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【物語】欅坂46orけやき坂46の小説 ★5【エロも可】

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0001名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2018/11/08(木) 22:16:34.51ID:Amy8GQE7d
素人レベルからでも投稿できる小説スレです 
ただし投稿作品に対するすべての中傷は禁止です 

投稿者は多大な時間と労力をかけて 
作品を投稿していますのでご協力をよろしくお願いします 

この度小説スレと原案ありスレを統合しました 

以下は原案ありの簡単な説明です 

インスパイア、オマージュ、パロディ、パクリ、何でも結構です。 
その原案も小説、戯曲、映画、テレビドラマ、マンガ以外にも、ルポルタージュやテレビのドキュメンタリーとかでもかまいません。 
テーマだけでもOK、冒頭だけでもOKです。 
少しでもかすったから原案ありだと書いた当人が主張するのなら、そう見なしてあげましょう。
「『パクった』と言ってるけどさ、全然パクってなく、それはお前のオリジナルじゃん」という非難はやめましょう。 

あとは作家さん各々の良心に従い思うままに書いてください 

最後に、このスレの投稿される作品はすべてフィクションであり 
実在する人物や団体や建物等との関係は一切ありません 
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0002名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2018/11/08(木) 22:17:07.39ID:Amy8GQE7d
げっ、6にしてない
0003名無しって、書けない?(玉音放送)
垢版 |
2018/11/08(木) 22:23:26.91ID:i9skqVD00
1002 1002 1970/01/01 09:00:00
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0004名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2018/11/08(木) 22:25:36.44ID:b743PdY/a
てち!


                        _,,t-‐‐-、,-‐‐-、
                     三'::::::............... .....::::::`y,.
                     ナ::::::::::::::::::::::::::::::::: :::::::::::::ヾ
              | ̄|   V::::::::::::::::_{{ ({∫∬ノノjヾ:::::{
           | ̄| | ̄|   ナ::::::::::::::i`__,,,,,,,ァ_  _,,,,,_ t;;:ヌ
           |  | |  |  イヘ::::::(ヾ~!,ャt、 !'''i ィtン )=f }f
           |  | |  |  i {t)テ" ヘ' '___,イ ヽ_/ 介'
           |  | |  | _,rヘ_,j|!'     /ー--''!     |'
           |,.ィ―'''' ̄ /| |       /二ク     !
           /;;:::'';;::''::;;:/ { ! 、     ヾニン   ノ\
            /'''::::;r|''':::;;;|  | ! \       _,,./|::;;'''\
        /:;;/ |;;;''::;;|   丶\  `__>-ー´   !;;;:'''::iヽ、
          i/   |'::;;;;''|      三 ―''"       !''::;;;;| /ヽ
        /⌒ヽ  |;;''':::;|       \            !;;::''|/  i
         /     \{'';;;::''}          ̄二ニ=    !::;;|   |
        /ヘ     |;;:::::;{            ‐-      !/   |
0005名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/11/09(金) 00:21:45.05ID:pTH4xAdo0
じゃあせっかくなんでこっちに
0006名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/11/09(金) 00:22:07.77ID:pTH4xAdo0
『N・N』1

木造船は太平洋を漂流していた。三日ほど前にイモを口にしてから、ほとんど何も食べていない。
もっと言えば、そのたった一つのイモでさえも他の子に譲ってしまったから、胃の中は空っぽだ。

窮地に陥って初めてわかったのだが、女の子は我慢強い生き物で、絶望的な環境の中にあっても気丈に振る舞うことが可能で、些細なジョークに笑ってみせる余裕さえある。
彼女たちの笑顔は一つ一つが北極星のような存在であり、常に自分がどこへ向かうべきなのかを教えてくれた。
飢えから来る人間への殺意を和らげてくれたのも、彼女たちの存在によるところが大きい。

今ではたった二人だけが船内に取り残されている。他の者はみんな死ぬか、居なくなってしまった。
二人とも全身全霊で自分たちの運命を受け入れるつもりでいた。
0007名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/11/09(金) 00:22:29.60ID:pTH4xAdo0
『N・N』2

そもそも、なぜ私が難破船に乗り合わせる羽目になったのかを語らなければならない。
もちろん語ったところで、とても信じてもらえそうもない内容だから、どうか遠い昔話を聞く時のような姿勢で文字を追ってほしい。

私が高校一年生の時にまで話は遡る。爽やかな夏だった。希望があって不安もある。そんなごく普通の高校生活を送っていたのだが、心のどこかで物足りなさも感じていた。

その時はちょうど夏祭りの時期で、周りの女の子は彼氏と一緒に行動をしていた。ところが私には男の気配すらない。
自分で言うのもおかしなことだが、一般レベルからすれば私は可愛い方に分類されると思う。それなのにモテない。
どうやら世間は、潔癖症で、微生物の研究が好きな女のことに興味はないみたいだ。

私は泣きながら、夜の港を一人で歩いていた。
0008名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/11/09(金) 00:22:58.59ID:pTH4xAdo0
『N・N』3

豪華客船が目の前に現れた時、私は泣き止んでいた。私を慰めるかのように、汽笛が鳴った。そしてスーツの男が腕を組み仁王立ちしていた。

「そこの君、私たちと共に旅へでないか?」男が言った。

光る黒縁メガネが不気味な感情を起こさせ、私は催眠にでもかけられたかのように船へ乗り込んでいた。
それが”現実”とのしばらくのお別れとなることも知らずに…

船へ乗り込むと、最初に簡単なルール説明があった。

その一、いつでも下船できるが、降りたときの君の世界は保証できない。

その二、船長は最年長、船頭には最年少。

その三、オーナーの言うことは絶対。

極めて簡単なルールだ。破る気など毛頭もない。
0009名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/11/09(金) 00:23:30.17ID:pTH4xAdo0
『N・N』4

私は運よく船頭に立つ女の子と仲良くなった。
名前は平手。本当に頼もしい子で、その船の未来を握っているといってもいい人物だ。
たとえオーナーが右への旋回を指示して、船長が右へ舵を取ろうとも、平手が左を向いていればその船は左へ舵を切ったも同然だ。
いつも船頭に立ってみんなを指揮する。平手は重要な役割を担っていた。

「得な役回りだと思うでしょ?けどね、全然そんなことない。とても損な役回り」
平手はそう言っていた。私には到底わからない言葉だった。

船は順調に航海を続け、もしかするとどの船よりも速く進んでいたかもしれない。このままの勢いで行けば、滝だって登れそうなスピードだった。
私が見る限り、みんなが一致団結しているように映っていたし、おそらく実際にそうだった。
というのも、少ししてから追加の乗員が披露され、私はその子と長い間仲違いをすることになるからだ。
0010名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/11/09(金) 00:24:05.43ID:pTH4xAdo0
『N・N』5

航海を始めてから数ヶ月が経った頃、オーナーが神妙な面持ちで口を開いた。
「長らく君たちには黙っていたのだが、実はこの船にはもう一人乗っている。これから君たちと共に共同生活をしてもらうことになる。紹介するよ、長濱ねるだ」
ドアの向こうからその子が現れた。見た瞬間に勘付いた。私とは違う。
あまりにも異質過ぎる物体が、自分の価値観のなかに入り込んで来ようとした。当然のごとく、排除しようとした。
排除することに必死になり過ぎて、気づけば一週間ほど過ぎていた。

長崎訛り混じりの甘い声は、着実に船員たちとの距離を縮めはじめている。
この世界で生きていく術を、彼女は誰よりも早く身につけることができた。
その頃の私は、彼女のような技術を全く持ち合わせていなかった。
そもそも媚を売るような真似をしてまで、この船に乗り続けたいとも思っていなかった。
0011名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/11/09(金) 00:24:44.30ID:pTH4xAdo0
『N・N』6

瞬く間に、ねるは成長した。
この間まで、右も左もわからなかった女の子が、今やこの船の舵を取りつつあった。
船頭に立たされている平手に調子がおかしくなり始めたのと同時期だった。すでに船は傾いていた。

険しい冬の空気が張り詰め、船員たちは風雨を逃れるために、部屋へ籠もるようになった。
世の中の天候に、果たして晴れというものがあっただろうかと疑問を抱くほどに、暑い雲からひっきりなしに雨粒が落ちてきた。
しかし冬といえども、柔らかな雪が降る時だってある。船員たちはドアを開け放って、束の間の憩いを溺れるように満喫していた。

なぜだかわからないけど、ねるは外に出たがらなかった。理由がどうであれ、それは私も同じだった。
「今はまだその時じゃない」
ねるは周りに言っていた。もちろん私はそれを他所から聞いていた。
雪の日には、きまって気まずい空気が二人の間に流れた。
0012名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/11/09(金) 00:25:28.22ID:pTH4xAdo0
『N・N』7

二人きりのチャンスを無駄にしたのは、いつだってねるの方だった。
かなり本格的な筋トレが部屋の中で行われていた。

一言だけ声を掛ける勇気、そんな気持ちが、機械的な運動を前にして、みるみると消えていった。
彼女は何と戦っているのだろうか。考えるほどに、それはあまりにも膨大で、難解な問題に思われる。

「孤立」

ねるが、平手が、それぞれ違うレベルで抱え込んでいる。
誰もいない海の中を、ルートさえ確かでない航海を、彼女ら二人は突き進んでいた。
泣けてくるほど純粋な原動力を武器にして、必死にもがいていた。

私がこの船を降りる決断をしたのは、おそらくこの時だった。
自分には一人で生きていく孤独に耐える力もなく、ただ甘んじた自由な世界への逃亡しか道がなかった。
0013名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/11/09(金) 00:26:28.73ID:pTH4xAdo0
『N・N』8

病人は夏に弱い。船員たちは次々と倒れていった。
航海の前半ではしゃぎすぎたツケが、今になって襲ってきた。
当然、船はバランスを失い、波に流されるままに漂っていた。依然、船頭には平手の姿があった。

ほとんどの船員が救護室で缶詰状態にあるなか、元気な者も少数いた。
今泉、志田、長濱、原田、そして私。
理由はそれぞれだけど、とにかく元気だった。
船が沈没を始めていたために、この五人は一時的に避難することになった。三人乗りの小型ボートが二隻用意された。

今泉と私が同じボートに乗せられ、他の三人とは別々になった。
もうこの時点で、分類の意味はわかっていた。今泉の方も、私がどのような境遇にあるのか気づいていたと思う。

「ねるちょんは何なんだろうね」今泉が言った。
確かにそれは私も引っかかっていた。
0014名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/11/09(金) 00:27:36.68ID:pTH4xAdo0
『N・N』9

貧相なボートのなかで、今泉は歌い続けていた。どうやらそれが彼女の使命らしい。
私は何をするでもなく、ぼーっと海を眺めていた。そのおかげでカロリー消費が少なく済んだのか、私は今泉より長生きした。

夜になれば、ただぼんやりと星空を見上げた。もうここから動くつもりなどない。眠ったままこの世界からフェードアウトしたかった。
船の上で一眠りをしたが、不思議なことになかなか息が絶えなかった。

やがて波を打つ音が聞こえた。暗い闇の中から何かが近付いて来た。黒い物体が、水面から頭を出している。

「あぁ…やっと死ぬのかな」
軽く息を吐いた。もうこの世界に未練はない。
最後に冷めに喰い千切られて死ぬのなら、それはそれで劇的な幕引きであり、どこか本望のような気もする。
0015名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/11/09(金) 00:28:37.04ID:pTH4xAdo0
『N・N』10

「バッ!」
あまりにも爽やかな息継ぎだ。CM撮影でも終えたかのような表情の少女がいる。女神にも見える。ねるだった。

「泳いできたよ」
「はぁ…どこから?」
「あそこ。島が見えるでしょ」
懐中電灯で照らすと、確かに島が見えた。一面に緑がおおい茂っている。
私とねるはその島に船を寄せた。船の中で経緯を聞いた。
志田、原田、長濱の三人は何とかこの島に辿り着き、やがてヘリで救助が来た。
ところが、ねるは島の反対側まで山菜採りに行っていたために気づかなかった。
山を降りた頃には、一人この島に取り残された後だった。

「へへっ、バカだよね」
ねるは笑っている。あまりにも頼もしい笑顔だ。まだ生きられるみたいだ。
0016名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/11/09(金) 00:29:39.36ID:pTH4xAdo0
『N・N』11

パラダイスは日常には生まれない。
運命から見放された末に、ふと日常的な空間が表れてくれた時、人はそれをパラダイスと感じるのかもしれない。

この島でねると過ごした一日は、まさに人生における快楽そのものだった。何もかもが楽しく感じた。

「機嫌よさそうだね」ねるが言った。
集めてきた枝を使って、火起こしをしている。そのうちに細い煙が昇り始めた。二人で火を囲った。
「あんな、ねる。わたし何もわかってなかった」
「いいよ、もうその話は」
「ううん、よくない。実はわたしこの航海から抜けるつもりなんだ」
「ああ、やっぱり。米さんらしくていいと思うよ」
「うん、ありがとう。で、今まで色々ごめんね」
0017名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/11/09(金) 00:30:39.45ID:pTH4xAdo0
『N・N』12

「ねるはどうする?わたしはここで助けを待つけど」
「まだ続けるよ。私には責任があるんだ。みんなを救う責任が。乗船が遅かった分、みんなより元気だからね。明日に出発するよ」
「このボートで?死んじゃうかもしれないよ」
「そうだね。でも死ぬ覚悟がなきゃこの世界では生きられない。だから”自分で”生きなきゃいけないんだ」

彼女は恐らくこの先も悩みを抱え込んだままだろう。
それもコンプレックスみ見られるような主観的で生半可なものではない。全力で立ち向かってもなお、消えることのない悩みだ。
そんな途方もない挑みに、自らの身をを投げ売って立ち向かおうとしているのだ。

私は出来る限りの食料をねるへ預けた。
亡骸を背負い込んだその少女は、翌朝出発した。
誰が彼女を批判できようか。
0018名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/11/09(金) 00:31:39.62ID:pTH4xAdo0
『N・N』13

ねるを送り届けた数分後、島の反対側からヘリコプターが飛んできた。まだ微かに木造ボートの影が海の向こうに見えていた。
ヘリコプターから隊員らしき人がぶら下がって降りてきた。この島に着陸は不可能だ。

「君か、一人だけ取り残された人は」隊員が言った。
「ええそうです。すみませんでした」
私は抱え込まれながら、ヘリへ乗り込んだ。

ヘリコプターは上昇を続けた。
大海原に再起を図る大型船が小さく見えた。
私はその遥か手前に存在する小さなボートに向かってつぶやいた。
「頑張れ、ねる」

0019名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/11/09(金) 00:34:21.26ID:pTH4xAdo0
前スレチワンさんのBR米さんがあまりにも可哀想だったんで、少しでもでも報いのあるお話を書きたかった次第ですw
0020名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
垢版 |
2018/11/09(金) 11:35:05.16ID:olDF+BvBK
>>19
普段の大阪府先生の作風とは違う感じの力作乙です
欅ちゃんたちの歴史の隠喩も実にひねりがきいていて見事ですね

あの作品を覚えていてくださっているのも意外だったんですが
作品の成り立ち上、あの中での米さんの発言には多分に私自身のメンタリティが反映されてたりもするので
この作品を読んで私自身も多少報われてるような気持ちになりました(-人-)アリガタヤ
0021名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/11/09(金) 20:34:13.75ID:pTH4xAdo0
>>20
あれはあれでハマり役でしたので、そのまま本人役で演じてもらえば、いい出来になる思いますよ

それとチワンさんの作品は漫才除けば全部覚えてる自信があります
他の約二名様とは違って、完結した作品しかお書きになってないので、あらすじを思い出しやすいのかもしれません
0022他の約二名様の一人(dion軍)
垢版 |
2018/11/09(金) 22:23:20.77ID:24it/sBI0
『そのとき、扉は開いた』

彼女は小さく声を上げた。ガラスの向こうには空の籠が有ったからだ。
彼女はさっき迄その籠のなかに有った筈のパンを求めたかったのだ。そのために彼女はこのパン屋まで来た。
「あぁ・・・また売り切れだ」
冬物の白いコートが風にふるえた。
彼女のため息でガラスは曇った。
彼女はこのパン屋までの戻り道をどうやって思い行こうか考えていた。
彼女がそのパン屋の存在を知ったのはつい1ヶ月前の事だった。
「本当にそのパン屋の米粉パン美味しいから」茶色の髪を黒に染め直したばかりの
長沢菜々香ことなーこに言われたのだ。
「ぺーちゃんも好きだと思う」
「ほんと?」
二人は川越のワッフルやの前でそんな話をした。手持ちのワッフルに乗っかったアイスはどろどろになって指の隙間に垂れる。
とんだ客である。

「田無駅を降りて真っ直ぐ行くと団地があるんだけどそのさらに真っ直ぐ。で、真っ直ぐ行くと大通りがあるんだけどその道を青いなんていうのかな、新宿とかそういう看板がある方に真っ直ぐ行くと小さな屋根の店があるの。お店の名前が確か、ハラッド。」
彼女は友人の声を頼りに右往左往した
挙句、10分でたどり着くところを1時間かかった。何故か。彼女は言われた通りに
歩いたら武蔵境駅に着いたのだ。
それは無論、彼女の方向音痴たる
所以である。
そしてこのたどり着くまでの過程を書こうとすると大菩薩峠の如く長くなり、またいつもの様に完結しなくなるので止めておく。
ともかく彼女はそのパン屋にたどり着いた。
0023そのとき、扉は開いた(dion軍)
垢版 |
2018/11/09(金) 22:24:42.57ID:24it/sBI0
パン屋は銭湯や豆腐屋、河川敷の野球場。
といったどこか懐かしい風景のなかに
あった。彼女はしばらく店の前で
あたりをじっとみて「いいな」と
呟いていた。
「お邪魔します」
反応の悪い自動ドアに右手をぶつけながら
店へ入る。中は狭く長方形の15畳。
赤と黒のタイルは端々が捲れ、
編みかごの前にある値札は文字が薄れていた。
「米粉パン、米粉パン・・・」
入口の近くにあったトレーとトングを
手に、ひたすら呪文のように
それを探した。
かごのなかにあるパンはどれも艶めいて、
甘い、いい香りがする。
彼女はその香りを嗅ぎながら、
米粉パンを忘れて色んなパンを
トレーにのせた。
彼女がつかの間の休日、午後の中で
米粉パンの存在をすっかり忘れていた。
思い出したのはレジでお会計をしている時だった。きっかけはなんということはない。
このパン、なーこちゃんにあげたら喜ぶかな。という所から本来の目的を
思い出したのである。
「あ、米粉パン!」
彼女は叫んだ。店員は訝った。
「米粉パンありますか?」
「すいません、あれ人気で、今日はもう無いんですよ」
彼女は店員の顔をじっと見た。
店員は「うん?」と言いながら
彼女を見る。
綺麗な人だな。とその時彼女は
店員に対して思ったのである。
ネームプレートには「桜井」とかいてあった。
また来ようと彼女は思った。
0024そのとき、扉は開いた(dion軍)
垢版 |
2018/11/09(金) 22:25:28.57ID:24it/sBI0
翌日のLIVEリハーサルの控え室で
彼女はなーこに買ってきたパンのなかから
いくつかをあげた。
なーこは「いいの?ありがとう」
と言いながら物凄い勢いで口にしていた。
彼女はそれをただ感心しきりでみていた。
「無かったんだ」
パンが空になった後、彼女は事の顛末をなーこに告げた。
「そうなんだ」
茎わかめを齧りながらなーこは言った。
なーこの興味はその時、りぼんに
向かっていた。

冒頭のシーンはそのファーストコンタクトから1ヶ月後の事だった。
あれから彼女はおよそ1週間に2、3度は
その店に行った。
しかし毎回、米粉パンと書かれた札の空カゴにため息をつくのだった。
「また無いのか・・・」
もう永遠に食べれない気がして彼女は
ガラスに寄りかかった。
しかしその時、扉は開かれた。
黒髪の若い男性の店員がいた。
彼女は首をかしげた。


男の店員は「もしかして、米粉パンをお求めですか?」
と訊いた。彼女はうなづいた。
「とりあえずどうぞ。」
店員は扉を開いて彼女を招き入れた。
彼女は甘くて暖かい空気を顔に受けて
中へ入った。
「いま焼いてますから」
「そうなんだ・・・」
店員は作業場の方にキョロキョロと忙しなく目を泳がしていた。
「あれ、あの女の人は」
彼女はなんとなく訊いた。
「風邪でダウンです」
「そうなんだ。」
「で、その米粉パンなんですけど」
その店員がそう言って語り出した
0025そのとき、扉は開いた(dion軍)
垢版 |
2018/11/09(金) 22:26:09.54ID:24it/sBI0
「米粉パン1個しか作らないんですか?」
僕は桜井さんに声を張った。
「それが商売のこつよ」
振り返って自慢げに桜井さんは言った。
「こつ?」
「そうこつ」
「ってなんですか?」
「もう仕方ないなあ」
桜井さんは話したそうにパンの
乗っかったトレーを作業台に置いた。
「熱つ、あっついこれ」
うっかり素手でオーブンから
取り出したトレーに触れた桜井さんは
手を振り回して叫んだ。
「素手ですもん。」
「えっ、手袋、あっそうか、あ、クロワッサン作る時に置いたんだ」
作業台の隅には鍋つかみが一双放置されていた。
「昨日もおんなじことしませんでした? 」
「そうなの毎回やるのこれ」
「学習しないですよね」
「うるさいもう!」
桜井さんは拗ねた顔でトングを掴んだ。
「でね、さっきの話。」
桜井さんはトングを流しに置いて
僕の方を見た。
僕は目を逸らした。
桜井さんのコック帽から垂れた前髪がなぜか胸を締め付けた。
「リピーター目的よ。」
「リピーター?」
僕は思わず聞き返した。
「まず、米粉パンをたった1つ置いとくの。そうするとほかのパンは数、沢山有るのにそのパンだけは1個しかないって言うことになるとお客様はそのパン、もしかして人気のやつじゃないかって思うの。」
嬉しそうに桜井さんは言う。
僕が黙っていると桜井さんはさらに続ける。
「だって他のは、かごいっぱいあるのにそのパンだけひとつしかないの。でもまさかひとつしか作ってないなんて思わないからああ、これ人気なんだなって思うの。お客様は。で、それを買う。で、食べてあっ、美味しい。で口コミが広がる!それでほかのお客様が来る。でも!」
桜井さんは腕を広げてミュージカル調に
叫ぶ。エレファントカシマシの
宮本さんみたいに髪をくしゃくしゃに
して続ける。
「でも、来る頃にはもうそのパンはない!」
「えっ?」
「つまり置いたり置かなかったりするのよ」
「はい?」
コック帽をくちゃくちゃにして桜井さんは
続ける。
0026そのとき、扉は開いた(dion軍)
垢版 |
2018/11/09(金) 22:26:50.18ID:24it/sBI0
「1回お客様が米粉パンを買われたらしばらくはその米粉パンを置かないの。するとリピーターのお客様も初めてのお客様も、あっ、ない売り切れだ。と思うでしょ?」
「はい」
「そしてあたりを見回す。あっ、ほかにもパンがあるじゃないか」
「そりゃパン屋ですからね」
桜井さんはサウンド・オブ・ミュージックの
家庭教師みたいに手を広げた。
「ほかのパンを買う、美味しい、それでも諦めずに米粉パンを求める。ない。ほかのパンを買う。そしてしばらく通うとすっかりこの店の虜!」
「そんな上手く行きますか?」
「上手くいくのよ、それが。まあ見てなさい。」
桜井さんは鼻をこすって言った。
後には小麦粉が付いていた。
桜井さんらしいなと思った。

果たして本当に上手くいったのだ。
その1個だけの米粉パンを置いて
数分、扉を開けて1人の女の人が
入ってきた。
その女の人は白いブラウスにブルーのスカートといった恰好で瞳は大きく、そして
キョロキョロあたりを見回していた。
やがて僕は作業場を見る。
桜井さんは作業場の入口で
ニヤッと笑った。
女の人のトングが米粉パンを掴んで居たからだ。
そしてその女の人は米粉パンと
クロワッサンとサンドイッチと
かなりの数を買い込んだ。
「ここからが本番ね。」
女の人が店をさった後、桜井さんは
腕を組んで外を見た。
0027そのとき、扉は開いた(dion軍)
垢版 |
2018/11/09(金) 22:27:23.76ID:24it/sBI0
その翌日。またその女の人が来た。
僕は驚いた。
なにかの魔法じゃないかと思った。
「すいません、米粉パンってありますか?」
「いやーすいませんついさっき売れちゃって」
「ついさっき」が肝心ね。
桜井の言葉が脳内に呼応した。
「そうなんだ」
女の人は肩を落とした。
「また来るよあの子。」
しばらくしていつもの客が誰もいない
パン屋に戻ってから桜井さんは言った。
「ホントかなぁ」
「それか別の子ね」
桜井さんはチョコチップを頬に付けたまま
言った。
そのことは言わなかった。
0028そのとき、扉は開いた(dion軍)
垢版 |
2018/11/09(金) 22:28:05.34ID:24it/sBI0
薄暗い店内で彼女はその事実に驚いた。
つまり彼女はすっかりその店員たちの術中にはまっていたのだ。
「だけどまさかその方があれっきり来なかったのは予想外だったなぁ」
男の店員は腕を組んだ。
背後ではチン、と音がした。
パンが焼けたのだと彼女は悟った。
「まぁでもいっか」
「はぁ」
「あ、桜井さんには内緒で」
彼女は笑みを浮かべてうなづいた。
店員は作業場へ向かった。

円形の白いパンは手に取ると暖かい。
彼女は「あつい」と言いながら
そのパンを細かに契った。
「毎回来る度にがっかりしたような顔をするので見てられなくて」
店員はそう言った。
「美味しい」
彼女はゆっくりと口を動かして
言った。
その時、また、扉が開いた。
「いらっしゃい」
店員は顔を上げてそう言った。
彼女は口をもぐもぐさせながら
振り返った。
「えっ?」
彼女と店員の声が重なった。

0029そのとき、扉は開いた(dion軍)
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2018/11/09(金) 22:28:44.55ID:24it/sBI0
薄暗い店内で彼女はその事実に驚いた。
つまり彼女はすっかりその店員たちの術中にはまっていたのだ。
「だけどまさかその方があれっきり来なかったのは予想外だったなぁ」
男の店員は腕を組んだ。
背後ではチン、と音がした。
パンが焼けたのだと彼女は悟った。
「まぁでもいっか」
「はぁ」
「あ、桜井さんには内緒で」
彼女は笑みを浮かべてうなづいた。
店員は作業場へ向かった。

円形の白いパンは手に取ると暖かい。
彼女は「あつい」と言いながら
そのパンを細かに契った。
「毎回来る度にがっかりしたような顔をするので見てられなくて」
店員はそう言った。
「美味しい」
彼女はゆっくりと口を動かして
言った。
その時、また、扉が開いた。
「いらっしゃい」
店員は顔を上げてそう言った。
彼女は口をもぐもぐさせながら
振り返った。
「えっ?」
彼女と店員の声が重なった。

0030名無しって、書けない?(dion軍)
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2018/11/09(金) 22:31:08.42ID:24it/sBI0
ココ最近、米粉パンにハマっていたことから
個人PV風に。
店名は原由子さんのアルバムから。
風景は自分の好きな街。
0031名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/11/09(金) 23:37:09.91ID:pTH4xAdo0
>>30
他の約二名様の一人さん、もはやビジネス本みたい内容で大変参考になりました
というのは冗談で、いつにも増して比喩が切れてますね
それとトレーが熱いくだりが個人的にはツボです

にしても千葉県さんは連投癖がありますねw
>>28>>29には何か意味があると思って間違い探しのため読み直しちゃいましたよ
まあ僕もよく誤字るので人のこと言えませんけどね
0032名無しって、書けない?(庭)
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2018/11/10(土) 00:22:26.86ID:szWPWJV8a
他の約二名の残りはまさか俺ですか・・・

俺の妄想は終わらないんじゃなくて理佐ちゃんとの物語を終わらせたくないだけだから・・・

それと人の心に残らないように薄味な作風を意識してるだけですから・・・

せっかく新スレ立ったので強がり風なレスなどw
0033鐘泣く命(茸)
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2018/11/10(土) 00:49:52.93ID:ak5tFdRcd
高校二年生のスポーツ大会。僕は交代で全員参加のサッカーに出て開始早々派手に転んだ。忘れもしない。10月25日。ざわつく周辺。痛みに膝をおさえ、グラウンドには水滴が落ちる。
「ちょっと大丈夫?」
まっさきに駆け寄ってきたのは齋藤冬優花である。彼女はこのスポーツ大会の実行委員だった。僕は起き上がって彼女の方を見る。
「泥だらけじゃん」逆光で彼女の顔は昏い。
「保険室・・・」
彼女が言いかけたその時彼女の背後からいくちゃんの声がした。
「わたしが保険室つれてくから」
いくちゃんは何故か不機嫌な顔をしていた。
「ほら行くよ」
いくちゃんは僕の腕を引っ張った。
「まったく昔からすぐこうなるんだから」
下駄箱の前で少し声を落として言った。
「しょうがないでしょ。出ろっつーんだからさ」
「そうでも運動神経なさすぎなの!」
いくちゃんは頬を膨らましてずんずん廊下を歩いてゆく。
「失礼しまーす」
開けっ放しのドアにいくちゃんは恐る恐る声をかける。部屋は誰もいなかった。
「仕方ないっか」いくちゃんは振り返る。
「仕方ない?」
「ほらここ座る」
待合室みたいな革張りのソファに僕を座らして銀のラックを漁りだした。僕はゾッとした。
「消毒液・・・と、絆創膏・・・」
どうやら手当てをしてくれるみたいだ。僕は余計不安になった。
「あ、あったあった」
どうか消毒液と絆創膏が見つかりませんように。と祈っていたところにいくちゃんの嬉しそうな声。僕は慄然とした。
「ん?怖いの?」
いくちゃんは消毒液を片手にニヤッとした。
「ほらじっとするのもう」
いくちゃんは僕の足を掴んで引き寄せる。
「痛っ」
「ほら我慢」
消毒液で僕の膝小僧は濡れてゆく。
「消毒液量多くない?」
「多くない」
素早くいくちゃんは言った。誰かがゴールを決めたのか。歓声が遠く響く保健室。カーテンが揺れ、消毒液が香った。僕の膝小僧は赤く擦りむけて血が滲んでいて、さらに消毒液で濡れている。

「無理するからまったく」
いくちゃんはブレザーに血がつくのを
気にしつつガーゼでその傷口を撫でたあと
絆創膏を手際よく貼る。
「ほい、終わりっ」
絆創膏を叩いていくちゃんは立ち上がった。
「痛っ」
なんとも言い難い痛みが体を突き抜けて僕は顔を顰める。いくちゃんはそれをみて可笑しそうにしている。
「ほらもう大丈夫」
「乱暴だよ」
「良いでしょ、別にやってあげたんだから感謝しなさいよ」
「ありがとう」
「よろしい」いくちゃんは涼しげに言った。
「戻りますか」外はまだ歓声が聞こえる。
「でも外暑いなぁ」
いくちゃんはうんざりしたように言う。
この保健室は冷房が効いている。
「まだ傷口が痛むかな」
僕は気配を察して言う。しかし、まぁとんだ猿芝居だ。
「じゃあ仕方ないね」
ニコニコしながらいくちゃんは後ろ手を組んでからしばらくして僕の手を取りソファに座らす。
「しばらく休まないと」いくちゃんは隣に座って言った。
「そうだね」僕は頷いて言った。しばらくいくちゃんの隣にいたい。直感的に。
僕らはこの後何だかんだ午後までおしゃべりをして、結果的にはスポーツ大会の終わりまでその保健室にいた・・・。あとから思えばその日が、高校生活最初で最後のズル休みだったな。
0034名無しって、書けない?(茸)
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2018/11/10(土) 00:55:47.52ID:ak5tFdRcd
>>31
ああやっぱり約二名様だったんだ・・・
と地味に傷ついております。
今夜は夜泣きだぁ・・・
とまぁ完結しない作品が多いのは飽き性で・・・
いや冗談は置いといて、
それよりも比喩が切れているという言葉ありがとうございます。
これ書きながらエレファントカシマシ宮本さんと椎名林檎さんの獣ゆく細道を聞いたのですが
おそらくその成果かな・・・と前向きにとらえております。
いやすいません。
完結させなくては。作品を。
0035重力と呼吸(112)(茸)
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2018/11/10(土) 00:59:35.79ID:ak5tFdRcd
「あ、帰ってきた」
病室に帰ると飛鳥は居なかった。
その代わり高山さんが居た。
「あれ、飛鳥は・・・・」
「あー飛鳥は疲れた顔してたから帰した」
「ずっと居たからねここに」
「そうなんですか」
「あー、知らなかったか」
高山さんは頭をかきながらくしゃっと
笑った。
僕のコンパスは複雑に乱れ始めた。
冬枯れの寒木立が口笛を吹いて
僕の火照った頬を撫でた。
高山さんは黒のコートを脱いだ。
その下は灰色のニットワンピースだった。
モデルのように長い手足が鮮やかに
映る。ワンピースは細身な体形が浮き上がり、僕は思わずそこから目を逸らした。
「どうしたの?」
一人で慌てる僕に高山さんは顔を近づける。
「いや、なんでもないです」
「ならいいけど」
高山さんは笑ってまた椅子に腰掛けた。
「もともとね、飛鳥が本を読み出したのは私の影響だったの」
「ほんとに?」
「ほんとほんと。飛鳥は昔、そうだなー、
中学の頃からあの店に来てて、ほら、あの店人がめったに来ないでしょ?だから暇で本を読んでたら飛鳥がそれ、何読んでるの?って聞いてきたの」
「意外。」
「いまじゃ、まるで昔から好きでしたって顔してるけど。」
高山さんは足を組んで頬杖を着いた。
大人だと思った。
0036重力と呼吸(113)(茸)
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2018/11/10(土) 01:00:41.42ID:ak5tFdRcd
退院をしたのは翌々日だった。
薬と着替えと読み貯めた本と。
だいぶ荷物を増やしての帰宅だ。
入院は二週間にも及んだ。
大学は公に休みになった、僕は
長欠伸をして荷物の入ったリュックを
背負い直した。
「あれ・・・飛鳥は?」
僕はフランネルチェックのワンピースを
着た高山さんに訪ねた。
「普通に授業」
「そうなんだ・・・」
「行きたがってたけどあの子単位がぎりぎりだからさ。」
「意外。」
「結構、ギャップがあるのよ」
僕が持っていたボストンバッグを
取って高山さんはタクシーを呼び止めた。
「あっ、すいません」
「いいのいいの。」
0037重力と呼吸(114)(茸)
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2018/11/10(土) 01:03:03.98ID:ak5tFdRcd
「こんな家なんだ・・・」
ただ広いだけの我が家を玄関から眺めて
高山さんは感嘆した。
「いまはだいぶ人が減りました。」
リュックを置く音が寒い室内に反響する。
「お姉さんがいたんだっけ?」
スニーカーを脱ぎながら高山さんは
訊く。
「はい。いまは大阪に居ますけど。」
「そっか、じゃいま一人。」
僕は黙ってうなづいた。
「寂しい?」
「まあ・・・」
広く感じるだけでなく、
しばらくの間の不在が少しずつ
この家を廃墟にさせているような気がする。
このまま、自分も築37年の家と共に
朽ち果てるように思えた。
少し悲しげな高山さんはため息をついて
うなづく。
「わたし、ここに住もうかな」
「はい?」
僕は高山さんの言動を疑った。
あまりにも唐突だった。
「なんかさ心配になってきちゃった。」
高山さんは何故か瞳が潤んでいた。
青天の霹靂とはこのことを言うのだろうか。
僕はポケットのハンカチを渡す。
「ごめん・・・」
高山さんは目元を拭うて鼻をすする。
「似てるからさ・・・」
しばらくして高山さんはぽつりと言った。
「似てる?」
「弟とさ。もう亡くなったけど。」
笑顔の向こうが灰色に曇った。
0038名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/11/10(土) 09:24:19.56ID:PmgtKZJW0
>>32
>>34
あのですね…チワンさんの高い計画性や構成力を評価するためにお二人を持ち出したまでで、お二人がダメとかそういう話ではないです
良いところも沢山ありますし、特に熱意や創作欲は僕なんかには真似しようと思ってもできないですから、尊敬してます
ただ庭さんに関しては褒め過ぎると舞い上がって天狗になるパターンの人だと勝手に思ってるので、その辺は褒められるの苦手な理佐ちゃんを見倣って欲しいですw
0039名無しって、書けない?(catv?)
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2018/11/10(土) 15:00:49.81ID:BsuUcPxO0
>>38
ありがとうございます〜
0040名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2018/11/10(土) 16:41:53.05ID:QRbq4rJmK
自分は庭先生の作品は例えるならサザエさんとかちびまる子ちゃんとか亀有派出所みたいなもんだと思ってます。
俺くんと理佐ちゃんをメインに展開される長期連載で、実は基本的には一話〜数話完結のエピソードの連続。
だから結末を目指すことよりは、その世界を楽しむというのがメインものではないかと。
だから結末が見えないとしても当然です。

千葉県先生に関しては、特に最近はCMとかMV的な魅力を感じるようになってきました。
例えばMVは歌の世界の中の一面を切り取って映像化したものも多いと思うのですが
千葉県先生の作品もそれと同じように、ある物語の一部分を断片的に切り取った感じで。
それが「単なる中途半端」になるか「余韻も含めて続きを期待させる」になるかは作者の力量によると思いますが
千葉県先生はそのための十分な筆力を発揮されてると思います。
MVが魅力的に出来ていれば、曲もどんどん聴きたくなるのは人情ですから、作品が完結しないことへのいろんな意見は、そのまま千葉県先生の作品への賛辞であり、期待でもあるわけです。
だから泣かないで(笑)
0041名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2018/11/10(土) 18:51:05.97ID:kGKfdPfZa
>>38
俺が褒められると調子に乗るタイプと見抜くとはさすが大阪府さんですm(__)m

>>40
俺の作品の本質を見事に表現していますな


俺の場合は自己満足優先を標榜しつつも結末の無い作品は読んでくれた人をがっかりさせるんじゃないかとビビり
何となくオチのようなものを付けてるのでチワンさんの言ってくれてるような印象になってるのかもw


千葉県さんのお書きになるものは物語やオチを楽しむというより
精緻な文体で丹念に描き出される情景を鑑賞する作品だと思うんですよね

小説より絵とか写真を観るような感覚なのかな

小説としては完結しないのは多少物足りなさを残すけど場面を切り取るように描き出すのに成功してるからこれはこれで見事に完成品なんだと思います

写実的な表現力って憧れるやん・・・




たまにそれぞれの作品について語り合うのも勉強になるなw
0042名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2018/11/10(土) 18:55:19.00ID:kGKfdPfZa
機会があったら大阪府さんやチワンさんの作品も俺の主観的な眼差しで論評したいものだよw
0043ウィンドチャイムが鳴る頃 EP20(dion軍)
垢版 |
2018/11/10(土) 21:54:07.10ID:6jaPljwu0
「脚本家だったからね」
「そうなの?」
「うん」
「知らなかった」
間を置いて本棚にささった本の背を撫で
ながら理佐は訊ねる。
「どんな作品書いてたの?」
「そこに脚本あるよ」
机の傍にある年季の入った本棚は
父が上京してはじめて買ったものだった。
どれも背が焼け、タイトルを読み取るのに
理佐は苦労しているようだった。
「あ、これ知ってる」
真ん中のひとつを抜き出して
パラパラとめくって驚いていた。
それは10年以上も前に放送されていた
ドラマの脚本だった。
「うちのお母さんが好きなの」
「そうなんだ」
「これ書いてたんだ」
中身は赤いボールペンでいくつも
乱雑に書き込みがあった。
父は作品の修正量が多い人だった。
単行本も脚本も終わった仕事にも関わらず
頁が真っ赤になっていた。
「お父さんはいま何してるの?」
理佐は振り向いて訊いた。
「もう亡くなったよ」
「ごめん」
「良いよ、別に」
年代物の置時計が立てる針音が騒がしい。
「ずっと一人だった」
僕は風通しの悪いこの部屋で呟いた。
埃がカーペットへ滞留する。
理佐は振り向いて僕の顔を伺う。
0044ウィンドチャイムが鳴る頃 EP21(dion軍)
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2018/11/10(土) 21:56:22.04ID:6jaPljwu0
「僕はずっと独りだった。
父は忙しい日々に潰され遠くに行き、
母は仕事に追われ忙しく、
妹は自由で誰も僕のことを気にしない。
僕は本の世界に逃げ込むようになった。
本は父の職業柄たくさんあった。
僕は闇雲に引っ張り出してはページをめくった。すると不思議なことに段々独りの心が癒されるようになった。
それと同時にずっと遠くだった父が近くになった。父が亡くなったのは小学校の頃。
近くなった途端遠くなった。原因は大動脈解離だった。父は忙しかったからそのせいだろう。朝、机に突っ伏したまま冷たくなっていた。
見つけたのは僕だった。
あの頃から本格的に独りになった。
母は仕事を増やし、妹は何も知らず無邪気に笑っていた。
僕は泣くことも無くただ呆然としていた。
運の悪いことにそこから
僕は学校でひどい扱いをされるようになって、しばらくして理佐と会った。」
「そうだったんだ」
「勿論父が何をしてたかは由依ちゃんさえ知らない。父が亡くなったことは知っているけどそれだけだ。家族以外に話したのは理佐が初めてだった。」
理佐は黙っていた。
「なんかありがと」
聞こえるか聞こえないか分からないくらい
小声で理佐は言った。
「もう2度と会えない存在は父だけで充分だ。だから、ずっと居てほしい」
埃にまみれたこの父の部屋ではすべてを
曝けてしまいたくなるらしい。
やがて僕らをからかうように眼前を埃が
舞い降りて行った。
0045ウィンドチャイムが鳴る頃 EP22(dion軍)
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2018/11/10(土) 23:56:04.81ID:6jaPljwu0
冬が来た。
「クリスマスバイトなのごめん」
意外な肩透かしを喰らって僕は驚いた。
「ほんとに?」
「ほんと。頼まれちゃって」
「そうなんだ」
1時間に1本しかない電車を待つ駅の
ホームで僕はため息を付いた。
その日僕ははじめて理佐をデートに
誘ったのだった。
ベンチに手をついて無意味に足を
ばたつかせる。
すると不意に理佐が手を重ねた。
僕は驚いて理佐の方を見た。
「どうしたの?」
理佐は涼しい顔で言った。
しかし頬がほんのり朱に染まって行った。
この頃がいちばん幸せだった。
電車なんてしばらく来なくていいと
思った。
僕は理佐の方を見た。
理佐も僕の方を見た。
ホームは他に誰もいなかった。
僕は顔を近づけた。
それを拒むように警笛が聞こえてくる。
横須賀ブルーのお邪魔な列車が
ホームに入線したのはちょうど
この時だった。
僕は途端にはずかしくなって
立ち上がった。
理佐も無言で、立ち上がり、僕の後ろへついてゆく。

ボックス席に向かいあって座った時にこの恥ずかしさがぶり返した。
モーターが唸り、列車は身震いをする。
理佐は胸に抱いた鞄に顔を埋めて
その僅かな合間から僕の方を見た。
だから思わず訊いた。
「どうしたの?」
「ううん、なんでもないの」
「そっか」
列車は鉄橋を渡る頃である。
0046ウィンドチャイムが鳴る頃 EP23(dion軍)
垢版 |
2018/11/10(土) 23:57:22.58ID:6jaPljwu0
「そろそろ降りる駅につく頃か」
あらかじめ決められた台詞みたいに理佐は立ち上がった。
「また明日」
僕がそう言うと理佐は頬に付いた髪を爪で払って頷いた。
列車は減速して冬戯れの田園から
色気づいた街の家々を駆ける。
古い窓の隙間から風がガタガタと
なっている。右手だけが寒い。
ホームに滑り込む古い列車。
僕も立ち上がってドアの前で
手すりを掴んで窓を吐息で曇らす
理佐の背後に立つ。
ドアは重々しく開く。
別れを惜しむみたいに。
少し段差のあるホーム。
理佐は跳ねるように降りる。
「じゃあね」
声が重なり合い、チャイムが鳴る。
列車はまたのっそりと動き出す。
理佐の姿が淋しく、小さく見えた。
やがて消えた。
各駅停車はまもなくオレンジ色の
夕焼けに染まる頃。
僕はまたあのボックス席に座って向かいの跡だけが残る空白とそれをじっと見た。
孤独を知った気がした。
0047ウィンドチャイムが鳴る頃 EP24(dion軍)
垢版 |
2018/11/10(土) 23:59:20.84ID:6jaPljwu0
クリスマスソングというのは
殆どが恋愛をテーマにしたものである。
僕はそれが不満だった。
クリスマスは誰かを恋をするために
愛するためにあるわけじゃない。
しかも此処は日本。
仏教国じゃないか。
駅前のロータリーを歩きながら
どこからともなく流れる
クリスマスソングにそう思った。
そういえば昨夜のニュースでは天気予報士が
ホワイトクリスマスになるかも
知れない、と笑顔を作った。
僕は乱暴にリモコンを手繰って
チャンネルを変えた。
その日。予定のない僕はなんとなく
列車に飛び乗った。
降りる宛はまったく無かった。
財布は軽い。贅沢は出来ない。
列車は疲れたサラリーマンを載せ
田園伝いに走る。
ヘッドライトを頼りにして。
降りた駅は理佐の最寄り駅だった。
降りる宛はないと言ったが、もしかしたら
頭の奥では此処に来ようと思っていた
のかもしれない。
それだけホームへ降り立つ足は軽かった。
快速も止まるが乗降客は少ない駅で、
地元民でもなきゃ、名前すら知られない。
改札を出てこじんまりとした
駅前を見渡す。
コンビニとマックと松屋と不動産屋。
タクシーの車が広場に所狭しとあり。
バスを待つ人が列をなす。
僕の街とそんなに、変わらない光景。
暇を持て余して、コンビニの、前に
ある横断歩道を渡ろうとした。
その時、理佐が向かい側に居た。
思わず手をふろうとしたが
一瞬でそれを躊躇われた。
理佐は髪の明るい男と手を繋いでいた。
楽しそうに。
目の前を轟音を立ててトラックが
通り過ぎる。
僕はこの辺りから人間不信の色を帯びる。
0048ウィンドチャイムが鳴る頃 EP25(茸)
垢版 |
2018/11/11(日) 00:02:02.94ID:Pen2byB9d
「昨日はバイト大変だったね」
翌日。僕は理佐に電話をした。
「ほんとに大変だったの」
理佐は少し間を置いて言った。
電話の向こうは雑音が多い。
「ふうん」
「昨日さ・・・誰かといた?」
「えっ?」
虚をつかれたように理佐は黙り込んだ。
「たまたま理佐の最寄り駅におりてみたらさ。コンビニの、前にある横断歩道で。7時くらいだったかな。」
電話口で理佐は黙り込んだ。
それがすべてを物語っていた。
僕は自分から電話を切った。
何がなんだか分からなかった
いまは熱をもったままの携帯をベットサイドに放って。眠ってしまいたいと思った。

