビジュアル以外の要素も大きいのも分かっているが、握手人気がいまだに爆発しないことを不思議に思っている。
その不思議さを表現したくて、ほぼパクリではあるが、書いてみた。
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