>>393
遂に私の余命もあと一月ばかりと相成りました。
 誕生日は一月だけど、どうやら年は越せそうにありません。
 名前を呼ばれて以来、なかなか現実を受け入れる事が辛ろう御座います。
然し守屋中尉は、私の心の負担を少しでも分担出来るように、いつも傍にいてくれています。
 私は大変恵まれております。
 
 父さん母さん。
 貧しいながらも健やかに育ててくれてありがとう。父さんが紹介してくれた染色工場から逃げ出していなければ死なずに済んだと今にして思うけれど、でもそうすると守屋中尉には出会えなかったでしょう。