起き上がったその場所が一体どこなのか?
よくわからなくなる時がある。
部屋の中は暗く、カーテンのない窓には
人工の光に潤んだ雨が瞬いて叩きつけられている。
ベットサイドの携帯は昏いままである。
僕は起き上がって画面を開く。
理佐から結構な着信が有った。
僕は掛け直した。
「もしもし・・・」
寝起きであることが災いして僕の声は
普段より数等低かった。
「もしもし・・・ごめんね。ちょっと話を聞いて」
理佐は言葉を迷っているようだった。
しばらく間があってまた話し出す。
「昨日はさ、確かにバイトじゃなかったの。それはごめん。実はね昨日は先輩と、居たの。昔からの知り合いで。それでその先輩に告白されて、断ったんだけど付きまとわれて。それで1回デートしてくれたら諦めるっていうから。仕方なく。しかもその先輩、ちょっと怖い人で。」
「そうなんだ。」
「怒ってるよね。」
「まぁ・・・」
僕にとっては僕が見たものだけが真実だった。
しかし理佐の、その話を信じたい
自分もいる。
「ほんとにごめん」
理佐はそう何度も言った。
僕はもう何も言えなかった。
「もしもし・・・」
理佐の声だけが虚しく聞こえた。
0049名無しって、書けない?(dion軍)
垢版 |
2018/11/11(日) 00:20:20.43ID:VvSUYwLS0
>>40
>>41
的確な批評ありがとうございます
基本、とある場面の断片だけが思い浮かんでそれを書きたい。それだけが動機なのでその場面が描きさえすればあとは良いかなと思ってまさにMVみたいに結末まで書かずに終わりにしてしまいます。
あとはおんぼろ携帯を使っているので
打ち込むはずのない文字が勝手に画面に打ち込まれていてそれを直しつつ、やっていると
嫌になってきたり・・・そう言うふうにして
断絶してしまいます。
しかし格闘しつつなんとか完結したものを書かなければなと。
あと基本批評ベタなのであまり書かないですが、庭さんの理佐ちゃんシリーズには山田洋次監督の寅さんシリーズの香りを感じることがあって。人間の人間らしさが感じられて良いなと。
大阪府さんはなーこちゃんのガラスを割れみたいにずしっとくるホラーもファンタジックなものも好きで、ちゃんと物語として見事な起承転結が存在して断片だけの僕としては羨ましいです。そして海外小説や洋楽の雰囲気を思わせます。なにより軍曹シリーズ大好きです。
チワンさんのひとひねりされた漫才やさまざまな解釈、時によっては真逆の解釈をも可能にさせてくれる物語と、バリエーションの豊富さとギャグセンスと技巧は素晴らしいです。
あと的確な批評も。
0050名無しって、書けない?(dion軍)
垢版 |
2018/11/11(日) 00:22:43.94ID:VvSUYwLS0
どの方もメンバーをより素敵に魅せてくれる。
だから凄いなと。
庭さんの理佐ちゃんだったり大阪府さんの
軍曹といい、チワンさんのてちだったり。
0051名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2018/11/12(月) 01:37:59.82ID:hwaQvsMla
>>49
世界の映画史に燦然と輝く名作「男はつらいよ」を引き合いに出して褒めて頂きありがたしm(__)m
0052名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2018/11/12(月) 01:49:06.37ID:hwaQvsMla
>>50
俺の書いてる理佐ちゃんは基本的にテレビやら雑誌やら握手会やらの理佐ちゃんエピソードを元にしててなるべく自分の想像は足さないようにしてるので素敵に見えるのはおそらく本物の理佐ちゃんの魅力なのであります

と言うか登場人物の性格とかを創作する能力が無いのをひしひしと感じてる今日この頃・・・

妄想から小説に進化するには足りない才能が多すぎるw
0053(茸)
垢版 |
2018/11/12(月) 16:53:47.82ID:sgl42Qs3d
地下鉄の生温い風がマスク越しに伝わってくる。わたしは咳をした。
銀の列車はわたしたちに風を残して白金の彼方へと走り去った。
「初めてきたこんなとこ」
午後7時のホームは暖色のライトに曝され
数多のサラリーマンが家路へと足を向けていた。その中でわたしはそう呟いて
辺りを見渡す茜に教える。
「改札出て交差点渡って、それでマンションとかがある通りをまっすぐ進んだところ。」
「ほんとに、そんなとこにあるの」
マスクとダークブラウンの帽子に挟まれて
僅かに覗いた眼は不審気にわたしを見ている。
「大丈夫、大丈夫。」
ハート色のコートを着た茜を見ると、
どうやら相当にお洒落なところを想像していたらしい。
サラリーマンの群れが去り、風に逆らって階段を、上がる。茜の買ったばかりのヒールとわたしのショートブーツの鋭敏な靴音
だけが都営地下鉄三田線の千石駅に響く。
改札を抜けて、急に現実的な冬めく風に吹かれた。手指はそれに従って寧ろ冷たくなる。擦り合わせたからである。
「ほんとに住むところだけみたいな街・・・」
コンビニと煤けたラーメン屋、それに小さなスーパー。何処かから煮物の香りがする。
港区や渋谷区といった街に慣れてしまうとほかの街が酷く味気なく感じるらしい。
果たして目当ての場所は都営団地を抜けて四辻を左におれた所にあった。
「ここ・・・」
こじんまりとした雑居ビルの1階。縄暖簾と赤提灯、ビール瓶の入ったケースが室外機の横に放置されている。
0054(茸)
垢版 |
2018/11/12(月) 16:54:30.62ID:sgl42Qs3d
眉を顰めた茜に「ここ本当においしいと、評判ったい」と言う。しかし、インターネットの評判などあまり当てにならない。
されども何かの参考程度にはなる。
わたしは磨りガラスの先に見える光景をすこし夢想しながら縄暖簾を潜る。
茜はわたしの後ろで縄暖簾が髪に当たらないようにアクロバティックな体勢でくぐっていた。笑ってしまった。
店内はカウンターのみで10席。
Lの字に並んでおり、キッチンの後ろにある棚には日本酒の酒瓶が所狭しと並んでいる。
「いらっしゃい、お好きな所に。」
青い作務衣を着た奥田民生みたいな顔の店主はわたしたちを一瞥して炭火焼き器に目線を戻した。
カウンターは大体が空いていたが、しかし、隅の席だけは薄汚れたワイシャツの老人が串にかぶりついていた。
わたしたちはカウンター中央に座った。
メニューらしきものは壁に墨書きでベタベタ乱雑に貼り付けられていたらしかった。
茜はキョロキョロ見回しながらコートを肩まで脱いでいた。
「ハンガー後ろ。」
白く透けたブラウスの肩を叩いてしらせる。
「ああ、うん。」
茜は恐る恐る、そのハンガーを手に取って
コートを掛けた。高いものらしい。
0055(茸)
垢版 |
2018/11/12(月) 16:55:10.47ID:sgl42Qs3d
その間にわたしは店主に
「とりあえずネギまとぼんじり。タレと塩2本ずつ。」と注文を入れた。
「はい。」
店主は目も合わさずガラスケースの串肉を
掴む。
「何飲む?」
わたしは漸く隣に座った茜に訊く。
「んー、どうしよう。白ワイン?」
「そんなのあるわけないと」
「じゃー黒霧島のお湯割り」
「わたしもそうするたい」
それを注文したあとでわたしは声を潜めて訊いた。
「名前どうする?」
千石駅に降り立つまでの間ずっと店に入ったら偽名を使って会話をしようと話していた。
そうすると途端に世間とわたしたちの間に薄いカーテンにも似た幕が出来る。
茜は途端に真剣な眼差しになって言った。
「わたしは雅にする」
芯のある眼差しに笑いをこらえるのに必死だった。
「ねるは?」
茜も小声になる。
「んー、わたしはモモ」
「モモ?」
「うん、昔読んだ本ったい」
「へぇ」
特に興味がなさそうに「雅」は頬杖をついてiphoneを取り出した。
「雅」は時々物凄く冷たい人間じゃないかと思うことがある。いや、茜か。
0056(茸)
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2018/11/12(月) 16:55:54.40ID:sgl42Qs3d
「美味しそう・・・」
有田焼の平たい皿に乗っかったネギ間とぼんじりは炭火の黒と皮膚の色に似た白色に油が滲みだし弾けて湯気を立てていた。
「いただきます」
「雅」と「モモ」は声を揃えて串に食らいついた。
柔らかな肉に暖かな肉汁が舌苔に染み込むようだ。このお湯割りとよく合うだろう。

「ところで雅はお仕事順調?」
わたしはお湯割りをひと舐めして「雅」に訊いた。「雅」は一瞬何かを口にしようとして躊躇った。「雅」で話せばいいのか、それとも茜として話せばいいのか。
逡巡しているのだろう。
「雅ちゃん」と小声で話す。
「ああ、」と納得したように茜もとい「雅」はお湯割りの杯を傾けた。
茜の脳内ではいま、必死に「雅」の
台詞が組み立てられている。
酒の肴には殊更お似合いの猿芝居。

「最近、上司のあいつが煩くてさ」
「あの此の前話してたひと?」
台本のない芝居の始まりである。
いや、もう芝居は20年前から始まっているだろう。まだ名前のない「人生」という題名で。差し詰め、芝居の中の芝居。
そう、劇中劇のようなものか。
0057(茸)
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2018/11/12(月) 16:56:31.73ID:sgl42Qs3d
白紙の台本を捲りながら相対する
「雅」を窺う。
「この前の会議でも散々虐められてさ、あいつに。まじ最悪なんですけど。」
「雅ちゃん、丸の内の本社に移動になって喜んどったのに」
「ほんと、期待はずれ。」
「モモちゃんは?」
杯は半分ほどに減っている。
「なかなか順調たい。」
「いいなー、彼氏も仕事も上手くいってる人は。」
「ま、雅ちゃんにもそのうち出来るったい」
バールで殴られたような衝撃だった。
もしかしたらすべてが彼女たちには
わかっているのかもしれない。
「仕事っていう彼氏がね」
「雅」は葱間を追加したあと答えた。
「モモ!」
その一瞬の沈黙に新たな役者が出現した。
隅の老人だった。
空のグラスを奮わしてわたしの方を見ていた。「雅」は茜の、顔になって動転している。
「えっ、誰?」
わたしはその間に「モモ」からねるに引き戻された。
「違うか・・・モモはもう居ない。」
老人はため息をついて、白髪頭を掻きむしった。
「モモがしたんですか・・・・」
わたしはその老人に訊いた。
茜を一瞥すると茜は「まさかあの老人と関わるのか。」という驚きの眼差しを向けた。

「モモはわたしの孫だ。生きていたら今年で20になる。」
「生きていたら・・・?」
「そう、モモは亡くなった。15の時に。交通事故だった。モモも息子夫婦も、トラックに飲まれて死んだ。」
わたしは茜と顔を見合わせた。
わたしの「モモ」にそっくりだ。
その老人は目を擦って言った。
「モモが生きていたら大学だ。モモは頭がよかった。テストも高い点をとっていて、察しがよかった。将来はCAになると言って留学の出来る大学を目指していた。そう無邪気に笑ったのが最後だった。」
老人は皺だらけの掌を広げた。
「高速道路の玉突き事故で両親諸共即死だ。」老人はさらに続けた。
「息子は器量が悪く苦労もしたがモモは全くそんなことはなく、しかも心根の優しい子だった。」
深い溜息が焼き鳥屋 服部に響く。
「そうなんですか・・・」
茜は目の端を赤くさせた。
わたしもそうかもしれない。
「きみはもちろんわたしの知るモモではない。全くの赤の他人だ。だけど話を聞く時に唇が尖るのも方言が出るのもモモにそっくりだ。本当に。懐かしい気持ちになった。」
老人のグラスには水滴が流れ込んだ。
「ネギ間」
店主は落涙の間にできた沈黙を
切り裂いて器を置いた。
「1本サービス」
わたしたちの顔を見て武骨な顔のまま
そう言った。
礼を言って串を頬張る。
塩気がさっきよりも多い気がした。
0058名無しって、書けない?(茸)
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2018/11/12(月) 16:57:43.77ID:sgl42Qs3d
昨日のけやかけから。
個人的に好きな、奥田民生と寺山修司と降旗康男映画の影響を受けつつ。
0059名無しって、書けない?(庭)
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2018/11/12(月) 23:20:21.22ID:jJd64h37a
>>58
俺も降旗康男監督と健さんの映画に影響されて「北の街の理佐ちゃん」というのを書いたのを思い出しました

あの頃は小説スレ賑やかだったなw
0060雅×モモちゃん選手権に参戦w(大阪府)
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2018/11/12(月) 23:34:22.36ID:+/5+N+Fs0
「これ何て読むと?」ねるは聞いた。
「みやび…みやび」女は二度答えた。


波は防波堤をこえて高くしぶいていた。強い風が旗を揺らめかしている。日は強く照っていたが、いい天気とはいえない。
ねるは身支度を整えた。念の為髪に櫛を通しておいた。
相手は幾つくらいか、そして男か女かもわからなかった。

「君に協力してもらいたい」
つい一週間前に封筒が届いた。発信元は不明だが、便箋の下の方に一文字書いてあった。
”雅”
恐らく名前か何かだろうが、これでは性別どころか国籍さえも確かではない。

ねるは封筒を持って家を出た。程近い山頂まで走った。海が一望できる場所で、船の動きがわかる。
幾多の船の中から、旅客船を見つけた。まだ遠くの方にいる。ねるは双眼鏡で船をのぞいた。
白い手すりに人がもたれかかり、ブロンドをなびかせていた。

浜辺へおりていくと、光が反射して白く染まっていた。中型船は汽笛を鳴らして港へ入ってきた。
それほど大きな船ではないが、それでもこの島へ着港するものの中では一番の大きさだ。

船から観光客が降りてきた。一人ひとり顔を確かめるも、どの人が”雅”かが判別つかない。名前を呼ぶにも読み方がわからなかった。

そう思っていた矢先、大型バイク現れた。フルフェイスをかぶっている。ブロンドが垂れ下がっていた。どこからどう見ても、”雅”に違いなかった。

ねるが近寄っていくと、雅は手袋を外した。握手をした。ねるはこういう人間が嫌いだった。
誰かれ構わず手を握り、初対面から私と君は対等な人間なんだと言わんばかりの顔をされるのが鬱陶しかった。

「ハロー」
雅はフルフェイスを取った。さっきまで髪をとかしていたのが馬鹿らしくなるほど、その女の人はきれいだった。

「モモちゃん、今からはそう呼ぶよ。ところで例のものは?」
「持ってきました。でもこんなもの役に立つんですか?」
雅は人差し指を振った。外国人のような舌打ちをした。
「ここからさっきはこっちのエリアよ。君の領分じゃないわ」

雅は拳銃を向けた。ねるは手をあげた。
直後に銃声が鳴った。カモメが飛んでいった。
ねるは撃たれていなかった。そのかわりに髪に封筒が引っかかっていた。

「あまり詮索しないことね。それは今日の報酬」
「あ、待って」
ねるはバイクのエンジンを聞いて、慌てて雅を止めた。

「これ何て読むと?」ねるは聞いた。
「みやび…みやび…」女は二度答えた。

まぶしいまぶしいブロンドはそれっきりこの島には来なくなった。 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:1341adc37120578f18dba9451e6c8c3b)
0061名無しって、書けない?(dion軍)
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2018/11/12(月) 23:36:33.50ID:uh4R2rQw0
>>59
賑やかな時代が羨ましいw
0062名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/11/12(月) 23:38:29.87ID:+/5+N+Fs0
何か最後暗号みたいになってますけど関係ないですw

>>49
海外小説はありがたいお言葉です

>>58
『杯』良い題名ですね
『アンビバレント』も『二律背反』だったならもっといい曲になったんじゃないかと思う今日この頃です
0063名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/11/12(月) 23:39:29.76ID:+/5+N+Fs0
>>59
また良き時代が来ることを願いましょう
0064愚か者倶楽部の占い師(dion軍)
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2018/11/12(月) 23:49:33.55ID:uh4R2rQw0
「わたしを信じれることが条件です。」
辻占は言った。
「信じる。」
平手は生唾を飲み込んでうなづいた。
「懐疑的な目。分かってます。だからお金など要らない。」
辻占は額に汗をかいて小太りだった。
「だから繰り返すけれどわたしを信じれること。それが条件です。」
「だから分かってる」
平手は返す刀で答えた。刃で切れそうな眼差しに辻占は椅子を引いた。ギシギシと音を立てた。青梅街道の隅にある小屋の中。湿度は高い。
「あなたには暗い過去が見える。」
「暗い過去?」
「そう。父親は警官。母親はヒッピーだった。カリフォルニアに住んでいた。だけど両親はミシシッピ生まれだ」
「あんたわたしの何なのさ?」
「ただの占い師です。」
辻占は涼し気な顔をしていた。
「そしてあなたはカリフォルニアで拳銃を突きつけられたことがある。」
辻占はさらに続けた。
「あんた何者?」
「あなたは驚いた。当たり前です。」
「答えてよ。」
「だからただの占い師です。」
「その時救ってくれた男がいた。違いますか?」
「……………うん。いた。」
「その男はカリフォルニアにいるミュージシャンであなたは恋に落ちた。だけどその恋は叶わなかった。」
「ダニーのエレキギターはかっこよかった。カリフォルニアのバーでいつも80sのロックを弾いてた。」
平手は辻占の言葉を引き取って続けた。
「だけどあなたは振られた。」
辻占は眼鏡を取って白い布で拭いた。
「君を愛している。死ぬほど。だからこそ付き合うことは出来ない。そう言われた。」
前髪で隠れた瞳からは一縷の透明な糸が伝った。
辻占はそれを見て声を落としてこう言った。
「あなたがロックを好きで大人に反抗し続けるその理由のすべてはその男が好きだった曲の影響だ。」
「……………うん。」
「あなたはダニーになろうとしている。好きすぎるあまり。」
「それは違う。」
「違わない。ダニーは素晴らしいクリエイターだし、あなたも素晴らしいクリエイターだ。だからこそ互いに惹かれあった。」
「ダニーは影を帯びた人だった。」
「ヒットランキングの寿命は短い。流行りは変わる。あなたはダニーを追いかけてもやがてべつの流行りに飲まれて消える。栄枯盛衰だ。」
「・・・分かってる。」
「そして更にあなたは自分に縛られている。周りもそれを望んでいるから余計縄はきつくあなたを縛り付ける。」
「アイドルらしいこともやりたいの。ほんとはもっと。」
「だけどそれを赦してはくれない。周りが。だから孤独になっている。だけど。」
「だけど?」
「だけど。」
辻占は平手の掌を両の手で握りしめた。
平手は目をつぶり、深い息をした。
「あなたを好きで思う人はダニーばかりではない。あなたを、思う人は沢山いる。あなたは幸運なお人だ。ファンはあなたを優しく見守っている。ダニーではなくこれからはそのファンのためにやりなさい。あなたはファンへの慮りが足りない。」
「・・・わたしはこれからどうなる?」
「やがて道は開けます。あなたを愛する人によって。それがいまわたしに言える全てだ。」
煙に巻かれたように平手は小屋の出入口を
睨んだ。
胸にはいくつものモヤが渦まいている。
しかしいまの平手にはそのモヤを晴らす
術を知っていた。
「行け小さきものよ。あなたらしいその眼差しと歩みで。きっと上手くいく。」
辻占は立ち去る平手の背中に語った。
平手はそれに答えるように右手をひらひらと振った。
0065名無しって、書けない?(dion軍)
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2018/11/12(月) 23:50:44.85ID:uh4R2rQw0
とあるふたつの楽曲を混ぜてひとつの曲に。
ひとつはj-pop、ひとつは洋楽。
0066名無しって、書けない?(dion軍)
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2018/11/12(月) 23:52:36.50ID:uh4R2rQw0
>>62
居酒屋が出てくるのだから「グラス」じゃなくて「杯」だろうなと。やっぱりそれで正解でした。
>>63
良き時代はもしかしていまじゃないかとも思ったり
0067名無しって、書けない?(dion軍)
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2018/11/12(月) 23:54:50.07ID:uh4R2rQw0
雅とモモちゃん選手権面白そう。
0068名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2018/11/13(火) 10:20:15.33ID:uUI9588vK
>>65
洋楽はレッチリのあれなんでしょうけど(MVが秀逸ですよね)邦楽がわからん(笑)
きっと小さき者よなんちゃらのほうなんでしょうけど…中島みゆきさんあたりが歌いそうなイメージがある

さらに雅なんちゃらの元ネタがわからん(笑)
0069名無しって、書けない?(茸)
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2018/11/13(火) 10:28:03.01ID:/stbjUoNd
>>68
洋楽は正解です〜
Red Hot Chili Peppers/Dani California
で 邦楽は Mr.Children/過去と未来と交信する男
です。小さき者は有島武郎からの影響です。
0070名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/11/14(水) 23:47:17.74ID:krtjWc0X0
>>68
けやかけを見なはれー
珍しく見るに耐える面白い回でしたよ

>>64
出来ることならてちちゃんに「Show your teeth」なんて洒落たこと言ってみたいですね
0071名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2018/11/15(木) 01:35:08.66ID:mu3bsanVK
>>70
ありがとうございます
けやかけかがな推しかなとは思ったんですがやっぱりそうですか



じゃあわかんなくていいかな(笑)←重症
0072名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2018/11/16(金) 15:26:13.56ID:UFM7tVRTK
しょうらいは
だんなやこどもと
まじめにくらして
なかむつまじい
かていをつくりたいな

みんなが騒いでたほど美人とは正直思ってなかったし
まあいろいろ問題があったのかもしれませんが
個人的にはやっぱりどうしても嫌いになれないので
これからの人生に幸多かれと祈ります

という保守
0073Horizon(dion軍)
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2018/11/16(金) 21:06:01.31ID:MndmOWlm0
蛍光灯が照らす足元は酷く小さく見えた。
ヒールの音は不均衡に、バックの中身は肩よりも心に重たい。犬の遠吠えが喧しくと買ったばかりのコンタクトが合わない。
自分の溜息が疲労の限りを尽くしている。
聴きながら分かった。
家まであと500m。たどり着けるのか自信が無い。西荻窪のマンションに住んで5年になる。世間ではとっくに社会人と見なされている。
「ただいま」
鍵を置いて部屋中の灯りをつける。
「おかえり」と言う相手は居ない。
メイクを落とすことも明日に着替えることも億劫になって今日のままのベットに倒れ込む。
「疲れた」
声は枕に吸い込まれる。
こんなとき、時計の針が大きく聞こえる。
贈り物だから粗雑に扱えず、未だクローゼットの横にある。
「なんか食べなくちゃ」
独り言が多くなったなと思う。
冷気が手の甲に孤独を伝える。
不意に誰かと話したくなった。

「久しぶり」
その声はあの日から変わらず。
アルバムの写真からも変わらないだろう。
わたしが通り抜けたカラフルなトンネルの
なかにまだ彼女は居る。
「なんか疲れてるみたい」
機嫌の窺い知れない声はわたしのことを心配しているらしい。
「異動したばかりの部署になれんくてさ」
「そう。羨ましい。」
「羨ましい?」
「うん。普通の女の人の暮し、憧れだから。」
わたしの暮らしも見えない誰かの夢になっているらしい。
「そっちはどうなん?」
「こっちは新曲の振り入れが終わったとこ」
「またバキバキに踊るヤツ?」
「うん、そんな感じかな。」
「みんな元気?」
「相変わらずよ。」
「この前の曲、めっちゃかっこいいやん。」
「ありがとう」
彼女はきっとベゼルの向こうで笑っている。
無邪気に。
「そろそろ明日早いから」
彼女はそう言って欠伸を噛み殺した。
「わたしはあなたの味方だから、またいつでも電話して」
彼女はそう言って切った。
言いたかったことは詰りこれらしい。
「ありがと平手」
通話の終わった指紋の付いたベゼルに
触れて小さなベランダから
夜空に浮かぶ三日月を見た。
もうちょっと頑張ろうかな、と思った。
0074名無しって、書けない?(dion軍)
垢版 |
2018/11/16(金) 21:06:53.06ID:MndmOWlm0
THE YELLOW MONKEYのHorizonを聴いて思い浮かんだもの。こんなMVがあったら良いなと
0075名無しって、書けない?(dion軍)
垢版 |
2018/11/16(金) 21:29:18.93ID:MndmOWlm0
物語の主人公として書き始めた先から卒業か。
なかなか辛い。でも書きっぱなしはなぁ。
描き終わらなきゃ一応。
まだまだ物語しょっぱなだけど
なんだか無駄にセンチメンタルになって
描きづらくなった
まあでもかけるところまで書いて
んー、どうしようか・・・
なかなか気に入ってる物語だし、でも
書き終わらないまま放り出しそう
0076名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2018/11/17(土) 12:28:34.37ID:vORKOtudK
>>75
気が乗らないまま義務感で書いても満足なものは生まれないでしょうからね
千葉県先生の筆力をもってすればそれでもそれなりのものは書けちゃうでしょうけど…

という悪魔のささやき(笑)

かくいう私も、前にも書きましたが、構想はある程度できてるのに全くすすまない作品がありまして
書き出しからそれこそ半年以上放置しています(笑)
お得意の原作丸パクリ型のやつなんですが、今日は敢えてその書き出し部分だけ投下してみます
これで元ネタが何で主人公が誰になりそうかまで予想できる人は多分いないでしょう
いるとしたらかなりの洋楽マニアのおじさんおばさんですかね(笑)
0077(タイトルは秘密)(広西チワン族自治区)
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2018/11/17(土) 12:35:23.57ID:vORKOtudK
「運命はこうやって扉を叩く、か…」

窓の外の大きな満月を眺めながら、男はつぶやいた。

「何ですか?それ(笑)」
「かのベートーベンの言葉だよ。あの第5交響曲の冒頭のジャジャジャジャーン♪の意味を問われたときに言ったらしい」

女の問いかけに男は得意気に答えた。
2人の手にはワイングラス。白ワインで2人は乾杯した。

「君とこういう関係になったのも運命かなと思ってね。そしたらこの言葉が浮かんだのさ」
「あらやだ。交友関係じゃなくてもう恋愛関係でしょ」
「それはダジャレかい」
「ウフフ」

2人は軽いキスを交わした。

「まあ、こんな美しい戦争未亡人がいたら誰も放っておかないだろうからね。僕はラッキーだ」
「でも、コブ付きだけど(笑)」
「そんなの構わないさ」

そして2人が2度目のキスを交わそうとした、その時…

トントントントン…

「えっ…?誰…?」

まさに、運命のノックが響いた。

ガチャッ

鍵をかけ忘れていた玄関の扉は次の瞬間には開かれていた。
そこに立っていた人物を見て目を丸くし呆然と立ちつくす女。言葉も出ない。
その視線の先には、軍服姿の大柄な男が立っていた。

「ただいま」

軍服の男はそう言って、まず微笑んだ。

軍服の男は帝国空軍所属の大岡大佐。実は、この女の夫である。

5年前、世界大戦がようやく終結に向かおうとしていた頃に、大佐は戦死したとの報が女の元に届けられた。
女はしばらくの間は哀しみに暮れていたが、戦争が終わってしばらくしてから別の男性と知り合い、恋に落ちた。
それが今のキスの相手、フランク長濱氏である。

―未完のまま―
0078名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2018/11/17(土) 17:02:24.22ID:4dy+UbMnd
>>76
悪魔のささやきに誘われて書くところまで書いてみようか・・・な(笑)
とりあえず冒頭だけ投稿して(便乗)
様子見、
0079Maybe,blue(茸)
垢版 |
2018/11/17(土) 17:05:28.01ID:4dy+UbMnd
夕日を背景に黒い影に覆われた家々が佇む。
僕は死にそうなモーター音と震える窓越しにそれを見つめた。
「みどり台」って駅ね。
姉はそう言って電話口で咳をした。
僕はただ相槌だけを打って電話を切った。
コインパーキングとワンボックスカーの灯りだけが頼りであとは辺り真っ暗だった。
家はどこも同じように見え、僕は古い緑の屋根の八百屋の前で一人ふかい孤独を味わった。
家の近所にもある赤いコカ・コーラの自販機だけが頼りだった。
僕はやけに高いその飲み物にため息をついて
遥か道の先を見た。
「あっ、いた」
その時、背後からそんな声がした。
僕は心底ビックリして振り返った。
「姉ちゃん」
「久しぶりじゃん」
姉はすこし痩せていた。
そして髪を大人しい茶色に染め変えていた。
寒いのか、濃紺のシャツにジーンズの恰好に褐色のコートを着ていた。
「ここら辺暗いね」
「そう?」
姉は猫みたいな眼で暮れなずむ街を見渡した。
「あんたもうちょっと背伸びないの?」
薄暗いコンクリートの細道を並んで歩きながら、姉は言う。
0080Maybe,blue(茸)
垢版 |
2018/11/17(土) 17:06:18.90ID:4dy+UbMnd
蛍光灯が姉の白い肌を照らす。
「これが限界みたいだね」
「170は行かないとモテないね」
小馬鹿にしたような薄ら笑いをした。
「関係ないね」
「地味だからなほんとに」
「姉ちゃんが派手すぎんだよ」
「普通だし」
「いーやあんな紅しょうがみたいな髪はどう考えても派手だね」
「うっさい」
肩を強めに叩かれた。

姉の棲み家は思ったよりも広かった。
「広いじゃん・・・」
怖いくらいに室内の灯りが眩しい。
「なかなか上手くいってるからね、ショップ」
テーブルに鍵を放り投げて
姉はソファを指さす。
「そこら辺、座っといて」
「はいよ」
背負ったリュックの重さが肩に染みる。
姉は冷蔵庫に顔を突っ込んで何かを探している。
僕はガラステーブルの下に置かれた
写真を気にしている。
それはつい数年前に撮られたもので
大勢の同じ服を着た女性の真中に
異なる服装の姉と僕がいる。
「忘れるわけないか」
ため息がガラスに曇った。

「こんなんしかないや」
この冬場というのに姉は1.5Lのコーラを持ってきた。
「いや季節感、今冬よ」
僕は指紋の付いたふたつのグラスを掴んで
言う。
姉はゲラゲラと手を叩いて笑っている。
「それな。」
目の端を拭って姉は僕の隣に座る。
「姉ちゃんの彼氏はどうなの」
「うーん、まあまあ」
「そうなんだ、あれ、今日は」
「泊まりの仕事」
「ホントかそれ?」
0081Maybe,blue(茸)
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2018/11/17(土) 17:07:07.90ID:4dy+UbMnd
「今度こそホント。あいつそんなやつじゃないし」
「またんな事言って・・・・・」
「うるっさい、黙れ」
「はいはい、わかった」
グラスに注がれたコーラを一口
啜ってテーブルに置く。
「家、どう?」
姉は遠慮がちに聞いた。
「どうって、別に」
「うちのことは?」
「なんも話に出ないよ」
「やっぱそっか」
姉は僕の言葉に暫く黙り込んでのち
吐き出すように言った。
「あんたはあの彼女とどうなの」
「んー、まぁまぁ」
姉と同じ答えをしてしまう辺り嫌でも血の繋がりを再確認させられる。
「ってか彼女の写真見せてよ」
「なんでよ」
「いいからいいから」
姉は髪を耳に掛けて僕に顔を近づける。
僕は懐のiphoneを取り出してロック画面を見せる。
「かわいい・・・」
姉はiphoneをひったくってじっと見つめる。
「狡くない」
「なんでさ」
「めっちゃかわいいじゃん・・・」
0082名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/11/18(日) 00:46:37.82ID:LYuPkL3R0
>>77
元ネタは全くわかんないですど、もし僕がこの続きを書くなら壮大過ぎる物語になりそうなので、未完もうなずけますw

>>81
いつもながらですが、これは誰や…

何か千葉県さんと始まりが似てるような気がしますけど気にせず投稿しますw
0083名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/11/18(日) 00:47:06.90ID:LYuPkL3R0
『Runaway』1

若者たちの残骸が散らばっていた。
そもそも渋谷のハチ公前は待ち合わせに適さない場所だとあれだけ言ったはずなのに、あの子は何を考えているのかハロウィンの翌朝に僕をそこへ呼び出した。

恐らく最も日本らしくないこの上なく不潔な場所に、鈴本美愉の姿が確認できた。
しかし本当にそれが彼女であるか確信が持てず、僕はまるで彼女の飼い犬のように周りをぐるぐると回っていた。
そのうち彼女が顔を上げて不審そうな表情で僕を睨んだ。

「あの、私に何か用ですか」
彼女の声は特徴的だ。間違えようもない。
「やっぱり鈴本であってたのか」
彼女は眉を上げて、しばし僕の姿を上から下まで眺めていた。お互い出会うのは三年ぶりだった。
彼女はちっとも変わってないが、僕の方は少し変わっていたかもしれない。
0084名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/11/18(日) 00:47:33.58ID:LYuPkL3R0
『Runaway』2

「確か夜行バスで来たんだよね、お腹減ってない?」
彼女は返事をする代わりに首を縦に振った。
以前からそうなのだが、イエスかノーのクローズド・クエスチョンでないと、彼女との会話は難しい。
「何が食べたい?」と聞いても、悩み抜いた末に「何でもいいです」と返ってくるのがオチだ。

僕は行くあても決めないまま歩き出し、後ろに鈴本が付いてきているか確認しながら、頃合いの店を探した。
少し歩いた所に某ハンバーガーチェーンがあり、僕は彼女の確認もなしに店へ入った。
当然ながら店内はガラガラで好きな席に座り放題だと思っていたのだが、ハロウィン流れの残骸共がたむろしていた。

「鈴本さん何頼む?」僕は聞いた。
すると、「なんで”さん”付けなんですか?私が年下なのに」と返された。
もっともな指摘だったが、僕が今知りたいのは彼女が何を食べたいかの一点のみだった。
カウンターの前でメニューを悩んで突っ立っているのは、どうも田舎臭くてスマートな感じがしない。
0085名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/11/18(日) 00:47:51.92ID:LYuPkL3R0
『Runaway』3

「あのね、鈴本さん、普通のハンバーガーは朝メニューにはないんですよ」

鈴本が「じゃあ私ハンバーガーでいいです」と投げやり気味に言ったので僕は教えてやった。
ところが、店員から「まだ五時になってないので出来ますよ」と教えられ、逆に僕の方が初めて上京してカッコつけている奴みたいになってしまった。
そして僕がハンバーガーを二つ頼もうとすると、「やっぱり私サラダとポテトで」と物凄いストイックなメニューの訂正が入った。

「遠慮しなくていいよ」
「別に遠慮してるんじゃありません。そもそもこっち頼む方が高いですから」

結局、コーヒー二つとハンバーガーとサラダとポテトを受け取って、大きなミニオンの着包みを被っている人の隣に座った。
この店内では、僕たちの格好はむしろ普通すぎて浮いているくらいだった。
それは鈴本も気づいているみたいで、周りをチラチラ見ながらポテトをかじっていた。
0086名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/11/18(日) 00:48:47.76ID:LYuPkL3R0
『Runaway』4

「あのさ、今日は僕の所に泊まっていくんだよね」
「はいそうですけど…あ、やっぱり駄目でしたか」
「いや、全然いいけど」

そもそもなぜ鈴本が僕のアパートで一泊することに決めたのかが謎だった。
東京にはたくさんホテルもあるし、愛知から上京した友達なら他にもいたはずだ。
彼女と同じクラブに属していたとは言え、ほとんど話したこともなかったし、東京と愛知なら日帰りでも往復可能だろう。

「えっと今日はどんな予定?」
僕はコーヒを飲み干した。微妙な距離感の女の人と話すのは緊張して喉が乾く。
「いや特にないですけど。とりあえずバスで寝れなかったんで、今から家行っていいですか?」
そう言われれば彼女はずっと眠そうな目をしていた。
それに持っているカバンも重そうだったし、一緒に家に帰ることにした。

まだ、彼女を泊めることに現実を感じることが出来ないでいた。
0087名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/11/18(日) 00:51:46.62ID:LYuPkL3R0
『Runaway』5

「何で今日僕の家に泊まることにしたの?」
ホームで電車を待っている間あまりにも暇で、彼女も流れ行く電光掲示板の文字を追うばかりだったので、僕は聞いた。
「安いからです」

安い?
一瞬、僕が安い男とかそういうことなんだろうかとも思ったけど、よく考えればそんな失礼なことを直で先輩に向かって話せるような子でもない。
やがて合点がいった。
「安いっていうか、家は無料だからね。そうじゃなくて、何で他の人じゃなくて僕なの?」

「ああそれは、東京に住んでる知人の中で、一番先輩がモテてなさそうだからです。だからお金はお支払いします。タダの代わりに変なことされても嫌なんで」
やっぱり彼女は失礼なことを言うような子だったみたいだ。

「はぁ…そうですか」僕はため息をついた。
彼女が僕の方を向いた。
「まあそういうつもりだったんですけどね。でも…」と言葉を切った。
唇を尖らせている。無言で見つめられた。
さっきまでの眠そうな目はどこかへ飛んで、打って変わって鋭い目になっている。

やがて彼女は今のは冗談ですよとでも言いたげな笑みで、電車に乗った。



みなさんに同じく続くかどうかわかりませんw
0088名無しって、書けない?(dion軍)
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2018/11/18(日) 09:17:51.81ID:yZtrkEup0
>>82
志田さんです
0089名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2018/11/18(日) 09:52:43.01ID:4gS/g06+K
>>81
新潟出身云々は別にしても彼女はやっぱり冬とか寒さが似合うと前から思ってまして
さらにツンデレで意外と男とかに騙されやすそうなイメージも勝手に持ってたので
今回もキャスティングがバッチリだと感じました(笑)

さらにはこの先の展開がなかなか読めない分、続きへの期待も高まってしまうので
ここで終わるとがっかりされる方が多いだろうなあ〜(悪魔のささやき)

>>82
構成的にはまさにかなりの長編になりかねないので
本気で書くときは個人スレ立てないととも思うんですが
全く気力があがらず(笑)

いっそ設定だけ投下して終わらそうかということまで考えたり(笑)

>>87
もんたが出てきただけで何故か嬉しいのは実は自分はやっぱり強いていえばもんた推しだったんですかね(過去形)
セクシーな展開は期待してませんが(笑)こちらも続きが気になってしょうがないです
0090名無しって、書けない?(庭)
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2018/11/18(日) 12:51:51.59ID:6KDaQ5+ea
チワンさんと大阪府さんが長編ひっさげて復活しとる!?

千葉県さんももなちゃんが主役とはタイムリーで先が楽しみです
もなちゃんロスのオタの皆さんも待ってるはずです(悪魔のささやき2号w)
0091名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2018/11/19(月) 09:25:11.72ID:6A3NuwY/K
>>90
私のやつは水子供養みたいなもんですから念のため(笑)
0092名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2018/11/19(月) 23:56:10.05ID:SDRdoneZa
>>91
早くも流してしまわれたか!?
0093名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/11/20(火) 23:33:10.91ID:jxAFu8W60HAPPY
>>88
志田ちゃんでしたか
にしても卒業したメンバーを無性に書きたくなるのは何ででしょうな

>>89
最近は専らもんちゃん推しです
ボディーがどうとかいうのも多少あるかもしれませんけど、基本的に彼女の人間性が大好きなんですよね

>>91
恥ずかしながら水子供養なんて言葉初めて聞いた…
僕がチワンさんをたまに師匠扱いしたくなる理由は、ギリギリ必要のない常識とか雑学を教えてくれるところですかね

なんて思う寒い夜だから明日の朝くらいは庭さんのブラ紐当番を代わってあげたい保守
0094名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2018/11/21(水) 00:36:52.68ID:fcSztViVa
>>93
最近ブラ紐熱が戻って来てるんですよねw
0095名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/11/21(水) 23:48:41.52ID:NY/9bEA10
『Runaway』6

鈴本は家に着くなり、「シャワー浴びてもいいですか」と一言だけ言った。
一泊するという行動の中にはシャワーを浴びるという行為も含まれていることに、その時初めて気づいた。
僕は彼女にバスタオルを渡し、リビングに戻った。
あまりにもあっさりと事が進んでいく。
浴室の彼女が裸で存在していることがどうしても信じられなかった。

やがてシャワーの止まる音が聞こえた。
ガラッとドアが開く。
「おわっ!?」
バスタオルを巻いただけの彼女が出てきた。
鈴本は「ん?」と言って僕の顔を見つめている。
短い髪が濡れ、うっすらと水滴の残る体にはタオルが膨らんでいた。

「借りました」見ればわかる事を言って、鈴本は頭を下げた。
そのせいで胸の谷間が見えた。一気に心臓が高鳴った。どこを見ていいか分からず、思わず窓の外に視線をうつした。
0096名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/11/21(水) 23:49:08.93ID:NY/9bEA10
『Runaway』7

「さっきから何でおどおどしてるんですか?ここ先輩の家ですよ」

服を着てほしい、そう言いたいのになかなか言えない。
僕は「寒いね」と少し的はずれなことを言う。
「そうですか?」鈴本が言う。
どう考えてもこのまま同じ空間にいることは不可能だった。
僕も続いて浴室に向かった。

シャワーを浴びている途中、部屋からヒップホップ系の音楽が聞こえてきた。次いで、ドコドコと足踏みが聞こえた。
風呂から上がると、鈴本は踊っていた。
「何で踊ってんの?」
「冷えるからです」
彼女を見てみると、タオル姿のままだった。

この期に及んでようやくあることに気づいた。
そう言えば彼女はカバンを持ってきていない。ということは服も持ってきていない。

その日の夕方にダンスオーディションに行くまで、彼女はバスタオル一枚で過ごした。
0097名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/11/21(水) 23:49:31.82ID:NY/9bEA10
『Runaway』8

鈴本が帰ってきたのは午前一時だった。
ベルが鳴った時、僕は机に突っ伏していた。
ドアを開けると彼女が倒れ込んできた。お酒の匂いがした。
そのまま玄関のタイルで寝息を立て始めた。

抱きかかえるのは二度目だった。
高校生の時、アザだらけの鈴本を保健室に連れて行ったことがある。
彼女はイジメられていた。なぜ彼女にそんなことを出来るのか理解できなかった。
その時以来、鈴本は口数が減ったし、ダンス部も辞めた。
だから風呂上がりに踊っているのを見たときは少し安心した。
0098名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/11/21(水) 23:49:51.89ID:NY/9bEA10
『Runaway』9

次の日、服を買って上げるという口実で一緒にでかけた。
「オーディション受かると良いね」
「そうですね」
よく晴れた日だった。彼女はさんざん歩き回った挙げ句、安いファストファッション店で、ダウンベストを指さした。
「それでいいの?」
「はい、今晩寒くなるらしいんで」
僕は財布から一万円札を取り出した。中にはまだ数枚残っていた。
鈴本は買ったばかりのダウンベストを着た。ただの安物だが、よく似合っていた。

そのままバス乗り場に向かった。ターミナルはバスラッシュだった。人で溢れている。
「じゃあ」僕は言った。随分とぶっきらぼうな言い方だったが、その方が彼女にとってもいいだろうと思った。

すると彼女はこう言った。
「大丈夫?って言ってくれますか」
「どうして?」
「ほら、昨日酔っ払った時も、高校の時に背負ってくれたときも、言ってくれたじゃないですか」
「あぁ、そうだっけ」
「わたしそれで何とか頑張って来れたんです。だから言ってくれませんか」
彼女は目を伏せている。

鈴本がこんなにしゃべるのを僕は初めて見た。
彼女が頭を上げるのを待ってから僕は言った。

「大丈夫」
語尾を下げた。
僕の一言で頑張れるのなら、彼女は大丈夫だ。

鈴本は頷いて、バスに乗った。

0099名無しって、書けない?(庭)
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2018/11/22(木) 00:00:56.31ID:VUfe2bN/a
>>98
バスに乗るとこで終わるラストシーンが素晴らしい
まるでフランス映画の余韻です
0100Maybe,blue(茸)
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2018/11/22(木) 07:29:06.14ID:Kg/a7E+ed
「あ、そう」
「何その反応ムカつく」
その時、チャイムの音がした。
「あれ、誰だ」
姉は玄関に向かって
「はーい、えっ、誰」と言う。
僕は心底嫌な予感がした。
「あっ、おかえり」
姉の声が跳ね上がった。
玄関ではセブンイレブンのレジ袋みたいな茶髪が僕の、方を見ている。
「あれ誰?」
明らかに何かを疑っている。
「えっ、違う、違う、ほら前にも言ったじゃんうちの弟」
「あれ、弟?」
無駄にテンションの、高い声で言った。
「てか泊まりはどうしたの」
「えっ、ほら向こうにいく新幹線が止まって中止。」
「まじ?」
「見てみれば、結構ニュースでやってんじゃん」
二人はそんな会話を、しながら此方へやってくる。
「どうもー、」
男はジーンズにTシャツといった季節感の無い恰好で右手をヒラヒラとさせた。
「ってか似てなくね」
続けざまに男は言った。
「ま、でもこいつ男だしうちと顔似てるわけないじゃん、父親似だよ」
姉は顎で僕をしゃくって平然と言う。
「それな」
合点がいったように男は僕の隣へ座る。
僕は半強制的にスペースを空けることを
要求された。
「で、今日なんで家に来たの?」
再び冷蔵庫へ向かう姉に僕のことを指さし
つつ訊ねる。
0101Maybe,blue(茸)
垢版 |
2018/11/22(木) 07:30:15.75ID:Kg/a7E+ed
「んー、うちの親に様子見て来いって言われたんじゃん」
「へえ、まじか」
男は僕の方をじっと見る。
「そうなのか?」
黙って頷くと男は素っ気なく返事をして
テレビに目をやる。
「ご飯は?」
姉はまたあのコーラを、取り出してきて
男に訊く。
「あー、食べてきた」
「あっそ」
「あれ愛佳は?」
「うち?まだ」
「なんか食えよ体に悪いぞ」
「ありがと」
姉は言葉少なにそう呟いた。
「というかなんか食いに行くか」
男は僕の肩を抱いて笑いながら言う。
「いや距離感」
僕は思わず呟く。
すると男は僕の肩を叩いて弾けるように笑った。
「やっぱさすが弟だわ」
「なにが?」
姉はダイニングテーブルに座っていつの間にか持ち出してきたポーチからリップを握って言う。
「こいつにね俺がさっきなんか食いに行くかつったらぼそっと距離感って言ったの、それがお前の口調そっくりなの」
「そりゃ弟だからね」
姉は扉の半開きになった寝室へ向かう。
ポーチはそこに閉まってあったのかと。
独り合点して僕は男を見る。
「ほんじゃ行くか。」
男は姉と僕を見る。
寂れた駅の反対側にファミレスが有ると知った時僕はいくらか驚きを隠せなかった。
来た時は全く気づかなかったが見た事のある看板が墨を撒いたような闇に浮かんでみえた。そこにたどり着くまでの間、僕と男はLINEを交換した。姉の提案だった。
0102小説ではない(広西チワン族自治区)
垢版 |
2018/11/23(金) 10:16:13.07ID:XL+coR5fK
他のスレで試したらなんかいけそうな気がしたので保守目的に投下
・・・・・・・

あんまり
いいことも無いし
うつくしい未来も
えがけそうにないから
おさらばします。

かなしいことだけど
きたいするだけ
くるしくなる。
けっきょくは
こうなる運命。

さがしにきても
しかとして
するーするからね。
せんげんしとく。
そういうこと。

たのしいことなんて
ちょっとしか記憶にない。
つらいときに
てを差し伸べてくれる子も
とうとういなかった。

なかまだとか
にじゅういちにんの絆とか
ぬけぬけと
ねんぶつだけ唱えて
のうのうとしてるだけ。

はじけそうな気持ちを
ひとりでしまい込んで
ふざけて
へらへらしてるのに
ほとほと疲れた。

また会おうとか
みんなは
無理して言わなくていいよ。
めんざいふにはならない。
もう会わない。

やがて
ゆきみたいに
よのなかから消えるよ。

らいばるとか
りーだーとか
るーるとか
れんたいとかに
ろくに馴染めなくてごめん。

わたしを忘れてください。

―了―
0103名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2018/11/23(金) 10:36:12.44ID:XL+coR5fK
>>98
読み終えてみるとやはり大阪府先生ワールドですね
この余韻と空気感が素晴らしい

願わくばもんた本人登場で忠実に実写化を…

あとタイトルの由来がいまいちわかってない…(デルシャノンの懐メロとシャネルズしか思い浮かばない…)

>>101
こういうディテール(っていうんですかね)が自分には書けないので感心しきりです
続きをさらに期待

>>102
1箇所ミスってた(笑)
0104ドグマ (前)(茸)
垢版 |
2018/11/23(金) 11:14:02.47ID:gZnth4oUd
あなたはもう必要無い」
ここ数日、頭のなかでそんな言葉が繰り返される。わたしはその度に目を強く瞑り耳を鬱いだ。しかし、それでもその声は聞こえ続けた。夜にはこんな夢をみるようになった。
深く、暗い土の中。僅かに光が射している。
わたしは裸のまま、体育座りでその光を
ぼんやり見詰めている。電子音が鳴っている。
するとそのうち、笑顔のわたしが。
光の向こうから顔を出し、
その光を黒いシャベルでうめてゆく。
裸のわたしには目を合わせず、ずっと知らない方を見て、埋めるから、目や耳や、肩や、色んなところに黒く湿った欠片が付く。それがたまらなく不愉快で、必死になって払っていると光がどんどん絞られて、
見上げた瞳の向こうで一切の黒い中に
閉じ込められる。
わたしはその中でやはり耳と目を塞いで叫ぶ。叫ぶけど声は出ない。
「あなたは必要ない」
深海の中から青空を見上げて呻くようにその言葉が聞こえて目が覚める。
0105ドグマ (後)(茸)
垢版 |
2018/11/23(金) 11:14:59.51ID:gZnth4oUd
肩を叩かれた。何度も。やがて揺すぶられた。わたしは前髪の隙間からその主を見る。
「てっちゃんもうすぐ出番」
やや斜めったヘッドセットを付けたねるが弓を張ったような緊張顔でわたしに言った。
「あ、ごめん。」
深緑の衣装の皺を伸ばして立ち上がる。
「ねる、それズレてない?」
小豆色の廊下を歩きながらねるに言う。
「え、ほんと?」
ねるは慌ててヘッドセットを直す。
しかし直す。どころかさらにズラしている。
「貸して」
結局そんなことを言ってねるのヘッドセットを直した。
「てっちゃんのヘッドセットも付けてあげる」
そうか。人のヘッドセットを注意しておきながら自分のは首にかけっぱなしだった。
たぶん、ねるに任せると斜めに付けるだろうけど任せた。
「出来た。」
ねるは笑ってわたしの背中を優しく撫でた。
やっぱり案の定斜めになっている。
ような気がして少し調整をする。
そんなことをしながら寒い廊下を暗いステージの裏に向かう。しかしその暗さは不愉快ではない。煩いまでの声に包まれているから。
「てち、すごい爆睡してたね」
笑いながら喋るその声の主はふーちゃんだ。
「なんかすんごい眠くて最近」
わたしは欠伸を噛み殺して答える。
「成長期だからな〜、羨ましい」
そんな年寄りくさい事をいいながら
腕に絡みつくのはチャプテンいやキャプテンだ。
おしゃべりの声がさざなみのように聞こえる。
「もうすぐ、出番です。」
土の中、再び光が指す。
司会者がわたしたちの名前を呼ぶ。
「お願いします」
そう言われて駆け足で光の向こうへ飛び出した。
0106名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/11/23(金) 13:46:10.87ID:E0on3B2t0
>>99
ヨーロッパの映画は、ハリウッドに無い魅力がありますよね

>>103
タイトル自体に意味は無いんですが、これはあっち系のビデオのタイトルから連想した物語ですので(映像は見てません、本当に見てませんw)
家出少女を拾い、その子が旅立っていく、みたいな意味を込めてRunawayにしました
行為を除けば意外と魅力的なシチュエーション多いんですよ、そういうビデオは。
0107名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/11/23(金) 13:50:49.83ID:E0on3B2t0
>>102
よく見たら>>72もそういう仕組みになってたんですね
気付きませんでした

>>105
メイキングなんか見てると、てっちゃんは舞台裏と表舞台では全然表情が違いますよね
せめて表舞台の方だけでも生き生きとした顔を見せてほしいものです
0108Maybe,blue(dion軍)
垢版 |
2018/11/23(金) 19:06:50.01ID:2xA93IJ50
「で、何食べる」
4人がけのボックス席に通され、
僕の向かいには姉と、ちゃっかりその隣を抑えた男がいる。
男は座りながらそんなことを言った。
「あれ、奢り?」
「給料入ったばっかだからね」
男は頭を掻く。
「でも、あんま高いのは勘弁」
「知ってるよ」
メニューを捲りながら姉は言う。
僕はネギトロ丼とうどん、姉は名前の長いステーキのセットを頼んだ。
おもいっきり高い。
男はアンガスビーフのハンバーグ
セット、ソースは和風だった。


話題を探すように目を泳がす姉とハンバーグにがっつく男。このテーブルはファミレスらしき喧騒から離れていた。そして僕と姉と男の間には薄い幕が引かれていた。
「いまどこにいるの?」
そんな時にこんなLINEが来た。
彼女からだった。
僕は手を止めてしばらくその画面を見る。
「姉ちゃんのとこ」
そう送るとすぐに返信が来た。
「お姉ちゃんなんか居たんだ」
姉の、ことは誰にも言わなかった。
「彼女から?」
姉はそう言った。
「どうして?」
「いや、ニヤニヤしてたから」
「まあ、そうだね」
「あれ彼女いるの」
男はハンバーグから目を離して僕を窺った。
「はい」
「へえ、どんな感じ」
「めっちゃかわいいのこいつの彼女」
姉がそう言って僕に目線を当て逃げする。
「みしてよ」
男は口の端のソースを紙ナプキンで拭う。
僕は彼女の写真を探した。
それはお台場のカフェに行った時に何となく撮ったものだった。鎖骨までの黒い髪には天使の輪が浮かんでいる。肌は驚くほど白く、カメラの存在に気づいて頬はほんのり赤くし、フォークを持つ手で口元を抑え、微笑している。
「ほんと、まじで何処で知り合ったの」
姉はステーキの一欠片を口に放りこむ。
「えっとあの・・・たまたま同じ古本屋にいつも行ってて、でそこで知り合った」
「すげー気になるんだけど詳しい話」
男はすっかり全てを平らげて腹をさすっている。
その時、重たい音がテーブルに響いた。
姉が机に突っ伏して居た。
「おい」
男は肩をゆすって姉の名前を呼ぶ。
「救急車」
男は悲しげに叫んだ。
僕は懐のiPhoneを取り出した。
0109(地震なし)
垢版 |
2018/11/24(土) 19:09:50.33
誰かひらがなけやきのバトルロワイアル小説書いて
0110名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
垢版 |
2018/11/25(日) 08:06:25.17ID:wBT7BImQK
>>105
てちこさんはその内面でいろんなものと戦ってるんだろうなという私が持ってるイメージにぴったりな作品をありがとうございます
ねるがまた秀逸でいいです

>>106
その昔、才能ある監督や革新的な面白い作品が一般日本映画よりもむしろピンク映画にあったというのと似た現象なんですかね

>>107
縦読みが気付かれないくらい自然に書くのが理想的なんですが
一方でそのせいで全く気付かれないと寂しい

まさにアンビバレント(笑)

>>108
千葉県先生の作品の登場人物はよく倒れるというのを忘れてたので結構衝撃的展開っす
無事なんでしょうか??

>>109
『ばとるろわいやる』←ひらがなのバトロワだから(笑)

春日「それではこれから皆さんに殺し合いをしてもらいます」

皆さん「…」

春日「…」

きょんこ「え?始まってんの?始まってんの?」

―了―

バトルロワイヤルに関する私の考えは先のよねねるのやつで完結しているので
他の方にお願いしますm(_ _)m
0111オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
垢版 |
2018/11/25(日) 11:19:08.85ID:g/4RwUce0
ピンポーン♪
織田「誰だよこんな遅い時間に・・・」

覗き穴を見ると、にっこり笑っている理佐だった。
理佐「ねえ部屋に入れてよ〜、あそぼー♪」
織田「やだよーもう11時過ぎだよ」
理佐「きょう朝ゆっくりだったから、まだ全然眠くないんだよ。5分でいいから・・・」
織田「やだ!明日にしてよ」
理佐「昨日楽屋でこっそりゆいぽんの太ももを盗撮しようとしてたのバラしちゃおっかな〜」

織田が動揺している隙に強引にドアを開けて侵入してきた理佐。

織田「きゃっ!ちょっと・・・・」
理佐「あっ!何て格好してるの!!」

何と織田はほぼ全裸の格好だったのだ。
かろうじて薄ピンクのパンティは履いていたが、ブラジャーもつけていない。

理佐「ダ、ダニー・・・ほんとに部屋ではこんな格好してるんだね。結構スタイルいいじゃん♪」
慌てて服を着ようとする織田を押さえつけて、理佐はそのまま織田をベッドに押し倒してきた。
0112名無しって、書けない?(dion軍)
垢版 |
2018/11/25(日) 12:01:46.47ID:nYYksjEb0
>>110
よく倒れるのは世界の中心で愛を叫ぶとか1リットルの涙が好きだったところが理由で。そう言うアクシデントが、あると人の本当のところが分かる気がしてよく書いてしまう。
0113名無しって、書けない?(dion軍)
垢版 |
2018/11/25(日) 12:05:25.22ID:nYYksjEb0
よく登場人物が倒れたり、列車が出てきたり、デレ目のキャラが出てきたり、雨が降ったり、夕方が訪れたりするのが自分の書くやつあるあるで、わかっていつつも、つい書いちゃう、どうにかしなきゃ
0114Maybe,blue(dion軍)
垢版 |
2018/11/25(日) 12:25:50.66ID:nYYksjEb0
救急隊の到着によって薄い幕は今、完全に破られた。水色の作業服の男二人がオレンジのクーラーボックスのようなものを肩にさげ走って此方へ向かう。
男は救急隊に殆ど何の澱みもなく事の経緯を話した。
「食事中に突然倒れて、持病はありません。ですが時折眩暈と頭痛薬がすると言って居ました。」
だいたいこのようなことを話した。
僕は手持ち無沙汰なままただ目の前に展開している出来事にドラマの中へ迷い込んだような錯覚を起こした。
あとからきたもう1人の隊員がストレッチャーを広げ、その場の救急隊員全員で姉をストレッチャーに載せ運んでゆく。
僕はテーブルの前に立ち尽くしている。
すると男が、「俺はここ払っとくから病院行け」と肩を叩いた。
僕は黙って首を縦にふるとストレッチャーについて行った。
「病院の場所、LINEしてくれ」
背後から男の声が追いかけた。
僕は振り返って頷いた。
曇った酸素マスクだけが、姉の生存を知らせていた。
無論モニターにも数字は跳ね上がり踊って克明にあるが、それ自体が姉のものであるという実感が、あまりわかなかった。
救急車は酷く揺れた。
「バイタルは正常。脳出血、くも膜下出血の疑いあり。只今から其方に搬送する。」
無線で怒鳴っていた救急隊が額の汗を拭ってこちらを振り返り、「千葉大学付属病院に搬送します」と言った。
「お願いします」
僕はそう答えてからだらんと下がった姉の白い手をとって握った。
ストレッチャーはリノリウムの床、
消毒液の香りがする病院を真っ直ぐに走る。
隊員は肩から下がってくるバックを直しながら緊急治療室へ駆ける。
治療室の前にあるベンチで僕は男に搬送された病院を教えた。
するとすぐに向かうと返事が来た。
僕は息を吐いて扉の先に居る姉を想った。
「だから早めに病院行けばって」
男は隣でどんより重たいため息をついた。
暫くたってから独り言のように僕は、「そんな前から」男は頭をかいて直ぐ「・・・ああ」と言ってまた黙り込んだ。
0115名無しって、書けない?(dion軍)
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2018/11/25(日) 12:27:03.75ID:nYYksjEb0
×頭痛薬
〇頭痛
誤記です・・・
0116オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/11/25(日) 13:27:20.41ID:g/4RwUce0
メンバー内では怪力の織田ではあるが、理佐の柔らかくてスベスベの肌を心地よく感じてしまい、抵抗する力が弱い。
理佐「ねえせっかくこんな格好してるんだから、楽しい遊びしようよ♪ 私が前からダニーの事好きなの知ってるでしょ♪」
織田「そりゃ理佐のことは私も好きだけど、それとこれとは・・・」

いつの間にか理佐は,織田と同じ格好になっていた。
形の良い乳房をあらわにしている。
そして、いきなり織田の胸の谷間に顔を埋めてきた。
織田「り、理佐やめて! 理佐がそんな子だなんて・・・」
理佐「ねえダニーは今までこんなことしたことあるの?」

顔を上げて妖艶な目つきで織田を見ながら理佐は尋ねてきた。
その間に手は織田の胸や太ももを愛撫し始めている。

織田「あ、あるわけないでしょ・・・アッ、アン」
理佐「ダニーは真面目だもんね。鈴本とも全然ないのか。じゃあ私が初めての相手ってわけね光栄♪ あ、結構感じてきた?(笑)」
0117オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/11/25(日) 17:21:06.84ID:g/4RwUce0
織田の反応に気を良くした理佐は、結構豊満な胸に舌を這わせ始めた。
そして気持ち良さを我慢しているような織田の表情を伺いながら、
大きめの乳首を甘噛みしてみた。
その瞬間、それまで抑えめな喘ぎ声しか出さなかった織田のテンションが上がった。
織田「アーッ!気持ちいい・・・」
理佐「ここがいわゆる性感帯ってやつなのかな」

理佐も実はそんなに経験はないのだが、それでもわかるくらいの反応を示していた。
理佐「あれ?ダニー、パンティが濡れてるよ」

織田が押さえようとするより一瞬早く、パンティに手を掛けて一気に引き下げた。
織田「ちょっと、理佐やめてーーー」

そしてその瞬間、秘部から濃厚な匂いが立ち込めた。
汗とブレンドした独特な香りだ。
以前、番組で織田は臭いと毒づいた理佐だったが、
きょうは全然不快な匂いではなかった。
むしろ理佐はこの香りで興奮が高まって・・・
0118名無しって、書けない?(東京都)
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2018/11/25(日) 17:27:29.52ID:dRViYfJo0
たまらねえぜ
0119オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/11/25(日) 18:28:01.72ID:g/4RwUce0
理佐はおもむろに織田にキスした。最初は唇に触れるだけだったが、
ついに舌を入れて、ディープキスに移行してきた。織田はほとんど抵抗せず、理佐に身を任せていた。
そしてとうとう右手を織田の下半身に持って行き、クリちゃんにそっと触れた。
織田は最初びっくりして、跳ね除けようとしたが、ディープキスとの合わせ技は強力で、
体が思い切り反応してとうとう叫んでしまった。
織田「理佐、気持ちいいよ〜」

織田も正直自分で慰めたことはあるのだが、他人に、しかもこんな美人にイジられるとこんなに感じるとは。
私レズっ気あるのかな?
その後も理佐の柔らかい唇と細長い指による攻撃は続き、とうとう織田はイッてしまった。
織田は理佐に強く抱きついたままぐったりしてしまった。

理佐「ねえダニー、気持ち良かったね。」
織田「私は気持ち良かったけど、理佐は?私理佐に何もしてないけど・・・」
理佐「ふふ、私はダニーといちゃいちゃ出来ればそれでいいの。でも次は私も一緒に・・・ きょうはさすがに疲れた。ダニー大好きだよ」
こうして織田にとって夢のような夜は終わった。
0120オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/11/25(日) 18:36:49.07ID:g/4RwUce0
疲れてるはずなのに、その晩織田はなかなか寝られなかった。
体の興奮が静まるまで、かなり時間が掛かったのだ。

理佐はモデル体型で顔も小さく、欅坂で1,2を争うビジュアルメンだ。
そんな理佐とこんなめくるめくような体験が出来たのは、
とても幸せなのだろう。
でも前から思ってたのだけど、理佐はどうして私なんかをこんなに気に入ってくれるのだろう。
あ、美女コンビの相棒がいなくなってしまったから、寂しいのかも。
もしかしたら、前は愛佳とこんなことしてたのかな?

こんどは理佐にも気持ち良くなってもらえるよう、私も勉強したほうが良いかな。
でもどうやって・・・
0121名無しって、書けない?(庭)
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2018/11/25(日) 19:54:23.22ID:LqiO6kk0a
おっ、新しい作家さんだ
0122名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/11/25(日) 20:01:23.84ID:nbrk4d/X0
奇才現わるw

>>120
いいですね
事の運ばせ方が丁寧で、それでいて起伏に富み、ちゃんとオダナナの心情も描けてて凄いです

>>114
人生で一回は救急車に乗るのが僕の夢なんですが、なかなか乗る機会ないです
0123オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/11/25(日) 20:44:29.16ID:g/4RwUce0
>>121>>122
反応ありがとうございます。

オダナナ推しですが、人気が微妙なメンバーなので・・・
特に、こういうエロ系には向かないタイプと思うので、
どういう方向で行こうか迷っています。

ここの板は、エロ系でも正統派でも文章力のある人が多いから、
短めの文章でテンポ良く行くしかないかな・・・
0124オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/11/25(日) 21:11:13.01ID:g/4RwUce0
それから数日後、仕事が早く終わったので、天気も良いから商店街をぶらついていたら、
メンバーの上村莉菜に出会った。
重そうな荷物を持ってよろよろ歩いてる。

織田「むーちゃんどうしたの? 重そうだね」
聞くと、米が切れたのだが、いつも配達してくれてた馴染みの米屋がつぶれてしまってて、
仕方がないのでスーパーで買って持って帰ろうとしてるのだとか。
上村は寮住みではなく、この近くのワンルームマンションに一人で住んでいるのだ。

織田「むーちゃんに5Kgの米は厳しいでしょ。私が持ってあげるよ。」
上村「ありがと。さすが男前♪」
上村の倍くらい腕力のある織田にとって、5Kgくらいの荷物は朝飯前だ。
上村の部屋に上がって一休みする。
上村「ねえ、きょううちでご飯食べてかない?カレー作ろうと思ってたんだ」
織田「おっいいね、カレー大好き♪」
上村「じゃあ早速作るね。ダニは休んでて」

織田「あー食った食った!すごく美味しかったぁ。むーちゃんはいいお嫁さんになれるよ」
手早く食器洗いをしてる上村を見ながら、織田は本心からそう思った。
妖精のような愛らしい顔立ちでファンから人気の高い上村を、
織田は普段から羨ましい気持ちで見ている。

上村「ねぇダニ、良かったら今晩泊まってかない?もっと二人きりでお話したいの」
織田は上村と楽屋でしょっちゅうくだらないことをしてる仲だが、
シリアスな話をすることはほとんどない。
上村のいつになく真剣なトーンが気になり、泊まって行く事にした。
0125流れ星の正体(dion軍)
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2018/11/25(日) 23:21:17.52ID:nYYksjEb0
渋谷の交差点を渡って、タワーレコードの方を歩いている合間。なぜかこんな話になった。
「昔に戻れるとしたら、何時|何時《いつ》に戻りたい?」
これは渡邉理佐が不意に訪れた喧騒のなかへ。如実に浮かび上がった沈黙の中で、
それを打ち消す言わば打開策として
なんとなく振った話題だった、
これが彼女の目的のない休日の外出同伴者
尾関梨香にとっては、その日眠るまで洗っても、消えない染みの如く。洗ったとて色あせ残ってしまうあの不愉快な染みの如く。
脳裏に付着してしまった。その時は、「えー、どうだろう・・・」と口ごもって
それっきりになったのだが、尾関が彼女と別れて家路につく一人道で不意にその事が首を擡げたのだった。
戻りたいとしたら何時か。否、抑戻りたいのか。たんなるifにしか過ぎないのだが、メンバー2人が卒業し、センターが不安定な状況のなかでそのifは不気味に背後へ迫り来る。
尾関はこのifに酷く懊悩する始末となった。
こんなifを持ち出した彼女を怨んだがしかし
彼女とて、まさか帰り道で酷く悩む事態となるとは。想定していない筈。
戻りたいとは直ぐに思った。そして戻りたい時期もはっきりと浮かんだ。率直に。
それは二人セゾンの頃だろう。
この問を投げかけた時、殆どどのメンバーもそう回答するのでは無いか。たった一人、刹那的な生き方をしている平手以外は。
あの頃は。だれの眼もまだ見えぬ、掴めぬ白く眩い向こうに笑顔が輝く。
振り付けの時も、披露の時も。
どんな反応が来るのだろう。と期待していた。
そして反応がくるその時がもどかしい。
さらには次々と変わる楽曲の世界に胸が踊っていた。今もこの楽曲が自分にとって特別な煌めきを放つ。寝る前にまたあのミュージックビデオを見ようと尾関はiphoneを取り出した。
0126流れ星の正体(dion軍)
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2018/11/25(日) 23:23:27.50ID:nYYksjEb0
その思いは何も尾関だけではなかった。
尾関と別れ、家について買ったばかりのソファーに身を嘆息をした理佐も、そんなことを考えていた。
たどり着いた意見は時間と距離を越え共有される。しかし互いにそんなことは知らぬ。
鼻歌で出るサビも今は悲しい。
しなかやかに舞う手足も、広がるスカートの裾も追憶の彼方に消えた。
愛佳も今泉もよねも居ない。
いま、休んでいる葵ですらいなくなってしまうようで理佐は怖いと感じている。
写真集を捲って、雑誌を捲って届く文字の中の声が苦しい。
そもそも、理佐にとってはオリジナルメンバーが一人ずつ櫛の歯が欠けるみたいに居なくなることが何物にも変え難いほど苦痛に思っている。
ミュージックビデオを見ても毎回いなくなったメンバーを追うてしまう。
卒業と言っているが脱退とかそんなマイナスな言葉の方が正しいはずだとも思っていた。
何も思い残すことがないまま去ったメンバーはいまの所だれも居ないと密かに理佐は感じている。
こんな迷路みたいな問を一人になって考えるのだが、毎度、その日に差し迫る仕事に備えて答えを出さぬまま強制的に脳をシャットダウンさせるから答えなど出るべくもなかった。
そしてその問は自分たちのグループの存在にも考えを及ばす。
理佐は欅坂46というグループを流れ星のような物だと思っていた。
身を焦がして夜空を光らす流れ星はまさに今のわたしたちじゃないかといつだったか思った。
その問を考える度、いつもそれに思慮が及んだ。
このまま軌道をそれて放り出されどこかに燃え尽きながら不時着するのではとアクシデントが起こる度胸に|過ぎる《よぎる》過ぎる。
しかしながら一瞬の眩い光はどのグループの輝くそれよりも強いと思っている。
ファンの人々の暗い空にも強く瞬いていると自惚れる。
そしてそんな答えのない問を考えるよりもいまはずっと行き先は分からないがたどり着く先まで、強い、光の曲線を描いてファンの空までも卒業したメンバーの空までも光っていたいと思っている。
0127名無しって、書けない?(dion軍)
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2018/11/25(日) 23:25:05.98ID:nYYksjEb0
BUMP OF CHICKENの流れ星の正体から。
了をつけ忘れた。ここで終わりです。
0128雨音はショパンの調べ(dion軍)
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2018/11/25(日) 23:32:40.73ID:nYYksjEb0
漫ろ雨が黄昏のグラウンドを濡らした。
その場にいる生徒たちは一斉に下駄箱の前に走り出してゆく。足跡で固まり凹凸の出来た地面は次々と雨の波紋に溶けているようだった。僕は教室の窓からそれを見ていた。
「雨降るなんて聞いてないよ」
いくちゃんは机に頬をくっつける。
「傘持ってないや」
僕は鞄の中身を脳裏に浮かべる。
「しばらく雨宿りかぁ」
いくちゃんは黒板の近くにある壁掛け時計を見た。5時10分を指していた。
「委員会の集まりってそんなに時間かかったっけ」
不協和音が耳を轟かす。
いくちゃんが椅子を引いて脚をばたばたさせて言った。
「次の委員長決めが終わらなくてね」
「ふーん」
「いくちゃんのとここそそんなに時間のかかる委員会なの?」
「うーん、会計報告みたいなのに時間かかって」
「運動部ならまだしも文化部でしょ?」
いくちゃんは文化部の部長同士が集まる文化部委員会の委員長だった。
夕方のチャイムが撓んで聞こえる。
隣同士ぼんやり座って何となくため息をする。
「なんか眠くなってきた。」
欠伸をしていくちゃんは椅子を近づける。
僕はびっくりして隣を見る。
「おやすみ」
いくちゃんは僕の太腿に倒れ込んだ。
「嘘だろ」
僕はぼそぼそ呟く。
「雨がやんだら起こしてね」
いくちゃんは僕の顔をじっと見てくすっと笑う。
「うん」
僕はただ頷くしかなかった。

それから数分後。遠慮がちな音で本格的に眠り始めた。体温が上がる。
いくちゃんは僕の太腿を枕に、自分が座っていた椅子に体を横たえている。
小さい椅子で手足がだらんとたれている。
「よくこんな体勢で眠れるよな」
ひとりで呟く。その時ドアが開いた。
「あれっ、」
渡邉さんが戸口の方で固まっている。
信じられない物を見たような目で。
「お邪魔しました〜」
乱暴にドアを閉めて渡邉さんは出ていった。
一体何をしに来たんだろう?
「ん、どうしたの」
いくちゃんが目を擦って起き出す。
「いや、いまさっき渡邉さんが。」
「えっ、りっちゃんが見てたの?!」
驚いたような顔で僕を見、やがて黙り込む。
「付き合ってるって思われるじゃん」
その時はまだ付き合っていなかった。
「駄目なの?」
僕がそう訊くといくちゃんは立ち上がって
「帰るよ。」と言った。
僕はグラウンドを見た。
雨は上がっていた。
僕も立ち上がっていくちゃんの後を追った。
0129名無しって、書けない?(庭)
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2018/11/25(日) 23:34:47.13ID:LqiO6kk0a
>>123
俺の待ちわびていた推しメンを主役にした作家さんが現れたのか、、、涙

いつの日か『オダナナだから好きスレ』を立ててください
なんてだから好きスレのフランチャイズ化を諦めてない俺w


>>127
数年たったらこの小説みたいなMV作られてそうw
0130(地震なし)
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2018/11/25(日) 23:50:35.65
ひらがなけやきの小説よろしく
0131名無しって、書けない?(家)
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2018/11/26(月) 18:13:22.73ID:qPzsKox+0
織田「ねえそういえばむーちゃん、最近けやかけで大人しくない?」
上村「うん・・・それが悩みなの。私スタジオで気の利いたこと全然言えないでしょ。
アンケートはそこそこ出してると思うんだけど、ほとんど採用されなくて・・・
織田の話題出した時くらいだよ、採用されるの。」
織田「私をいじるようなネタだったらいくらでも出していいよ」
上村「この前の『織田はなぜモテるのか』の時だって私、ダニを好きな気持ちだったら全然負けてないのに、インパクトのあるエピソードが出せてなかったのかな?」
織田「その気持ちだけで嬉しいよ。むーちゃんはさ、すごく可愛いんだから、もっと自信持ってどんどん番組で発言してきな」

織田「それとさ、ブログももっと頻度上げた方がいいんじゃない?」
上村「昔はもっと頻繁に書いててたんだけどね。何か虚しくなって・・・」
織田「どうしてよ」
上村「ファンのコメントの量も減ってきてるしさ。一番腹が立つのが悪口。」
織田「そんなの運営さんが消してくれてるでしょ?」
上村「そうなんだけど、運営さん曰く、ずーみんを苛めて辞めさせただろ、みたいなコメントが多いらしいの」
織田「ひどーい、そんなわけあるわけないじゃんね!」
上村「実際ネット上ではそういう話題多いみたいだし・・・」
織田「あのね、ネットの記事なんて気にしないの! エゴサなんてしちゃだめだよ。ネットで悪口書く人なんて、サイレントマジョリティの逆で、ノイジーマイノリティなんだから」
上村「後半何言ってるかわからなかったんだけど・・・」
織田「・・・。とにかくファンじゃない人が悪意の書き込みしてるだけなんから、無視あるのみ!!」

上村「わかった、ありがと・・・あっお風呂沸いたよ。織田先に入って」
0132オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/11/27(火) 02:53:44.69ID:T6WOmWPr0
織田は、風呂でくつろいでいた。
織田「久しぶりに真面目な話して疲れちゃった。でも寮の浴槽よりちょっと広くて気持ちいいなぁ♪」

するといきなりドアが開いて、何と上村が入ってきた。
織田「ちょ、莉菜どうしたの・・・?」
上村「あ、莉菜って呼んでくれた♪ むーちゃん呼びより嬉しい。特に織田には♪」
織田「そ、そうなの。それよりちょっと体くっつきすぎだよ・・・」
上村「私、本当に織田のこと大好きなんだもん。性格はもちろん、ルックスも大好き!ハーフみたいだし」
織田「それはどうも・・・」
上村「だからこういう裸の付き合いみたいなのしたかったの・・・」

そう言いながら、より織田の体に密着してきた。
上村の胸は思ったより大きくて、密着した瞬間、理佐と絡んだ先日の事を思い出した。
そして体が熱くなり、上村を思わずグッと抱きしめてしまった。
頭の中ではまずいと感じてるのだが、理性働かない・・・
0133名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/11/27(火) 08:02:16.22ID:eKH6qe3B0
>>132
うっすら源氏物語みたいな雰囲気も感じますねw
庭さんお気に入りの卒アル回での、うえむーの「ハーフみたい」は何故か印象に残っているセリフのひとつですね

>>128
ショパンはいいですね
久しぶりに僕が一時期生ちゃん推しになった動画を見たら凄い再生回数になっててびっくりです

https://youtu.be/dLnzNjf02Ks
0134夏の終わりの思い出(茸)
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2018/11/27(火) 18:09:19.40ID:5RmUAWScd
遠くから心の底を震わすような花火の轟音が鳴り響き、なんの曇りもない夜の透明な黒は赤、黄色、白に爛れる。
僕は古本屋のベンチでそれを黙って見ていた。
人混みがアスファルトを蒸しあげ、僕は扇子で蒸気する頬を扇ぐ。
「せっかくならもっと別のとこで花火見てくればいいじゃん」
ボーイッシュなショートカットの女女女主人人は白いブラウスの袖に付いた埃を叩きながら言った。
「いや川原の向こうは人でいっぱいだから」
「そう・・・でも・・・まあいいけど」
「見に行かないんですか」
「わたし?わたしは・・・いっかなー別に。この本読んじゃいたいし。」
ジョージ・オーウェル ’’1984’’
真ん中のページに指を挟んでいる。
「それ面白いですか?」
「うーん、まぁまぁ。」
自転車のベルが近くで鳴る。
僕と女女女主人人は音の先を見る。
「あ、ゆいぽん」
3オクターブほど声が高くなったと思った。
女主人は露骨にニヤニヤして自転車の彼女を見る。
「居たんだ。」
その言葉は女女女主人人ではなく僕に向けられていた。
「うん。家居ても暇だから。」
「ちょっとゆいぽん」
横からその会話に割り込む女主人。
それを横目でげに煩わしそうな眼差しで見つめる彼女。しかし女主人は怯まずに割り込み続ける。
「ゆいぽん、花火見に行かない?」
先程の「いっかなー」はなんだったのだろう。
女主人はこういう適当な言動が顕著である。
「どうしようかな」
彼女はその眼差しを僕から女主人に向けて、青いシャツの袖を捲る。
「わたしは久しぶりにこいつと行く」
彼女は僕を指さして悪そうな笑顔をした。
「ええ、行こうよいいじゃんゆいぽん」
この執拗さは歌舞伎町のキャッチを凌ぐ。
「オダナナどうせ行ったらまた写真とるじゃん、それがいやなんだよね」
「撮らない、撮らないからさ」
「どうしよっかな」
彼女はニヤッと笑って女主人を見た。
0135夏の終わりの思い出(茸)
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2018/11/27(火) 18:10:13.46ID:5RmUAWScd
「ほら〜走れ〜」
彼女は自転車の後ろに僕を載せ思いっきりペダルを漕ぐ。
「早っ、ちょっと」
店を慌てて閉じた女主人は全速力で自転車の後を追う。
「後半、間に合わないぞー」
後ろを振り返って彼女はベルを鳴らす。
「捕まっててよ」
そして彼女は僕の方をちょっと向いて真面目そうに言う。
風に舞う髪から漂う甘い香りと柔らかな腰に僕は無駄に緊張した。
「そんなにくっつかないでよ、暑いな」
彼女はやや不満そうにスピードを落とす。
「ごめん」
「いやいいけど」
自転車は川べりを抜け、人通りを逆らって遠く森の方へ向かう。
「オダナナは」
彼女は後ろを向いて女主人を探す。
女主人は遥か後ろで膝を曲げて肩で荒い息をしているようだ。
「姉ちゃん飛ばしすぎじゃない」
「そうかな〜」
可笑しそうにベルを鳴らした。
自転車を止めて彼女は女主人の方に
「早くしないと花火終わっちゃうぞー」
と叫んだ。
「わかってる」
再び走り出し始めた女主人を今度は自転車を引いて待つ。
「早いじゃん」
自転車に追いついた女主人に彼女はそう言って迎えた。
「まあね」
気の利いた返事をする気力もいまの女主人にはないようだった。
「姉ちゃんどこ行こうとしてるの」
蝉がけたたましく鳴き立てるひび割れたアスファルトに足を取られそうになる。
女主人はそんな僕の手を取って体勢を整えさせる。
「花火見えるとこ」
彼女は手で首元を扇ぎながら答えた。
「そんなとこあるっけ」
女主人は疑わしげに彼女を窺う。
「あるよ」
ムキになって彼女は答える。
0136夏の終わりの思い出(茸)
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2018/11/27(火) 18:11:06.27ID:5RmUAWScd
果たしてたどり着いたのは鬱屈とした森のなかを抜けた先にある小高い丘だった。
「姉ちゃんこんなとこ良く見つけたね」
思ったより足の早い彼女に驚きつつ僕は透明な夜の空を見る。
彼女は鼻の下を拭って「感謝しろよ」
とらしくないことを言って笑った。
完全に疲労困憊した様子の女主人は僕の遥か後でようやくたどり着いたようだ。
花火はその女主人の到着を待って再開された。
足元を震わすような爆発音がまた夜の空を引き裂いた。
「綺麗。」
三人声を揃えて夜空に歓声を上げる。
大輪の花火が流星のように強い力で瞬いて夜の底へ消えてゆく。
彼女の横顔は花火の赤黄色に眩しく照らされていた。僅かに日焼け止めが薫る。
女主人は花火に使い捨てカメラを向けていた。
やがて、彼女の方にも向けた。
彼女はそれを全く気にせずただ夏の終わりに虚空へ放たれた十合玉を見上げている・・・
僕はただその姿を眺めていたくていつまでもその大輪の花火が消えないようにと願っていた。
その時、彼女に恋をしているのだとはっきり自覚した。

花火が終わるとまた蝉の声が漣のように耳元へ押し寄せる。夜九時に差し掛かるころだった。彼女は「帰ろっか」とぽつり寂しそうに呟いた。
帰り道はただ欠伸みたいな車輪のカラカラと乾いた音が聞こえて辺りは静寂である。
誰かが喋り出せば会話は発生するのだろうが誰もそうする気配がない。
「姉ちゃん晩飯どうする」
ゆっくりと自転車を引く彼女に訊いた。
欠伸を噛み殺していた女主人も僅かに目を覚ましたようで、歩調を強める。
「仕方ないなんか作るか。」
この田舎町では夜10時を過ぎると外食をする手段がなく、大体が家で食べる事となる。
「わたしも手伝おうか」
「なんでオダナナ来ることが前提になってるの」
「由依、いいじゃん〜」
渋谷のスクランブル交差点に居そうな軽い男のノリである。女主人は彼女に何かほんとうに頼みたいことがあると名前を呼び捨てにする。
「んー仕方ないか。でも手伝うのはマジで邪魔だから止めて」
下手に手伝うよりも一人でやってしまう方が早いのである。そのあとはずっと取り留めのない話をしていた。やがて遠くで煮物の匂いがして、気がつくと家のあたりまで来ていた。
0137夏の終わりの思い出(茸)
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2018/11/27(火) 18:13:35.91ID:5RmUAWScd
典型的な日本家屋で玄関の戸は
悲鳴のような音でレールへ体を滑らす。
板張りの長廊下を行くと畳敷きの20畳がある。そこが居間だった。
居間は長廊下の左奥にあり、なかに入ってすぐの所には風呂場がある。
ユニットバスは買い替えたばかりの新品で梅雨時は乾燥機を兼ねている。
居間の反対側、つまり長廊下の右奥には台所と洗濯機の置かれた部屋がある。
こちらは20畳のフローリングで歩く度にクリーム色の床が軋み、端の方は窪んだり、捲れたりしている。
そしてこの廊下の突き当たりにトイレがある。
扉は立て付けが悪く度々外れる。
建てられてからは既に50年以上は経過している。間取りは全体的に横長で、砂利の敷いた箱庭みたいに狭い日本庭園と畑がある。
姉は台所へ引っ込み、僕と女主人は居間に行った。
居間の中央には津軽塗の机があり、上座の背には掛け軸、下座の背には押し入れで廊下を挟んだガラス戸の向こうからは庭を眺めることが出来る。テレビはそのガラス戸と向かい合うようにテーブルを挟んだ反対側にあった。
かつてはそのテレビの奥にある襖の先の小さな部屋も使っていたが祖父母が死に、父が単身赴任になって、母が離婚して家を出て彼女と二人暮しになった今は埃を被って眠っている。
「ほんと由依がお姉ちゃんとか羨ましいわ」
机に頬を付けて女主人は言った。
本人のいない所で名前を呼び捨てにするあたりなんとも生々しい。
そんな女主人のだらっと伸ばした手足からは披露の色が見える。
「羨ましいなんて言うのはオダナナくらいだって」
「嘘だぁ。みんな羨ましがってるよ」
「例えば?」
「わたしとか理佐とか平手とか」
「なんだみんな近所じゃないか」
「近所のみんなそう思ってるってこと」
しょっちゅう日差しに当たっているせいかこの辺りの人々はみな明るく捌けている。
しかし何故か彼女だけがそれとは真逆なあまり物を発さない、静かな人だった。
もっともこれは小騒がしい近所の者と比較して出会って身内から見てもまた世間的にもほぼ一般的である。だが、生まれ持った肌の白さと儚さは恐く他とは比類がないだろう。
「なーに話してんの」
彼女が居間に入ってきた。鰹だしの香りを身にまとって。
「いやゆいぽんの話してたの」
彼女は呆れた顔で女主人を見た。
「もうすぐ出来るよご飯」
「えっ、マジ?」
女主人は腰を浮かして鼻をひくつかせる。
「今持ってくるから」
絹擦れの音が台所へと向かう。

机いっぱいのささやかな食宴が繰り広げられる。風鈴と風の音を背にして。
会話がそれを次第にかき消してゆく。
あの頃は何時だって時が慌ただしくすぎるように思えた。花火も帰り道も風鈴も夕餉も恐るべき速度で過ぎてゆく。
夏が陰ってあと1週間もすると秋の気配が宵闇を包む。当たり障りのない田舎町の光景である。その光景のなかで僕は日毎に彼女への思いを募らしていた。
そしてその思いは血の繋がりがあるという絶対的な状況に置いて、結ばれないと分かっていた。それだけに余計思いは強くなって行った。
まだ平成の頃の事である。

0138名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2018/11/27(火) 23:35:44.27ID:x1XSOiyea
>>132
愛しの理佐ちゃんに目覚めさせられたオダナナが片っ端から欅坂メンバーを我が物にしていく女体遍歴物語ですかなw

>>133
卒アル回の理佐ちゃんに一目惚れしなかったらこんな妄想三昧な日々は過ごしてなかったです・・・

理佐ちゃんは罪な奴〜♪



>>137
これは連作にしてのどかな田舎でゆいぽんと弟君の平凡だけど何処にも無い日々を描いて欲しい
ジブリ映画のような雰囲気希望
0139名無しって、書けない?(庭)
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2018/11/27(火) 23:39:29.56ID:x1XSOiyea
ひらがなけやきに詳しい人居たら>>130さんのリクエストに応えてあげてください

俺にはひらがなけやきもバトルロワイアルも俺にはハードルが高い・・・
0140名無しって、書けない?(pc?)
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2018/11/28(水) 11:20:36.02ID:6iCWBDM80
>>139
書けなくもないが薄いもんになるから躊躇うわがなヲタに喧嘩売りたくないし
0141オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/11/28(水) 21:18:38.63ID:hsmPThUX0
上村「織田、ちょっと苦しいよ・・・そろそろ体を洗わないと」
織田「うん・・・そうだ洗いっこしよう♪背中流してあげる!」
上村「えっ?嬉しいけどちょっと恥ずかしいかも・・・」
織田「いいからいいから(笑)」
織田は、ボディシャンプーをまず自分に塗りたくってから、上村の体を抱き寄せて激しく体同士を擦り付けた。

上村「・・・洗いっこってこういう事?」
織田「タオルよりこっちの方が気持ちいいでしょ♪」
上村「うん、すごく気持ちいい♪でも織田がこんなにエッチだなんて・・・まさか誰かとこんな事したの?」
織田「な、ないってば・・・」
理佐とのことは内緒にする織田だった。

織田「莉菜の方こそほんとは経験あるんじゃないの?」
上村「・・・・・・」
織田「はは、冗談だってば、千葉の妖精がそんなことするわけないよね?」

上村「・・・男の人とはないけど」
織田「えっ!どういうこと?」
上村「欅に入る前のバイト先で仲良くなったった女の人の部屋に遊びに行った時に、ちょっと強引にキスされて・・・」
織田「どひゃあ〜進んでるというか何というか・・・で、どこまで行ったの?」
上村「えっと、ディープキスされたり、おっぱい揉まれたりしたけど、それだけだよ。そんなに好きになったわけじゃないしね」
そんな話を聞いてるうちに、織田はいっそう興奮してきて・・・

織田「莉菜そろそろ上がろう♪」
0142名無しって、書けない?(家)
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2018/11/28(水) 22:53:10.66ID:hsmPThUX0
上村「ねえ、パジャマの予備あるから着てね」
織田「いらない」
そう言いながら、織田は全裸のまま上村をベッドに押し倒した。

上村「どうしたの織田・・・」
さすがに上村は驚いているようだ。

織田「ごめん莉菜。自分でも酷いことしてると思うけど、どうしても我慢できないの。私って淫乱なのかな・・・」
上村「そう・・・織田の好きにしていいよ。さっきも言ったでしょ、私は織田の事が大好きなんだから」
織田「莉菜・・・嬉しいよありがとう♪」
そう呟きながら、織田は上村の乳房にむしゃぶりつき、同時に唇を唇でふさいだ。

上村「織田、もう少し優しくして・・・」
しかしもはや野獣と化している織田には聞こえていなかった。
22歳とは思えない少女っぽさの残る体の虜になってしまい、上村の体をむさぼり続ける
そしてとうとう織田の手は上村の下半身に伸びていった。
0143名無しって、書けない?(東京都)
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2018/11/29(木) 03:28:25.28ID:MKmkVKt50
更新ウレシイ…ウレシイ…
0144Maybe,blue(dion軍)
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2018/11/29(木) 16:59:51.46ID:XlSSlsuh0NIKU
「脳幹出血です」
真夜中に蛍光灯が不気味に白く光る。
医師は至って苦々しく、かつ、何かを言い躊躇っているようだった。
「意識が戻ることは難しいと思います。」
神経質そうな医師は続けた。
病室は不愉快に鬱滞する。
男は医師を真っ直ぐに見、
「なんとか彼女をよろしくお願いします。」
と指の先を白くさせながら言う。
医師は頷いた。
そして男二人と意識のない姉一人になった病室にはわずかな呼吸音とモニターの音だけが均一に聞こえた。
「もともと俺は・・・高校の同級生だった。」
「姉と?」
「ああ。俺は勉強まったく駄目だけどあいつは出来た。やらないだけで出来るんだほんとは。それでたまたまテスト前に数学の分からない所を教えて貰った。それが付き合ったきっかけだった。」
「でもなんで姉に?」
「同じ香りがしたからさ。ほら、髪の色といい雰囲気といい。それで、行けるかなって」
男は貧乏ゆすりをして懐を探って、財布を確認した。その後でまた話し出した。
「最初はまったく素っ気ない態度だった。正直あんな感じのやつだからすぐに打ち解けられるかと、思ったからショックだった。」
「姉はああ見えて人見知りだから」
「そうなんだよ。ほんとにギャップ」
「だけどしつこく話しかけるうちになんとか一緒に帰るくらいには仲良くなった。」
「僕はそんなこと、全く知らなかった。」
「愛佳は一人暮らしだったし、親ともあまり連絡をとってなかったからな。」
男はさらに続けた。
「それで家に行ったりどっか出かけたりもした。だけど俺の臆病が災いして他の男に取られちまった。高校3年の時だ。」
「じゃあ、それっきり?」
男はうなづいた。
「再会したのは同窓会の時で、あれが二、三ヶ月前。久しぶりに見た愛佳はかなり痩せてもいたし、そこらじゅうに痣があった。」
「前の彼氏が暴力的な奴だったと姉が言ってた」
男は二、三度首を縦にしてため息をつき、
「そんなことがあったと知って余計俺は告らなかったことを、いや、告れなかったことを後悔した。だけど今は違う。もう後悔したくない。その同窓会の帰り道に告白した。」
「なんて・・・」
男は聞き返した。
「いや反応、」
「ああ、反応。泣きながら笑ってた。」
「笑った?」
「俺が緊張し過ぎて噛んだことをあいつは笑った。で、その後もっと早く来てくれればって泣いてた。」
「それじゃあ姉も。」
男は恥ずかしそうに笑った。
0145Maybe,blue(dion軍)
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2018/11/29(木) 17:01:09.51ID:XlSSlsuh0NIKU
「ま、そんなことがあっていまここに居るのよ。んで結婚も考えてる。」
「結婚?」
「お前とこと違って俺らはもうそう言う歳だからな。それにこの先あいつ以上の女と出会うことは無い」
男ははっきりそう、言った。
「お前もいまの彼女を大切にしろよ。女を泣かす男は男じゃねーからな。」
はずかしかったのか。その後で笑った。

「ところでお前はどうやってあんな可愛いのと付き合ったんだ?」
「言うんですか」
「俺も話したからな」
「勝手に話したんでしょ」
「まあ、どうせ暇だからいいじゃん」
「きっかけは同じ古本屋で・・・ってそこは話したとおもうんですけど、その古本屋は西荻窪にある小さい古本屋で、人があまり来ないんです。入り組んだ路地にあるし、そもそも古本屋に行く人なんて少ないし。だから固定の常連客が居るんですよ。」
「ああ。古本屋か。本よまねえな。俺。」
「で、そこの常連客で唯一の女の子が彼女だったんです。」
僕は腕時計を窺う。まだ時間はありそうだ。
「オーナーがおしゃべりで、いつだったか2人でレジに前後で並んだ時、カップルで古本屋デートは羨ましいねってオーナーに言われて」
「オーナー、癖が強いわ。」
「僕は慌てて否定したんですけど、前に並んだ彼女がはい、っていいながら頷いて。」
「そのときから話はしてた?」
「いや、まったく」
「その彼女結構危ない奴なんじゃねーの」
「単に面白がってやっただけだと。」
「告白したのは」
「彼女です。」
「お前からいけよ。」
「いやいや。僕はあんな綺麗な子は当たっても砕けるだろうと。」
「それの直後?告られたの」
「いや、三ヶ月位後です。」
大分話を端折った。
「因みに名前は?」
「こさ・・・」
言いかけた刹那、病室のドアが開いた。
「あ。」
「えっ、誰」
男は僕の顔とその人物の顔を見る。
「いや知らん、知らん」
その女の人はー。黒いシャツとパンツで、全身黒づくしだった。
ショートヘアの髪も黒で、肌が白い分よけいにそれが際立っている。しかし一番際立っていたのはその綺麗な顔だった。
0146オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/11/29(木) 19:48:45.38ID:345JjMfw0NIKU
織田は、上村のパンティを脱がせた時、少し感動した。
風呂場では気づかなかったが、上村の秘部は陰毛が極めて薄く、大事なところの形が鮮明にわかる。
もちろん色はきれいなピンクだ。
どこまで美少女なんだ・・・

織田は、この前理佐にやられて気持ち良かったことを上村に対して試してみた。
乳首を舌で転がしながら、クリトリスを激しく擦るというやつだ。
織田「ねぇ気持ちいい?」
上村「う、うん」
なんか反応がイマイチのような気がする。
よし、それじゃということで、織田はついに上村の下の口に指を入れようとした。

上村「い、痛いよ織田・・・」
しかし高まっている織田には聞こえない。
ついに上村は泣き出してしまった。
0147(地震なし)
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2018/11/29(木) 22:56:14.32
ひらがな小説まだかゴルァ
0148名無しって、書けない?(東京都)
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2018/11/29(木) 22:56:21.75ID:MKmkVKt50NIKU
オダナナの童貞感すき
0149(地震なし)
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2018/11/29(木) 22:59:00.09
きめぇ
0150名無しって、書けない?(SB-iPhone)
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2018/11/30(金) 12:51:32.08ID:ADfqk0inp
>>147
自分で書いてみるとか
0151(地震なし)
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2018/11/30(金) 14:18:11.69
>>150
昔書いたら糞ミソに叩かれたから以来書いてない
0152名無しって、書けない?(庭)
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2018/11/30(金) 14:51:27.37ID:hau6htzJa
>>151
このスレは色んな人が書いてるからそんなに叩かれたりしないと思うぞ
0153名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2018/11/30(金) 15:52:40.07ID:fAqGKXOVK
>>151
>>1に書いてあるようにここは代々誹謗中傷は禁止のスレだから
0154名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/11/30(金) 20:58:27.22ID:CSQv95mB0
サイマジョ、ループペダル使っているとはいえ、ギター一本に耐えうるメロディラインは流石やー

>>151
よっぽど酷いものでない限り大丈夫だと思いますよ

>>146
暴走気味w
でもちょっと好きかも
0155名無しって、書けない?(dion軍)
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2018/11/30(金) 21:02:01.81ID:DWz1jBw00
コブクロのサイレントマジョリティーを見ながらなんとなく馬に跨って荒野をはしるゆっかーを想像してしまった
0156ひらがなは そこまで詳しく ないけれど(大阪府)
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2018/11/30(金) 21:07:56.60ID:CSQv95mB0
『ルージュの引き直し』

小坂さんは、午後7時の下校時刻まで、ずっと図書館にいる。三時間ほど、席を立つことなく本を読み続けている。
図書館で生徒が本を読んでいるだけだから、誰も彼女に対して文句を言う筋合いはない。
ないのだけれども、それはとても不思議な光景なのだ。

普段、小坂さんは、いわゆるキャピキャピグループに属している。
休み時間の間あいだは、楽しそうにしているお喋りをしている。少しも居心地が悪そうな仕草など見せたことがない。
もっと言えば、彼女は美人だからチヤホヤされている。
それなのに、放課後は人が変ったように、読書にふける。僕はずっと遠くの席から、その様子を見ている。
もちろん振り向いてなんかくれない。

ある日のこと、小坂さんは珍しく立ち上がった。
机の上には、辞典くらいの厚さの本が開いてあった。それをパタンと閉じて歩き始めた。最初、僕はその様子をただ眺めていた。
やがて僕の方に向かっていることがわかると、急に心が乱れ始めた。
一回も目を合わせることなく、小坂さんは喋った。
「ちょっと取って欲しい本があるんだけど」
「え、あっ、俺?」
「うん。届かないんだ」
小坂さんは本棚の方へ歩いていった。その後ろ姿を見て思った。
(届かないって言っても、そんなに俺と身長変わらないのに…)

小坂さんは「あれ」と言って、長い腕を本棚の上段に向けた。
僕は目一杯背伸びをしたが、届くわけがなかった。
後ろでクスクスと笑い声が聞こえる。届かない僕のことをバカにして笑っているような気がした。
「ふふっ、ごめん、やっぱそうだよね」
小坂さんは続ける。
「ちょっとね、からかってみたくなったんだ」
「えっ、からかう?」
「いつも、私のこと見てるでしょ?」
「あっ、いや、別にそんなつもりは無かったんだけど…」
「ふーん、まあいいや」
そう言うと、小坂さんは自分で脚立を持ってきて、高いところにある本を取った。
そして何も無かったかのように、席に座って読み始めた。
彼女の行動には全て余裕があり、一方の僕は常に息苦しい心持ちがした。
その後も、彼女の様子をチラチラと窺ったけど、小坂さんは読書に没頭していた。

7時になって、チャイムが鳴った。
小坂さんは、お茶を飲んだり、目薬を差したりして、いつもなかなか帰らない。
警備員が見回りに来るまで、じっと動かずに何かを考えている。
いつも僕はその横を通り過ぎるけど、今日は立ち止まってみた。
しかし、掛けるべき言葉が見つからず、「おつかれ」と出来る限り小さい声で言った。
見事に無視されたので、そのまま帰った。

つづく
0157名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/11/30(金) 21:08:32.36ID:CSQv95mB0
次の日、学校に着いてみると、小坂さんは教室にいた。
それはいつものことで、彼女は学校に来るのが早い。
確かめたことはないけれど、多分一番早いのではないだろうか。
僕が登校するころには、絶対に机で本を読んでいる。
声を掛けようかとも思ったが、再び無視されそうで、やめた。

一秒一分と時間が経つうちに、生徒が教室に入ってくる。
キャピキャピグループが入ってくるのは、いつも最後と決まっている。
その頃には、小坂さんはカバンに本を片付けて、顔を上げている。
それまでは文字を追っていた目が、まるで無理に開花を迎えてしまった桜のように、明るくて、儚げな、瞳に変わる。
うぶで白い透明な肌が、どうしても厚化粧のような白さに見えてしまう。

小坂さんは、僕の視線に気づいたらしく、窓の外に目線を移した。
何が見えるのだろうと、僕も外を見る。
ただただ青い空が広がっている。雲なんか一つもない。
もう一度、彼女を見た。友達と一緒に、無邪気に笑っている。
放課後には、また笑わなくなるのだろう。

図書館、教室、一体どっちが本当の君なんだ?

彼女の人差し指が、そんな僕の疑問をそっと赤いルージュに封じ込めた。

0158名無しって、書けない?(大阪府)
垢版 |
2018/11/30(金) 21:09:34.56ID:CSQv95mB0
>>155
何かわかりますw
テンポ早くて疾走感ありましたよね
0159ハッピーエンド(dion軍)
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2018/11/30(金) 22:29:40.85ID:DWz1jBw00
レールの先は朝靄が立ち込めている。朝の光はそのなかに射し込んだ。石和温泉駅の上りホームは人が疎らで、各々が寒空の下で列車を待っている。
「あと20分・・・」
男は山間から吹き付ける北風に身を縮めてながら言った。
「寒いの?」
女は男と腕を組んで肩を寄せる。
「うん・・・」
「だからもっと厚手のコート着てくればって・・・言ったじゃん」
男は薄手の黒いコートを着ていた。
それは秋物だろうか。
女の声は大人びて響く。
「まさかこんなに寒いとはね」
男はおどけた様に孤空を睨んだ。
「馬鹿だなぁ・・・ほんとに。」
女の吐息は目覚めゆく朝の彼方に吸い込まれて行った。
「小林くん、馬鹿とはなんだ先生に向かって」
男が笑って咎める。
咎められた女は円かな瞳で男をじっと見た。
「いまは彼氏と彼女。先生と生徒・・・なのは学校のなかだけ・・・でしょ?」
女のその口振りは酷く真面目だった。
「冗談だって・・・まぁそれもそうだけど。でも学校ではあまりベタベタするなよ。」
男は慌てて話を逸らした。
互いの会話のうちに無言が度々あることがこの旅行の妖しげな雰囲気を高めていた。
「わかった。」
ウェーブのかかった茶色の髪が縦に揺れる。
やがて女は男と繋いだ手を自分の着ている灰色のコートのポケットに入れた。
「暖かいでしょ?」
男は黙ってうなづいた。
列車はまもなく駅へやってきた。
定刻通りである。

列車はゆっくりと駅を離れてゆく。
男は女の膝元に自分のコートを掛けて、カバンを二人分荷物棚に入れた。
「わたしのあるのに」
「君のコートが皺になるだろ」
女のコートは窓の横にかけられている。
「ありがとう・・・」
女は男を潤んだ瞳で見つめた。
列車は警笛を鳴らしひたすら真っ直ぐ続くレールを走ってゆく。
「何時に着くの?」
女は窓辺に重ねて置かれた切符を遠い目で見る。
「うーんと10:30」
その切符を女の近くまで持ってきて見せる。
石和温泉→新宿
切符にはそう書かれている。
「そんなかかるんだ」
女は欠伸混じりに言う。
「寝てればいいさ」
「うん。」
二人の間にある肘掛は跳ね上げてある。
掌はコート下でまだ握られていた。
男は眠る女の顔を見つめながら追憶に浸っていた。
0160名無しって、書けない?(dion軍)
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2018/11/30(金) 22:33:39.55ID:DWz1jBw00
タイトルはたまたまこれを書いていたときに聞いていたback numberのハッピーエンドから。
0161名無しって、書けない?(dion軍)
垢版 |
2018/11/30(金) 22:41:08.89ID:DWz1jBw00
>>129
MVたしかにありそうw
>>133
いくちゃん若い・・・
>>138
連作にするべくなんとか頑張ってみます
>>157
ルージュという言葉の響きがなんとなく大人びたイメージのこさかなにぴったりです
0162(地震なし)
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2018/11/30(金) 22:43:28.11
>>156-157
ありがとう
0163オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/11/30(金) 23:04:25.97ID:rY5Y7esQ0
織田「莉菜どうしたの。感じすぎたの?」
上村「・・・グスン」
さすがにここで織田は正気に戻ってきた。

織田「ごめん、私自分の事しか考えてなかった。莉菜の気持ち無視して・・・」
上村「・・・ううん、私の方から好きにしてって言ったんだから、謝らないと。ごめんね」

莉菜は何ていい子なんだろうという想いと、自己嫌悪感が交錯して、織田は頭が混乱してきた。

織田「莉菜、私マジで変態なのかもしれない。裸の可愛い女の子を見ると興奮して、自分を制御できなくなっちゃうみたい」
上村はそんな織田をじっと見つめていたが、
上村「織田・・・さっきお風呂で私の悩みを打ち明けたとき、真剣に心配してくれたのがとても嬉しかった♪」
上村はパジャマを着て、織田の頬に軽くキスをした。

上村「私はこれからもずっと織田が好きだから♪」
織田の目からは涙、口からは嗚咽が漏れた・・・
0164(地震なし)
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2018/11/30(金) 23:51:06.25
色々妄想は膨らんでるけどな
0165オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/01(土) 11:16:04.70ID:1tcaRw+Q0
数日後、理佐は相談があるというので、織田に呼び出された。
織田から部屋に入れてくれるとか、まさか・・・
ちょっと卑猥な妄想をしながらウキウキと入って行った。

理佐「ダニー久し振り・・・あれ、何か元気なくない?」
織田は、上村との事を正直に打ち明けた。

織田「私、本格的に変態なのかもしれないの。多分可愛い女の子の裸を見るとスイッチが入っちゃうみたい・・・」
理佐「うーん・・・私は専門家じゃないから推測でしかないけど、ダニーってやっぱり男性フェロモンみたいなのがあるんじゃないかな?」
織田「どういうこと?」
理佐「一見普通に美人だけど、女の子っぽい格好より男装の方が似合うし、とにかくメンバーに大人気でしょ。楽屋とかですぐにみんな集まってくるし」
理佐「そして、自分の性欲も女の子に対して向かうようになっちゃたのかも・・・もしかしてこの前の私がきっかけかな?」
織田「いや、そういうわけじゃ・・・」
理佐「試してみる?」
ニヤリと笑うと、理佐は服を脱ぎだした。
0166オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/01(土) 12:56:05.48ID:1tcaRw+Q0
織田「ちょっと、きょうはそんな気分じゃ・・・」
しかし、理佐に強引に手を掴まれ、その手を理佐の胸にあてがわれた瞬間・・・

理佐「あれぇ? 目の色が変わった♪ 乳首もちょっと立ってきてない?」
図星だった。上村の白くて柔らかい乳房も良かったが、理佐の引き締まった形の良い胸もそそる。
そんな自分が恥ずかしくて相談に呼んだのに。織田は理佐から目を逸らした。

理佐「我慢しなくていいよ♪この前の続きしよっ」
楽しそうに理佐は、織田の服を手早く脱がせ始めた。
理佐「きょうは私も気持ちよくしてね!」

きょうも自分の卑猥な衝動に負けてしまった織田。
莉菜も理佐も可愛すぎるせいだ・・・

脱がせた下着を鏡台の椅子に置こうとした理佐は、何気なく鏡台に並んでいる化粧品に目をやった。
理佐「これ香水?もしかしてこの前けやかけで澤部さんに買ってもらったやつじゃない?」
織田「そうだよ、誰かさんに臭いって言われたからね」
理佐「ごめんってば・・・ちょっと汗臭い時があったのよ(笑)」
織田「まあおかげで、これ買ってもらえたようなもんだから許そう(笑))

他愛ない会話で多少リラックスできた織田。
そして、お互いの体に香水をスプレーしあった。
0167名無しって、書けない?(大阪府)
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2018/12/01(土) 18:06:50.70ID:2laLMiJA0
>>162
まだまだひらがなちゃんは勉強中なので人物像が掴みにくいです

>>161
『キレイになりたい』はAメロこさかなの「なーんどー」が凄い良いだけに、「このルージュを引き直したら」以降が惜しく感じます

>>159
由依ちゃんに誘惑されたら、まあ断れんでしょうねw

千葉県さんは、電車舞台設定がお得意なようで、様々なシチュエーションがありますね
庭さんはおおよそ理佐ちゃんと部屋の中でいちゃいちゃしてるし、オダオシさんも今のところ部屋が多いですね
電車は文字にすると雰囲気が伝わり難く、部屋は移動が少ないから場面転換が難しい
舞台設定も簡単ではないです
0168オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/01(土) 18:24:45.66ID:1tcaRw+Q0
この前の上村の時の失敗を繰り返さないよう、織田はあせらずじっくり事を進めた。
キスも愛撫もゆっくり、優しく・・・
理佐「ダニー・・・アーン気持ちいいよ♪」
織田もペースアップした理佐の秘部への愛撫に対して、濡れ濡れになり、大声を上げていた。
二人は知る由もなかったが、二人のつけた高価な香水は媚薬効果があり、とても感じやすくなっていたのだ。

それから二人の行為はどんどんエスカレートしていった。
理佐は隙を見て織田の両足を持ち上げて、いわゆるま○○○返しの体勢に持っていった。
理佐「へへ、丸見えだよー〜」
織田「いやー恥ずかしい!!!」

しかし織田も負けてはいない。
理佐の両手首を持ち上げて、怪力でベッドに押さえつけてみた。
綺麗な腋の下が丸見えだ。
理佐「ちょ、やめてやめて、ド変態!」
織田「ふふ、さすがモデルさん、きれいに脱毛してるね♪」

そのまま織田は理佐の腋を舐めまくって堪能した。
理佐「くすぐったい〜もう勘弁してーーー」

こうして二人は1時間近く、果てるまで乱交を続けた。

二人でシャワーを浴びた後、
理佐「ねえダニー、我慢できなくなったらいつでも呼んで♪ 私たち最高のパートナーなんだから」
織田「ありがと理佐。今度は理佐の部屋にも行くね!」


しかし織田は思った。
確かに理佐は私にはもったいない美女だが、欅坂には他にも違うタイプの美少女が溢れてる。
理佐の言うように、私が男性フェロモンに溢れてるなら、もっと何人もの美少女とも仲良くなれるはずだ。
次はみーちゃんあたりを狙うかな。最近冷たい美愉にも手を出してみたい。
梨加やねるは難しそうだけど、なんとか頑張って物にしないと。
そしていずれは愛しのゆいぽんに・・・


〜完
0169名無しって、書けない?(dion軍)
垢版 |
2018/12/01(土) 18:41:53.65ID:mqcMU2Kd0
>>167
列車の場面を書くのはだいたい列車に乗っている時なのでそれなりの物になっているのかなと
勝手に自信過剰になりながらもやっぱりそれでも伝わらない光景があったりして難しいです。
そして列車設定からはなかなか抜け出せずにいます。
0170名無しって、書けない?(dion軍)
垢版 |
2018/12/01(土) 18:42:08.44ID:mqcMU2Kd0
>>167
列車の場面を書くのはだいたい列車に乗っている時なのでそれなりの物になっているのかなと
勝手に自信過剰になりながらもやっぱりそれでも伝わらない光景があったりして難しいです。
そして列車設定からはなかなか抜け出せずにいます。
0171名無しって、書けない?(東京都)
垢版 |
2018/12/02(日) 07:56:32.58ID:EsAt4BEn0
>>168
完…だと…!?
0172オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
垢版 |
2018/12/02(日) 09:49:51.20ID:xgycEOmv0
>>171
楽しみにしていてくれたなら、ありがたい&申し訳ないです。
エロい気分になったら、また書くかもしれません(笑)
0173ラーメンたべたい(dion軍)
垢版 |
2018/12/02(日) 14:04:27.47ID:fyR1wCGQ0
なぜ、真夜中に突然ラーメンが食べたくなるのだろう?
僕は鍋のなかに沈んだ乾麺をかき混ぜながら考えた。
夕食は腹一杯平らげた筈で、
そこから3時間あまりで普通は腹が減らない。そして腹が減ってもラーメンなどという、
常識的に見て深夜に作るのにかなり苦労するものを食べようなどとは思わない。
そして百歩譲って食べたくなったとしても戸棚にあったちょっとしたお菓子で我慢するだろう。
それを何故、僕は深夜3時にラーメンを作っているのだろう。
しかも袋麺タイプの。カップラーメンでいいじゃないか。
でも袋麺が食べたいのだ。
どんな手間がかかっても。
「何、1人で喋ってんの?」
僕は菜箸を放り投げて叫んだ。
「姉ちゃん」
姉はカーディガンを羽織って言う。
「それ、わたしにも頂戴。」
僕は返答に困った。
姉の低いハスキーな声が気泡を上げ煮えてゆく鍋に溶けていた。
もっとも避けがたい事態だったからだ。
そして姉はラーメンが大好物である。
これは危険だ。
仮に分けたとしても全面的に僕の取り分が少なくなるではないか。
だからこうして静かに階段をおり、必要最低限の光でラーメンを作っていたのに。
「ああ・・・うん。」
分けないと面倒なことになるので僕は黙って白旗を上げた。所詮向こうの方が立場も歳も上なのだ。
「ねぇ、これ、沸騰してんの、ねぇ、泡立ってるけど、」
袋麺に載っける具材が何かないかと冷蔵庫を探していると背後からそんな声が起こる。
姉は料理下手で騒がしい。
箸をカチカチと開いたり閉じたりしながら
軽くパニックになっている。
「え?」
鍋はピナツボ火山みたいに泡が膨れ上がっていた。お湯が一筋ずつステンレスの鍋の外側に漏れ、青い炎に触れ、ジュッと危ない音を立てる。
「ああ、火い消して、消して」
「えっ、あ、どこ?」
姉は何を見誤ったのかツマミを強火にする。
これでは逆効果である。
僕は手にしていた魚肉ソーセージを姉に押し付け慌てて消火する。
火と泡は直ぐに沈静化した。

母が何処かの景品で貰ったという縁のかけた丼にちょうど半分ずつ麺とスープを注ぐ。
この鍋の主導権を姉に任せたら取り分の比率が悲惨なことになる。だからこれは渡せない。
そして、姉が起き出したせいで、完成が大幅に遅延した。それどころか危うく大事件に発展するところだった。
姉は先程の大騒ぎなど全く、存ぜぬ顔で勝手に僕の用意した残り一つの魚肉ソーセージをちぎって丼に突っ込んでいる。
「それ僕のなんだけど」
「えっ、そうなの」
この乱暴なちぎり方が如何に料理が出来ないか物語っている。
ふたつの丼から湯気が立ち上る深夜3時。
ラーメン越しに向かい合う姉の方を見ながら、次は絶対に一人で作って一人で食べようと決意した。
0174名無しって、書けない?(家)
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2018/12/03(月) 22:07:47.73ID:rfgwYcBG0
京都での握手会で、久しぶりのホテル泊まり。
織田は、鈴本と相部屋だ。

風呂あがりであとは寝るだけの二人。
読書してる織田とスマホをいじってる鈴本の会話はあまりない。
もちろん喧嘩してるわけじゃないが、以前のようにベタベタはしなくなった。
鈴本いわく、もう織田に愛がなくなったということだが、実際にはそうでもなさそうである。

織田「美愉、お腹減ったね。バナナとかミカン持ってない?甘栗や八つ橋でもいいよ♪」
鈴本「持ってないよ。こんな時間に食べたら、明日の握手会で顔パンパンになるし」
織田「最近の美愉は節制してるよね。痩せて綺麗になってるし・・・」
鈴本「ほんと!?お世辞抜きでそう思う?」
織田「美愉にお世辞なんて言うわけないでしょ。きょうだってファンに言われてたでしょうに♪」
鈴本「ファンより、ダニーに言われる方が嬉しい!」
機嫌が良くなった鈴本は饒舌だ。

鈴本「久しぶりにあれやっていい?」
織田の返事を待たずに鈴本は織田のベッドに行き、背中から織田の体に乗った。
いわゆる幽体離脱遊びである。
今までは、これをされても無反応だった織田だが、きょうは違った・・・
0175オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/03(月) 22:11:01.88ID:rfgwYcBG0
>>174
たった一日で復活しちゃいましたw
あいかわらず下品ですが、スレ汚しさせてください。
0176名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/03(月) 23:11:10.08ID:i/+vGwna0
>>175
復活ウレシイ…ウレシイ…
0177名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2018/12/03(月) 23:17:04.05ID:NT842tpNK
>>175
賢者モードってそんなに長く続きませんからね(笑)
0178名無しって、書けない?(庭)
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2018/12/03(月) 23:32:22.37ID:boHKlAnCa
>>175
復活早すぎwww
0179名無しって、書けない?(庭)
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2018/12/03(月) 23:46:41.19ID:boHKlAnCa
小説スレが賑やかさを取り戻して私は嬉しい、、、涙
0180名無しって、書けない?(pc?)
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2018/12/04(火) 00:03:12.71ID:M4mlzHns0
AKB小説が流行っていた時期が懐かしいわ
0181名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2018/12/04(火) 00:42:00.95ID:d7bwH+I6K
>>180
AKB小説全盛期はスルーしてたんですが
末期の「まゆ会」シリーズとか「ぱるるのパン屋さん」シリーズなどなどに紛れ込んでネタ書いてたのは自分です
0182名無しって、書けない?(dion軍)
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2018/12/04(火) 14:00:16.85ID:W1yURbb90
胃腸炎の痛みで転げまわっている間にこんなにスレが進んでる!?
0183オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/04(火) 21:21:34.94ID:su0Uo4Lj0
織田は自分の上に仰向けに寝そべっている鈴本の胸を、唐突に両手でギュッと押さえつけた。
「キャッ!」さすがに鈴本は驚いて悲鳴を上げた。
向き直って織田にビックリした顔を向ける。
今までちょっかいを出しても、ほぼ無関心な反応しかしてこなかった織田が・・・

織田「美愉・・・今まで私、無意識に美愉への気持ちを抑えてたみたい」
鈴本「・・・どういうこと?」
織田「こんな可愛い子にずっとアプローチされてて、冷たい対応しかしてこなかった私っておかしいことに、ようやく気付いたの」
鈴本「えっ?えっ?・・・」
鈴本は心臓のドキドキが織田にも聞こえてしまうんじゃないかと思った。

織田は、今度は至近距離で鈴本の顔を挟んで引き寄せた。

「美愉の唇、可愛いすぎる♪」

そう呟くと、あっという間にキスをしてきた。
しかも何度も激しく・・・
美愉は上気した顔で「そんな事ないよ。すごく幸せ♪」
織田はこの答えにホッとして、鈴本を抱きしめた。
鈴本の唇は本当に小さくて可愛かった。上物のシャトーブリアンを口に入れたときのようにとろける・・・
(食べた事ないけど)
永遠にキスしていたいと思った。
0184名無しって、書けない?(庭)
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2018/12/04(火) 23:16:54.61ID:dp+ta4aBa
私もAKB全盛期の超大作ssに感動して、マネして書いている口ですね。
板野「ここから脱出する」を書いていた人がいくつも定期的にまとめられてて面白すぎました
0185名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/04(火) 23:29:38.85ID:eNgH4u0K0
>>183
鈴本の想いが遂に…
0186名無しって、書けない?(庭)
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2018/12/05(水) 01:06:59.18ID:P9cZy1bAa
>>184
あのシリーズは面白かったな
0187名無しって、書けない?(家)
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2018/12/06(木) 00:02:27.68ID:IbNEd7H40
そしてとうとう織田は鈴本の服を脱がせ、ブラジャーも外してしまった。
外した瞬間、弾けるようにプルンと飛び出てくるオッパイ。
大きさも形も弾力も素晴らしく、理佐や莉菜以上と思われた。

織田「お、大きい・・・Gカップくらいあるんじゃない!?」
鈴本「知らないよ・・・今まで全然興味なかったくせに」
織田「もう我慢できない!!」

織田のスイッチは全開になり、鈴本のオッパイに吸い付いた。
鈴本の魅力は唇と胸だけに留まらない。
滑らかな肌、適度に肉付きの良い足腰など、全身が性器に見えてしまった。

右手でじっくりとクリトリスを攻めながら、左手の指で背中を撫でる。
そして舌は美愉の舌に絡めていた。
美愉の喘ぎ声はどんどん大きくなり、とうとう悲鳴に近づいた。

鈴本「ああっダニー!ダニー!最高!!」
そして織田は今まで理佐ともやってこなかったプレイを試してみた。
二人の性器を直接擦り合わせて動いてみたらどうなるだろう。
案の定、すぐにものすごい快感が押し寄せてくる。
鈴本も目を向いて気持ち良さそうだ。
二人は強く抱き合い、フィニッシュに向かった・・

「はぁはぁ・・・」
織田は、こんな絶頂感を初めて味わった。
鈴本が最後にもう一度唇を合わせてきたので、それに応える。

鈴本「ダニーとこんなに愛し合えるなんて、夢みたい・・・」
織田「うん・・・」
鈴本「きょうから私たちは、正真正銘の恋人同士よ」
織田「え?」
鈴本「ねえ約束して! これからは私以外の女の子とイチャイチャしない事」
織田「わ、わかったよ・・・」
鈴本「理佐を家に入れるのも、なーこと電話をするのも1日5分までだからね。ぽん観察は2ヶ月に1回までよ!」
織田「ちょっと厳しすぎない?皆友達なんだからさ・・・」
鈴本「モテモテの彼をある程度束縛するのも彼女として当然よ♪ ふふふ・・・」
0188名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/06(木) 00:28:32.68ID:Ap3wqIgJ0
ヤリチンの織田くんが大人しくしていられる訳もなく…
0189オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/06(木) 23:28:07.42ID:IbNEd7H40
エロシリーズはしばらくお休みして、他の中篇を書きます。
ここのスレは純文学っぽい作品が多いようですが、私にはとても書けません。
非常にありがちですが、高校を舞台にしたラブコメを書きます。
レズ要素は無しで、その代わり一部メンを男子にします。
主な登場人物は以下の感じで。
実はだいぶ前に書いて、どこかに投稿した気もするのですが、かなり書き直してリニューアルします。

織田奈那男 欅高校3年♂
 主人公 少しお人好しの平凡な男子。

渡邊理佐男 欅高校3年♂
 織田の親友。イケメンで女子にモテる。

尾関太郎  欅高校3年♂
 織田の親友。お調子者のイジられタイプ。

土生瑞之輔 欅高校3年♂
 長身で爽やかなイケメン。

小林由依  欅高校3年♀
 織田の憧れのヒロイン。清楚。

鈴本美愉  欅高校3年♀
 なぜか織田の事が好きな元気女子。

上村莉菜  欅高校3年♀
長沢菜々香 欅高校3年♀
渡辺梨加  欅高校3年♀
小池美波  欅高校3年♀
守屋昭雄  欅高校3年♂
菅井友香  学○院女子大学1年♀
原田葵   欅高校2年♂

ちょっと前のけやかけで、理佐は主人公の親友役が似合うって言われてましたが、
TVに向かって「その通り!」って呟いてましたw
0190名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2018/12/08(土) 07:41:24.14ID:oKstSxJeK
>>189
純文学的なのが多く見えるのはひとえに千葉県先生と大阪府先生の活躍によるもので
かつて私と庭先生が幅を利かせていた時期には全く雰囲気が違ってましたけどね(笑)

いずれにしても新企画たのしみです
0191名無しって、書けない?(家)
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2018/12/08(土) 11:37:18.72ID:r/t27bSs0
20△△年2月13日

尾関「おつかれー、なあどこかで昼飯食って帰ろうぜ」
理佐男「いいねー、中華行こう。織田も行くだろ?」
織田「・・・えっ、ああ行くか」

3年生はもうほとんど授業がなく、週1回程度の登校日がある他は、自由登校である。
進路の決まった者は、あと1ヵ月半のんびりできる。
理佐男「織田、大学合格おめでとう」
尾関「第一希望のとこだろ?お前は勉強得意だったからな。俺は何とか滑り止めに引っ掛かっただけどな」
織田「ああ、サンキュ」
理佐男「その割にはイマイチ浮かない顔してないか?」
尾関「はは、わかった。卒業までもう時間がないのに、愛しの由依ちゃんに告れないんだろ?」

由依ちゃんとは同じクラスの小林由依のことだ。
控えめで可愛くて、同じクラスになってから、織田は一目惚れしてしまった。
織田なりに結構アプローチしてるつもりなのだが、ほとんど伝わっていないようだ。

織田「やっぱ脈ないのかな、俺なんかじゃ。由依ちゃんは理佐男に気があるんじゃないかなぁ・・・」
理佐男「別にそんなことないだろ。諦めるのは早いんじゃないか」
尾関「でも女は小林だけじゃないぜ。お前の事が大好きな奴だっているんだから、そっちを向く手もあるんじゃないか?」

そこへ一人の制服を着た女子が、ドアを開けて覗きながら入ってきた
理佐男「噂をすれば・・・だな」
美愉「やっぱりこんなところにいたのね、探したのよ。すみません、シーザーサラダください」
尾関「おまえ、そんなに少食だった?」
理佐男「ダイエットしてるのか?そういえば最近顔がシュッとしてきたような・・・」

鈴本「そんなことより織田君に渡したいものがあって」

鈴本美愉はなぜか最近織田LOVEのようで、織田に優しい。
美愉が持ってきたのは、一日早いバレンタインチョコだった。
明日は用があって、学校に来れないらしい。
綺麗に包装された大きな箱で、お菓子作りが得意という事もあり、期待できそうだ。
美愉「ついでだから、あんた達にもあげるよ」
美愉は、袋に包んだ小さいチョコを、尾関と理佐男に渡した。

尾関「何だよ、俺たちのは明らかに義理チョコ感丸出しじゃねーか」
美愉「理佐男君はどうせ、明日一杯もらえるでしょ」

確かにイケメンの理佐男は毎年モテモテで、明日もたくさんのチョコが集まるだろう。
理佐「(小声で尾関に)どうやら織田のためにダイエットしてるみたいだ」
尾関「そうだな。しかし織田のこと本気だぜ、これは」
織田「鈴本、ありがと♪」
0192名無しって、書けない?(茸)
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2018/12/08(土) 15:57:17.61ID:oVQMHqX/d
スレが賑わってきたところでそろそろエセ純文学の僕は引退かな笑
長すぎる〜
改行が〜で度々撥ねられてて気力が削がれてたからちょうど良かった笑
あとは閲覧者に徹します〜
0193オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/08(土) 17:26:45.22ID:r/t27bSs0
20△△年2月14日

きょうはバレンタインデーということで、
おそらくこのイベントのためだけに、ほとんどの生徒が登校している。

理佐男はやはり人気だったが、それ以上に女子に取り囲まれているのは、土生瑞之輔だ。
土生はクラス一の長身かつ爽やかなイケメンで、
ひっきりなしに女子から何かもらったり、告白っぽいことをされたりしてるようだ。
やや無愛想なところのある理佐男に比べ、人当たりが良く優しい土生の方が一番人気といったところか。
か。

織田は義理チョコを少し貰ったりしただけで、
特にロマンチックな事は起こらなかった。
たまに由依を目で追っていたが、由依はいつも通り大人しく、
時に女友達と談笑するだけで、織田の方に来ることはなかった。
あまりバレンタインのようなイベントには、興味がないのかもしれない。

織田「あーあ、きょうはもう帰ろうかな」
教室を出ようとすると、廊下からこっそりと、土生が女子達と話している方を見つめている女子がいる。

織田「小池じゃないか、こんなところで何してるの?」
小池美波は、2年の時一緒のクラスだったが今は別のクラスになっている女子だ。

小池「お、織田君・・・」
小池はびっくりしたような顔で織田を見た。
小池「そうだ、良かったらこれもらってくれる?去年お世話になったから・・・」
そう言うと、小池は走って行く。

織田「去年って、何だそりゃ・・・」
見ると綺麗にラッピングした手作りっぽいクッキーの箱が入っている。
特別親しくもない織田に作ってきたとは思えない。
そういう事か・・・

教室ではようやく土生が女子に解放されたところだった。
織田は、土生に箱を渡した。
土生は顔をしかめ、
土生「織田君、ぼくにはそういう趣味はないんだけど・・・」
織田「バカ、そんなわけないだろ」

全く、こういう少し天然な奴がモテるのかな?
0194名無しって、書けない?(家)
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2018/12/08(土) 20:49:10.82ID:r/t27bSs0
20△△年2月14日
校門を出ると、誰か追い掛けてくるようだ。
振り向くと、変な青いぬいぐるみを持った、同じクラスの渡辺梨加だった。
梨加は無言で近づいてくると、織田に封筒のような物を渡した。
梨加「じゃあね」
一言だけ残して去っていった。

学校一の美少女と評判の梨加が、俺に?
お菓子類ではないようだが、まさかラブレター・・・???

梨加は美人なのだが、かなり変わった性格で、
一部の人間以外とは、男女問わずしゃべらない。
授業中に先生に指されても、
無言のまま空中を見つめるような不思議な行動を取って、
周囲を混乱させる事もあり、容姿ほど男子にはモテないようだ。
織田も稀にしか話したことはないのだが、何でこんな物を・・・

帰宅してから開封してみると、ほんのちょっと期待してた「実は私、前から・・・」
的なものでは全くなかった。
それどころか文章は皆無で、A4の紙に絵が描いてあるだけ。
しかも、その絵には大きな交通系ICカード(Suica)だ一つ。他には何もなかった。
全く持って、意味がわからない。
まあ、あいつの思考を真剣に考えてもしょうがないか。

居間に行くと妹が、昨日美愉にもらったチョコを食べていた。
妹「お兄ちゃん、これ美味しいよ。チョコレートケーキになってた。こんなもの作ってくれる彼女がいるなんてね」
織田「彼女じゃないけど、俺にだってそういう子の一人や二人・・・な」
妹「もうその人と付き合っちゃえば?」
織田「うるさいな、子供は口を出すなよ」
妹「1歳しか違わないじゃん」

さて明日は学校にも行く予定はないし、暇だ。
尾関か理佐男を誘って遊びにでも行くかな。それとも・・・
0195名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/09(日) 04:26:13.53ID:/ub+8Ba70
いいねえ、好きだ
0196オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/09(日) 09:03:06.37ID:2QW+eD/X0
>>195
いつも応援コメントありがとう。
励みになります。

オダナナは男にすると書きやすいw
きょうもアップします。
0197オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/09(日) 15:33:21.17ID:2QW+eD/X0
20△△年2月15日
悩んだ結果、由依をメールでデートに誘ってみることにした。
このまま卒業までずっともんもんとしているのはたまらない。
悔いを残さないようにしないと。

翌朝、織田は寝不足なはずなのに、目覚めが素晴らしく良かった。
昨夜遅くに由依からメールの返信があり、きょう会うことになったのだ。
織田の気持ちの高ぶりは想像できるだろう。
今まで何回か妄想してきた由依とのデートが現実のものと成ったのだから。

家を出ると、雨こそ降っていないものの、曇り空で底冷えのする天気だった。
しかし、寒さをほとんど感じないほど、織田の胸の高鳴りは大きかった。
待ち合わせの喫茶店で昆布茶を飲みながら待つこと15分、マドンナは現れた。
グレーのコートに、ブルーのロングスカートとブラウンのブーツといういでたちで、
ファッションに疎い織田が見ても、とても似合っている。

織田「来てくれてありがとう」
由依「うん・・・」
織田「この後どうする?昼飯食べて、映画にでも・・・」
由依「・・・あのね、織田君」
織田「何?」
由依がほとんど下を向いているのが、不安だった。

由依「ずうずうしいかもしれないけど、織田君の気持ちはわかってるつもり。
   それはとっても嬉しいの。」
織田「・・・」


由依「片想いかもしれないいんだけど・・・実は私他に好きな人がいて、
   この前メールで告白したら、その人の仲良い友達が、私の事を好きだから無理って言われたの。」
織田「やっぱり、あいつか・・・」
由依「いい奴だから、織田君の方を見てやってくれって言われた。でもやっぱり私・・・」
織田「わかってる。そもそも俺の一方的な想いなんだから。こっちこそ嫌な思いさせてごめんな」

由依は目に涙を浮かべながら首を横に振る。

由依「織田君は優しいね。」

織田は苦笑しながら、俺はいつも良い人止まりなんだよなぁと考えていた。
しかし、涙を流しながら切ない表情を見せる由依は、本当に美しかった。
振られた瞬間に、至上最高の可愛い表情を見せてくれるなんて、意地悪だな由依も。

織田「多分、その彼もきっと由依ちゃんの事が好きに決まってる。だから元気出しなよ。」
由依「・・・ありがとう」

織田「最後にわががまま言っていい? 30分でいいから一緒に散歩しない?
   由依ちゃんの写真、記念に何枚か撮りたいんだ」


外に出たら、朝と違って空は綺麗に晴れていた。
嫌味な空だな全く。
0198名無しって、書けない?(家)
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2018/12/09(日) 23:57:41.60ID:2QW+eD/X0
20△△2月20日

きょうは登校日。久々にクラスメートと会えるのも楽しみだ。
教室に入った途端、声を掛けられた。

菜々香「織田君、久しぶり」
長沢菜々香は、中学卒業と同時に山形から東京に引っ越してきて、欅高校に入学してきた。
織田とは1年から3年まで同じクラスだったので、一番気兼ねなく話せる女子だ。

織田「長沢、大学合格おめでと。良く受かったな」

菜々香は、東京の私立の大学を3つ滑ってしまい、
最後に山形の国立大学を受験するために、2週間ほど山形に滞在して、
見事合格出来たのだった。

菜々香「ありがとう。合格したらホッとして、地元で毎日2Kgご飯食べてたら、太っちゃった」

梨加「ななこちゃん、音楽室に記念写真撮りにいこー」
菜々香「うん、アオコとリラックマ持ってこうね。あと照明の調整は私に任せて!」

織田「さすが、我が高の不思議系ツートップ、会話の意味がわからない・・・」
梨加「あ、そうだ。織田君これ」

梨加がまた、織田に封筒を渡すと、さっさと菜々香の所に行ってしまった。
開封すると、女の子らしき人間が横たわってる絵が一枚入っていた。
あの子は何がしたいんだ・・・
0199名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2018/12/10(月) 23:54:47.48ID:bUQExULQa
>>190
俺の妄想純文学じゃ無かったのか・・・

>>192
俺も改行やNG ワードに引っかかり何度心が折れたか分からないw

>>198
この流れ以前読んだ覚えありです!?
0200オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
垢版 |
2018/12/11(火) 21:45:33.77ID:uEK4TKZG0
>>199
最初にもちょっと書きましたが、
この作品はかなり前に書いて、どこかにアップした記憶があるので、
それを読んでいただいたのでしょうか?
一部書き換えながら投稿してるので、またお付き合いくださいw
0201名無しって、書けない?(dion軍)
垢版 |
2018/12/11(火) 22:01:09.96ID:SoFZY9P90
>>199
数日ブランク空けたらまた書きたい欲が出てきた笑
0202合鍵(dion軍)
垢版 |
2018/12/11(火) 22:02:28.07ID:SoFZY9P90
「何を探しているの?」
雑誌をひっくり返したり、テーブルの下を覗き込んだりしている僕の背中へ、理佐は不思議そうな口ぶりで訊いた。
「いや・・・鍵、この家の・・・。」
「鍵?さっきそのテーブルの上にあったじゃん」
理佐はソファーから起き上がって僕と同じようにしゃがみこんで床とカーペットの隙間やテレビ台と本棚の間をのぞき込む。
床につかれた理佐の手は指先が赤く甲には青い血管が俄に透けている。
「無いよー?」
本棚の奥に突っ込んでいた顔を此方に向かせてそう答えた。理佐の額には前髪がいくらか張り付き、汗がこめかみを伝ってゆく。
「ねぇ、どうしたの?」
12月というのにこの蒸し暑いのはどうだろう?白いニットのデコルテを仰いで理佐は僕を怪訝そうに見る。
僕は理佐に近づいて手を掴む。
あの青い血の管が通った白い手を。
「ちょっと」
本棚にもたれかかる理佐に僕はそのまま唇を押し付けた。苺の味がした。
冷蔵庫にまだ半分ほど冷やしてある。
「ねぇ・・・まだお昼だよ」
ニットの胸はその口調とは裏腹に弾んでいる。
「そうだよ」
理佐は僕の手を離して、
「鍵探そうよ、見つからないと困るから」
「いいよ後で」
「良くないよ」
白のカーペットに理佐の青いジーンズは次第に動きを弛めてゆく。
ソファーとテーブルの間で僕は理佐を仰向きに寝かせた。
細く透明な蜘蛛の糸が再び二つの唇を結んだ。
理佐は何も言わず僕をじっと見る。
「カーテン、少し閉めてよ」
頬を斜めに横断する茶色の髪を爪で払って言った。
僕は黙って立ち上がった。
0203合鍵(dion軍)
垢版 |
2018/12/11(火) 22:03:45.61ID:SoFZY9P90
カーテンを再び開けるともう空は冬枯れの濃紺に染まっていた。しかしずっと奥の方は藤色になっていた。そしてよく見れば左端は火事みたいな橙色。冬空のパレットは様々な色が広がる。単に他の色を見つけられない程に自分の視野が狭いだけだ。
椋鳥はその中を群れになって飛んでゆく。部屋は薄暗く、テーブルは元の一から僅かに窓の反対側にある台所よりにずれて、カーペットには丸い窪みがある。そしてその窪みには理佐のものと思われる茶色のカーブを描いた髪の毛が落ちていた。
僕はまたしゃがみこんで何回か爪を立て、やっとの事でゴミ箱へ放る。そろそろゴミ袋が一杯になりそうだ。
「鍵は・・・」
理佐はジーンズのファスナーを上げて起き上がった。黒のキャミソールでベットの中で横向きに寝ながら僕を寒そうに見た。
深く艶のある谷間に目がゆく。
これは男の性だろうが、我ながら情けない。
「寒いだろ、その恰好」
「いまから着る」
僕の眼差しに気づいた理佐は少々嫌そうな顔をして、ソファーを見た。
ソファーの上には白いニットが残像のように隅へ畳まれている。
スイッチを付けると広めのフローリング眩しく照らし出される。
「鍵ね・・・」
ニットを着た理佐の隣で呟く。
「見つからなかったらどうするの」
「見つかるさ」
「またそんなこといってこの前も」
僕は理佐の咎める眼差しから逃れテーブルの下の隅を見た。すると黒く光る欠片があった。
それは紛うことなくこの家の鍵だ。
「あった・・・」
「そんなとこ落としたの誰よ」
理佐は僕を細めで睨んでいた。
「合鍵作ろうと思ってさ」
取り繕いの嘘ではない。
本当にそうしようと思った。
そのために財布からテーブルへ置いておいたら
うっかり落としてしまった、これは痛恨のミスである。
「どうして?」
「いや、一緒に住みたいなと思って」
「ほんと?」
理佐は疑うように聞き改めてからやがて嬉しそうに笑う。
語尾は僅かに裏返りそれが真実、嬉しいのだと知らしめる。
「部屋、汚いの許さないからね」
洗い物が山となった台所と埃の溜まったテレビ台、そして上下逆になった本が積まれた棚。
それらを見回して理佐はまたニヤッと笑った。
そして理佐は鼻歌を歌いながら「晩御飯どうしよっかな」と台所を見やった。
「買いに行こうか」
僕は立ち上がって理佐をベットから抱き起こした。
「こんどは鍵無くさないでよ」
鍵を乱暴に掴む僕へ理佐は細い眼差しで告げた。
0204名無しって、書けない?(庭)
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2018/12/11(火) 22:17:44.69ID:QE1BLTFYa
>>200
楽しみにしてますよ〜

>>201
戻って来ると思ってたけど予想以上にお早いお帰りで喜ばしいw
0205名無しって、書けない?(庭)
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2018/12/11(火) 22:20:58.73ID:QE1BLTFYa
>>200
たぶん過去の小説スレで読んだと思うんだけど・・・
こんな時チワンさんならどのスレか割り出してくれるんですよね・・・
0206オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/11(火) 23:44:49.50ID:uEK4TKZG0
20△△年2月23日

メールで理佐男と尾関に呼び出され、ファミレスで昼飯を食べる三人。
気のせいかいつもより空気が重い気がする。

理佐男「織田、ごめんな。実は・・・・」
織田「わかってるよ。由依ちゃんと付き合い始めたんだろ?」
理佐男「この前の登校日の時、由依が学校でお前の方をちらちら見て泣きそうな顔してたからさ、
気になってわけを聞いてみたら・・・」
織田「謝る必要なんかないさ。元々俺の一方的な想いだったんだし、
お前と由依ちゃんはお似合いのカップルだよ。もう吹っ切れた。」
尾関「由依ちゃんの笑顔がまた見れるといいな」

そこへ現れたのが・・・

美愉「織田君、待った〜?」
織田「鈴本、どうしたんだ?」
尾関「俺が呼んだんだよ。いつまでたってもお前が煮え切らないからさ・・・」
美愉「織田君がずっと由依の事好きなのは、知ってた。でも、私諦めないよ。
   織田君の事が誰よりも好きな自信あるもん!」
尾関「すげー、ど真ん中ストレートだな」
織田「・・・嬉しいよ、鈴本。お前も何か注文しろよ。俺が奢るから」
美愉「うんじゃあ、ひつまぶしと、天むすと、デザートにモンブランと・・・」

久しぶりの織田の笑顔に、ホッとした理佐男と尾関だった。

すると、離れた席に座っていた女の子が、織田たちの席の方に歩いてきた。
小池「織田君、この前はありがとう♪」
織田「えっ、何のこと?」
小池「私のあげたチョコレート、みず君に渡してくれてありがとう」
織田「みず君?」
小池「それがきっかけで、私たち仲良くなれそうなの♪ あっ来た!」

土生「みーちゃん、お待たせ♪」
尾関「あっ土生じゃないか!」
土生「あれ、どうしたの?皆お揃いで・・・」
小池「それじゃ織田君、私たちこれから遊園地に行くので、失礼するね♪」

織田は、小池と土生がカップルになった経緯を皆に説明した。
尾関「土生は、いろんな子に告白されていたけど、小池さんと付き合うことにしたのか。まあ可愛いからな。悔しいけどお似合いかな」
美愉「土生君確かに格好いいけど、ちょっとチャラいところもあるよね」
理佐男「そういえば、あいつ前は年上の女子大生と付き合ってるって噂あったけど・・・」
美愉「確か菅井さんとかいう、お金持ちのお嬢様って聞いたことあるよ。もう別れたのかな?」
0207名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/11(火) 23:54:56.19ID:84ULjq980
面白いからエロが無くても我慢できる我慢できる…
0208名無しって、書けない?(家)
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2018/12/12(水) 00:38:16.81ID:QhZS3cYo0
>>202
欅小説だと、渡邊理佐ちゃんの登場率1位ですよね。
ヒロインとしてはもちろん、色々な役どころで使いやすいからかな。
エロで重宝してるのは私だけかもw

>>207
東京都さんのコメントは、いつも織田奈那より優しいな♪
いまの小説書き終わったら、また変態ダニーを書くつもりです。
まだ絡ませたいメンバーが何人かいるのでw
0209名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2018/12/12(水) 16:30:36.01ID:PoRPtTI1K1212
>>205
なんという酷い無茶ぶりであろうか(感嘆

と思ってたらあっさり見つかったわ(笑)
初代スレのここからですね

【物語】欅坂46の小説【エロも可】c2ch.net
http://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/keyakizaka46/1487327352/268
0210名無しって、書けない?(庭)
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2018/12/12(水) 23:34:29.73ID:AToUJrT2a
>>209
さすがですw
0211オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/13(木) 02:12:37.19ID:v1SSCY770
>>209
やはり昔のこのスレでしたか。
ちょっとストーリー変えようかな〜
0212オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/14(金) 20:26:13.08ID:XUHqSnbh0
20△△年2月27日

皆の進路も決まり、あとは卒業式を待つばかり。
クラスの雰囲気もリラックスして、外の日和とともにだいぶ暖かくなってきている。
そんな中テニスコートでは、もうOBなのに後輩と乱打している男子部員が・・・

尾関「おっ、守屋じゃないか。もうじき卒業なのにまだ練習してるのか」
理佐男「あいつは大学でも遊び要素の強いサークルじゃなくて、体育会系の部活動するらしいからな。硬派な奴だよ」
織田「健康のために食生活もストイックらしいし。常に全力投球がモットーだからな。俺には真似できないよ、熱い奴だ。」
織田たちと目が合った守屋は、ちょっと片手を挙げて挨拶をすると、すぐに練習に戻った。

織田「さて、俺たちも帰ろうぜ。たまにはボーリングでも行くか。それともカラオケ?」
理佐男「男3人でか〜?ちょっと色気ないなぁ(笑)それにきょうは由依と・・・」
尾関「俺もちょっと・・・」
織田「えっ付き合いのいいお前もかよ。彼女いないのに?」
尾関「それを脱出するチャンスが来てるんだよ♪」
織田「えっ?誰なんだよ、相手は?」
尾関「まだ内緒だ♪」
理佐男「織田には美愉がいるだろ。最近毎日のようにデートしてるじゃないか」
織田「いやぁさすがにこう連続だと少し重いというか何というか・・・」

結局この日は解散し、帰宅すると、一人暮らししている姉が帰省していた。
妹と談笑していたが、弟の顔を見るなりニヤニヤしながら、
姉「聞いたよ。彼女出来たんだって?」

織田「まだちょっとデートしただけだよ」
姉「写真見せてよ」
仕方ないので、昨日撮ったプリクラの画像を見せる。

姉「可愛いじゃない!あんたにしては上出来ね♪ ずいぶんアタックしたの?」
織田「別に。俺だって結構モテるんだよ」
姉「でも気の強そうな感じもするな〜 あんた尻に敷かれるよ、多分」
織田「・・・」

美愉は決してわがままなタイプではなく、デートの時なんかは織田を立ててくれるし、織田の言う事に不満を示すことはほとんどない。
ただ、ちょっと独占欲が強いというか、拘束したがるところがあるのが玉に瑕。
織田がクラスの女子と雑談してるだけで、機嫌が悪くなるのだ。
ちょっと疲れる時もあるが、客観的に考えると贅沢な悩みなんだろうな。
0213オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/15(土) 02:46:01.67ID:UzHqXCKs0
尾関からラインが来て、いつものファミレスに呼び出された織田。
理佐男がいたのは予想通りだが、もう一人、意外な女子が来ていた。
上村「織田君、こんにちは♪」

織田は一瞬戸惑ったが、尾関の嬉しそうな笑顔を見ると察しがついた。
織田「この前ほのめかしていたのは、この事だったのか」
理佐男「俺もびっくりしたよ。いつの間にこいつ〜(笑)」

上村莉奈は愛らしい容姿と性格で、大人しいが男子から人気がある女子だった。
尾関「いやーようやく二人に追いついた♪ 卒業に間に合って良かったよ。俺だけ寂しくおひとり様だったからな〜」
上村はそんな尾関の方を見つめて優しく微笑んでいる。
いいカップルになりそうだと織田は思った。

尾関「なあこれで皆彼女出来たんだし、卒業前の思い出にトリプルデートしないか?」
理佐男「うーん、由依はあまり大勢でつるむの好きじゃないみたいなんだよ。一応聞いてみるけど」
織田「ああ、美愉は喜びそうな気がするかな」

しかしここで上村が蚊のなくような声で・・・
上村「織田君、最近美愉ちゃんと上手くいってる?」
尾関「何言ってるの? 美愉ちゃんは前から織田にゾッコンだぜ♪」
上村「・・・・・」
織田「どうかした?」
上村「実はね、きのう学校で見ちゃったの。美愉ちゃんが・・・」


織田「美愉がどうしたの?」
莉奈は意を決したように言った。

上村「守屋君とキスしてたの・・・」
0214名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/15(土) 10:35:39.97ID:emPdAS0j0
ええええええ!!
0215オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/15(土) 17:22:00.54ID:UzHqXCKs0
20△△年3月1日

男3人とも、呆然として黙り込んでいた。
ようやく尾関が「マジ?」と囁いたが、莉菜がこういう冗談を言う子じゃないことは皆わかっていた。

上村「私、謝恩会で踊るダンスが覚えられなくて、体育館で一人で練習しようと思ったの。美愉ちゃんを見かけたので教えてもらおうと思って歩いて行ったら・・・
理佐男「守屋もいたのか?」
上村「うん。ラブラブって感じじゃなかったけど、無理矢理キスされたようにも見えなかった。不意を突かれて驚いてた様子だったかも。私ビックリしてすぐ引き返したから、その後どうなったかわからないの」

尾関「おい織田、守屋に文句言いに行こうぜ。理佐男も行くだろ?」
織田はショックはショックだったが、それほど取り乱してもいなかった。
織田「尾関ちょっと落ち着けって。まずは、俺が美愉にやんわり事情を聞くよ。そもそも今のところ、美愉は俺の物だ!と言える関係でもないし」
理佐男「それが良さそうだな。もし守屋と揉めそうになったら声を掛けてくれ」

尾関はちょっと拍子抜けした感じだったが、織田がそういうのだったらととりあえず納得した。
理佐男「何か暗くなっちゃったけど、莉奈ちゃんと尾関、仲良くな♪ それからきょうは俺が奢るよ。バイト代が入ったんでね」

理佐男がレジに精算に行って、尾関がトイレに行っている間に、莉奈が織田の所に来て、
上村「何か空気悪くしてごめんね」
織田「全然上村のせいじゃないよ。気にするな。しかし、尾関とこうなるとは驚いたよ」
莉奈はちょっといたずらっぽい表情で、声を潜めて言った。

上村「二学期くらいまで、私ちょっと織田君の事好きだったの♪」
織田「えっ・・・そ、そういう事は早く言ってくれよ・・・」
上村「でも織田君が由依ちゃんに気があることは、傍から見てわかりやすかったから・・・」
織田「いや、見事に振られたよ」
上村「でも織田君とよく一緒にいる尾関君を見てたら、いつの間にかこういう事になっちゃったの」
織田「そうだったのか・・・」
上村「尾関君には内緒ね♪」

おどけた莉菜の表情は可愛らしい。
織田の中にほんのちょっとだけ、『惜しい事したかも』という気持ちが浮かんだ。

まじめな表情に戻って莉菜は、
上村「美愉ちゃんは、まっすぐで嘘が嫌いな子だと思うの。しっかり話を聞いてあげてね」
0216名無しって、書けない?(庭)
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2018/12/16(日) 04:50:26.98ID:6opuZAYSa
面白いね。
ねるちゃん出してくれよ。
理佐夫の相手はゆいぽんよりねるがふさわしい。
0217名無しって、書けない?(家)
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2018/12/16(日) 17:33:52.18ID:5dLDeecy0
20△△年3月1日

解散した後、織田は美愉に電話してみた。
いつもは2コールくらいで出てくれるのに、この日はもう諦めて切ろうとした直前に声が聞こえた。

織田「美愉、これから会えないか?」
鈴本「うん・・・・わかった」


冷めかけたカフェオレを一口すすって、織田はようやく切り出した。
織田「あのさ、最近守屋と・・・仲良いの?」

美愉は大きく目を見開いて、織田の方を見た。
そして視線を逸らしながら、
鈴本「すぐにわかっちゃうものなのね・・・」
鈴本「仲良くなったわけじゃない。いきなり告白されたのよ。前から好きだったんだって、私の事」
織田「・・・・・」
鈴本「守屋君って、一直線な人みたい・・・私と似た性格なのかな」
織田「・・・それでキスしたのかっ!」

黙ってるつもりだった言葉が口から出てしまった。
鈴本「急に抱き寄せられて、避ける暇なかったの・・・」
織田「どうだかな・・・」
つい嫌味ったらしい言い方になってしまう。

鈴本「毎日デートしてて、『好きだ』とも言ってくれないし手も握ってくれない人とは大違いだったから、戸惑ったのよ!!」
最後は少し涙声になっていた。

織田は何も言えず、伝票を持って席を立った。


織田の落ち込んだ気持ちとは裏腹に、織田家の雰囲気は明るかった。
明後日のひな祭りの支度がほぼ終わっており、食卓にはすき焼きの準備が。
普段ならすぐにがっつく織田だが、きょうはあまり食欲がわかず、ごはん一杯だけ食べて自室に引っ込む。

しばらくすると姉がノックと共に入ってきた。
姉「何かあったんでしょ。彼女と喧嘩でもした?」
鋭いなぁ女は。

織田「喧嘩どころじゃないよ。もうダメかも」

姉「高校卒業する時ってさ、多かれ少なかれ皆あせる気持ちってものがあるのよ。恋愛でもさ、ここで何とかしないとまたゼロからって思いがちなんだよ」
織田「確かにここで彼氏彼女作っておかなきゃって思ってる奴多いかも・・・」
姉「でしょ。ちょっと距離置いて考える時間があってもいいんじゃないかな。別に卒業式がゴールと決め付けなくてもいいはずよ」
うーん、姉の言うことに久しぶりに感心してしまう織田。

姉「ということで、久しぶりにゲームしよっ!太鼓の達人やろうよ♪」
織田「よーしやるか、負けないぞー」
0218名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/16(日) 21:33:57.76ID:Baow0XU/0
太鼓の達人ネタ懐かしいな
0219オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/16(日) 23:32:07.88ID:5dLDeecy0
20△△年3月3日

きょうは登校日。
美愉に会いたい気持ちと会いたくない気持ちが半々だったが、美愉は来ていないようだ。
先生からの連絡事項が終わり、帰り支度をしていると、梨加と菜々香がやってきた。

梨加「ねぇ織田君、菜々香ちゃんとツーショットの写真撮って♪」
長沢「お願いね」
織田「あいよ」

梨加と菜々香はいつも本当に仲が良い。
特に梨加は菜々香と一緒にいる時は、屈託のない可愛い笑顔を見せる。
可愛く撮ってあげたら、二人は満足そうに帰っていった。
ただ、去り際にカメラと交換に例の封筒を渡された。
この二人を見ていると、心が安らぐ。

その直後、心が荒れそうな奴が声を掛けてきた・・・
守屋「織田、女子に囲まれて楽しそうだな」
織田「何か用か?」
守屋「美愉ちゃんのことで話があるんだよ。ここじゃ何だから人気のない所へ行こう」

体育館の影で深刻な表情で佇む二人
守屋「織田は、美愉ちゃんと付き合ってるのか?俺はそういう情報に疎いからはっきり言ってくれ」
織田「・・・まあそのつもりだけど」
守屋「おれはかなり前から美愉ちゃんが好きだった。部活に専念してたし、卒業前に告白しようと思ってたんだよ」

織田「そ、そうなんだ・・・」
守屋「織田はどのくらい美愉の事が好きなんだ?」
そうあからさまに言われてもなぁ・・・
美愉の方からアプローチしてきたし、美愉との関係に関しては、織田は受身だった。

守屋「俺は大好きだ。愛らしい顔もはっきりした性格も、全部が好みだ。洋服もプレゼントしたし、ホワイトデーにはもっと高価なも物もプレゼントしようと思っている」

織田は、淀みなくきっぱり言われて怯んでいる自分が情けなかった。
そういえば、俺は美愉に何をしてあげたろう?
そして美愉の事を、本当はどう思ってるのか自分でもあまり考えてみなかったのだが・・・

守屋「それから、この際だから言っちゃうけど、この前ここで美愉と・・・」
0220名無しって、書けない?(庭)
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2018/12/17(月) 00:23:11.44ID:DsJcokrqa
テンポ良く進んでますね
0221オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/17(月) 22:13:40.46ID:Q05ndSAg0
20△△年3月3日

??「守屋君、もう言わないでっ!!!」
二人は声のした方を振り向く。

守屋「美愉ちゃん・・・何でここに?」
少し離れたところに立っているのは莉菜だ。

鈴本「織田君の顔を見るのが辛くてきょうは休んでたんだけど、莉菜ちゃんからきょうも謝恩会でのダンスのレッスンに誘われて・・・」
上村「美愉ちゃん、美愉ちゃんの正直な気持ちを伝えた方がいいんじゃない?」
美愉は、守屋をまっすぐに見つめている。

鈴本「守屋君の気持ちは嬉しい。私、男の人にこんなに優しくしてもらったことなかったし・・・」
横目でチラッと織田を見る美愉。

鈴本「でもごめんなさい。私やっぱり織田君の事が好きなの。どうしようもないくらい」
美愉の口調は淡々としていた

守屋「そうか・・・ハッキリ言われてかえってスッキリしたよ」
守屋らしい反応と言えるだろう。

上村「織田君何とか言ったら?」
美愉の事はもちろん好きだ。でも軽々しく言ってはいけない雰囲気を感じている。

織田「俺、考えてみたら美愉についてまだまだ知らない事の方が多いよう気がするんだ」
織田「もちろん、可愛くて俺にはもったいない子だというのは言うまでもないんだけど、もっと美愉の内面まで理解したい。美愉の色々な物の考え方、好きな遊び、好きな食べ物とか・・・」
美愉は黙って織田を見つめている。
織田「だから美愉のことをもっと知りたい。美愉にも俺のダメなことまで知って欲しい・・・」
織田は絞り出すような感じで告白した。

美愉はここで下を向いた。涙ぐんでいるようだ。
上村「やるじゃん織田君・・・」


美愉は莉菜と一緒に体育館の中に戻って行った。まだダンスのおさらいをするようだ。
織田は、守屋と一緒に帰路に着いた。

守屋「織田、すまなかったな。みっともない姿をさらした上、美愉ちゃんもお前にも嫌な思いをさせた・・・」
織田「いや・・・お前は格好良かったと思う。お前は正真正銘のスポーツマンだよ」
守屋「ふふ、スポーツマンか。すがすがしい敗戦ってとこかな。織田、美愉ちゃんを大切にしろよ」
織田「頑張るよ・・・」
0222名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/17(月) 22:37:41.71ID:ORw6m2cV0
先生は織田先生のこと大好きなんだな 細かな所のこだわりに愛を感じるぜ
0223オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/17(月) 22:57:03.10ID:Q05ndSAg0
東京都さん、いつもありがとう。
初期からずっと変わらず織田推しです・・・
二推しは一杯いますがw
0224名無しって、書けない?(庭)
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2018/12/18(火) 08:24:21.66ID:3BKCB7wka
本当にオダナナのことが好きそうな内容だね。
二推しはむーちゃんかな?
織田くんの味方だし。
0225オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/19(水) 21:07:24.60ID:CZ6lRNyB0
>>224
す、鋭い・・・(汗)
0226オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/19(水) 21:16:58.65ID:CZ6lRNyB0
20△△年3月4日

家でのんびりしていた織田は、ひな人形の後片づけの手伝いを終えると、ふと思い出して、今まで天然娘梨加からもらった絵を机に並べてみた。

・JR東日本のSuikaカード
・ベッドらしき場所に横たわっている少女
そして先日もらった絵は、今までの中ではわかりやすい。
・ケチャップたっぶりのオムライス。

これは、もしかして・・・

俺はファミレスのランチに菜々香と梨加を誘っていた。
菜々香は無愛想な表情で、俺を見つめている。

織田「何か注文しろよ」
梨加はすぐにステーキランチ+パンセットを頼んだ。
菜々香「あまり食欲ないからドリンクバーだけでいい。それより何の用? こんなところ、美愉ちゃんに見られたら面倒だよ」

織田はそれには答えず、絵を3枚テーブルに並べて見せた。
もちろん梨加に貰った絵である。

織田「これ、お前が書いたんだろ?」

菜々香「・・・何でわかったの?」
織田「わかるさ。まあだいぶ考えたけどな。
入学したばっかの頃、駅の改札でSuicaを詰まらせたお前に声を掛けたのが、
最初に俺たちが話した日だよな」

菜々香の表情が、ちょっとだけ明るくなった気がした。

織田「2枚目の絵は難しかったけど、これは2年の時の体育祭じゃないか?
長距離走で頑張ったお前が、ゴール後貧血で倒れちゃったから、体育委員だった俺が、
保健室まで連れてったんだよな確か」
菜々香「そうそう、保健室が混んでたから、先生がなかなか手当てしてくれなくて、
織田君が私の気分が良くなるまで、看病してくれたの覚えてる」

織田「3枚目は、わりと最近だからすぐわかったよ。女子の調理実習でオムライスが上手く
出来たからって、一杯持ってきてくれたっけ。ケチャップの量すごかった」

菜々香「他の男子は、美愉ちゃんや葵の料理に群がってたけど、織田君だけは、
私のオムライスを美味しいってたくさん食べてくれた」
織田「お前が一所懸命作ってくれたのわかったしな」
菜々香「嬉しかった・・・あれから一時、家で卵料理ばっかり作ってたんだ♪」

織田「それはいいけどさ、何でこの絵を梨加ちゃんに、ちょっとずつ持ってこさせたんだよ?」
菜々香「それは...」

これまで一心不乱に食べていた梨加が口を開いた。
梨加「モゴモゴ・・・織田君の事が好きだったから・・・でしょ?」
0227オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/19(水) 21:18:32.05ID:CZ6lRNyB0
ついに改行制限がきた・・・
0228オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/19(水) 21:46:41.57ID:CZ6lRNyB0
制限されたので続き

織田「えっ!!」
菜々香「ちょっと!梨加ちゃん何言うの!!!・・・
菜々香の声がひっくり返るのを初めて聞いた気がする。
本当だとしたら卒業間際に、これまでの帳尻合わせでモテてるのかな・・・


ちょっと間があいて、
菜々香「バレンタインには、お菓子じゃなくて絵を渡したかったの。私の高校での大切な思い出を絵にして」
梨加「でも私がのんびりしてたから、いつの間にか美愉ちゃんに・・・ごめんね菜々香ちゃん。まさか織田君がこんなにモテるとは思わなかった」
織田「・・・・」
きょうの梨加はよくしゃべるなぁ。しかも毒を含んでる。

菜々香「いいの。美愉ちゃんと織田君はとってもお似合いだし。それに織田君が想い出を覚えてくれてただけで嬉しい
織田「そういうことだったのか・・・すごく嬉しいよ。気持ちも、そのプレゼントも。だけど・・・」


菜々香「私、卒業式が終わったら、すぐに山形に行っちゃうの。織田君と会えるのも後わずかだから、最後に話せて良かった! あー何かお腹減ってきた。すみません、オムライス特盛ください!」
0229名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/19(水) 23:08:06.69ID:RJ0M8vGW0
せつないだわね
0230錯乱(茸)
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2018/12/19(水) 23:18:35.17ID:WeGY/4IUd
1-冬

ベルが鳴る。今日は晴れだ。
新郎は締まらない顔つきで、しかし新婦はどこか緊張した面持ちである。
僕は。教会の長椅子で握り拳作って震えていた。
「しかしこの二人よく結婚したよな。」
隣に居る痩せぎすの男は言った。
男はいかにも間に合わせの、誰かから借りてきた丈の合わないスーツ上下を着ていた。
いや、着せられていたという感じだった。
「ああ。」
「あいつ高校の頃は立派な理系オタクだったのにまったくいつの間にみいちゃんと」
「バイト先でばったり再会だと」
「ほんとは付け回したんじゃないのか?」
男は肩を小刻みに震わせて卑屈そうに笑った。
「どうだろうな。」
漣のように広がる緊張と掌の汗を抑えて曖昧に答える。誰かと会話をしていないと動画なりそうだった。
式は神父の前での誓いのキスのコーナーに差し掛かった。
此処が一番の見せ場で、競馬でいえば最後の芝一直線である。
「それでは誓いのキスを」
時給数百円で雇われたバイトの神父はわざとたどたどしくそう言った。
この男は以前うちの近所にあるコンビニで深夜バイトをしていた。仮に本当の神父だったらあんなコンビニなんかで働かなくて良いのだしそういうことから考えるにあの男は神父のバイトをしているのだ。と考えた。
そんな神父の顔を頭から打ち消して僕はひゅっと息を吸い込んだ。
0231錯乱(茸)
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2018/12/19(水) 23:19:16.89ID:WeGY/4IUd
「ちょっと待ってくれ」
睡魔と戦い、欠伸を噛み殺し、式が終わるのを待っていたわたしはこの声ですっかり目を覚ましてしまった。
わたしは声の主を探した。
前から3列目の右端にいる男が立ち上がって、新婦を見つめている。
「あれーじゃない?」
「まじで?」
ざわざわと耳打ち声が波を打つ。
「ずっとあなたが好きだった。」
男は叫んだ。
「ドラマみたい」
そんな声まで聞こえた。
わたしは面倒なことに巻き込まれたと重たいため息をついた。
「ねぇ、理佐あれ誰だっけ」
後ろから声をかけられて振り向く。
「誰だろ・・・うちのクラスの人だと思うんだけど」
まったく男に見覚えがなかったのでそう応えると、
「わたしも誰だかわかんないんだよね」
と冬優花は首をかしげた。
この式に参列しているのはほとんど高校の同級生で、つまりわたしと冬優花も男と同じ教室に居たはずなのだ。しかし記憶がない。
余程イメチェンしたのか。
「でも新郎があんな挙動不審でどうすんのよ」
冬優花は毒づいた。
「ねえ。」
わたしはそれに同意するように答えた。
新郎はなおもニヤついた顔で事の次第を見守る。新郎の父は苦い顔で、母は耳障りな声で喚いている。
「だれかあの男を連れ出して頂戴」
新郎の母がヒステリックに怒鳴った。
しかし、この出来事がどうなるのか見守りたい参列客は母の声を無視して目の前の三角関係を見守る。
「ちょっと、ふざけるなよ」
新郎は体裁を保つためようやくその男に注意をした。
しかし治安の悪いお馬鹿な高校の気弱な国語教師みたいでまったく様になっていない。
「行こう」
男は新郎を無視して真っ白で綺麗なドレスをきたみいちゃんの腕を引っ張る。
みいちゃんはその瞬間、緊張しっぱなしの顔つきで何かを言った。だが聞こえない。
蚊の鳴くような声を地で行くみいちゃん。
声は可愛いんだけどね。昔からそうだった。
男もまた聞き取りにくいのかみいちゃんの口に耳を近付けたあと「大丈夫」と答えた。
みいちゃんはその声に頷き、ドレスの裾をすっ、と持ち上げた。
男はそれを待ってみいちゃんの手を引きバージンロードを逆走した。
閉じられた教会の扉は再び開かれた。
引き止めるものは誰もなく。
参列者たちはあっけに取られるか、もしくは上野のパンダでも見るような顔をしていた。
0232錯乱(茸)
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2018/12/19(水) 23:19:53.51ID:WeGY/4IUd
「なあ、本当にこれでええの?」
小池美波はまたそう訊ねた。
「大丈夫だって。」
僕は彼女と手を繋いだままそう返した。
先程からタクシーの運転手がチラチラと此方の様子を窺っている。それもその筈。
結婚式らしいドレスの女とスーツを着た男が耳打ち声で小競り合いを、しているのだから。
「このドレスどうしたらええの?」
「買ってくれたんじゃないの?」
「そうやけど……なんか…」
「ここ左ですか?」
僕の言葉を遮って運転手が声をかける。
「はい。」
やや苛立ちげに答えたのはこの運転手のタイミングの悪さと右が通行止めで左にしか曲がる余地がないと見ればわかる事を聞いたためだ。
運転手も僕らの関係が気になるのだろう。
結婚式を上げたばかりのカップルが息を荒くして目を合わせる訳はないし、第一、結婚式の後で見送りがいないし、そもそも式だけで終わるわけないのだから、カップルでもないだろう。
と思ったか。
タクシーを降りてこじんまりとした住宅地を歩く。
「いつまで手繋いでんの」
彼女が僕を見上げてそう言った。
「あ、悪い。」
慌てて手を離すと、「別に離して欲しいわけじゃ・・・」と呟いていた。
女心は理解し難い。
また僕は手を繋いだ。
彼女は俯いていた。
「ここ、家。」
僕はチンケな5階だてのマンションを指さして言った。
「へえ・・・」
彼女はじっとそのマンションを見つめた。
「行こうか。」
「うん。」
0233錯乱(茸)
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2018/12/19(水) 23:20:36.84ID:WeGY/4IUd
「あー、疲れたー。」
彼女はまるで自分の家みたいにソファへ飛び込んだ。
「なんか飲む?」
「先に着替えたい。」
「着替えあるの?」
彼女は黙って首を振った。
「なんか無い?」
「あるにはあるけど」
「貸して」
たまたま昨日洗いあがったばかりのTシャツとジーンズが掛けてありそれを彼女へ貸した。
その造作が我ながらぎこちなくて笑える。
「そこで着替えたら。」
僕は奥の和室を指した。
「うん。」
彼女は着替えを胸に抱いて襖を閉めた。
襖の奥からは衣擦れの音と畳を擦る音が交互に聞こえる。
僕は彼女の着替えを待つ間、ソファで1ヶ月前の出来事を思い出していた。
0234錯乱(茸)
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2018/12/19(水) 23:22:20.66ID:WeGY/4IUd
「バイトやってみない?」
「バイト?」
僕は思わず聞き返した。
原宿にあるボタニストカフェは比較的空いていた。
「結婚式の。」
彼はさらに付け加えた。
「披露宴の手伝いとか?」
彼女は僕の隣で彼に訊ねる。
「いや、違うんだ。」
「君たちにちょっとした芝居をしてもらいたくてね。」
「芝居?」
「まず前提として僕とみいちゃんが結婚式を挙げる。」
「えっ?」
彼女は得体の知れない両生類か爬虫類のでも見るかのような眼をした。
「芝居、芝居。」
彼は焦ってそう付け加えた。
「それで」
彼女は荒っぽく彼に続きを促した。
「君にみいちゃんを連れ出して欲しい。」
「僕が?」
「ああ。」
「つまり君とみいちゃんが結婚式を挙げて、その式の途中で僕がみいちゃんを連れ出すってこと?」
「そう。」
「なんでそんなことせなあかんねん。」
彼女は目を細めて彼に訊いた。
「親が居ない一人暮らしの知り合いの、女の子は君しか居ないんだ。」
彼は真剣な眼差しでそう告げた。
彼女はただただあっけに取られていた。
そりゃそうだ。

そもそもこんな話題を初対面の人へ言ったら完全にイカれた野郎だが彼と僕と彼女は同じ高校で同じクラス、同じ大学の同じゼミにいた言わば腐れ縁で、彼のトリッキーな性格もわりと前から知っていたのでドン引きこそしたが、驚きはしなかった。
しかし今回の発言によりものの数分で、彼女の中にある数年に渡り築き上げられた彼のイメージは大分、いや、かなり悪くなったらしい。
「あのね。前々から眼前で花嫁が連れ去られるプレイをしてみたくてね」
彼はわりと高度な変態のようだ。
「プログラムのやり過ぎでついに頭の回路に異常をきたしたか?」
彼はコンピューターのプログラミングをやっている。
「うわぁ」
彼女はただただ引いている。
心だけでなくテーブルの上に置いたグラスを自分の手元に引き寄せたところを見るとどうやら物理的に引いている。
「いやいや勿論冗談でね」
「冗談に聞こえんねん」
彼女の眼はどんどん細くなる。
「親が結婚しろ結婚しろとうるさくてね。それでこんな芝居を打つわけさ。目の前で花嫁が連れ去られショックを受けているみたいな雰囲気を出せば当分敵は何も言わない。だろ?」
「だろ?じゃねーよ、なんで、そんな面倒なことするんだよ。」
「それにそんなお芝居して大事件になったら嫌や」
「大丈夫、大丈夫なんかあったらほんとのこと言えばいいんだし、そもそもそんなことならない。」
「でもなぁ」
僕はグラスに残った氷を徒にかき混ぜた。
「15万だそう。」
彼は静かにそう告げた。
僕と彼女はこの言葉にまんまと釣られた。
その後のことはよく覚えていない。
15万。ただそれだけだ。
0235錯乱(茸)
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2018/12/19(水) 23:23:20.84ID:WeGY/4IUd
一ヶ月前の回想を終えたころにはすでに彼女が僕の隣で寝息を立てていた。
いつの間に僕の隣へ来たのだろう。
僕は何か物思いに耽ると周りが見えなくなるのだ。しかし。どう考えても男物としか思えないのシャツを着こなしてしまう彼女は不思議だ。そしてシャツも僕が着ている時よりずっと魅力的に見える。彼女には叶わない。
やがて僕も眠くなって来た・・・
秒針の音が子守唄になる・・・。
0236錯乱(茸)
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2018/12/19(水) 23:25:37.43ID:WeGY/4IUd
2-夏

明るいコートを着た春は緩やかに季節のドアを開け去ってゆき、入れ替わりに白いシャツを着たお調子者の夏がやってきた。
あの結婚式から半年、経っていた。
彼はあの後、傷心旅行と称して海外に逃亡して親元を離れた。結婚式が大掛かりなでっち上げの猿芝居であったことはどうやらどこにも露見していないようだ。というかまさかわざわざ大金かけてこんなくだらないことをするとは誰も想像しないだろう。
「なぁ、これここでええ?」
大量のペンギングッズを棚に並べて彼女は振り返った。
「ああ。」
あれから僕と彼女は付き合いはじめ、そして、一緒に暮らし始めた。
何がどうなってこの成り行きになったかはめんどくさいのでまた今度にする。
そう。あの僕が貸したシャツは今じゃすっかり彼女のものになった。
だいぶ気に入ったらしい。
時々、晴れた日にそれを着てでかけている。
「おなかすいたー」
彼女がソファに倒れ込んで呟く。
「どうする?なんか食べに行く?」
「うん」
彼女は足をバタバタさせる。
夏の日の午後ほど平和で長閑な時は無い。
僕は倒れ込んで面倒くさそうにゴロゴロしている彼女の背中をつついて立ち上がる。
すると斜めに差した光と影が床に伸びて、僕らの足元を貫いた。
お昼は駅前の蕎麦にしようとその時そう思った。
僕は同意を求めようと彼女を窺う。
「ん?」
彼女は微笑んで此方を向いた。
「お昼どこで食べる。」
「蕎麦。」
お芝居では無い本当の結婚式をいつかしようとその時思った。
0237名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2018/12/21(金) 21:08:19.36ID:N86/ZNvQK
ひどい痛みが
らくになるように
てあてをして
ゆっくり
りはびりして
なおしてきます

ひらてゆりなです。

という保守
0238名無しって、書けない?(庭)
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2018/12/22(土) 00:25:13.87ID:wySZyF+Ka
>>237
今日のもんちゃん見ててちの精神的負担が軽くなると良いなぁと思う今日この頃
0239オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/22(土) 04:25:14.73ID:PS5mrj7Z0
20△△年3月5日

明後日は卒業式。織田は、美愉に何かプレゼントをあげたいと考えていた。
何かお洒落な洋服とか装飾品がいいかなと、姉に相談したのだが・・・
姉「私あんたと一緒で、そういうのセンスないのよね。まあ自分で一生懸命考えなよ」
仕方ない。何がいいか、街ブラでもして考えるか・・・

だいぶ春らしい陽気になった街で、冷やかしで、高級ブティックの並ぶ通りを歩いてみた。
しかし織田にはブランドのことなどさっぱりわからないし、値札は出てないが、どうせ織田の小遣いでは手が出ないものだろう。

すると一軒の店から見覚えのある顔が・・・
こっそり観察していると、ほどなく、女性と仲良さげに腕を組みながら店を出てきたのは、何と土生だ。
土生はそうな洋服の入っている袋を持って嬉しそうだ。
女性は小池美波ではなく、見たことのない大人っぽい綺麗な女性で、土生とはただならぬ仲に見える。
モテる男は違うな〜
美波ちゃんには気の毒だが、関わらないようにしよう・・・


帰路に着く途中携帯が鳴った。尾関からだ。晩飯の誘いかな?
織田「尾関か。晩飯なら付き合うけど、きょうはお前のおごりな♪」
しかし尾関の声は深刻だった。

尾関「織田!すぐに欅病院に来い!!美愉ちゃんが怪我して救急車で運ばれたんだっ」

半ばパニック気味になって病院に辿りつくと、待合室に尾関と莉菜の姿を見つけたが、その姿を見て愕然とした。
莉菜が尾関の胸で号泣しているのだ。まさか・・・ウソだろ・・・
0240名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/23(日) 01:11:52.59ID:FIt6POF20
人生にはまさかという坂がある
0241名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2018/12/23(日) 07:00:50.31ID:hi/03zJnK
「お使いになりますか?」
と訊きたくなる
0242オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/23(日) 12:05:26.78ID:0SyUKHU70
20△△年3月5日

尾関「莉菜、もう泣き止めよ。お前のせいじゃないんだから。織田がビビッてるだろ」
織田「美愉は!大丈夫なのか、!?」
ようやく泣き止んだ上村は、織田の方に泣き腫らした目を向けた。

上村「大丈夫だと思う・・・」
莉菜の話によると、きょうも美愉は莉菜と一緒に学校でダンスのおさらいをしていたが、朝から体調が悪かったらしくて途中で倒れてしまった。
その時、床に頭を打ちつけてしまったらしい。
担任の土田先生を呼んで、すぐに救急車でここに運ばれたとの事。

上村「美愉ちゃんは、優しいからつい甘えちゃって、私の覚えが悪いから・・・」
上村「救急車の中では意識もあったし、話も出来てた・・・いま精密検査してるの」
そこへ土田先生がやってきた。

土田「織田も来てたのか。とりあえず鈴本は脳に異常ないし、念のため少し休んで様子を見て問題なければ、夕方には帰れるだろう」
織田は大きく息を吐いた。良かった、本当に・・・

上村「ということは、卒業式も出られますね?先生」
土田「本人次第だろう。ただ謝恩会のダンスはやめておいた方が良いな」
織田「そうですよね。あんなの無理に出なくても・・・」
尾関「莉那、代わりに頑張れよ」
上村「う、うん・・・」

処置室をちょっと覗いたら、美愉は眠っていた。
寝顔があまりに可愛くてドキドキしてしまう織田。

美愉の両親が来ていたので、四人揃って挨拶をした。
土田「無事で何よりでした。卒業式はどうされるんですか?」
美愉母「さっきちょっと美愉と話したんですけど、この娘絶対出るって言ってました。それにダンスも踊るみたいな事言ってて・・・」
織田「無理することないのに・・・」
美愉父「大丈夫、この娘は強靭な翼を持ったペガサスですから!」

何言ってんだこの親父さん・・・
0243オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/23(日) 12:07:51.69ID:0SyUKHU70
(文字数制限のため分割しました)

病院を出たら、心配した理佐男から電話があったので、報告がてら皆で夕食を食べる事になった。
理佐男「とにかく大したことなくて良かったな」
尾関「しかし美愉ちゃんは、なぜ謝恩会のダンスにあんなにこだわるんだろ?」
織田「あんなの毎年余興レベルじゃないか。美愉はそんなに目立ちたがり屋じゃないと思うけどな」

上村「訳があるのよ・・・」
尾関「何か聞いてるの?」
上村「最初は1組の平手ちゃんが、真ん中の目立つ場所で主役的な役割の予定だったんだけど、彼女も体調が悪いみたいで、一週間前に辞退したの」
小林「彼女、今でもダンス習ってたからすごく上手いんだよね」
上村「美愉ちゃんも小学生の時に経験があって上手なんだけど、こういう事になって急遽美愉ちゃんが平手ちゃんの位置になったのよ」
理佐男「それで張り切ってるわけか」
上村「それもあるけど、一番の理由は織田君に見せたいんだと思うの」
0244名無しって、書けない?(庭)
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2018/12/23(日) 13:14:58.13ID:7bvQ56cma
もんちゃん・・・

Mステ最高だったのに・・・
0245オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/23(日) 13:34:32.46ID:0SyUKHU70
>>244
良かったですよね。
これからグループは、鈴本中心の構成にシフトしていくんじゃないでしょうか。
織田には鈴本の精神的サポートを期待してます。
0246口笛(茸)
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2018/12/23(日) 16:36:42.06ID:970Io/vId
隙間風のような口笛がルージュを塗り直し光に潤んだ赤の唇から聞こえて僕は思わずそれに耳をすました。日曜日の夕方、外は雨だった。
チューニングを合わすと彼女の口笛が良く聞こえる。
「なんの歌?」
「さあ?」
彼女は答えらしいことは言わず何かを含んだように笑うだけで、僕は乾いたもどかしさを覚えるだけであった。
「気づかない?」
後ろ手を組んだ彼女は振り向きざま胸をそらして僕へ訊ねた。
どうやら僕は試されているらしい。
「口笛が下手過ぎて分からないよ」
「もう、酷い!」
ねぇ、トム。そう言って彼女は足元に居たふさふさな猫を抱き上げた。
猫は不機嫌そうに鳴いてもがく。
やがて彼女の手をすり抜け、僕が寄りかかるソファへ身を填めた。
彼女は凄く寂しそうな顔をした。
「もうトムまで・・・」
そう吐き出すように呟いて洗い終わったカップを銀の棚へ置いた。彼女は洗い物をしていたのだった。
ソファに座って彼女はまた同じ口笛を吹いた。
「さぁ、この曲はなんでしょう?」
「なんでしょうってなんでしょう?」
「もう、真剣に聞いてるの」
今度はやや真剣な表情で僕を見た。
「なんだろう?」
雨粒はそんな2人をぽつぽつ嘲笑った。
僕は記憶の糸を手繰り直した。
0247口笛(茸)
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2018/12/23(日) 16:37:21.99ID:970Io/vId
冬の冷たい風が絞った夕日のオレンジが彼女の奏でるピアノの鍵盤に零れた。
音楽室へ忘れ物を取りに行ってたまたまその音に触れた僕は思わず立ち止まってそれに聞き入ってしまった。人の心を惹き付ける何がが彼女のピアノにはあった。
「どう?」
彼女に蓋を閉じながら僕に訊ねた。
その問は突然で僕は面食らった。
まったく初対面の人間にそんなことを訊かれるとは思わなかったから。
「上手いね。どんな曲だか分からないけど。」
「今の曲ね・・・」
ニッ、と笑ってゆっくり口を開いた。

「Your Songだ。」
膝を打って僕は答えた。
頭のなかにかかった霧はいま、完全に晴れている。
「当たり。」
彼女の表情もまた晴れていた。
「気づくの遅いんだから。」
今度は柔らかな面差しでそう言う。
「口笛が隙間風みたいだから気づかなかった。」
「もう。」
焼き餅みたいに頬を膨らまして彼女は言った。
「しかしなんであの時僕に話かけたの?」
「さぁ、どうしてだろう・・・たぶん」
「たぶん?」
「たぶん、その時から・・・」
頬が朱に刺して彼女は徐に黙り込む。
アスファルトを横殴りに降り続いた雨は
小絶えて、明け方には止むだろうと思われた。
「その時から?」
僕は意地悪くその先の言葉を待つ。
猫は長閑にひと鳴きして彼女の膝へ丸くなる。
「もう知ってるくせに」
彼女はそんなことを言った。
頬はまだ柔らかな白のなかに朱が刺して居た。
0248名無しって、書けない?(庭)
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2018/12/23(日) 23:09:05.24ID:nbt7lAwXa
>>245
Mステのもんちゃんマジで凄かったです
理佐ちゃん至上主義者の俺が理佐ちゃん以外のメンに目を奪われるなんてかって無かったことです・・・

>>247
相変わらずこの先を読みたくさせる業師ですな
0249名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2018/12/24(月) 15:33:46.83ID:h6Ftum3XKEVE
>>248
もんたスレで発見(笑)
0250凍った掌(茸)
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2018/12/24(月) 20:51:36.55ID:qdUYoAGidEVE
カラオケで粉雪のサビだけを横取りして歌う人間とは関わらないほうが良いと思う。
ああ言う人々は大抵碌でもない連中だ。
サビのあの部分歌いたいためにゆるやかな出だしを今まで我慢して歌っていたのに、あのメインディッシュであるサビだけを横取りして歌うなんて最低である。あれは粉雪ハラスメントだ。サビと、あと最後の所だけを横取りする奴も含めて今後は粉ハラと呼んでやろう。
そんな度胸ないけど。
ということを考えていたら乗り過ごした。
午後10時。原宿は小雨だった。
代々木で乗り換えなのに、しまった。
丸(ある)い緑の山手線は酷く混む。常時。
イヤホンを耳にはめて反対側の列車を待つ。
僕のプレイリストはなかなか混沌としていて件のレミオロメンと平沢進と椎名林檎が同居している。
粉雪が降ったあとタービンが回り、ピザ屋の彼女になる中々ヘヴィーなプレイリストとも言える。
このプレイリスト並に混沌としている佐藤詩織に会ったのはまったくの偶然だった。
「久しぶりだね」
ニヤニヤしながら彼女はコートのポケットから右手を出して僕の肩を叩いた。
昔から僕は意味もなく笑われる人間だった。
お笑い芸人に、なったらさぞや売れるに違いない。
0251凍った掌(茸)
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2018/12/24(月) 20:52:26.73ID:qdUYoAGidEVE
「仕事は順調?」
偶然空いた2つの席に並んで座りながら僕らは
そんなことを聞きあった。
口を開けばすぐ仕事の愚痴になるのが大人になった証ならば僕は間違いなく立派な大人だ。
彼女も代々木で黄色いやつに乗り換えだというのでべらべら愚にもつかない仕事の話や色んな近況報告をした。
彼女はどこかのインダストデザインの会社へ入り、僕はインターネット上では中堅の出版社に入った。
2週間か3週間に1度、こうして彼女と遭遇する。偶然なのか、必然なのか知らないが。

THE BOOMの中央線が頭のなかで流れる。
夜を超え、僕らを乗せ、中央線、いや、中央・総武緩行線は三鷹へと走る。
僕と彼女の最寄り駅は同じだった。
さっき思い出した。
2人とも西荻窪駅が最寄りだった。
千葉方面の各停は混雑するが、三鷹方面はまず混まない。反対側のガラスに映る2人の顔に吹き出すくらいには空いている。
「そういえばいま彼氏いるの?」
「どうして?」
「いや何となく。」
「居るよ」
「そっか。」
会話のネタに困って液晶を見上げる。
「次は大久保」
そう書いてあった。
デジタルサイネージが付いてこの列車も随分現代的になった。といっても山手線のお下がりだけど。
文字上、正確を期すならば
「ああ、ねぇ~むい。」
と欠伸をしながら無言の後に呟いた彼女は「着いたら起こしてね」と無責任なことを付け加えて眠り始めた。
0252凍った掌(茸)
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2018/12/24(月) 20:53:08.56ID:qdUYoAGidEVE
眠いのは僕も同じだが、彼女を起こすという仕事ができた以上おちおち船を漕ぐことすら許されない。僕は彼女からすれば「生真面目すぎる」らしいのでちょっとはウトウトしても罪はないだろうが精神衛生上、そうは問屋が卸さないのが面倒な所である。
そう言えば彼女に振られたのも同じような理由だった。大学の頃、僕と、いま隣で頭をふらふら、僕の肩と手摺を往来させながら眠る彼女は付き合っていた。一緒に住んでいた。
しかしそれは全て過去のものである。
大学3年の春、僕は突然彼女に別れを切り出された。「正直、生真面目すぎて一緒に居て息苦しい。」という理由で。
本棚も例えば画集はアルファベット順と背の順に並んでなきゃいけないし、自分の部屋の掃除はほぼ毎日するし、待ち合わせは15分前から待機し、次の日が朝早いときはお酒を1滴も飲まずに夜9時には布団に入る。
自分が生真面目、いや、細すぎるのだ。
自分の粗もよく見つけるがそれ以上に他人の粗をよく見つけてしまうのだ。
そしてよせばいいのにそれを指摘するから
せっかく片想いを実らせた彼女にも
振られてしまった。
以来、誰とも付き合って居ない。
彼女はいま、誰かと付き合っているらしいが
よく分からない。

不意に、すとん、と肩が重くなる。
顔はもう綺麗な黒と茶の髪のグラデーションで見えない。僕のなで肩には彼女の頭がある。
「まもなく高円寺」
耳元で寝息が聞こえる。
まだこの時間が続くと思うと不思議に安心した。
0253凍った掌(茸)
垢版 |
2018/12/24(月) 20:53:56.12ID:qdUYoAGidEVE
前からそうだ。彼女と居ると
なぜか安心した。
なにがあってもどうにかなると思わせるような。話が長かったり変なところで笑うところも。
そういえば付き合い出してから、
「好きだ」とか「安心する」とか
言ったことがなかった。
それも原因なのか知らん。
脈絡のない思考回路に触れるのをやめて感覚を研ぎ澄ます。
さっきから、シートが固くて背中が痛い。
座り直したいが出来ない。
二三ミリ、移動してその痛みを和らげようとしたら、彼女が起きてしまった。
「あ、ごめん起こしちゃった。」
「今どこ?」
「阿佐ヶ谷」
「もうすぐか。」
僕は大手を振って座り直す。
「そういえばさ。」
「なに?」
「昔から言おうと思ったんだけど」
彼女は不思議そうな顔をする。
「一緒に居ると安心するんだよね。」
「なにそれ、突然」
ヘラヘラ笑いだした。しかし。
「わたしもね同じこと思ってたの」
「電車に乗った時、なぜか隣に居ると眠くなって。」そう、続けた。
頬に服の痕が付いている。
拳を作って口元を隠し笑う。
「もうちょい早く言ってよ」
「ごめん、でも君こそ」
「ほらまた君って」
「名前で呼んで欲しいって何時も言ってたじゃん」
「ごめん」
「なんか相変わらず過ぎて安心したわ。」
列車は荻窪駅を発車する。
この車両は僕ら以外誰もいない。
0254凍った掌(茸)
垢版 |
2018/12/24(月) 20:54:57.03ID:qdUYoAGidEVE
「そういえばいまの彼氏とはどうなの」
「んー、別れた。というか彼氏居ないの。あれから。」
「なんで、いるって言ったの」
「なんでって・・・見栄?」
「そんな見栄っ張りだっけ」
「ううん、ていうか、羨ましがるかなって。」
「僕が?」
「うん。」
「あんまり・・・かな」
「なんだ、そっか」
「どうかしたの?」
「いや・・・またさ。」
「また?」
「また連絡するよ」
彼女はそう言って立ち上がった。
丁度、列車が西荻窪駅に到着した。
扉が開くと師走の冷徹な風が、
頬を切って痛い。
「寒い。」
口々にそう言って改札口へ向かう。
「ねぇ、」
「なに?」
彼女は僕の顔を覗き込む。
不思議な生き物でも触れてるみたいに。
「また付き合ってくれない?」
列車が過ぎ去る音を背後に改札を通り抜ける。
「寒いなぁ」
彼女は手を擦って白い息を吐く。
僕はその手を繋いでコートのポケットに入れる。
「まだ返事してないけど?」
彼女はニヤつきながら言った。
「駄目?」
「ううん。また宜しくね。」
「どっかで飲んでく?」
「そうしよっかな。」
駅前のロータリーのライトアップがいつにも増して滲んで見えた。
粉雪は降らないらしい。

0255オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
垢版 |
2018/12/25(火) 01:49:44.21ID:obojdFdG0XMAS
20△△年3月6日
織田は美愉の声が聞きたくて、寝ているのを邪魔したらどうしようと思いつつ、朝電話してみた。
何と1コールで美愉の明るい声が聞こえてきた。

鈴本「びっくりした!いま織田君に掛けようと思ってたの♪」
織田「元気そうじゃないか。もう大丈夫なんだな♪」
鈴本「うん・・・心配した?」
織田「まあな。頑張り過ぎるのもほどほどにしろよ。で、明日はどうするの?」
鈴本「卒業式はもちろん出るよ。ダンスも頑張るつもり♪」
織田「そうか、楽しみにしてるよ。きょう一日はゆっくり休んで、明日に備えろよな。それじゃ明日」

ダンスを俺に見せたいがために、倒れるまで頑張ってくれたのかを聞きたかったのだが、、
お互いに気恥ずかしくなりそうなのでやめた。

そして、姉のところに行って、ある頼みごとをした。
「明日時間ある?」

姉が快諾してくれたので、安心して散髪にでも行こうと外出したら、
途中で土生と小池が、仲良さそうに歩いている状況に遭遇した。
小池が織田に気づき、嬉しそうな顔で、

小池「これからみづくんと春物の洋服買いに行くの♪」
織田「おおいいね、もしかして土生に買ってもらうのか」
小池「ううん、きょうは私がみづくんの服を見立ててプレゼントするの♪」

土生を見ると、ちょっと気まずそうに
土生「みいちゃん、夏物は僕が買ってあげるからね・・・」
織田「そ、そうか」

この前、女子大生っぽい美人にも買ってもらってただろ。
いくらモテても、いつか痛い目にあうぞ土生。
心の中で毒づいた。
0256名無しって、書けない?(福岡県)
垢版 |
2018/12/25(火) 11:12:55.05ID:leqlVriB0XMAS
土生くん悪いなあ〜
0257オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/25(火) 22:16:34.04ID:obojdFdG0XMAS
20△△年3月7日

尾関「あの送辞読んでる子可愛いな」
理佐男「小坂菜緒って言うんだって。まあ由依の方が可愛いけどな♪」

いよいよ卒業式。
なんだかんだ3年間楽しかったかな、と感傷に浸る織田。
無事に式典を終え、あとはいよいよ謝恩会。
卒業生有志の歌やダンスでラストを飾る。
昨年までは真剣に見ることなどなかったが、今年は違う。

小林由依を中心としたグループの熱唱が無事終わった。
やっぱり由依ちゃんは可愛いなぁ・・・
理佐男を横目で見ると、デレデレな目つきで声援を送っている。
二人は上手くいってるようで何よりだ。ほんのちょっと悔しさも残っているが、今の俺には美愉がいる。
その美愉が壇上に上がる準備をしている。緊張した面持ちだが、目つきはしっかりしている。
美愉頑張れ。

ふと思いついて観客席を見回したら、大きなカメラを持った姉が来ていたので、目配せした。
頼むぜ姉ちゃん・・・

10分後・・・
素人目そして贔屓目抜きに見ても、美愉のダンスは素晴らしかった。
スピード、体のキレ、迫力、何より硬軟織り交ぜた多様性のある表情。
織田は誰よりも強く、拍手と歓声を浴びせる。
そしてすぐに、周りの生徒や父兄、教師からも、同様の賞賛の拍手と声が聞こえる。

しかし、すぐにその声が悲鳴に変わっていった。
舞台上で美愉がゆっくり倒れていったのだ。

織田は、全力で舞台に向かってダッシュしていた・・・
0258名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/25(火) 22:23:08.65ID:oee89wjc0XMAS
自分で書いた物は、色々と気になって直しても直しても、最早切りがないのでクリスマスを締め切りと決めて書いていた。
無論此処に載せるつもりで書いてきた、然し前作のように集中力がなくて、いたずらに長いだけの物になっているかもしれない。
さあ、どうしたものか。。。
0259名無しって、書けない?(庭)
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2018/12/25(火) 23:06:19.05ID:Ijrdo07maXMAS
>>258
俺も妄想を書くたびにこんな妄想を投稿していいのだろうかと悩んだりしますが・・・
せっかく書いたのだから悩んだら投稿するが吉と恥を忍んで投稿していますw

どうか是非投稿してくださいm(__)m
0260名無しって、書けない?(福岡県)
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2018/12/25(火) 23:53:31.11ID:leqlVriB0XMAS
走れオダナナ
0261名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/26(水) 00:13:25.98ID:duGmqZnK0
>>259
ありがとう!
0262名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/26(水) 00:17:36.79ID:duGmqZnK0
日が暮れた。
 日は暮れても、昼間の暑熱を引きずって空気は澱み、蒸し暑さが残っていた。
 大国を相手に国家を総動員して臨んだ戦も、局地的には勝利を収める事はあるものの、戦略的には焼石に水の如く、我の短期決戦の目論見は、大国の底力たる物量と経済力の前に脆くも崩れ去り、人命を擂り潰すだけの長期的な消耗戦となった。
 十八歳以上の男性は漏れなく徴兵、召集され遠く戦地に送られた。
 街からは男の姿が消えた。
 戦が長引くにつれて、街に復員してくる兵が溢れ始めた。
 多くの者は身体の一部を欠損していた。
 うつむき加減に家路を目指す者。帰る場所も行く宛も無い者は、陽炎の立ち上る地べたに転がって暑熱に晒され、群がる蝿を打ち払っていた。
 敗色濃厚な鬱々とした街の雰囲気に人々は鬱積を積もらせ、街の風紀は乱れ、治安は悪化した。
 しかし国家憲兵隊と警察機構は、貧窮し麻痺しかけた国家機能の中でもかろうじて機能を維持して、市井の秩序を保っていた。
0263名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/26(水) 00:31:14.57ID:duGmqZnK0
続き
退役歩兵大尉嶋田雅人は、日中の猛暑を避け、愛犬大吉の口に木の球を噛ませ何時もの散歩道を歩き始めた。経路はいつも同じで、玄関を右に出て用水路に掛かる小さな橋を渡り、暫く雑木林を右に見ながら進む。
0264名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/26(水) 00:32:08.11ID:duGmqZnK0
続き
暫く進むと視界が開け、広い工場跡地の外周路を大きく一周して、途中決まった電柱と街路樹でマーキングと排便を済まして帰宅する。嶋田と犬の歩速で正味一時間といったところである。
 然しこの日はなぜか玄関を右に出て用水路を渡ると、大吉が歩を止め吠え始めた。こんなことは初めてであった。
0265名無しって、書けない?(東京都)
垢版 |
2018/12/26(水) 00:33:48.28ID:duGmqZnK0
続き
引き綱を引いて経路に戻るよう促しても珍しく言うことを聞ない。何かがあると直感した嶋田は、大吉に逆らわず引かれるままに付いて行った。
 大吉は雑木林のなかにはいって行った。
 額に汗が滲み藪蚊がまとわりついた。
 大吉は四足で奥に進んで行く。
 二足の嶋田も遅れまいと立木に躓きながら付いて行く。
 一本の大樹の元で大吉が歩を止めた。
 暗くて状況がよく掴めない嶋田は、大樹の元へ眼を近づけた。
0266名無しって、書けない?(東京都)
垢版 |
2018/12/26(水) 00:39:21.44ID:duGmqZnK0
続き
眼が暗闇に慣れてくると、胡麻粒の様な何かが蠢いているのがみえた。
 嶋田が歩兵大尉として未だ中隊を指揮していた頃、軍刀煌めかせ突撃した敵の塹壕で嗅いだ、野鼠の群がる朽ちた兵の放つ腐臭に似ていた。そして、その爛れた肉の放つ臭いに、刹那であっても懐かしさを感じてしまった自身に嫌悪を覚えた。
 胡麻粒の様に見えたのは遺体に群がる大量の藪蚊であった。
 嶋田は大吉を抱き抱え、来た路を急ぎ戻り警察に通報した。

以上「序」であります。
長く関係ない話ですいませんm(_ _)m
続きはまた明日にでも。
0267名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2018/12/26(水) 01:15:58.08ID:DEdjdl4Ua
>>249
Mステのもんちゃんがあまりに素晴らしかったので敬意を捧げにお邪魔してました
しかし、俺だと見抜くとはさすがです

>>254
クリスマスイブにふさわしい力作乙ですm(__)m

>>257
もんちゃん!?どうなっちゃうの〜

オダオシさんの文体はウキウキが伝わってきますな


>>266
これは大作ですね!?

しかし、この作風は前に読んだ気がするんですが・・・
間違ってたらすいませんなんですがもしや原案ありを定着させた東京都さんですか?
0268名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/26(水) 01:21:38.60ID:duGmqZnK0
>>267
覚えていて下さりありがとうございます。
久しく眠っておりました。
0269名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2018/12/26(水) 01:36:36.68ID:DEdjdl4Ua
>>268
お帰りなさいませm(__)m

覚えているどころか「三蔵な理佐ちゃん」書くたびに東京都さんには感謝しとります
0270オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/26(水) 06:38:53.39ID:PIJDWhKe0
>>265
大作の予感・・・
東京都さんの力作に期待してます♪
0271オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/26(水) 07:19:43.53ID:PIJDWhKe0
20△△年3月7日
(保健室)

幸い、美愉の具合は大した事はなかった。
あまりの集中力と激しい動きのため、過呼吸を起こしてしまったようだ。
保健室の先生に見てもらい、今は落ち着いている。
先生の計らいで、しばらく織田が付き添う事になった。

織田「美愉、本当に感動したよ。お前才能あるんじゃないか?」
鈴本「織田君に見てもらえると思って、頑張っただけよ。才能なんてあるわけないよ」
織田「そうかなぁ・・・見てる人全員を魅了したと思うけど」
美愉は恥ずかしそうに布団で顔を隠してしまった。

織田「そうだ、美愉にプレゼントしたいものが・・・」
そう言って一冊の新品のアルバムを渡した。

美愉「ありがとう。でもこれ・・・」
織田「うん。まだ何もない空っぽのアルバム。これから思い出を一杯作って、共有していこうと思って、お揃いのアルバムをもう一冊俺も買ったから。」
美愉「嬉しい・・・」
織田「一枚目は決まってるんだ。今日の美愉の晴れ舞台の写真を取ってもらったから、2〜3日待って」
織田の姉は大学の写真部に入っているので、一眼レフの機材で美愉を何枚も撮ってもらったのだ。

織田「俺もこれから勉強して、美愉のいろんな表情を撮るよ♪」

美愉は目を潤ませて織田を見つめている。
織田はそんな美愉のすぐ目の前まで近づいた。
美愉はそっと目を閉じた・・・
0272名無しって、書けない?(庭)
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2018/12/26(水) 13:07:05.29ID:pGCW6XWia
>>271
おお、クライマックスに近づいてきたかな?
しかし、ちょっと前にエロかった人と同一人物と思えんw
0273名無しって、書けない?(dion軍)
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2018/12/26(水) 13:40:05.37ID:n/hfW/J/0
また栄えてきたなぁ
0274国道沿いを抜けると(dion軍)
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2018/12/26(水) 20:21:05.25ID:n/hfW/J/0
取り急ぎ序章まで
元ネタは先週のけやかけ。


「八王子インターまで突破するから負けんじゃねーぞ」
守屋茜は一団の先頭でエンジンを鳴らしながら叫んだ。
すると集団から唸り声とも怒鳴り声ともつかぬ熱量のある声が帰ってくる。
「しっかり捕まってな。」
守屋は後ろに乗る僕にそう言ってから
「行くぞ」と叫んで先陣を切った。
僕は守屋の意外と細い腰に腕を回した。
夜の国道沿いは孤独なランナーたちにはよく似合うスポットと言える。小魚の大群が魅せるあの壮観な魚影が橙を駆け抜けた。
守屋の後ろには十数台ものバイクが連なっている。エンジンの音が唄っている。
真っ白に引かれたばかりの路側帯が果てなき夢のシルクロードのように続く。
守屋たちはやがて五日市街道を疾走し始める。
「なかなか気持ちいいでしょ?」
ヘルメットの隙間から入り込む風に守屋は僕に同意を求めるような調子で訊いた。
「うん」
返事をするとバイクは益々スピードを上げてゆく。
椎名林檎のメロウという曲には冒頭サイレンのような音が聞こえてそれからギターが聞こえ始めるがちょうどそのサイレンみたいな音が集団を追跡し始めた。それは丁度バイクを走らせてから30分経ってからだった。
僕は身体を震わした。
両脇に竹林が広がるゆるやかな坂道をバイクは煙を吹き上げて疾風になる。
メロウのサイレンは未だ聞こえている。
夜明けはまだ遠い。
しかしゴールはもう近い。
0275国道沿いを抜けると(dion軍)
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2018/12/26(水) 20:22:42.56ID:n/hfW/J/0
「テメーウチの弟になにしてんだよ」
守屋はそう言いながら男の胸ぐらを掴んだ。
季節は180度変わって夏の初めごろ。
コンクリートが溶けるのではないかというほどの暑さの中。
僕の日常にはこんなGTOみたいな光景がいくつも訪れていた。
「いや、すいません」
男のワックスで整えた茶髪は虚しく垂れ下がり、唇の端は出血している。
そして制服のシャツは所々砂塵に汚れた。
「テメー、こんどやったら分かるよな」
「はい」
「聞こえませーん」
守屋はこのまま胸ぐらを掴みながら男を締め落としてしまいそうだった。
しかし舌打ちをしながら男を離す。
そして背後にいた僕を促して立ち去る。
その瞬間男から嫌な視線があったが、
無視した。
「あーあ、お腹空いた」
日陰を抜けた途端守屋はそう呟いた。
体のなかにはいくつものスイッチがあり、そのなかでたったいま普通の女子モードのスイッチが押された。ようやく冷や汗が止まった。
そして、
「ありがとう・・・ございます」
礼を言う。すると礼を言われた当人は涼しい顔で
「別に。あんたのお父さんにはお世話になったから」
と言った。
どうやら女性の方が生物学的にも心理学的にもタフらしい。
僕らの道の先には古ぼけたカフェがあった。
「ちょっと付き合って、いや、奢れ」
守屋はそう宣言してカフェの扉を開ける。
気風の良い美人だと誰かが噂した。
小さなコミュニティが幾つも群島のように浮かぶこの街で守屋は良くも悪くも有名だった。
尤も。本人は良い意味で有名だと思い込んでいる。
0276名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/26(水) 21:09:51.34ID:lXOecUt50
>>266

「壱」

遠く霞む山際が輝き始めた。
 陽光は山際から放射状に輝いて、忽ちのうちに闇を散り跳ばした。
 夜が明けると、飛行場が朝焼けに晒された。
 飛行場は、辺り一面に生え出でようとする新緑の草々を、人力で可能な限り刈り取り整備されていた。
 飛行場中隊長菅井友香騎兵少佐は目を細め日の出の方角を見詰めた。
 司令部偵察機が一機、夜明け前に帰投する予定であったが、帰投予定時刻を過ぎても未だ帰投しない。
 「機影あり。330」
 双眼鏡を覗いていた哨戒員が声を挙げた。
 暫くすると菅井の肉眼でも司令部偵察機一機がこちらに向かってくるのが確認できた。すかさず中隊本営の消防班に出動を命じ事故に備えた。飛行場の脇を翼を振って通過した司令部偵察機は、片肺であったが搭乗員に異常はないようで、菅井は胸を撫で下ろした。
0277名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/26(水) 21:24:33.46ID:lXOecUt50
>>276
フラップを一杯まで下げた司令部偵察機は、最終進入でエンジンを止めた。
 滑空状態で見事な三点着陸を見せた司令部偵察機の前後のキャノピーが開き、二名の搭乗員が降りてきた。
主翼付け根付近に被弾した痕があり、漏れて乾いた燃料の跡が残っていた。
 菅井の前に二人が来た。
 機長の守屋茜飛行中尉は、操縦士の広瀬武夫飛行兵曹長に気を着けを命じると、帰投が遅れた事に対して、また不測の事態に備えて待機していてくれたことに対して謝意を示した。
 菅井は守屋と広瀬の無事を素直に喜んだ。
0278名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/26(水) 21:27:26.65ID:lXOecUt50
>>277
守屋飛行中尉と広瀬飛行兵曹長は司令部へ出頭すると、敵兵站の偵察結果に付いて飛行師団長に詳細を述べた。
 偵察目標である敵兵站上空には薄く雲がかかり、上空からの撮影は不可能であった。雲を避ける為高度を下げて撮影に入った所で、不意の強行偵察に地上から散発的な対空砲火を受けた。
運悪くその内数発が右翼に被弾し、そこから燃料が僅かながら漏れ始めた。山間を縫うように逃れ、海上に出ると高度を上げ南下した。
 燃料漏れの為、帰投分の燃料が欠乏した。
 このままの燃料消費率では巡航不能と判断し、オーバーヒートしない限界まで燃料を薄く絞り、片肺飛行に移行した。
 敵地に近い空域で大幅に速度の落ちる片肺飛行に移行することは危険ではあったが他に手段もなかった。
幸いその後、深追いしてくる敵機にも待ち伏せにも遭わず、結果到着が遅れた次第であった。
0279名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/26(水) 21:36:55.43ID:lXOecUt50
>>278
菅井優香騎兵少佐と守屋茜飛行中尉は士官学校同期である。階級の格差は家柄の差と士官学校の卒業席次によるものである。
 菅井家は「公」の爵位を持つ華族である。
 守屋家は代々士族の家柄で、食うには困らぬ程度には平民よりは恵まれている程度である。
 菅井は頭脳の明晰さが際立っていた。士官学校を主席で卒業した後、陸軍騎兵学校に甲種学生として入校した。馬術に優れた才能を発揮し、騎兵戦術においても、演習並びに図上演習でも冷静沈着な情勢判断をみせた。
騎兵学校を修了すると騎兵大隊ではなく飛行場中隊長に就任した。陸海軍の規定で女性は前線に立つ戦闘職種に着いてはならないという規定があり、女性では就任できなかった。
0280名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/26(水) 21:38:28.60ID:lXOecUt50
>>279
然し飛行場中隊長に就任すると、山の如積まれてあった補給物品を整備し、遅延しがちであった物品の配給を悉く減らす等、目の行き届いた兵站整理能力を発揮した。
そうした優れた能力が有りながら、本人は家柄などを鼻にかけることもなくおおらかな性格で、生まれの良し悪を気にせず人付き合いが出来る懐の深さを持っていた。
0281名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/26(水) 21:52:02.85ID:lXOecUt50
>>280
守屋飛行中尉は、士官学校を卒業可となるギリギリの成績で卒業した。
 卒業後は航空機搭乗員となるため陸軍飛行学校に進んだ。
航空機搭乗員としての能力は抜群で、並みいる男性搭乗員を押し退けて主席で修了した。頭の回転が早く複数の物事を同時に処理する能力に優れていて、操縦、燃料計算、現在地評定など、機体と地図と計算尺を、窮屈な操縦席で巧みに操り、見事に機体を管理してみせた。
 飛行学校修了後は単座の戦闘機過程に進む事を希望したが、軍規により偵察員として司令部偵察機に搭乗する事となった。
0282名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/26(水) 21:57:24.22ID:lXOecUt50
>>281
広瀬武夫飛行兵曹長は、組紐職人の家に長男として生まれた。
 あらゆる家計の出費は悉く緊縮され、裕福とは程遠く経済的に厳しかった。
染色の職能校を修了した後、父のつてで街の染色工場に入職したが、冬の厳しい寒さに耐えられず一年で逃げ出すと公務員を目指し軍籍に入った。
 新兵教育団修了後は地方の山岳歩兵連隊の通信兵として配属されたが、飛行科の部内選抜を受け合格した。
 戦闘機過程を希望したが余り視力に優れず選抜から漏れた。偵察か輸送かの選択になり偵察を希望した。
 然し操縦に関しては秀逸で、特に戦闘機動や曲技に関しては持ち前の運動神経の良さを見せつけ、陸軍飛行学校をそこそこの成績で修了すると司令部偵察機の操縦士として、師団直隷の独立飛行中隊に配属された。
0283名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/26(水) 22:12:48.24ID:lXOecUt50
>>282
或日広瀬は司令に呼び出され、次に組む偵察員を割当てられた。
 偵察員兼機長と操縦士は、行動を共にして命を託す関係である。命令とあればどんな偵察員とも仕事はするが、願わくば反の合う人物が望ましかった。
 以前広瀬と組んでいた偵察員の機長は、尊大かつ横柄な貴族で、しかも航法など要領が悪く、広瀬が確認の為密かに計算し直さなければならぬほどであるにも関わらず、広瀬の操縦に一から十まで細かく難癖を付けてきた。
 貴族士官の我が儘に面倒臭くなった広瀬は一計を案じ、機長が自ら操縦士の交代を申し出るような操縦をしようと決めた。
 広瀬は偵察員が任務に専念出来るように丁寧な操縦を心掛けていたが、その配慮の一切を止めた。機動も許される限り急機動に勤め、偵察員の航法を惑わした。
 その作戦は著しい効果を挙げ、或日遂に広瀬の操縦では任務に多大な支障が生ずるとの理由で、その偵察員は乗機の変更を申し出た。
 広瀬は作戦が成功した事を密かに喜んだ。
0284名無しって、書けない?(東京都)
垢版 |
2018/12/26(水) 22:29:52.77ID:lXOecUt50
>>283
広瀬は司令室に入った。
先ず乗機の変更を申し渡され、司令部偵察機の二型から、風防が流線型になり速度性能が大幅に改善された三型に更新された。
 偵察員兼機長は守屋飛行中尉という士族出身の士官だという。
 広瀬は偵察員の事よりも、自分の乗機がより高性能な三型に更新された事を嬉しく思った。
 司令室の扉を叩く音があった。
 耳に良く通る、透き通った声音で入室を求める声が聞こえた。
 守屋飛行中尉が入って来た。
 広瀬は目を疑った。
 女だった。
 隙無く羊毛で仕立てられた青緑の士官の制服に、金釦が映えていた。
0285名無しって、書けない?(東京都)
垢版 |
2018/12/26(水) 22:32:35.44ID:lXOecUt50
本日はこれにて。
連投大変失礼致しました。
続きはまた明日に。
0286オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
垢版 |
2018/12/26(水) 22:57:35.49ID:PIJDWhKe0
東京都さん、期待に違わぬ大作ですね。
このような分野がお得意なのでしょうか。
0287名無しって、書けない?(東京都)
垢版 |
2018/12/26(水) 23:18:03.79ID:lXOecUt50
>>286
大好物ですが、余り深い知識は持ち合わせておりません。
欅ちゃん達には当初より何となく軍警の様な硬質なイメージを持っていましたので、そのイメージを元に少しずつ書き溜めておった次第です。
0288オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
垢版 |
2018/12/26(水) 23:20:56.58ID:PIJDWhKe0
2040年 ×月×日
澤部「さあ『欅って書けない?』もう始まって25年の大長寿番組になってしまいましたぁ」
澤部「きょうは久しぶりのじぶんヒストリーのコーナーです。今年加入した8期生に、自分の歴史を語ってもらいます。きょうの主役は織田美奈!」
他メンバー「オダミナー♪ かわいいっ」

美奈「えー、それでは私の15年間の歴史を紹介したいと思います」
澤部「まだ15歳かぁフレッシュだね♪」
美奈「握手会でよく訊かれるので、最初に言っておきます。OBでいま女優として活躍していらっしゃるオダナナさんとは関係ありません。光栄ではありますが」

美奈「私は20△△年に、東京都○○市に生まれました。両親は高校の同級生で、その後大恋愛に落ち、父の大学卒業と同時に結婚したそうです」
美奈「親戚や両親の友達に、昔の話をよく聞くのですが、とても仲むつまじい夫婦だったそうです」
澤部「喧嘩ひとつしなかったくらいの?」
美奈「父はイケメンとは思えないのですが、結構モテたみたいで、母が嫉妬してたことはあったらしいです。浮気はしてなかったと信じたいですが(笑)」
澤部「幼少の頃の写真はないの?」

(文字制限のため続く)
0289オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
垢版 |
2018/12/26(水) 23:24:25.84ID:PIJDWhKe0
ここで美奈はフリップを取り出した。
それは典型的な親子三人の家族写真。とても映りの良い写真で、真ん中の可愛い少女が幼い美奈であろう。

澤部「あれ?お母さんは顔にモザイクが掛かってるけど、お父さんは顔出しOKなの?」
美奈「実は・・・父は私が3歳の時に急病で亡くなりました。それまで風邪ひとつひかなかった健康な人だったそうなんですけど・・・」
これはメンバーには初耳だったようで、しんみりした雰囲気が漂った。

美奈「母はさすがに長期間落ち込んだそうですが、友達や親戚の励ましもあり、何とか立ち直ってくれたようです」
美奈「その後母は、カルチャークラブで料理とダンスの講師を兼任しながら女手一人で私を育ててくれました。そして3年前についに自分のダンススクールと料理教室を開講しました♪」
澤部「おお、それはすごいな。で、オダミナがこ欅坂に応募したきっかけとかあるの?」
美奈「私もそのスクールで母にダンスを教わって、ダンスに引き込まれたのと、父が生きていた頃、私をアイドルにさせたいと母に言っていたみたいです(笑)」
美奈「母は最初は取り合わなかったのですが、父がその後すぐに亡くなったので、それを遺言みたいに受け取ったようです。それで欅坂に応募しました♪」
澤部「へぇ、何かオダミナというか、ご両親のヒストリーみたいだったけど・・・オダミナ、天国でお父さんも応援していると思います。これから頑張って母親孝行してください!」
美奈「はい・・・・ありがとうございます!」

数日後、オンエアを家で見ていた美愉は、
美愉「織田君・・・美奈は立派に育っているよ。織田君と出会えて良かった・・・」

〜完
0290名無しって、書けない?(福岡県)
垢版 |
2018/12/26(水) 23:57:29.99ID:D6GQIwIL0
織田くん死んでて草生えたけど面白かった お疲れ様です
0291オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
垢版 |
2018/12/27(木) 00:13:58.53ID:9D4aH8l40
>>290
いつも暖かいコメントありがとうございます。
最後、死なせる必要は全然なかったのですが、
あまりにも平凡なハッピーエンドもなあと、最後に考えてしまいましたw
0292名無しって、書けない?(東京都)
垢版 |
2018/12/27(木) 21:05:22.47ID:0UkIq9b50
>>284
「弐」

守屋も広瀬も、当初は最低限の会話のみで顔も合わさぬ目も合わさぬという関係であった。
 お互いの日常的な一挙手一投足が二人の間で目に馴染まず、広瀬には守屋が世間知らずで高飛車で傲慢な貴族に見え。守屋にとって広瀬は、経験値だけを傘に着て、新任士官を弄ぶ下士官の様に見えていた。
 広瀬は精神的な負担から解放されると思っていただけに落胆した。
 二人の様子を外から観ていた菅井は、守屋の今後を案じて二人を呼び出した。
0293名無しって、書けない?(東京都)
垢版 |
2018/12/27(木) 21:10:30.57ID:0UkIq9b50
>>292
広瀬が飛行場中隊長室を訪れると、応接用のソファーに深く腰を下ろし、脚を組んで肘掛けに頭をもたれかけ座る菅井少佐と、向かい合って脚を広げて、両腕を頭の上に組んで寛いでいる守屋中尉が既に待っていた。
 広瀬は守屋の寛いだ態度に驚いた。
菅井は広瀬を守屋の横に座らせて話し始めた。
 守屋は決して尊大な態度を取ることはしない人物である。それは親友である菅井が保証する。
 然し職務上命令しなければいけない立場の守屋の気持ちも解って欲しい。まだ頼りない部分が多く、足手まといになる事もあるかもしれないが兎に角守屋を宜しく頼む、もし守屋の態度が気に入らないなら菅井に報告せよ。と頭を下げられた。
0294名無しって、書けない?(東京都)
垢版 |
2018/12/27(木) 21:24:08.77ID:0UkIq9b50
>>293
只の平民下士官が、公爵令嬢の士官に頭を下げられては「はい」としか返事のしようがない。
 然し、菅井の言っていることは至極最もであり、広瀬も自身が思っていた以上に意固地になっている事を自覚せられた。
 「わかった。茜」
 「はーい…何か子供じみた我が儘で改めて友香に言われると恥ずかしいわ」
 広瀬は菅井騎兵少佐と守屋飛行中尉が士官学校同期だという事をこの時知った。
 
後日菅井は、二人を行き付けの高級クラブに招待し午餐を共にした。
 薄暗く洒落た雰囲気の店内のテーブル席に座ると、菅井が早速ワインをボトルで注文した。
 広瀬はアルコールを分解する酵素が乏しい体質である為、この様なアーバンギャルドな店に来るのは初めてであった。
 メニューには知らない横文字が並び、全く解析不能であった。
 ワインが来た。
 赤い液が満たされた、太くて丸い瓶にはコルクで栓がしてあった。
どうして良いか解らず広瀬が戸惑っていると、守屋がボトルを奪い取り、螺旋状になった針をコルクにねじ込み、引っ張るとポンッと音がして栓が開いた。
0295名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/27(木) 21:36:32.25ID:0UkIq9b50
>>294
広瀬はワインを口に含んだ。
 驚いた。
 酒を旨いと感じたのは生まれて初めてだった。豊潤な甘味を含んだ香りが喉の奥から鼻腔に抜けた。柔かな舌触りと喉越しが心地好く、アルコールが苦手な広瀬をして自然とグラスを空にしてしまう程であった。
 然し広瀬が一杯目のグラスをようやく空けた時には、二人は既に四杯目をグラスに注ぎ、ボトルは空になりかけていた。
 二人は容赦なく飲み始めた。
 恐らく高額であろう酒を、何の躊躇もせず喉の奥に流し込んで行った。
 ボトルはたちまち空になった。
 守屋が躊躇無く追加を注文した。
 傍らに置かれた伏せた伝票には恐ろしくて手が出せなかった。
0296名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/27(木) 21:37:53.33ID:0UkIq9b50
本日はこれにて。
ありがとうございました。
0297オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/27(木) 21:48:40.25ID:9D4aH8l40
今度は何を書こうかなと考えています。
大阪府さんやdionさんのような、スマートな感じの短編を勉強したい。
大阪府さんのRunawayは3回くらい読んだ好きな作品です。
こんな筆力はないからなー
やっぱりエロに走っちゃうかなw
0298オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/27(木) 21:53:42.30ID:9D4aH8l40
>>296
ポンコツでない菅井さんが格好いいですねw
0299名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/27(木) 22:12:19.46ID:0UkIq9b50
>>298
お読み頂きありがとう御座います。
連投失礼致しました。
0300名無しって、書けない?(庭)
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2018/12/27(木) 22:18:57.85ID:kvcVf/OCa
>>297
エロ見てえけどなあ〜俺もなあ
0301名無しって、書けない?(庭)
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2018/12/28(金) 13:02:20.90ID:rPFZn2mta
>>289
シリーズ完結乙でありますm(__)m
娘の名前がもんちゃんとオダナナから一字ずつとっているのがツボって涙でそうです・・・

>>295
相変わらず重厚な作風ですなw

>>297
あのお二方の短編オシャレなんですよね
俺もたまに真似するんだけどセンスが無いらしくオシャレ感が出ないw
次回作も楽しみにしとります
0302名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/28(金) 20:39:04.20ID:t5LobCCB0
>>295
「参」

翌朝広瀬は二日酔いに苦しめられた。
頭痛と吐き気が襲い、便所に駆け込む事を繰り返した。
 洗面所で顔を洗いながら広瀬は昨晩の事を思い出していた。
 酒を一切飲まない広瀬をして旨いと言わしめる酒であった。
 美しい所作が、酔いどれるにつれて段々と崩れて、滑舌が悪くなって言葉が不明瞭になる菅井少佐と。
 ほんのりと頬を紅に染め、饒舌になり仕草が大降りになって、菅井や広瀬の肩を笑いながら叩き始める守屋中尉と。
 そうやって腹を割って語らう二人を広瀬は只黙って眺めていた。
0303名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/28(金) 20:40:33.81ID:t5LobCCB0
>>302
広瀬は守屋中尉に目を惹かれた。
 大胆に肩が開かれたえんじ色の上着から覗く胸元には、静脈が僅かに脈打ち、透明な肌を際ただせていた。
その白く透明な肌と対照的な血色良く潤んだ唇に、白魚の様に繊細な指を這わせる仕草が極て妖艶で、時に豪快だが豪快な中にも決して繊細さを忘れない女らしさをを持つ守屋中尉の姿が、広瀬の無意識の中に苔の様に張り付いて離れなかった。
0304名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/28(金) 20:43:42.67ID:t5LobCCB0
>>303
広瀬は洗面所で顔を洗いながら、今すべき事だけに集中しよう、女体に惑わされてはならない。女の性はいざと言うとき極て無慈悲であるものだ。
 そう自分に言い聞かせた。
 もう一度水で頭を冷し顔を挙げ、鏡に映る血走った眼を観た。
 鏡越しに守屋の赤い唇が映った。
 守屋は鏡越しに、二日酔いにのたうつ広瀬の姿を見るとにやっと笑った。
 「無理してつき合わなくてもいいわよ。下戸なんだから。」
広瀬は羞恥で耳が熱くなった。
0305名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/28(金) 20:57:31.78ID:t5LobCCB0
>>304
守屋と広瀬の搭乗した司令部偵察機は、滑走路の端から離陸滑走を開始した。
主翼が揚力を得られる速度に達すると、ほんの少し操縦悍を押して水平尾翼を浮かせた。
タイヤが地面から離れると速度は更に増してゆき、下から突き挙げられる地震の様な衝撃は消えて、大きな波を向かえて越えて行く船の様な大きな揺らぎに変わった。
広瀬はその波を巧みに抑え込み飛行場の場周経路を出て南に向かった。
 高度を上げながら変針点で変針を行い、酸素マスクを装着した。酸欠事故が多発していた司令部偵察機は、風防の形が変わった三型からは搭載酸素の量を大幅に増やして搭載されていた。
巡航高度に達すると、プロペラ回転数を調整した。この機の最高巡航速度が得られる高度のは5000m-6000mで、時速630qに達する。敵機にはこの速度を瞬間的には超える機体は存在はしたが600mを維持して巡航出来る機体は無かった。
 広瀬は自動操縦に移行し、八の字の操縦捍から手を放した。
 二日酔いは簡単には覚めてくれなかった。
0306名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/28(金) 20:58:47.13ID:t5LobCCB0
>>305
守屋中尉の指示か来る
 「間もなく目標。進路◯◯◯」
 「少し右」
 「ちょっとちゃんとやって」
 「目標直上、進路そのまま」
 「ヨーソロ」
 広瀬は機を安定させることに傾注する。
守屋は自動写真機と小写真機を操作し目標の撮影をした。
 「終わり。反転、進路◯◯◯」
 「◯◯◯了解」
 広瀬は機を翻した。
 甲高くて癪に触っていた声も、岩清水に染みわたる高尚な音色に聴こえてきていた。
 広瀬は自分の気持ちの変化を改めて自覚した。
0307名無しって、書けない?(東京都)
垢版 |
2018/12/28(金) 21:02:31.27ID:t5LobCCB0
本日も連投失礼致しました。
と、言いたいところなのですが、後程もう一連投致したい所存。

お読み頂いている皆様本当に感謝であります(´−ω−)人
0308名無しって、書けない?(catv?)
垢版 |
2018/12/28(金) 21:36:37.96ID:Ng1eh1H40
>>307
東京都さんの世界観にただただ圧倒されています。どこから作品を発想されるのですか?
0309名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/28(金) 22:20:47.54ID:t5LobCCB0
>>308
彼女達を、好きな作家の作風とか世界観で現してみたいと思った。。。
個々のキャラクターを言葉で活かして。。。
うーん。。何と言うか。。。
MVのシリアスな感じと、やや硬い記録文学的な表現が私の中で上手く重なってしまって、とりあえず物は試しと、そのように書いてみようと思い立った次第です。
すいません上手く表現できませんでm(_ _)m
0310オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/28(金) 22:23:42.34ID:6M3d1yNG0
>>307
舞台の時代考証とコメントの文体がマッチしててw
続き楽しみにしてます。
0311名無しって、書けない?(東京都)
垢版 |
2018/12/28(金) 22:36:17.06ID:t5LobCCB0
>>310
ありがとうございます!
0312名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/28(金) 22:38:11.51ID:t5LobCCB0
>>306
「四」

広瀬の顎に、剃り残した髭が残っていた。
 身嗜みには気を使っているらしい広瀬にしては珍しかった。アルコールには弱い筈であるから、酒を浴びて朝帰りと言う事もないであろうし、その他に何があったのか気になった。
 飛行計画書を相互に点検していると、予備の燃料が合わぬのでもう一度二人で計算し直した。
珍しく守屋が間違っていた。
 「誰にでも間違いはありますよ。その為に二人で確認するわけですから。」
 広瀬は気を使って言ってくれたが、守屋はたかだか顎に残った髭位の事で動揺している自分がもどかしく思えた。
0313名無しって、書けない?(東京都)
垢版 |
2018/12/28(金) 22:40:09.41ID:t5LobCCB0
>>312
離陸してそのまま進路を北に取り、西に変針、更に高度を上げると気温が段々と下がってくる。与圧はされていたがゴムパッキンの材質が悪く、紫外線に晒されるとすぐに劣化した。
 南西に変針した。
対気速度は600kmを指していた。向かい風なので対地速度はもっと遅い筈であるから、到着にも遅れが見込まれたが飛行計画書の予想範囲を超えることはないと思われた。
 守屋は唐突に
 「髭がのこっているけど」
 マイクロフォンを通じて、巨大な燃料タンクを隔てた向こうに居る広瀬に問いかけた。
 「昨日遅かったもんで、剃り忘れました。」
 「どこへ行っていたの?」
 「中尉にしては珍しく個人的な質問ですね。」
 守屋は思わず口を付いて出た、部下のプライベートを詮索しようとする自らの言葉に顔を赤らめた。
0314名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/28(金) 22:45:33.77ID:t5LobCCB0
>>313
エンジン音が下がり、機は高度を下げ始めた。
 守屋は時計を見た。
 予定より少し遅いが予測の範囲内なので連絡は不要と判断した。
 守屋はこちらから細かく指図しなくとも問題なく機を管理してくれている広瀬が頼もしく思えた。
 西の陸軍飛行場迄あと10分もすれば到着するはずで、着陸前の点検を始めなければいけないと守屋は気持ちを入れ換えた。
 
 西方面軍司令部に、更新された暗号表であろう封書を届けた。
 西方面軍司令尾崎陸軍大将と、参謀総長指原陸軍中将は共に上京していて不在で、留守を預かる参謀次長の松岡砲兵大佐に暗号表を手渡した。
 守屋は一仕事終え搭乗員控え室で寛いでいた。広瀬はベテランらしく何処の飛行場や基地に行っても知己があった。
0315名無しって、書けない?(東京都)
垢版 |
2018/12/28(金) 22:51:16.71ID:t5LobCCB0
>>314
広瀬が戻って来た。
 「顔がひろいわね。」
 「長く居れば自然と広くなりますよ。しかし私の事はさておき、守屋中尉の事を色々と詮索されます。」
 「なんて答えたの」
 「笊だと」
 「あら、いってくれるじゃない下戸の癖に。でも呑むのは友香といるときだけよ」
 そう言う守屋に広瀬が目を向けると、広瀬は守屋の異常に気が付いた。
 守屋の潤い豊かな唇の色がくすみ、紫がかっていた。
 顔色も血色を失っているように様に見えたので広瀬は体調を尋ねた。
 守屋も、そう言われてみると身体の節々が痛み、寒気がするようだった。
 守屋は椅子から立ち上がろうしたが途端に目眩に襲われ、そのまま膝が崩れ床に座り込んだ。意識は明瞭で大事では無さそうであったが、念の為広瀬が背中に背負い医務室まで搬送した。
0316名無しって、書けない?(東京都)
垢版 |
2018/12/28(金) 22:56:42.89ID:t5LobCCB0
>>315
広瀬は背中と掌に、守屋の華奢で軽量な身体の体温を感じて照れ臭くなったが、存在するだけで話題になるほどの美しさを持った女と行動を共に出来る、男としての誇らしさを感じていた。
 守屋は自分で歩くと言ったが、まわりの勧めもあり、それに何より、もう気だるかったので広瀬に身体を預けた。
 広い背中が頼もしかった。
 煙草を吸わぬので嫌な体臭もせず、飛行服からは乾いた太陽の匂いがした。守屋は密かに自分の頬を広瀬の背中に擦りつけ、その匂いを味わった。
 医務室に着いて欲しくないと思った。
このままずっと私を背負って飛行場を歩き続けろと広瀬に命じたかった。
 そうして医務室に着く間に、守屋はそのまま広瀬の背中に涎を垂らして眠ってしまった。
0317名無しって、書けない?(東京都)
垢版 |
2018/12/28(金) 22:58:19.31ID:t5LobCCB0
本日は此にて。
お読み頂いている皆様ありがとうございました。
続きはまた明日に。
0318名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2018/12/28(金) 23:11:49.00ID:CvaWxKeHa
東京都さんめっちゃ投稿ご苦労様です

俺の敬愛する軍神広瀬武夫と愛しの理佐ちゃんが共演するのかドキドキですw
0319名無しって、書けない?(東京都)
垢版 |
2018/12/28(金) 23:24:21.82ID:t5LobCCB0
誠に申し訳ありません!
理佐ちゃん様に付きまして残念ながらスケジュールが合わず。。。
0320オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/28(金) 23:40:14.83ID:6M3d1yNG0
歴史上の人物と絡むあかねん。
素敵です♪
こんな重厚な話の合間に、ちょっとだけエロ話を・・・
広瀬曹長に怒られそうですがw
0321オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/28(金) 23:42:11.57ID:6M3d1yNG0
織田はきょうが期限だった学校のレポートを何とか提出して、レッスン場に向かった。
明後日からのツアーに向けて、いくつか振りを確認したいところがあったのだ。
結構遅い時間になったが、閉館まで1時間くらいは使えるはずだ。

レッスン場にはまだメンバーが一人だけ残っていた。
佐藤「あれ?ダニーどうしたのこんなに遅く」
織田「学校がいろいろ大変だったんでね。しーちゃんは?」
佐藤「私も自主練してて、もう帰ろうと思ってたんだけど、ダニーが来たし閉館まで付き合うよ」

一人でスマフォ動画だけで確認するのは、寂しいと思ってたので、嬉しかった。
わからないところを詩織に聞きながら、鏡の前で踊る。
横で詩織も一緒に踊っていたが、二人並んで踊ると、スタイルの違いが際立ってしまう。
身長はほぼ同じなのに、腰の位置が織田の方がはるかに低い。
脚を上げる振りがあるのだが、織田は120度くらい上げるのがやっとなのに、詩織はほぼ180度まで軽々と上がる。
織田「あーあ、今更だけどしーちゃんはスタイル良くて羨ましいよ。体も柔らかいし」
佐藤「フハハハ、私はこれだけが取り柄だし」

いつものふにゃふにゃした笑い方をしながら、ちょっと嬉しそうな詩織。
佐藤「ねえダニー、きょうわたしんちおいでよ。良かったら泊まってって」
詩織の家は都心にあり、織田の住む寮より近かった。
初めてお邪魔するのだが、広くてとても綺麗な家だった。
欅坂にはお嬢様が多い。
0322名無しって、書けない?(庭)
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2018/12/28(金) 23:45:42.70ID:F5l1F/aGa
>>321
やったぜ。
0323オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2018/12/28(金) 23:46:06.66ID:6M3d1yNG0
佐藤「きょうは家族みんな出かけてて、私一人だから遠慮しないで。今お風呂沸かすから」
詩織の入れてくれたハーブティを飲みながらくつろぐ二人。
普段はあまり見せないが、詩織には家庭的な一面がある。
しゃべり方なんかからポンコツイメージがあるが、芸術面で多才だし、独特なセンスでファッショナブルなところもある。
二人きりでいると、綺麗で素敵なお姉さんだ。

風呂上がりに詩織は、ネグリジェ姿でストレッチをしていた。
普段織田もストレッチをするが、レベルが違う。
180度開脚で、上半身が余裕で床に着く。
こんなに体が柔らかいと、どういう感覚なんだろう?
痛みとかないのかな。

佐藤「きょうは疲れた〜もう寝よう♪」
織田「そうだね、私も眠い・・・」
詩織のベッドはセミダブルサイズなので、二人で一緒に寝ることにした。
佐藤「お休み」

織田は夜中に尿意で眼が覚めた。
ハーブティが美味しくて飲みすぎたかもしれない。
トイレから帰ってくると、詩織は気持ち良さそうに熟睡している。
布団を掛け直してあげようとすると、ちょうど寝返りをしてきた。
その時に、美脚としか言いようのない太ももがあらわになった。
綺麗な脚・・・・
織田はちょっとだけその太ももを触ってみた。
その瞬間、いつもの病気が発症してしまう。

詩織を起こさないよう慎重に、織田は詩織の脚を愛撫し始めた。
そして、ゆっくりとその愛撫は上に移っていき、ついにお尻まで・・・
そこで詩織の体がピクっとした。
やばい、幾らなんでもこれ以上は・・・
ここは詩織の家なんだし、これ以上は犯罪だ(注・どこでやっても犯罪)。
さすがにここでは理性が優勢となった織田は、手を止めて布団をかぶろうとしたその瞬間・・・

佐藤「ダニー!!」
なんといつの間にか、詩織は目を覚ましていたのだ。
織田「しーちゃんごめん、これはその・・・」
佐藤「やめないで・・・」
織田「えっ」
佐藤「まだ夜は長いよ。楽しもう♪」

0324名無しって、書けない?(東京都)
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2018/12/29(土) 05:50:54.29ID:Dq8+1M+Y0
>>323
軽快な感じが羨ましいです。
真似出来ない。
0325名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2018/12/29(土) 17:55:54.40ID:PvvFmXALaNIKU
>>323
今回はあっさり味の展開だね。
どこでやっても犯罪、のところは電車の中でツボってしまった(^^)
0326名無しって、書けない?(玉音放送)
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2018/12/29(土) 21:03:46.00ID:8l22uf9G0NIKU
>>316

「伍」

目が覚めた。
 時計は三時をまわっていた。
 守屋はベッドから立ち上がりカーテンを開けた。
 夜明け前の輪郭の冴えた月が白いシーツを眩しく照らした。衣服は患者衣に交換され、飛行服は水が満たされた洗面器の脇に折り畳まれていた。
 守屋はベッドに横たわると、枕に頬を擦りつけ指でなぞり抱きしめた。
広瀬の背中の匂いを思い出して顔を埋め、起床までの数時間、再び枕を抱いて眠りに就いた。
 熱は下がっていた。
 
 点呼のラッパで再び目を覚ました。
 軍医の回診を受けた。
 ウィルス性の風邪と診断され、数日の休養が必要とのことであった。
 広瀬も守屋の回復迄待機となった。広瀬はなるべく守屋の側に居るよう努めた。
 二人で語り合いたかった。そしてそれは守屋も同じ思いであった。
 
 駐機場には珍しい機体が停まっていた。
 前線での指揮連絡を主任務とするこの指揮連絡機は、最高速こそ180kmと低速だが、離着陸距離が70m前後と驚異的な離着陸性能を有した機体であった。
0327名無しって、書けない?(玉音放送)
垢版 |
2018/12/29(土) 21:07:38.99ID:8l22uf9G0NIKU
>>326
守屋と広瀬は普段二人が乗る司令部偵察機とは真逆の性能を極めた偵察機にすこぶる興味を抱き、細部までじっくりと眺めていた。
 するとその機の搭乗員から後部座席で良かったら乗ってみるかと声をかけられた。
願ってもない申し出に二人は大いに喜び、休養中にもかかわらず守屋は飛行服に着替えてきた。
 二人は後部座席に乗り込み斜め掛けのシートベルトを締めた。機体の点検を終えた搭乗員が乗り込み単発星型のエンジンが始動すると木製の固定ピッチプロペラが回り始めた。
滑走路の端に着くとエンジンは唸りをあげ滑走を開始した。少し強めの向風も相まって、機体はものの数10mであっという間に離陸した。早すぎる離陸に二人は驚嘆して思わず声をあげた。
 海上には多数の艦艇が浮かび白い航跡を引いていた。暫しの遊覧飛行の間、広瀬は守屋の手を触れてみた、守屋はその手を力強く握り返しそれに答えた。
 広瀬と守屋は視線を交わしてお互いの意識を確めた。
 搭乗員は見て見ぬ振りをしてくれた。
0328名無しって、書けない?(玉音放送)
垢版 |
2018/12/29(土) 21:12:06.68ID:8l22uf9G0NIKU
>>327

東へ向かう帰路は、偏西風に乗って順調に機速を上げた。
対気速度計は往路と同じであるが変針点までの到達時間が早かった。
 「守屋中尉」
 「よんだ」
 「到着迄に試したい事があるのですが」
 「あぶない事はやめてね」
 「そうゆう事ではありません」
 「じゃあどんな事」
 「あー…その…」
 「なに」
 「あかねさん…」
 「《さん》っていらなくないかしら」
 「要らないんですか」
 「いらないと思うは」
 「では…あかね…」
 「呼んだ?広瀬兵曹長」
 「好きだ茜さん!茜さん大好きなんだ!」
 「そんなにさけばなくても聞こえているわよ武夫さん」
 「わたしもあなたが好きなのよ」
 「ハハハ…困ったな…」
 「武夫」
 「茜!茜!」
 広瀬は操縦席の中で、心底歓喜した。
 後部座席の守屋から広瀬の姿は見えないが、広瀬の感極まる喜びがヘッドフォン越しに伝わってきた。
 その自分に向られて発せられた好意に満ちた歓喜は、清浄で純粋な愛を知ろうとする女としての気持ちが、まだ自身に残されているのだと、男女の喜びとは無縁に生きてきた守屋を驚かせ、自然と微笑が浮かんだ。
0329名無しって、書けない?(玉音放送)
垢版 |
2018/12/29(土) 21:21:36.03ID:8l22uf9G0NIKU
スレの皆様。
毎度の事ですが連投失礼致します。
更にもう一連投お許し下さい。
0330名無しって、書けない?(玉音放送)
垢版 |
2018/12/29(土) 21:55:03.41ID:8l22uf9G0NIKU
>>328
「六」

守屋と広瀬との間に交わされる視線の絡まりを、菅井は視野の隅で観ていた。
 二人を端から観ていると。極細い透明の糸を、着衣のあらゆる隙間から忍ばせて、それを布と皮膚との間に生じる僅かな空間で絡ませ合っているかの様な、熱と湿り気を帯びている様に観えた。
 屈託なく笑う守屋の様子を観た菅井は、二人の関係が思った以上に上手くいっている事を喜ばしく思った反面。男の身体を知り、女としての悦びを味わった守屋に対して嫉妬に似た感情が沸いて、菅井自身の雌性が熱く疼いている事を自覚せられ、恨めしくも思った。
0331名無しって、書けない?(玉音放送)
垢版 |
2018/12/29(土) 21:57:45.48ID:8l22uf9G0NIKU
>>330
飛行場の片隅で、守屋と広瀬は身体を重ねていた。
 女学校時代庭球部に所属していた守屋の姿態は柔軟で且つ引き締まっていた。
闇夜にほの白く浮かぶ守屋の姿態が、時折雲間から顔を出す明月に晒されると、乳白色の柔らかい隆起が神々しく陰影に際立って。広瀬はその神々しさに圧倒され我を失いかける。
しかし広瀬はその神々しさに圧倒されればされるほどに、彼の能う限りの暴力的とも思えるような力強い愛撫でそれをねじ伏せた。
守屋は差し貫かれる度に、柔和な姿態を清流を駆け昇る岩魚の如くうねらせた。
 「憲兵さんに見つかったらたいへんだわ」
 「憲兵だってそんな暇じゃあないですよ」
 「見つかったらどんな目にあうかしら」
 「拷問されますよ」
 「鞭で打たれるかしら」
 「ええ、打たれるますとも。守屋中尉の白い身体が鞭で引き裂かれて、血が滲んでも許してはくれないでしょう。この赤い唇が叫びをあげて泣いて許しを請うても、彼等の残忍な欲求を加速させるだけで、彼等がそれを満たす頃には中尉は四肢を断たれていますよ」
 「やめて!…怖いわ…」
 「でも…」
 「でもなんですか」
 「武夫にだったらそのぐらい酷い目に遭わされてもかまわないの…」
 「いやぁ…血は苦手で…」
 「ねえ武夫、強く抱いてお願い」
 広瀬は守屋の腕を後ろ手に捕らえると再び身体をねじ伏せた。
0332名無しって、書けない?(玉音放送)
垢版 |
2018/12/29(土) 22:04:07.25ID:8l22uf9G0NIKU
>>331
飛行場には菅井少佐の指揮の元、着々と防空陣地が構築されていった。
 二十ミリ機関砲の円形陣地は六箇所構築され、一個の機関砲陣地は砲座と退避壕と弾薬置き場で構成された。
更にそれら三つを繋ぐ交通壕が掘られ機関砲陣地は一つに繋げられた。
退避壕と弾薬置場には天蓋に丸太を被せ、爆撃に耐えるように構築された。
 航空機を収めるコンクリート製の大型ブンカーも、派遣されて来た工兵大隊によって構築され一部はそこに収められた。
 菅井は慣れない作業に困惑する兵達を鼓舞し、懸命に陣頭で指揮を執った。
 そんな菅井に励まされ兵達は土にまみれて懸命に作業に従事し応えていた。
 守屋と広瀬も円ぴと十字を振るっていたが、慣れない作業に戸惑っていると、古参の兵達がやって来て鱗掘りという壕の掘り方を伝授してくれた。守屋は兵に笑顔で礼を言うと兵達は照れ臭そうに去って行った。
0333名無しって、書けない?(玉音放送)
垢版 |
2018/12/29(土) 22:07:19.14ID:8l22uf9G0NIKU
>>332
防空陣地の構築が終わると、菅井少佐以下飛行場中隊は司令の検閲を受けた。
司令は、少ない人工を遣り繰りし、工事を終えた菅井少佐以下飛行場中隊の兵達に労いの言葉をかけた。
 菅井少佐は工事が終わると対空戦闘訓練を実施するよう中隊に命じ、訓練は小隊ごとに実施された。
 警備小隊は三門一組となり小隊長の号令の元、来襲する敵機に対しての射撃動作と弾薬補給、銃身交換の動作を繰り返し身体に覚え込ませた。
 補給小隊は対空警戒のサイレンが発せられると機体をブンカー内に素早く正確に収める動作をスクラップの機体を使用して繰り返した。
 菅井は疲労し体調を崩した。
0334名無しって、書けない?(玉音放送)
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2018/12/29(土) 22:12:41.62ID:8l22uf9G0NIKU
>>333
或る日広瀬は菅井少佐に呼び出された。
 少佐の執務室を訪れると、当然守屋もいるものと思っていたが、呼び出されたのは意外にも広瀬だけであった。
 少佐は少し窶れた様子で、応接のソファーではなく、机に靴のまま足を載せ、椅子の肘掛けに頭を凭れて、広瀬に前に来るように命じた。
 どんなに疲労していても、品行方正な立ち居振舞いを崩すことのない菅井少佐からは全く想像がつかない、余りの行儀の悪さに広瀬が目を丸くして驚いていると更に、飛行服をその場で脱ぐよう命じられた。
 「脱げと言っているのがきこえなかったの。よくもそんな汚い格好で中隊長室に来れたものだわ。脱げと言っているのよ。早くなさい」
 広瀬は敬礼すると慌てて靴と飛行服を脱いで下着の格好で不動の姿勢を取った。
 「この腕。この血管の浮き出た腕と薄汚く日焼けしたこの身体で茜の白い身体を犯しているのね、はしたないわ」
「広瀬。お前に茜以外の女の味を教えてやるわ。私の背中のファスナーを下ろしなさい」
 広瀬は狼狽した。
 「待ってください。いけません。いけませんよ」
 菅井は広瀬の顔面を平手で二度打った。
 「下ろせと言っているのがきこえないの!」
 広瀬は覚悟を決め深呼吸をした。
0335名無しって、書けない?(玉音放送)
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2018/12/29(土) 22:17:20.20ID:8l22uf9G0NIKU
>>334
制服のファスナーの位置を確認すると仙骨部まで一気に下ろした。
 割れた背中に手を忍ばせ、制服を落とした。
 清楚で華奢な肢体の肩から垂れるスリップの細い紐は、片方が肩から外れてだらしなく脇に垂れていた。
 菅井は小振りな乳房を広瀬に押し付け、腕を取ると自分の腰にまわして頬を広瀬の胸に押し当てた。
 「この薄汚い身体で、私を惨めさと背徳感で打ちのめして、立つことが出来なくなるまで満足させるのよ!」
 「無理ですよ菅井少佐。出来ません。落ち着いて下さい。誰かに見られたら大変ですよ。」
 「やりなさい!やれと言っている私の命令がきこえないの!やるのよ!」
 菅井は傍らにあった乗馬鞭を取ると広瀬の身体を打ち据えた。
 「お前は私を女として認めないというの!ろくでなし!軟弱者!」
 目を三角にして所構わず広瀬の身体を何度も乱暴に打ち据えた。
0336名無しって、書けない?(玉音放送)
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2018/12/29(土) 22:22:11.25ID:8l22uf9G0NIKU
>>335
広瀬は鞭の痛みに堪えられず、鞭を振り上げる菅井の腕を取ると、鞭を取り上げ菅井の顔面を平手で打った。
 「落ち着いて下さい少佐。ご自分が何をなさっているかお分かりか?どうかどうか。兎に角一度落ち着いて、服を着ましょう。」
 広瀬は菅井を懸命に諭した。
 「広瀬兵曹長。謝って済むことではないことはわかっています」
 「少佐は慣れない作業で疲弊されたのです。傷は痛みますがいずれ治癒します。」
 然し、鞭で打れ、謂れの無い苦痛を拝した広瀬の本能は収まりが着かなかった。
 「だからと言ってこれでお仕舞いとは申しません。これだけの傷を負ったのですから。自分にもそれなりの対価を頂きたい」
 「広瀬兵曹長の言い分は最もです。私の恥ずべき乱心の結果、傷を負ってしまった貴方のために、私に何か出来る事があるでしょうか」
 「ありますとも」
 「何かしら。私に出来ることならなんでも致します」
 「何でも致すのですね」
 「致しますわ」
 「わかりました。では」
 広瀬はそう言うと、菅井の身に着けていた薄いスリップを乱暴に剥ぎ取り口に押し込み噛ませた。
 乗馬鞭を取ると、菅井の羞恥で赤みを帯びた臀部に向かって力一杯それを打ち据えた。
 菅井は短い悲鳴を上げ顔面はたちまち紅潮した。
 時間を置いて、充分に痛みを染み渡らせた後、再び同じ場所を打った。
 悲鳴は声にならず、痛みに身悶えし赤く火照った菅井の身体からは脂汗が垂れた。
 広瀬を見詰める菅井の瞳には、許しを請うて首を横に降ってはいるものの、被虐と背徳に酔いしれた詐りの無い女としての喜びで潤んでいる様に見えた。
0337名無しって、書けない?(玉音放送)
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2018/12/29(土) 22:27:01.87ID:8l22uf9G0NIKU
本日は此にて失礼致します。

お読み頂いているスレの皆様、ありがとうございました。
0338名無しって、書けない?(玉音放送)
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2018/12/29(土) 22:31:08.99ID:8l22uf9G0NIKU
>>336
「少佐!まだ二つしか打っておりません。手をどかして。さあ立って。こちらを向いて下さい!」
 菅井の臀部は二度目の鞭で早くも血液が滲みはじめた。
 三度目は正面から、太腿に向かって打った。
 菅井はかすれた悲鳴をあげた。
 広瀬は鞭を捨て、痛みに震えうずくまる菅井の髪を乱暴に掴みソファーに押し倒した。
 広瀬の脳裏に、守屋を抱いた時の事が思い出された。
 血は勘弁してくれと口では言いながら、菅井を鞭で虐げいたぶる事でいきり立つ自分の一物に、自分の守屋に対する慈しみや愛がまるで偽物のように感じられ、とたんに嫌気が差した。
 乱れて横たわる菅井を尻目に広瀬は立ち上がった。
 菅井はこのまま終わらすまいと、広瀬の脚に絡み着いたが、無惨に振りほどかれソファーに投げ出された。
 「広瀬兵曹長は用件を終わり退出します」
 敬礼すると踵を返し菅井の執務室を後にした。
 
 菅井は高ぶる気持ちを抑え切れなかった。
 立ち上がり執務室を施錠した。
 机の引き出しの中から注射器と薬液を取り出し、それを左腕の静脈に注射した。
 広瀬に打たれた臀部と太ももの鞭の跡が、脈を打つ度に疼いた。
 その跡を指でなぞっていると、やがて薬液による覚醒作用が出現した。
 生傷の疼きと薬の覚醒作用が精神を高揚させ、乱れる思考に身を委ね、快楽に打ち震えた。
0339名無しって、書けない?(玉音放送)
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2018/12/29(土) 22:32:29.25ID:8l22uf9G0NIKU
>>338
抜けておりました。
ありがとうございました。
0340名無しって、書けない?(玉音放送)
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2018/12/29(土) 22:59:24.99ID:7AzJgETd0NIKU
>>339
東京都さんから玉音放送さんに変わって、
物語のトーンも一気に変わってビックリしています。
キャプと副キャプの関係がどうなるか、楽しみです。
0341オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (玉音放送)
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2018/12/29(土) 23:06:32.50ID:7AzJgETd0NIKU
ある日の夜、仕事終わりの織田は、大好きな小説を物色しに大きな本屋に来ていた。
お目当ての作家の本を軽く立ち読みしていると、声を掛けられた。
ファンの人かな?すると
「ダニー!?久しぶりー」

えっ誰だっけこの美少女。どこかでみた事あるような・・・
「ひど〜い、私の事忘れちゃったのーー」
この頬を膨らませて拗ねている表情は・・・

織田「葵!久しぶりじゃない。何してるのこんなとこで」
原田葵は、大学受験のため欅坂の仕事を休養している。
もう受験直前のはずなのに・・・

原田「ちょっと参考書を探しに、というのを口実にして息抜き。模試の結果も芳しくないし行き詰ってるの。親ともちょっと喧嘩してムシャクシャして・・・」
半年くらい会ってないだけなのに、雰囲気が結構変わっている気がする。
ほぼ勉強オンリーのためだろう、やや色白になり、そして全体的に少しふっくらした気がする。
元がガリガリだったので、むしろ美少女度は増している。

原田「ねぇ私おなか減ってるの。晩御飯食べない?」

がっつり中華を食べる二人。
単品を色々注文したが、葵は相変わらずの大食漢だ。
餃子、天津飯、野菜炒めなどを次々平らげている。
織田「葵、食べ過ぎじゃない? お腹壊さないでよ。大事なときなんだから」
原田「久しぶりの外食だから、嬉しくて頼みすぎたね。大丈夫よこれくらい。でもちょっとお腹一杯になってきた」
織田「さ、もう帰って勉強して寝なさい」
原田「お母さんみたいなこと言わないでよ。ねぇダニーの部屋行っていい?寮のメンバーにも会いたいし」

見た目は大人っぽくなっても、中身は相変わらず子供らしい。しかし少し安堵する部分もある。
まだ葵のキャラクターは崩し過ぎない方がいい。
織田「ちゃんと家に電話しなよ。遅くなるって」
0342名無しって、書けない?(玉音放送)
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2018/12/29(土) 23:21:50.48ID:8l22uf9G0NIKU
>>340
お読み頂きありがとう御座います。
鯖落ちの影響でしょうか。
0343停電の夜に (前)(玉音放送)
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2018/12/30(日) 03:16:25.84ID:JQNY+s8E0
「ねぇ、ほんとに暗いんだけど」
甘い香りが鼻腔に入り込む。
Androidの液晶で室内を照らす。
震度五弱の地震で辺りが停電したのはつい10分前のことだった。
茜は僕の腕を引っ張って肩に凭れている。
「痛い」
意外と力が強い彼女に僕は思わずそう呟く。
「ねぇ、いつ治るの?」
その言葉を無視して小声で僕に訊ねた。
暗闇のなかだと何故かひとは必ず小声になる。
「どうだろう?」
僕は再びAndroidを光らせ、情報を探る。
「最大震度7 津波の可能性?」
「1万世帯で停電 復旧時間は未定」
「鉄道全線 運転見合わせ」
そんな見出しを見つけ彼女に見せる。
「嘘」
光に浮かんだ眼は潤んで小さな海を作っていた。僕は意想外の涙に戸惑い、息を飲んだ。
その後でポケットのハンカチを手渡した。
液晶の仄かな明かりの下、涙を拭ったそのハンカチを彼女はずっと握りしめていた。
僕はベットに寄りかかったまま煌々と輝く三日月を一瞥した。しばらくそっとしておこうと思ったからだ。やがて腕は軽くなった。
しかしすぐにカーペットを弄る乾いた音
と「どこ?」と呟く彼女の声が聞こえ、僕は彼女の手を迎えに行く。
細く柔らかで冷たい。微かに震えている。
彼女は思ったより弱いらしい。
いや、勝手に強い人だと勘違いしているだけだ。彼女もまた突然の地震による停電には
怯える女性だったのだ。
涙を茶化そうとした我が身を猛省する。
「ずっと離さないでよ、手。」
「わかった。」
彼女の手を強く握り直した。
「なんか喋ってよ。」
充電切れを危ぶんでAndroidはテーブルに置いたまま。彼女のiphoneもそうだった。
互いに50%を切っている。
そんななかで彼女は呟いた。
「なんかって?」
「なんでもいいから。」
汗ばんでもなお、手は離さなかった。
0344名無しって、書けない?(玉音放送)
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2018/12/30(日) 03:18:31.27ID:JQNY+s8E0
あれ?玉音放送になってる?
千葉県からdion軍になって玉音放送。
そんなに名前変わるのか
0345チワンと表示されてた人(玉音放送)
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2018/12/30(日) 06:04:08.14ID:jVHMeVzaK
>>344
「玉音放送」は書き込みしたキャリアが判別できない場合にでる表示で
どうやら昨日の午後あたりから5ch全体でこの異常が出ている模様です
復旧の見通しは今のところ不明です

個人のID表示機能は生きているのですが
こちらは日をまたぐごとに変わってしまうので
日をまたいで連載を投稿する場合には名前欄を活用するなどして対策を講じる必要も出てくるのかも
0346大阪府と表示されてた人、帰国(玉音放送)
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2018/12/30(日) 16:37:03.82ID:JZXq6Qw90
『冬の三ヶ日』

 You said you’d follow me anywhere
 君はどこまでも付いて行くと言ったよね
 But your eyes tell me you won’t be there
 でも、君の瞳はそんなことないって教えてくれたよ
 ---Avicii『Without You』---


確か君は相談があるとか言って僕を呼び出した。
場所は普通の交差点で、太陽が顔を出してからまだ3時間も経過していない朝だった。

アスファルトはまだ冷たい。
スニーカーの底から氷水が染み出してくるような冷たい地面だった。かかとが底を叩くたび、鈍い感覚が波紋のように広がった。
まつ毛に風が乗っかかる。刺激の強い気体が絶え間なく眼球を凍らせ続けていた。

君はそんな僕の目を機能させるような出で立ちをしている。
寒い冬には暖かで、暑い夏には凛とした、つまり心地よい佇まいで僕を待っている。
いつも君のほうが早かった。それでも女の子を待たせているという感覚を起こさせないのが、実は君の凄いところでもある。

「待った?」僕は聞く。
「全然」君はそうやって答える。
そしていつもみたいに歩き出す。

それが君のやり方だ。それが織田のやり方だ。

(つづく)
0347名無しって、書けない?(玉音放送)
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2018/12/30(日) 16:37:57.77ID:JZXq6Qw90
わかってたことじゃないか。人気者の織田が誰かを好きになるなんて。

いつの日かみかん狩りバイトの時に通った道で、僕は相談を受けていた。
みかんの季節は辺り一面にオレンジ色が点在している。今は冷たい匂いが広がっているだけだ。

僕は冬の景色に溶け込む織田が大好きだ。彼女にオレンジ色はどうも似合わない。
土の色が似合うと言ったら、彼女は怒るかもしれないけど、広大な地にぽつんと咲く美しい
花のようで好きだ。

「ちょっと言わなきゃいけないことがあるんだけど」
「何?なんでも聞くよ」
「あのね、わたし実は好きな人が出来たんだ。でさ、別れて欲しいんだ」
「そっか…」
「別に嫌いになったわけじゃないんだよ」

織田はその見た目と同じく、大胆な決断をすることが多い。
トレードマークのショートカットは、彼女の急な気まぐれによるものだ。
でも、織田は誰よりも繊細な心の持ち主だ。
自らの行動で誰かを傷つけるような真似はしないし、もし傷つけてしまってもフォローを忘れない。

「ねえ泣いてるじゃん」織田が言った。
半笑いの奥底に心配の目が見て取れる。
何だ、さっきから泣いてたのか。そんなことにも気が付かないくらい織田に夢中になっている。
どんどん織田がぼやけてく。

「いや、俺、最近涙もろくってさ。ちょっとしたことで泣いちゃうんだよ」
「うそつき、うそつき」織田が言った。

僕は涙を拭った。辺りに小雪が降っている。
それが最後の残像だった。気づいたときには、雪もろとも彼女は地面から消え去っていた。

(つづく)
0348名無しって、書けない?(玉音放送)
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2018/12/30(日) 16:41:22.28ID:JZXq6Qw90
今にして思えば、どうってことない距離の恋愛だった。
しかし、二人とも若すぎた。お互いに微妙な距離感に我慢がならなかった。
二人は十分近づいていたのだと、別れてから気づいた。
やっと再会できたのは、またしても冬だった。

織田から、「明日帰るよ」とだけメールがあった。
その日の朝になって、僕はソワソワした気持ちのまま、みかん通りに向かった。比較的暖かい日だった。
日差しのもとで、子供の声が響いていた。
女の子と、もう少し小さい男の子がいっしょに走り回っている。
その側で、見覚えのある女性が子どもたちを見守っている。
織田だった。
それは微笑ましい光景であると同時に、心苦しい光景でもあった。

僕は大きく息を吸ってから、織田に話しかけた。
「かわいいですね。その子たち」
織田は固まったまま動かない。無表情の彼女は心の読みにくい人物だ。

「久しぶり…」
織田が言った。
「あのさ」と二人の声が重なった。僕が先を促す。

「あ、あのさ、今、彼女とかっているの?」
「どういう意味?」
「そのままの意味だよ」
「いなかったらどうなの?」
「あ、いや、もう一回よりを戻せないかなぁなんてね。嘘、冗談だよ」
織田は、僕の表情を読みながら喋っていた。

僕は子どもたちの方を見る。いくら子どもとは言え、あまり聞かれたくない内容だ。
ポケットに手を入れ、小銭を取り出した。
「ほらこれでジュース買っておいで」
女の子は小銭を受け取ると、男の子の手を引いて、自販機の方へ走っていった。
遠ざかるのを待ってから僕は言う。
「無理だね、ごめんだけど」
「やっぱそうだよね。じゃあ彼女いるんだ」
「彼女っていうか、まあそんな感じかな」
「そっか。お互いもういい年だもんね」
織田は作り笑いを浮かべた。一度背を向けた。。こういう仕草は本当に下手だ。

「実はね、年明けにでも好きな人に告白しようと思ってるんだ。成功するかな」
「うーん、まあ大丈夫だと思うよ。」
「うん」

(つづく)
0349名無しって、書けない?(玉音放送)
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2018/12/30(日) 16:42:26.16ID:JZXq6Qw90
織田は歩いて遠ざかって行った。遠ざかっていく背中はなかなか消えない。
途中で自販機から戻ってきた子どもたちとすれ違っていた。織田は二人の頭を撫でている。
やがて子どもたちと別れて、道を進んでいった。

子どもたちが僕の元へ走り寄る。小さな手で、ジュースのお釣りを渡された。
「ねえ、さっき一緒に遊んでたお姉ちゃんに名前聞かれなかった?」
「うん聞かれた」女の子が答える。
「答えたの?」
「うん」
「だめじゃないか。知らない人に名前なんか教えちゃ」
「でも、あのお姉ちゃんいい人そうだったよ」

織田を見た。遠くからこちらを見ている。
彼女の口が、二度こう動いた気がした。
「うそつき、うそつき」
柔らかい日差しのなかで彼女は笑った。
いつかのみかん通りがそこにはありありと見えた。少しはオレンジの似合う女の子になったかもしれない。
やがてその景色が崩れ去ると同時に、横顔から笑顔が消えた。織田は一人で歩いていく。

「ねえ、パパ。また雪降る?」女の子が聞いた。
僕は空を見上げた。個人的には降って欲しくない。
「どうだろうね。降ると思う?」
「うん」
「そっか。よし、家に帰ろう。ママがお昼ご飯作って待ってるよ」
僕は男の子を担ぎ上げ、女の子の手を取った。
(おわり)
0350名無しって、書けない?(玉音放送)
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2018/12/30(日) 16:45:53.29ID:JZXq6Qw90
>>289
昨日やっと写真集を買ったんですが、はっとさせられるメンバーがいましてね
まあオダナナなんですけど、お世辞抜きで一番綺麗に写ってたんじゃないかと思ってます

オダオシ先生のおかげで、また彼女の魅力を再確認できました
ってなわけで、オダナナの女の子な部分も描きたいなと思った次第です

>>297
Runaway読んでくださっていたんですか

国語の成績が非常に悪かった割には、なぜか小中高と作文コンクールで賞を取ってきたので、筆力に関してはある程度自信ありますw
僕からすると、オダオシ先生はレベル高いと思うんですけどね
何を書くべきかの要領を得ていらっしゃって、冷静な構成力もお有りですから、その辺のラノベよりかは遥かに読みやすいです

>>338
実は東京都さんの帰還を待つためにスレに常駐していたのにも関わらず、復活の日にお立ち会いできず申し訳ないw
相変わらず、気持ち悪いもの見たさみたいな感情を起こさせるところは流石です(褒めてます)
気づいたら目が文字に犯されているといいますか、なんかうねる波を酔いながら航海させられている感じですね(何度も言いますが褒めてます)

>>343
(前)ということは続きあるんですねw
楽しみ

>>301
庭さんがおしゃれな作品書いた日には、世界が終わるような気がしますね
ぜひこのままの作風で突っ走って頂きたいw
0351好きな言葉は「理佐ちゃんは神の最高傑作」な人(玉音放送)
垢版 |
2018/12/30(日) 17:02:50.18ID:FIxQCPmRa
>>350
お帰りなさいませm(__)m

このままの作風が迷走してしまい理佐ちゃんとトナカイの異種間恋愛を書いてるしだいです・・・

それはそれとして大阪府さんが戻ってきて千葉県さんと東京都さんと都道府県シリーズが充実してきましたねw
0352名無しって、書けない?(玉音放送)
垢版 |
2018/12/30(日) 17:39:04.07ID:9lAyk36W0
>>350
お読み頂きありがとう御座います。
そしてお帰りなさい。
今夜も続きを連投致しますがこのペースだと果たして今年中に終わりません。
0353停電の夜に (中)(玉音放送)
垢版 |
2018/12/30(日) 18:15:28.08ID:JQNY+s8E0
「なんか喋ってよ」と言われても別に小噺が出来るわけでもすべらない話ができる訳でもない。つまり仮になんか話したとしても恐らく、「すべらんなぁ」とは言われないだろう。
「そういえば姉ちゃんが変な勘違いして浮気したって大騒ぎしたことあったっけ」
追憶というのはこんなとき恰好な材料になった。
「そんなことあった?」
いつもの彼女に戻ったようだ。
「ほら、姉ちゃんのプレゼント選ぶの芽実に付き合ってもらったとき偶然姉ちゃんと会っちゃってさ」
記憶の引き出しをかき回してその時のことを思い出す。僕は頭の中も部屋の中も整理整頓が出来ない。
「あー、思い出した、いやてかさ」
刺すような視線を感じた。
月明かりに彼女の細い眼と白い頬が照らされる。
「2人で居る時は姉ちゃん呼びしないでよ」
「あ、ごめん・・・」
彼女がまた体を寄せる。
「あくまで姉弟なのは建前で、実際、血、繋がってないし、しかもわたしは只の、弟だと思ったこと一度もないから・・・」
ぽつりとそう告げた。
本音に近い言葉を口にする時彼女は、必ず語尾が薄くなる。
「まさかあの時プレゼント選んでますなんて言えないし」
僕は頭が暑くなって、慌てて話を戻した。
「わたしも、まさか付き合ってる、なんて言えないし」
「すごい笑顔で、何してるの?って聞かれた時は生きた心地がしなかった」
彼女と遭遇する少し前に告白された。なんてことは言わない方が良いだろう。
そして断りきれずちょっとの間付き合っていたことも。
0354停電の夜に (中)(玉音放送)
垢版 |
2018/12/30(日) 18:16:51.10ID:JQNY+s8E0
「あと、何時だっけ?2人で鎌倉でデートしてるときにたまたま友香に会ったこともあったじゃん。」
「あれさあのあとどうなったの?」
「あのあと?」
「ほら、菅井さんがかなり戸惑った顔で兄弟仲良いんだねーって言われたあと」
「ああ。あの後ね。」
時計の針が足音を立ててこちらに近づく。
「全部しゃべっちゃった。」
「え?」
「ゴールデンウィーク明けたあとに会ってね。そのときに。」


友香はカップを持ち上げたままフリーズした。
しかし放課後のスターバックスは相変わらず
騷しいし、雨は止まない。
「えー、そうなんだ。」
まるで与えられた台本をそのまま読み上げているようだった。長い間唇を付けていたカップは赤いルージュの痕が歴然と残存していた。
友香は指の腹で拭ってわたしの目を見た。
「でも好きな気持ちは嘘付けないもんね」
「うん。まあ。」
「わたしなんて10何年生きててまだ誰にも出会えてないもん。羨ましい。」
浮かない顔が珈琲カップに浮かんでいる。
「何かあったの?」
友香はわたしの顔を覗き込む。
「いや、やっぱ弟好きになるのっておかしいのかなって。」
友香は言葉を選びながら切り出す。
「おかしくは・・・ない。いや、わかんないけど。でも弟って言っても新しいお父さんと一緒に来た弟さん?だから好きになっても可笑しくないような気がする。」
「うん。」
「鎌倉で会った時凄い楽しそうだったよ?」
「うちが?」
「うん。」
雨は上がったようで、何人か店をあとにする。
わたしはそれを横目に、「付き合ってくれて、ありがと」と友香に告げた。
0355停電の夜に (中)(玉音放送)
垢版 |
2018/12/30(日) 18:17:32.00ID:JQNY+s8E0
「でなんで私の方が喋ってんのよ」
「なんでって自分から喋り出したんでしょ」
そのとき、また窓ガラスが震えた。
「また?」
今までの勢いを失ったように彼女は僕の腕に寄り添うて黙り込む。
「怖い・・・もう誰も・・・」
彼女の虚ろな独り言が闇の中に這い回る。
「大丈夫」
僕はただそれしか言えない。
「お父さんが亡くなったのも2回目の地震の、ときだったの。」
乾いたシンクに水滴がぽたり、ぽたりと不規則に垂れる。彼女はそんな風に話し始めた。
「あんまり思い出さないほうが」
僕を遮るように、
「思い出したくなくても思い出しちゃうの、仕方ないじゃん。」
水道管がひび割れて一斉に水が噴き出す。
彼女の口調はそのような様相を呈していた。
あの震災から7年経つ。
「揺れて明かりが消えて、そのとき、咄嗟にお父さんに話しかけたらお父さんはなにも言わなくて、携帯でお父さんを照らしたら」
彼女の父親は余震の時に割れたガラスがもとで亡くなった。僕の父親はそう教えてくれた。
手探りで彼女を抱き寄せる。
何故そうしたか分からない。
彼女はただ僕に身を預けていた。
0356オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (玉音放送)
垢版 |
2018/12/30(日) 18:20:33.23ID:OycNLmSQ0
大阪府さん、お久しぶりです。
オダナナがヒロインの小説を書いていただいて、感激してます。

オダナナは、グループ内でイケメン男子キャラを、敢えて演じているんだと思います。
私なんかは、そのキャラに乗っかって、好き勝手に書かせてもらってるのですが、
実際には誰よりも女性らしい内面を持っているはずです。
そこの部分を短編で、素敵に表現できる大阪府さんは素晴らしいです。尊敬の念さえ感じます。
もしこの作品を読書好きのオダナナ本人が読むようなことがあれば、絶対嬉しいと思いますよ。

私はと言えば、オダナナが葵ちゃんに良からぬ行為をすると言う、
オダナナ本人が目にすれば激怒するような内容で投稿中ですが、
あまりに恥ずかしいので、しばらく封印しますw

あと、東京都さんの作品に対する感想は、私も同じような印象を抱いています。
独自性が高いのはもちろん、ストーリーの起伏が大きいようで、予測がつきにくく楽しみですね
0357千葉県だったりdion軍だったりする人(玉音放送)
垢版 |
2018/12/30(日) 18:21:40.56ID:JQNY+s8E0
>>338
読みながらふと江戸川乱歩の短編を思い出しました。
>>345
そうだったんですか・・・
>>346
おかえりなさいませ。
どこか海外的というか異国のお洒落が滲み出ていて羨ましいです。
>>350
だいぶ中が長くなりそうです
0358東京都と呼ばれております(玉音放送)
垢版 |
2018/12/30(日) 21:02:03.66ID:9lAyk36W0
>>338
「七」

広瀬は菅井との出来事をありのまま守屋に話した。
 広瀬の傷を見た守屋は、感情的になる事は無く、広瀬の話しに耳を傾けた。
 発端は菅井少佐の一方的な感情の発露に有り、そのはけ口として広瀬は被害を被った訳であるから広瀬が非難を受けるいわれは無い。
 然し例えそうであっても、男女が一糸纏わぬ姿で相対していた以上、ある程度の咎めを守屋から受ける事は覚悟していた。
 然し守屋は以外な程冷静であった。多くは語らなかったが、どうやら初めての事では無いらしい。
 「友香と寝たの」
 「いや。寝ていない」
 「本当に寝ていないのね」
 「寝ていない。僕は何時でも何処でも都合よく、色情に合わせて立ち居振舞える程好色ではないよ。只…鞭で三度打った」
 「どこを打ったの」
 「尻に二度、太ももに一度」
 「これから友香の所に行ってくるわ」
 「僕も一緒に行っては駄目かい」
 「駄目よ」
 「それは命令かい」
 「そう、命令よ。広瀬兵曹長は待機して翼を磨いていて」
0359東京都と呼ばれております(玉音放送)
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2018/12/30(日) 21:07:45.19ID:9lAyk36W0
>>358
守屋は菅井の執務室の前に来た。
 「守屋中尉入ります」
 「どうぞ」
 「守屋中尉は菅井少佐に用件あり参りました」
 「座って」
 守屋は室内に菅井以外にだれも居ないことを確かめるとソファーに深く座り込んだ。
 「ひどい仕打ちね」
 「謝って済むことではないわね」
 「広瀬は多分もう気にしていないわ」
 「そう…でも許されることではないわ」
 「許してはいないと思うけど、でももう過ぎてしまったことだし、それに友香も鞭打たれたのでしょう」
 「力いっぱい打たれたわ」
 「傷を見せて。スカートまくるわよ。お尻と脚ね、青くあざになっているわ」
 「受けるべくして受けた傷よ、彼を責めないで」
 「お願いだから馬鹿なことはしないで、誰かに見られたらどうするの」
 「どうかしてたわ私。本当にごめんなさい茜の男を鞭で打つなんて」
 「もういいわ、別に寝たわけじゃあないし。もう終わりにしましょ。広瀬にも言っておくわ」
 「茜。感謝してるわ」
 「それと友香。もう一つ訊きたいことがあるの。」
0360東京都と呼ばれております(玉音放送)
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2018/12/30(日) 21:10:01.64ID:9lAyk36W0
>>359
「茜に隠し事なんてしないわ、何かしら」
 「うったの?」
 「何のことかしら…」
 「とぼけてはだめよ友香。また薬を打ち始めたのか聴いているのよ。正直に答えて」
 「あぁ…薬の事ね…このところちょっと疲れちゃって…一本だけ打ったわ。でも一本だけよ、それ以上はやってないわ」
 「あれはあまり身体に良くないと聴いた事があるわ。みんな普通に使っているけど、中毒になってしまう人もいるみたいだからできれば使わないで、お願い」
 「わかった、もう止める。それよりねえ茜、またワインでも飲みましょう。お二人を誘っても構わないかしら」
 「よろこんで」
 「ありがとう茜」
 守屋は菅井の執務室を出た。
 守屋が懸念していたのは広瀬の事より寧ろ菅井の事であった。
 広瀬に対する酷い仕打ちも、薬による覚醒効果の現れであろうと思われた。菅井は一本だけと言っていたが嘘であろう。然し、注射痕を見て確認する事迄はしなかった。
 もし自分が重責を担った菅井の立場であったなら、二百人の部下を激昂奨励し工事を完遂する事が出来たであろうか。責務の重圧に堪えきれず、薬の一本や二本では済まなかったかもしれないのだ。
 守屋は、格子の嵌まった病室で、最早二度と戻ることはない自我を探し求めて、昼夜を問わず虚ろに徘徊している自分を想像した。
 想起してしまった空恐ろしいもう一人の自分を振り払う様に頭を降った。
 どうか常用して中毒にはならないで欲しい。
 そう守屋は切に願った。
0361東京都と呼ばれております(玉音放送)
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2018/12/30(日) 22:21:32.64ID:9lAyk36W0
>>360
「八」

本土が敵爆撃機の航続距離圏内に入ると、海沿いの重工業地帯は格好の戦略爆撃の目標となった。
 元々欠乏傾向にあった船舶航空機燃料の備蓄が、油脂の精製工場を破壊された事で更に拍車をかけ、陸海軍共に作戦の遂行に支障が出始めていた。
 新型80mm高射砲も奮戦したが数が少なく、敵の大編隊を混乱せしめる程の組織的戦力を発揮出来なかった。
 各航空隊への燃料の割り当ても激減し、守屋と広瀬の司令部偵察機も偵察飛行に出る頻度が日に日に減っていった。
 そして敵空母艦載機による機銃掃射も始まり、飛行場に対空警報が鳴り響き、壕に退避する事が多くなった。
0362東京都と呼ばれております(玉音放送)
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2018/12/30(日) 22:22:56.87ID:9lAyk36W0
>>361
然しやられてばかりではいられなかった。
 少ない燃料と機体で効率的に攻撃効果を高める為。片道分の燃料を積載した航空機に250kg爆弾を搭載して航空機ごと体当たりさせる特別攻撃隊を編成し、作戦に組み入れる事が裁可された。
 特別攻撃の為の訓練が始められ戦爆の搭乗員の異動が相継いだ。
 特別攻撃隊の編成に指名された者は皆顔色を失い、煙草を呑みながら慰めや激励の言葉にこわばった笑顔で言葉少なく答えていた。
0363東京都と呼ばれております(玉音放送)
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2018/12/30(日) 22:43:44.56ID:9lAyk36W0
>>362
その特別攻撃隊を先導し、戦果確認をする為の先導機に広瀬が指名された。
先導機の燃料も片道分である。
 先導と戦果確認の任務を終えた時点で広瀬機も突入する。
 偵察任務ではないので守屋は外された。
 守屋は、広瀬と一緒に行くと、広瀬の胸を拳で叩き、周りの目など気にも止めずに泣いた。
 広瀬は只悄然と、胸に抱いた守屋の栗色のつむじを眺めていた。
0364東京都と呼ばれております(玉音放送)
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2018/12/30(日) 23:18:40.57ID:9lAyk36W0
>>363
「九」

気温は低く、陽射しは強かった。
 大気は不安定で、風は不規則に乱れ吹き、すすきの穂が舞い散って翼に張り付いたかと思うと、瞬く間に何処かに飛び去った。
 操縦席にも舞い込んで来ては飛行服に付着して、払った穂は足元に落ちた。
 広瀬は操縦席の時計を見た。
 エンジン始動の合図と同時に、整備員がプロペラを回し始めた。
 プロペラが回り始めると、整備員は別れの挨拶を交わして機から離れて行った。
 広瀬は肩のベルトをきつく絞め直した。
 離陸開始の旗が降られた。
 もう二度と、生きて降りてくる事はない大地との別れであった。
0365東京都と呼ばれております(玉音放送)
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2018/12/30(日) 23:22:09.35ID:9lAyk36W0
>>364
雲底高度を越えると、大気は安定した。
 守屋を残し、広瀬が一人で搭乗した司令部偵察機は、先頭で編隊を誘導した。
 これから数時間後には、確実に死亡する事が確定しているのにも関わらず、動揺もせず居られることが意外であった。
 航空機を管理し、戦闘を行う為に徹底的に訓練されたその頭脳は、機械的に手足に指令を送って、自らを死地へと赴かせた。
 一糸乱れぬ編隊は、整然と目標に向かって進んでいった。
 
 「記念に二人で写真とりましょう」
 守屋は、写真館の前で立ち止まるとそう言った。
 守屋は猫足の背凭れのある椅子に、スカートで隠れていても解る、豊かな臀部から生えている整った脚を斜めに揃えて、肩から自然に垂れた手を揃えて座った。
広瀬はその斜め後ろに立ち、広い肩幅から生える腕を守屋の右肩に優しく添えた。
 「重い」
 「ちょっと我慢して」
 葉書大のを自分と守屋に一枚づつ現像し、大きいサイズは広瀬と守屋の実家に送る手配をして写真館を出た。
0366東京都と呼ばれております(玉音放送)
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2018/12/30(日) 23:28:04.07ID:9lAyk36W0
>>365
懐中にその写真を抱き、自分の掌を眺めていると、あの時の守屋の華奢な右肩の感触が、この手にありありと浮かんで来る様だった。
 何だかとても遠い記憶の様な気がした。
 広瀬は少し泣いた。
 
 雲の切れ目から、多数の駆逐艦、巡洋艦に護衛された空母二隻を発見した。
 広瀬は風防の小窓から信号弾を放ち、編隊に接敵を知らせると同時に、司令部に陣容を打電した。
 広瀬は戦果報告の為、対空砲火の射程外に高度を上げた。
0367東京都と呼ばれております(玉音放送)
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2018/12/30(日) 23:34:26.02ID:9lAyk36W0
>>366
やがて編隊は、高角砲の爆ぜる衝撃波と黒煙に包まれ始めた。
 砲弾が機体の至近で爆ぜると、鉄片が四周に飛び散り、機体と人体を斬り裂いた。
 敵弾が命中すると、忽ち燃料に引火し、炎は操縦席に雪崩れ込み搭乗員を焼いた。操縦者を失った機体は錐揉みながら海面に激突した。
 突入体勢に入るためダイブを開始した機体は限界まで速度を上げ、海面すれすれを、スコールの様に打ち出される、密度の高い弾幕の中を突き進んだ。
 然しその苛烈な体当たりも、打ち出される凄まじい組織的な弾幕に捕まり、半数以上は炎に包まれ海面に突っ込んだ。
0368東京都と呼ばれております(玉音放送)
垢版 |
2018/12/30(日) 23:40:11.36ID:9lAyk36W0
>>367
最後の一個小隊が突入電を発すると、任務を果たした広瀬は自らも突入電を発した。
 広瀬の司令部偵察機はダイブを開始した。
 速度が上がり、頭を上げようとする機体の操縦捍を、死の恐怖に抗う様に懸命に押して頭を抑えた。
プロペラの先端は音速を超え、機体は過速に陥り翼端は激しく振動した。
 限界を超えて回転しているエンジンからはオイルが飛び散った。
 広瀬は瞬きさえ忘れて、白眼は血走った。
 広瀬の見開いた眼中に、空母のブルーグレーの舷側が迫った。
 守屋と過ごした日々の記憶が、脳内を駆け抜けた。
 乾いた眼には涙が溢れ、視界が歪んだ。
 至近弾が多数、空気を裂く破裂音と共に通過し行った。
 翼端に被弾して出火するのが視界の端に見えた。
 「茜っ!茜っ!」
 然し叫びは音声にならず、只声帯を通過する枯れた空気の摩擦音にしかならなかった。

 敵弾が一つ、コマ送りのフィルムを捲る様に、衝撃波で周りの空気を歪ませながら向かって来るのが観えた。
 飛び散った黒いオイルの一滴一滴さえも克明に観る事が出来た。
 敵弾は空気を裂いて、先端の羽車を回しながら、操縦席のすぐ右側をゆっくりと通過するかと思われたその刹那に。
 広瀬の視界は真っ白に染まった。
 極薄い氷の幕が、内側に脆く崩れてくる様に、クシャクシャとした感触が脳幹部に達した。
 聴覚が消え、ベルトで固定している筈の身体が何の抵抗もなく浮遊した。
 「あっ!」
 と思うと、視覚、聴覚をはじめ、あらゆる身体の感覚神経が、純白の瞼の裏で一ヶ所の黒点に凝縮されると、小さく爆ぜて、純白の中に溶けていった。
 広瀬の司令部偵察機は、高速のまま海面に激突し、機体も広瀬の身体も原形を止めなかった。
0369東京都と呼ばれております(玉音放送)
垢版 |
2018/12/30(日) 23:44:15.30ID:9lAyk36W0
連投失礼致しました。
本日は此にて失礼致します。
お読み頂いているスレの皆様ありがとうございました。

オダナナの握手会で、いきなり両手で恋人繋ぎを求められ、てんぱって「あうあうあぁーー」となって無惨に剥がされた良き思い出。
0370名無しって、書けない?(家)
垢版 |
2018/12/31(月) 23:37:15.71ID:8f5Sj/dA0
>>369
東京都さん!お願いですからBR2書いてください!!
0371東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2018/12/31(月) 23:43:17.86ID:6DEraaLD0
び…びーあーる…に???
0372名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
垢版 |
2018/12/31(月) 23:53:10.52ID:MtRRxE9aK
>>371
バトルロワイヤルっていうやつのことですよ(笑)
以前単発スレがあって好評みたいだったんで続きを期待する人たちがいまして

ていうかキャリア表示サーバーが無事に復旧したので東京都表示もできてますよ
0373東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/01(火) 00:05:52.15ID:roXm7cYd0
BR2についてよく調べてみます。

皆様明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願い致します。
良い年でありますように。
0374名無しって、書けない?(家)
垢版 |
2019/01/01(火) 00:16:50.41ID:sTBqguEe0
>>373
去年守屋BR書きあげたんですけど、他のSSを書きたいのでお任せしたいんです。
てゆーか、ほんとうに素人さんかと疑うレベルなので是非とも丸投げしたいです!
0375名無しって、書けない?(家)
垢版 |
2019/01/01(火) 00:20:32.81ID:sTBqguEe0
>>372
自分で期待してるなんて草ですよね
理佐主役で大筋の物語構想はできてはいるのですが、どうしたらいいですかね?
0376ひとつだけ(dion軍)
垢版 |
2019/01/01(火) 00:27:02.26ID:rX3DsA3N0
「あけましておめでとう〜」
テレビの向こうにある声はそう呼びかける。
聞き覚えのある声だと思ったら、映っていたのはいくちゃんだった。
「あ・・・」
1人でつい声が漏れる。
しかし、再び空虚に魘われる。
彼女はもう画面の向こう側のひと。
「あけましておめでとう・・・か。」
23:45。液晶は真夜中のお寺が映し出される。
「夜の成田山新勝寺です。」
静かなトーンで詣でる人を映し出す。
ゆく年くる年の変わらないトーンが愛おしい。
そろそろ寝ようか。リビングを立つ。
すると同時にテーブルへ置きっぱなしのAndroidが震える。
「あけましておめでとう〜ってまだ早いか。 」
賑やかな雑踏の向こうには確かに彼女の声があった。
「お久しぶり〜どう?」
いくちゃんのテンションは相変わらずだった。
「紅白見てたよ。 」
「見てたの〜ありがと」
「いまどこ?」
「んー、とね控え室。」
「そっか。」
「静かだね・・・そっち」
「まあ、1人だからね」
「そっか。」
0377ひとつだけ(dion軍)
垢版 |
2019/01/01(火) 00:28:17.17ID:rX3DsA3N0
23:50。
「もう年も明けるね」
「そうだね」
僕らは話すことも無く黙り込んでしまった。
昔はいくらでも話すことはあったのに。
「また会えるかな」
いくちゃんはふとぽつり、そう呟いた。
「まあ・・・でもそれより、仕事頑張ってよ」
「そうだね・・・あ、そろそろ行かなくちゃ」
「あけましておめでとう。」
「来年もよろしく」
空元気を出したようないくちゃんの声に一抹の寂しさが過ぎる。
ほぼ1年ぶりの会話はこうして終わった。
電話がかかってきたことが嬉しいはずなのに、いまは何故か悲しくなった。
「ほろ苦い思い出は姿を変えていつもわたしにやさしい」
ずっと、隣にいたはずのいくちゃんの面影を呼び起こしてふと彼女の好きだったバントの歌詞が目が熱くなった。
0:00
年明けを待ちわびるようにテレビが騒ぎ立てた。
「いつでも全てが恋しくて ゆれるわ ゆれるわ」
このフレーズがずっとリフレインしていた。
0378名無しって、書けない?(dion軍)
垢版 |
2019/01/01(火) 00:30:06.69ID:rX3DsA3N0
あけましておめでとうございます
紅白見たあとふっ、と思い浮かびましたので
新年の挨拶がわりに。
作中の楽曲はJUDY AND MARYのひとつだけ
です。ぜひ。
0379好きな言葉は「理佐ちゃんは神の最高傑作」な人(庭)
垢版 |
2019/01/01(火) 00:37:58.01ID:vTamOha9a
>>375
理佐ちゃん主役は是非読みたい!

めっちゃ幸せにしてあげてくれ
0380名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2019/01/01(火) 00:43:41.39ID:vTamOha9a
>>377
名前消し忘れてしまった、、、

>>378
年明け早々乙であります
今年も投稿よろしくお願いします


>>373
以前の東京都さんのが書いてたような人の業を描き出すBRを期待しています
0381名無しって、書けない?(家)
垢版 |
2019/01/01(火) 00:49:54.63ID:sTBqguEe0
>>379
理佐推しの方も、よろしければ是非とも書いてください!
渡邉「おねがーい!」
0382東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/01(火) 01:05:25.81ID:roXm7cYd0
DO素人であります!
あとがきにも書きますが素人です。
ただ読書量は平均よりほんの少し多いかもしれません。


人にはそれぞれの、生まれてから今迄の経験を経て、その経験に基づいて育まれてきた価値観を持っております。
価値観とは人生であり、作品とは、絵の具を使っても墨汁を使っても楽器であっても、写真であっても、表現手段の相違というだけであって、その人の価値観に基づいたその人そのものであると思っております。
従って、その人の結晶たる作品を、私が軽々しく引き継ぐ事は難しいと考えております。
だからゴメン!!
出来ない!
だって俺癖強いし…許して!
でも褒めてくれてありがとうございます!
素直にうれしいです。
俺褒められて伸びるタイプなんで!
言い訳長っ!!
0383名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2019/01/01(火) 01:11:38.66ID:vTamOha9a
>>381
ひぃ〜勘弁してくださいm(__)m

原案BRだと俺と理佐ちゃんをハッピーエンドにもって行くのに苦労しそうだから俺には無理っす、、、
0384名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2019/01/01(火) 11:29:27.47ID:KAy5TloQa
やはり人様に頼むものじゃないですね!
目が覚めました、いつの日か理佐のために書きます
0385名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
垢版 |
2019/01/01(火) 12:21:16.61ID:iADpz8DeK
改めて新年あけましておめでとうございます
最近スレも再び活気を取り戻しつつあり何よりです

個人的には昨年は元々いた48G板に軸足を戻す結果になりましたが
相変わらずそちらでも下手な絵を描いて元気にやっております

ではまた時々お邪魔します
http://o.5ch.net/1cwnu.png
0386オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (庭)
垢版 |
2019/01/01(火) 16:53:36.55ID:C3VKh28/a
明けましておめでとうございます。
レベルの高い作家さんの多い中、いきなりエロネタで乱入して場を荒らした新参者にも関わらず、楽しませていただいております。

このスレは温かい常連さんばかりで、居心地がいいですね。
オダナナ以外の作品にもチャレンジしていきたいです。

本年もよろしくお願いいたします。
0387じゃあ流れに乗って挨拶しとこう(大阪府)
垢版 |
2019/01/01(火) 19:41:21.70ID:gG5zcHMM0
皆さまあけおめでございます

昨年はグループの調子が下降気味ではありましたが、一年を通してみるとそれほど悪くなかったように思えます
特にラストウィークの地上波で4人の代理センターを試せたことはプラスに働くはずで、
そこに二期生が加わればまた違った風が吹くのではないかと期待しています

小説スレも年末需要に応じて、二人も頼もしい方が現れましたし、当分心配なさそうですね

>>385
覇権は乃木坂にありますが、卒メン考えると恐らくそう長くは続かないのではと思います
秋元先生は去年から48Gに注力しておられるように見えますので、今年以降流れが変わるかもしれませんね

もんちゃんの絵、大好きなのでまたお願いします

>>386
オダオシ先生が年またぎでこのスレに居てくれるようで安心しました
また新しい作品お待ちしております
0388ついでに改めて挨拶などを/千葉県(茸)
垢版 |
2019/01/01(火) 21:23:53.16ID:evJxvlFdd
あけましておめでとうございます。
年の瀬にお二人増えたことで一気に賑やかになり一人で作品を乱発してたころが懐かしいです。

>>380
あけましておめでとうございます。
そういえば、格付けの理佐ちゃん可愛いですね
つい魅入ってしまいました
>>385
あけましておめでとうございます。
また今年も宜しく御願いします。
>>386
はじめましてですかね。
あのバトルロワイヤルを書かれた方でしたか。
これからも作品楽しみにしております。
宜しく御願いします。
>>387
大阪府先生もこのスレに隙間風が吹き出したら、いや、いいのが出来たらいや、ともかく作品お待ちしております 👀
Rock54: Caution(BBR-MD5:1341adc37120578f18dba9451e6c8c3b)
0389名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2019/01/01(火) 21:27:32.39ID:evJxvlFdd
>>388
あけましておめでとうございます渋滞を起こしてるのは気にしないでください
0390名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2019/01/01(火) 21:37:33.38ID:saHxik68a
>>388
千葉県さん、はじめまして。
バトルロワイヤルを書いたのは別の方かと。
私はBR読むのは嫌いではないですが、悲劇を書くのは苦手なので。

今後ともよろしくお願いします。
0391理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/01(火) 21:51:59.39ID:A3YmfIs5a
格付け終わったので俺も流れに乗って新年の挨拶など・・・

最近は『理佐ちゃんだから好きスレ』で手一杯で小説スレにもなかなか投稿してませんが皆さんの作品は楽しみにしとります
じゃんじゃん投稿してください

あと『〇〇だから好きスレ』をフランチャイズ化して欅坂メンバー全員の『〇〇だから好きスレ』を立てるとゆう野望も捨ててませんので
推しメン愛が過剰になった方はご検討よろしくお願いしますw

以上新年の挨拶とフランチャイズ加入の勧誘でしたm(__)m
0392理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/01(火) 21:53:28.33ID:A3YmfIs5a
>>388
プク顔も見れて最高の格付けでした
消えてしまったのだけが悔しいですね
0393名無しって、書けない?(東京都)
垢版 |
2019/01/03(木) 00:13:15.30ID:4/oLnVYK0
>>368
金木犀が香っております。
 風が私達二人の元へ運んでくれるのです。
 飛行場の片隅でこの手紙をしたためております。
 側に守屋中尉もおります。
 私も特別攻撃隊の編成に入る事になりました。
 守屋中尉は乗りません。
 私一人で参ります。
 兎にも角にも。
表向きは大変名誉な事であるとゆう姿勢は取っておきませんと、
死んでしまう私はどうとでもなりますが、後に残された父さん母さんと守屋中尉に大変な迷惑がかかりますので、
全く受け入れる準備すら出来ていない私の薄硝子の様な脆い心の器に、
死ぬと言う最早これ以上ない残酷極まりない現実を、無理矢理押し込んで作ったひきつった笑顔で、何とか過ごしております。
0394名無しって、書けない?(東京都)
垢版 |
2019/01/03(木) 00:15:12.63ID:4/oLnVYK0
>>393
遂に私の余命もあと一月ばかりと相成りました。
 誕生日は一月だけど、どうやら年は越せそうにありません。
 名前を呼ばれて以来、なかなか現実を受け入れる事が辛ろう御座います。
然し守屋中尉は、私の心の負担を少しでも分担出来るように、いつも傍にいてくれています。
 私は大変恵まれております。
 
 父さん母さん。
 貧しいながらも健やかに育ててくれてありがとう。父さんが紹介してくれた染色工場から逃げ出していなければ死なずに済んだと今にして思うけれど、でもそうすると守屋中尉には出会えなかったでしょう。
0395名無しって、書けない?(東京都)
垢版 |
2019/01/03(木) 00:16:55.89ID:4/oLnVYK0
>>394
守屋中尉を連れて一緒に帰った日の父さん母さんの驚きと狼狽えに満ちたあの家の雰囲気はもう傑作でしたね。
母さんは止まると死んでしまう鮪の様に、台所と居間を世話しなく往復し続けて、その間父さんは視線のやり場に困った様に痛くもない首をずっと擦っていましたね。
 
 もう一度便りが送れるか解りません。
 確実なのは、一月以内に私は死ぬということです。
 気持ちはいずれ整理がついて落ち着くでしょう。
 安心してください。
 家の荷物は適当に処分して下さってかまいません。
 
 本当に本当に。もし来世があるのならば、再び父さん母さんを両親に持って産まれて来たいです。
 どうか何時までもお健やかに。
 ありがとう。
 さようなら。
 
 金木犀が香る飛行場にて。守屋中尉と共に。
 
 陸軍飛行兵曹長 広瀬武夫
0396理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/03(木) 06:24:13.79ID:qS/aGRHZa
>>395
うお〜広瀬!
愛する守屋中尉を置いて逝く奴があるか!
0397理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/03(木) 06:50:17.57ID:qS/aGRHZa
>>396
これからは名前欄これで行こうかなw
0398東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/03(木) 09:59:35.39ID:4/oLnVYK0
>>396
欅ちゃんではないので一足先に逝ってもらいました。
0399千葉県だったりdion軍だったりする人(茸)
垢版 |
2019/01/03(木) 17:22:37.74ID:sALNBLy4d
>>395
日本史に再び興味が湧き出した・・・。
ちなみに普段東京都さんはどんな本を読まれているんですか?
0400東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/03(木) 18:42:16.41ID:4/oLnVYK0
>>399
好きな作家は吉村昭氏であります。
加えて、菊地寛氏、森鴎外氏の新字新仮名づかひのもの、等であります。
三島由紀夫氏の「文章読本」には大変世話になっております。
0401名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2019/01/03(木) 19:18:04.78ID:sALNBLy4d
>>400
そうですか。なんだか納得?しました。
ちなみに、吉村昭の作品では「少女架刑」が好きです。
三島由紀夫は「詩を書く少年」くらいしか読んだことがありませんが・・・どれも凄みのある小説を書く作家ばかりですね
0402名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2019/01/03(木) 19:19:10.14ID:sALNBLy4d
ちなみにこのスレの方々はどんな本を普段読んでるんですかね?
0403実は他人の本棚フェチの大阪府(大阪府)
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2019/01/03(木) 19:52:27.34ID:YO5yWdqI0
>>400
おお!
文章読本を読んでる方が他にもいるなんてビックリです
御三家文章読本は、読んで文章が上手くなる訳じゃないけど、工場見学してるようで楽しいんですよね
ちなみに僕は谷崎派です

>>402
僕は海外文学を読むことが多いです
日本人では、藤沢周平なんかが好みです

それ系の本を見つかる範囲で並べてみました(もうちょっとあったはずなんだけど見つからん…)
ぜひ皆さんの本棚も見てみたいですね
https://imgur.com/a/LVOhi0c
0404千葉県だったりdion軍だったりする人、いまは茸(茸)
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2019/01/03(木) 20:36:23.55ID:sALNBLy4d
>>403
やはり、海外文学ですか
藤沢周平というのは意外でした
蛇足ですが、文章読本といえば、丹羽文雄のやつが本棚の奥に眠りっぱなしです。あとは斎藤美奈子の文章読本さん江でどの文章読本を読もうか検討中です。
0405名無しって、書けない?(茸)
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2019/01/03(木) 20:39:18.80ID:sALNBLy4d
ちなみに当の本人は山川方夫と筒井康隆、あとは横溝正史です。作家として挙げられるのはそれくらいであとは伝染病の歴史、だったり、原民喜だったり読む本はバラバラです。
0406今はたまに覗くだけの人(広西チワン族自治区)
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2019/01/03(木) 21:06:15.88ID:IQVZF7ZtK
以前どこかで書いた覚えありますが、自分は基本的に読書しません
学生の一時期に筒井康隆・星新一あたりを読んでたことはありますが、あることから気を逸らすためだけに読んでたので、どれを読んだかもいまや定かではありません(笑)
ただ視力だけ悪くなりました(笑)

子供の頃の愛読書は分冊の大百科事典と地図帳でした(笑)
0407オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (庭)
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2019/01/03(木) 21:15:50.98ID:IeqEgvcDa
>>402
最近はベストセラーになるような本をたまに読むくらいですが、学生の頃は、川端康成派でした。「川のある下町の話」とか「伊豆の踊り子」なんかが大好きでした。
あとは日本のミステリーですね。
有栖川有栖は、寡作ですが好きです。
0408東京都と呼ばれております(東京都)
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2019/01/03(木) 21:34:43.53ID:4/oLnVYK0
「青空文庫」には非常に感謝しております。
お陰で気が向いたら何時でも読めますので。
0409東京都と呼ばれております(東京都)
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2019/01/03(木) 22:20:54.85ID:4/oLnVYK0
>>395
飛行場は連日銃爆撃に晒され航空機は全て破壊された。
 航空機を破壊し尽くすと、目標は飛行場設備に移り、手当たり次第全ての施設を破壊し、動いている物体には容赦なく掃射を加え、飛行場としての機能は完全に失われた。
 対空警報が発報されると、直ちに地下の掩蔽壕に退避した。
 航空機は失ったが、飛行場中隊麾下の警備小隊は菅井少佐の指揮の基、敵機に対して果敢に対空戦闘を展開していた。
 然し、保有弾数が少なく、効果的な弾幕が展開出来無くなると退避壕に身を隠した。
 
 菅井は連日の様に訪れる敵機の襲来に疲労が募り、日に日に窶れていった。
 新雪の様に白く平で、育ちの豊かさを象徴するようだった頬は土気色に堕ち窪み。烏の羽の様に深い艶のあった漆黒の髪は埃にまみれ。常に装いを崩さず、折り目正しく着こなされた青緑の制服は、埃と垢にまみれて惨さを増していた。
 そんな惨めさを現していても、菅井の頭脳は明晰さを失わずに作動し続けていたが、来襲が頻繁になるにつれ、菅井の左腕には注射痕が赤黒く目立つようになっていった。
0410東京都と呼ばれております(東京都)
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2019/01/03(木) 22:25:21.12ID:4/oLnVYK0
>>409
弾が切れた。
 警備小隊長土生少尉は、窶れた菅井の手を取って退避壕めがけ早駆けした。
 退避壕まで寸での所で間に合わず身を伏せた。
 機銃弾がすすきの穂を舞い散らし、至近に着弾した。
 土生の伏せた視線の先に、緋色に熟れた烏瓜が映った。
 季節の営みは、機銃弾や爆撃の合間を縫って、砲弾が抉った大地にも容赦なく根を下ろして来ていた。
 敵機が去ると、土生は再び退避壕めがけて駆け出そうと立ち上がった。
 菅井に声をかけた。
 しかし菅井は伏せたまま動こうとしなかった。
 その場に置いて行く訳にもいかず、膝を地に着け、背中に手を回した。
 掌に、粘り着く湿り気と、不自然な手触りを感じた。
 菅井の顔面を観た。
 「菅井少佐!」
 口角から血液が垂れて唇は震えていた。
0411東京都と呼ばれております(東京都)
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2019/01/03(木) 22:28:19.69ID:4/oLnVYK0
>>410
何をか言っているのか、口は動いているが言葉は不明瞭で聴き取れなかった。
 背後から敵弾を受けた菅井の胸郭は、石榴の様に爆ぜていた。止血剤を振りかけ救急包帯を巻いた。
 「衛生班前えっ!」
 然し、爆ぜた胸郭からは鮮血が溢れ、無情にも止まる気配はなかった。
 敵機が再び近づいた。
 敵機による掃射は止む事無く容赦なく行われ、衛生隊員の頭部が弾き飛ばされ霧状の血飛沫が舞い、土生に降りかかった。
 土生は菅井の肩を揺すり頬を打ち、意識の保全に努めた。
0412東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/03(木) 22:31:17.52ID:4/oLnVYK0
>>411
菅井は自身の意識を保とうと、眼を見開き土生を観た。
 背中が焼けるように熱かったが痛みは無かった。
 土生が言葉を聴き取ろうと耳を近づけて来た。
 然し言葉を吐こうにも口がパクパクと動くだけで音声にならず、それがもどかしかった。
 言葉を吐こうと力むと、大量に吐血した。
 自分の意思とは関係無く激しく痙攣する手足を制御して、土生の手を握り締めた。
 視野の外縁から、少しずつ暗くなり始めた。
 土生が肩を揺すり話しかけてくる。
 (土生ちゃん…)
 闇で視界が閉ざされると、身体が急に弛緩した。
 脱け殻になった自分の身体に衛生班が取り付き、土生が懸命に話し掛けていた。

 秋晴れの乾いた空に、雲が一つ浮かんでいた。
 苦痛は無くなっていた。
 菅井は自身の身体に忙しなく取り付く彼らの様子を、傍らで暫く眺めていた。
0413東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/03(木) 22:57:25.90ID:4/oLnVYK0
お読み頂いている皆様ありがとうございます
続きはまた。

先程まで、私の握手童貞を捧げた大家志津香さんのSRを観ておりました。
0414理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/03(木) 23:01:02.62ID:qS/aGRHZa
>>402
やはり小説スレに集まる皆さんは文学読んでますね

俺は司馬遼太郎の峠と太閤記だけ最後まで読めました

一番好きなのはクリシュナムルティの自我の終焉って本で何回も読んでます
このインドのお爺ちゃんはパンク過ぎて読むたびに理解が進むどころか訳わかんなくなるんですけどねw


>>412
これはもしや!?
ゆっかーがあかねんの背後霊になってイタコのお嬢が開始という神展開・・・
0415理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/03(木) 23:05:41.33ID:qS/aGRHZa
>>413
昔どこかのスレにAKB のしーちゃんと有村姉は最高傑作理佐ちゃんを生み出すために神様が作った試作品とかレスしたことがあります、、、

申し訳ありませんm(__)m
0416東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/03(木) 23:41:30.66ID:4/oLnVYK0
「イタコのお嬢」良いですね。
0417東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/04(金) 22:02:50.99ID:4Dgc+BqX0
>>412
「十一」

長岡徳之信は不動産業を営んでいる。
その筋で彼の事を知らぬ者はいない。
戦時下にあって、市場から物資が悉く消えて市井が生活に窮していても、長岡家は何の不自由も無く、贅沢三昧な生活が送れる位富んでいる。
 成金である。
そんな持て余す程の蓄財がある彼にも、深刻な悩みがある。
 それは一人息子の長岡徳夫に嫁の成り手が居ない事である。
 徳夫に今迄女の影が無かった訳ではない、然し性格なのか甲斐性なのか、なかなか上手く行かず今年四十になる。
0418東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/04(金) 22:04:55.75ID:4Dgc+BqX0
>>417
家業は全て徳夫に任せてある。お陰で徳之信は安心して隠居できる。
然しいざ隠居をしてみると後継ぎの事が気がかりで落ち着かない。
このまま自分と息子が死んでしまったら、親子二代で築いたこの財が国に没収され、誰か知らぬ者の所有物になってしまうのである。
それは吝嗇な彼にとって誠に解せない事なのであった。
息子の見合いの相手を探してみようと思った。待っていても四十の男の嫁になりたいなどと寄って来る物好きな女がいるとは思えない。
 そう言えば守屋の所に軍人になった良い歳の娘がいたはずだと思いだした。
 貧乏士族夫妻を食わせる事位どうという事はない。
 守屋の娘は一人娘で、親父に似て堅物で頑固な所があるらしいが大変な器量よしと聞く。
無理にでもくっつけてしまえば案外上手く行くかもしれない。兎に角話だけでも守屋庄二郎に持ち掛けてみようと思った。
0419東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/04(金) 22:12:56.84ID:4Dgc+BqX0
>>418
徳之信は守屋家を訪れた。
庄二郎、清子夫妻は軍需品の内職作業に勤しんでいた。
 「棚賃なら先日お届けに上がったが」
 「いえいえ。本日訪れましたのは棚賃とは違う話でございます」
 「金の相談なら家へ来られてもどうにもならない」
 「そうゆう相談では御座いません。庄二郎様に一つ相談が御座いまして参りました次第です。それと申しますのは我が不精の息子、徳夫の事でございます」
 徳之信は、茜と徳夫の縁談が纏まった折りには庄二郎清子二人の生活も面倒をみるつもりで、金銭的な不自由をさせるつもりはないと、話を持ち掛けた。 
 徳之信は商売人らしく平身低頭を装ってはいるものの、庄二郎の頬を札束で叩いて娘をよこせと言っているのと同じである。
然れども背に腹は変えられぬ。
 「暫し御猶予を。即答出来かねる」
 「どうか善き御返事を」
 徳之信は守屋家を辞した。

 庄二郎は清子と向き合った。
一人娘を危険な仕事に就かせて、その報酬を当てにするのは両親としてどうであろうか。もういい加減娘に人並みの、可能な限り淑やかに女の幸せを叶えて欲しいと思った。
 現在茜と交際を持っている広瀬はどうであろうか。茜にとってどんなに理想の相手であっても、戦死戦没の可能性が高い。そしてそれは航空機搭乗員である茜にとっても同じ状況である。
 歳は少々離れているが、茜の頑固さを年齢相応の落ち着きで上手く懐柔してくれて、案外上手く行くかもしれぬ。
 庄二郎と清子は、茜の説得を試みようと言うことになった。
0420東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/04(金) 22:16:47.46ID:4Dgc+BqX0
本日は此にて。
お読み頂いている皆様ありがとうございます。
気になる所を直しながらの投稿になっており、投稿が少し遅くなっております。
0421オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
垢版 |
2019/01/04(金) 22:54:48.22ID:GCQPNuFI0
>>420
これだけの大作ですから、じっくりと推敲してご投稿ください。
楽しみにしております。
0422オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
垢版 |
2019/01/04(金) 23:17:52.41ID:GCQPNuFI0
>>340

小池「あーちゃん!!元気そうじゃない♪」
原田「みーちゃん!!会いたかったよ♪」

このあと何人かのメンバーと再会の挨拶をした葵は、楽しそうに織田の部屋にやってきた。
織田「もうこんな時間だよ。家に帰らないと」
そのとき葵の携帯が鳴った。
原田「お母さん?、きょう寮に泊まってくね。オダナナがどうしてもってきかないの。わかった明日午前中には帰るよ」
織田「ちょっと葵!」
原田「ということでよろしくね♪」
まったくこのクソガキ・・・

葵が風呂に入ってる間に理佐から電話が掛かってきた。
理佐「ねえ葵を泊めるんでしょう・・まさかと思うけど葵にだけはエッチなことしないでよ!」
織田「あ、当たり前でしょ。まだ子供なんだし、そんな気にならないよ。それにしてもやっぱ葵のこと気になるんだね。ツンデレ?」

織田と葵は並んでベッドで寝る体勢に入っている。
織田「ねえ、葵は勉強の合間にTVとか見てるの?」
原田「うん、けやかけと欅の出る歌番組だけは欠かさず見てるよ。てちの体調は心配だけど、その分みんな頑張ってると思う」
織田「そうだね」
原田「ゆいぽんやもんちゃんが、しばらく欅坂の中心になるんじゃないかな」
織田「二人は歌もダンスもすごく上達してるし、けやかけでも前より積極的に頑張ってるからね」
原田「2期生も入ってくるし、欅もこれから層が厚くなるんじゃないかな」
0423オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
垢版 |
2019/01/04(金) 23:21:06.79ID:GCQPNuFI0
織田は驚いた。
休んでいても、というか離れているからこそ、外からグループの事しっかり考えてくれてるのか。
クソガキとかとんでもなかった。
可愛さと知性を兼ね備えた大人のアイドルとして、早く復帰して欲しい。

織田「葵もダンス上手なんだし、戻って来たらセンター争いだって十分可能なんだから、期待してるよ」
原田「私は復帰できたら、2期生と一緒に一からやり直すつもりで頑張るつもり」
織田「ずいぶん健気ね〜」
原田「いろんなメンバーのこと誉めてるけど、私から見ると、欅坂で一番の要はダニーだから」
織田「えっ、わたす?」
原田「ダニーのおかげでこのグループは皆仲いいし、楽屋での雰囲気もいい。もんちゃんなんか、ダニーがいてこそ頑張れるんだと思う」
織田「そ、そんなことないよ・・・」
原田「きょうは、ダニーを独り占めだ。ダニーの近くはいつも倍率高いから嬉しいよ♪」
そう言いながら葵は、強く抱きついてきた
織田はまずいと思いながらも、抱きしめてしまう。
今まで抱いたどんな抱き枕より抱き心地が良い・・・
0424オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2019/01/04(金) 23:26:00.19ID:GCQPNuFI0
葵はほどなく、織田の胸でウトウトし始めた。
なんて可愛い寝顔なんだ・・・
だめだ、葵にだけはイヤらしいことしちゃいけない。
でも軽いキスくらいならいいかな・・・こんなに私に甘えてくれてるんだし。
葛藤に悶える織田だったがついに限界に達した。

目を瞑っている葵の唇に自分の唇が触れた瞬間・・・
葵の眼がパチっと開き、同時に
原田「えっ何!!・・・イヤーーーー!!」

あまりの反応に呆然とした織田を尻目に、
原田は部屋を飛び出して行ってしまった。
織田は呆然としていたが、ほどなく激しいノックの音が・・・
葵が戻って来たと思い、ドアを開けたら、とてつもなく怖い顔をした理佐と美愉が入ってきた。

織田「ちょ、二人ともどうしたのよ!」
理佐「あれほど言ったよね。葵には変な事しないって!」
織田「い、いや変な事って・・・葵は何て言ってたの?」
理佐「寝ている間に服を脱がされて、口では言えないような恥ずかしい事を何度もされた、みたいな事言ってたよ」
織田「それは葵が話盛ってるよ!あるいは理佐が盛ってるんじゃない?」
鈴本「ごまかさないで!私以外のメンバーといちゃいちゃしないって約束したはずよ!!!」
織田「約束って・・・」
理佐「こんな淫乱女、お仕置きしないとね!美愉」
美愉「賛成!協力しよう」

こうして織田は二人に、口では言えないような恥ずかしい事を、何度もされましたとさ。

0425名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2019/01/05(土) 00:34:07.51ID:iwkNPhmda
これは口では言えない恥ずかしいことの描写が必要ですねえ…?
0426東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/05(土) 02:17:02.38ID:/H+NIkCJ0
>>425
私も知りとう御座います。
0427秋の終わりの思い出(1)(dion軍)
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2019/01/05(土) 03:10:24.64ID:X9ud0dt30
「虫の音・・・」
頬には柔らかな風が吹く。僕は柔らかく、暖かな感触を頭に受けつつ真上を見上げる。
そこでは姉が微かに笑んでいた。
思わず、目を逸らす。
秋口の夜、僕は居間と庭を挟んだ廊下で姉の膝枕に微睡んでいた。
「本気で寝ないでよ〜」
団扇の風を僕から己に向けて姉はおどけたように言った。
「寝ないよ」
「でもこの前此処で寝込んじゃって起きなかったじゃん」
「あれは疲れてたから」
姉は庭先をぼんやりと眺めていた。
夕食を終えて床に着くまでまだ時間があり、
その合間をとくに何かするでもなく、こうしてのんびり過ごす。
この一時が幸せだった。
姉はこの夏に買ったというブルーのノースリーブとホワイトのショートパンツを着て程よく身のしまった脚を廊下へ投げ出していた。
僕はその脚の丁度太腿の部分を枕にしていた。
「暑い・・・」
ポニーテールを持ち上げて項へ風をやる。
その仕草をする度姉のもうひとつの顔をのぞき込むような気が起こって恥ずかしかった。
「なんでクーラー壊れるかな」
「ほんでも買って何年よ」
「うーん30年とか・・・かな」
「むしろよくここまで動いたよ」
「それにしても暑い。いっそ髪ショートにしようかな」
「いいんじゃない」
「ほんと?」
姉は僕に顔を近づける。
「ほんと」
王蟲返しに答える。
0428名無しって、書けない?(dion軍)
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2019/01/05(土) 03:11:20.80ID:X9ud0dt30
このスレの134に載っているものの続きです。
0429秋の終わりの思い出(2)(dion軍)
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2019/01/05(土) 03:12:49.50ID:X9ud0dt30
「どうしよっかな」
姉はポニーテールを左右に軽く揺らす。
僕の思考もそれに合わせて揺れるようだった。
「そういえばもうそろそろ婆ちゃんの法事でしょ」
姉は口元を団扇で隠した。
眦がとろんとしているのを見るとどうやら眠くなってきたらしい。すると口元を隠したのは欠伸をしたのか。
「そうか〜、もうそんな時期か」
姉がそう言って墨で塗り潰したような夜の空を見上げる。
また2人は黙り込む。するとその沈黙を切り裂いて季節外れの風鈴が鳴る。
我が家の軒先にあった風鈴はもう外してしまっているのでどこか近所の家だと思うのだが、その近所の家でも風鈴が釣ってある様子はない。
ではどこから風鈴が聞こえるのだろう。
そんなことをまた黙って考え込む。
結局風鈴の正体は分からなかった。
0430秋の終わりの思い出(3)(dion軍)
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2019/01/05(土) 03:14:23.57ID:X9ud0dt30
「お父さんが帰ってくるって」
朝の食卓で出し抜けに姉がそう告げた。
「いつ?」
「来週」
姉は髪を束ねてため息混じりに答える。
「ほんとにいっつも突然なんだから」
湯気を立てて白く輝く粒建ての白米に塗り箸を突き刺す。
「しかもいつのまにか再婚したんだって」
姉に手を引かれた椅子が叫び声をあげる。
「うほ?」
白米を口に含んで訊ねた僕はつい霊長類みたいな声を出す。
「ほんと。朝起きたら電話がかかってきたの」
カーテンが突然の風に舞い、踊る。
長閑なこの家に嵐が訪れようとしていた。
0431秋の終わりの思い出(4)(dion軍)
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2019/01/05(土) 03:15:09.95ID:X9ud0dt30
「お父さんなんか居たっけ?」
けろっとした顔で彼女は言った。
「居るよ」
朝の件を話して喉がかわいた僕は蛇口を捻って冷水を求める。すると彼女も「あっ、わたしも」と横入りする。
つかの間の雑談が蛇行する彼女の話によって、出会した幸運を喜ぶように輝いた日盛りがもう、沈まんとしていた。
秋の夕日が放課後のグラウンドを染め上げた。
それが彼女の白い帆布のような頬に反射して一瞬、朱に染まる。僕はその光景に見蕩れた。
「なにか?」
彼女は何か言いたげな眼差しを向けた。
「いや。」
僕は足元の砂利を蹴った。
おろしたての白いスタンスミスが土気色に汚れた。
「ねぇ、わたしさ。」
帰ろうとしていた僕を、彼女の声が遮った。


「なに? 」
夕日に視界が遮られ彼女の顔が見えない。
「写真家になりたいの、夢。」
言葉が蛇行する彼女にしてはかなり珍しく、ストレートであった。
「なれるんじゃない?佐藤さんなら」
「佐藤さん・・・か。」
「どうかしたの?」
「いや、なんでもない。」
じゃあね、と言って彼女は駆け出していた。
何か溢れだしそうなものを抑えるように。
僕はその溢れだしそうなものが何か分からず、視界を覆わんばかりに刹那の輝きを放ち、燃える夕日を睨んでいた。
0432秋の終わりの思い出(5)(dion軍)
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2019/01/05(土) 03:16:48.40ID:X9ud0dt30
「お父さんなんてまったく覚えてないや」
「あ、その醤油取って」
「まぁ、殆ど会ったことないから仕方ないか」
「醤油かけすぎじゃない?」
「じゃ、10年ぶりか」
「ねぇ、ご飯お代わり」
あのさぁ。姉が空の椀を手にした女主人へ呆れた眼差しを向けた。
「何杯目なの?というか家族かよ」
「いいじゃんもうそんなもんだし」
女主人は平然とした顔でそう言ってのけた。
「そういうとこデリカシーないよね。」
織田奈那ってさ。姉はそう付け加えて白米をよそう。
「っていいながらちゃんとくれるのがゆいぽんだよね〜さすが」
へらへらしながら椀を受け取る、女主人の腕は驚くほど白く細かった。
「それよりさお父さんって何してる人よ?」
女主人は姉に訊ねる。
「うーん、なんだろう?」
姉は箸を置いて腕を組む。
「ほんと、なんだろ・・・。」
しばらくおいてからまたそう呟く。
結局、父の話はそれっきりになった。
「そういえば君のこと好きだって子が居たよ。」
無言の食卓へ女主人がそんな話題を投げた。
「えっ?だれ?」
「さぁ・・・それは言えないなぁ。」
「あの子?あの例の、しーちゃん。」
「ゆいぽん、ちょっと。」
女主人は姉に耳打ちする。
「へぇーそーなんだぁ。」
悪戯な笑みを浮かべる女二人。
「誰よ。」
「さぁ。」
女主人はシラを切り通した。
0433秋の終わりの思い出(6)(dion軍)
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2019/01/05(土) 03:17:54.94ID:X9ud0dt30
「なんで帰ってくるの?」
翌週の昼。夏が戻ったような陽気で、ようやく直ったクーラーのリモコンを握り、座敷で寝ていた僕はそんな声が響いて飛び起きた。
「なんだ?」
それは玄関から聞こえてくるようで、声の正体は姉だった。
「良いじゃない、そんな怒らなくても」
「わたしたちのこと棄てたくせになに、今更?」
「まぁ、まぁ、とりあえず上がらせてくれや」
板張りの廊下が重たく軋んだ。
「おお、久しぶりやな。」
開け放した襖に左腕をぶつけたスーツ姿の男が僕に話しかけた。
「久しぶり・・・」
口の中で言葉をごそごそ噛み砕いていると、
「父さんの顔、忘れたんか、まぁ、でもしょんないこっちゃ。」
薄笑いを浮かべて座卓を挟んで向かい合った。
その男は僕の父親だった。
髪は整髪料かなにかで纏められ仄かに橘が香っている。浅く焼けた肌に皺が、所々走って、スーツのポケットからは群青色のハンカチが覗いていた。白く皺のないシャツになった父は傍らにそのスーツを畳んで置いた。その刹那に衣擦れの音が青々しい藺草を駆けた。
0434秋の終わりの思い出(7)(dion軍)
垢版 |
2019/01/05(土) 03:20:02.57ID:X9ud0dt30
「実はな再婚したんや」
父はだしぬけにそう告げると廊下で何やら立ち止まっている女を手招きした。
「お久しぶり。」
ゆっくりと座敷に入り、居間を見回した女は徐ろにそう言った。
その女は紛れもなく僕らを捨てた母だった。
僕は背後を振り返った。
奥の台所では何やら物音がする。
姉がお茶でも入れているのか。
「とりあえず詳しいことは由依が来てから話そか。」
父は奥の方を伺ってそれから言った。
座敷をあの梅雨どきのような重ったるい空気が覆っている。僕はリモコンを手繰って冷房の温度を下げた。

「で、何で帰ってきたの?というかなんでこの人も帰ってくるって言わなかったの?」
姉は母を指さして父を問い詰めた。
「まぁ、まぁ、そう怒らんでも。順を追って話すがな。」
母は座りの悪そうな顔で僕と姉を見た。
さっ、と雑に。
「お母さんがここ出ていったのはお前がー5歳の時やな。」
父は古い既成事実を確認するような眼差しを送った。僕は小さくうなづいた。
0435秋の終わりの思い出(8)(dion軍)
垢版 |
2019/01/05(土) 03:21:47.25ID:X9ud0dt30
「そのときは丁度わたしも仕事が忙しくて、全然母さんに構わなんだ。それが今思えば良うなかったんや。母さんは昔の高校の同級生と駆け落ち同然に家を出た。そやろ?」
細眼で母を見た、父の姿は酷く冷徹だった。
誰かに似ている。とそのとき思った。
0436名無しって、書けない?(dion軍)
垢版 |
2019/01/05(土) 03:22:48.94ID:X9ud0dt30
連投失礼致しました。
続きは明日にでも
0437オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
垢版 |
2019/01/05(土) 10:21:36.57ID:2H99eG2H0
>>425>>426
描写したい気持ちはあるのですが、理佐と美愉というビジュアルペアを書くのは荷が重い(笑)
もう最近は作者の自分の意志を超えて、オダナナが暴走するので、手綱を抑えるのに必死ですwww

>>436
昭和の雰囲気が好きです。
この作品、長期連載希望です。
0438秋の終わりの思い出(9)(dion軍)
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2019/01/05(土) 13:11:13.82ID:X9ud0dt30
「そのあとは父さんも、大阪の辞令で丁度、
ここを出てしまった。
ほんとに2人には迷惑を駆けた。
・・・ほんで、いまはわたしも母さんも吉祥寺にあるマンションで暮らしている。
去年、大阪から東京に辞令が出たんや。
ほんで、その東京の支社の同僚と呑んでるときに母さんと出会した。
それが再婚のきっかけや。
母さんには無論、2人を育てなあかん、責任があるわけやし、突然出てそれっきりというのはまぁ、無責任や。
わたしも忙しいのを言い訳に家庭のことほおり出してしまったし、まぁ、両者痛み分けということで元通りや。
母さんはまぁ、あの時ストレスが爆発、して家を出たが、
あのあと、男とは別れて、ずっと一人で暮らしてたみたいや。んで。その飲み屋で働いてて、まぁ、そういうことや。
離婚、したは、したけど母さんからあとで送られた離婚届にサインして出しただけでなんも話し合ってなかった。そのときは内示も出てたし、なんも話し合いもせんかった。それも悪かった。」
姉は時折ため息を交えながら父の話を訊いていた。そして話の切れ目に琉球ガラスで出来た、グラスで麦茶を飲んだ。
0439秋の終わりの思い出(10)(dion軍)
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2019/01/05(土) 13:12:00.68ID:X9ud0dt30
「で、何が言いたいの?」
姉は父と母を眼差しで刺し貫いた。
「東京に引っ越さんか。」
「嫌だ。」
脊髄反射のように姉が答えた。
オレンジジュースを透明なグラスに注いだような濃い色から食べ頃を迎えた蜜柑の皮のような黄色、ついで紡ぎたてのシルクが身に纏う薄い白とのグラデーションを空に作っていた。
その間を烏の群れが横切る。
もう黄昏時だ。子供の家路を駆ける音がする。
「まぁ、それもそうやな。」
父は黒色の卓面に目をおとした。
「ゆっくりでいいから・・・考えて欲しいの。」
母は、途切れ途切れに声を上げた。
父は丁度、板尾創路の風体で、母はそう、薄霧のかかった宮沢りえのようであった。
どちらもあまり両親として現実味が無く、良心もないような顔だった。
東京の擦れた大人という感じがした。
もっともその間に生まれたのだから、いずれそうなるのだろうが。
「まぁ、今日とりあえず泊まるから。そこで考えてくれや。由依は高三やからどの道、進路のこと考えんといけん。どちらにせよ、大学へ行くんやろ、だからここいらで引っ越すんが丁度ええわ。」
それでも、父は僕の方を見た。
「それでも・・・まだ高二やから・・・、ここで高校出て来年東京の方へ行くのでもええし。どうしようなぁ。」
父は僕の顔と母の顔とを見比べたのち、自分の真後ろにある、仏壇を見た。
0440秋の終わりの思い出(11)(dion軍)
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2019/01/05(土) 13:14:31.40ID:X9ud0dt30
「勝手に決めないでよ。」
座卓が震えた。姉が立ち上がる。
「まだわたし大学行くって決めてないし、しかも東京へ行くってまだいってないじゃん。」
「大学はとりあえず行っとけ。こんな地元じゃなく、もっと、東京の。せめて関東や。何したいかはそこで決めればええ。所詮、所詮、こんなけったい田舎にいた所でたかが知れてる。」
田舎には不釣り合いな大音声が響いた。荒く息をする、父の眉間が震えた。
「ちょっと・・・」
母は立ち上がって空を睨みつける父の右脚を軽く叩いた。父は母の方を見下ろして、ああ。と返事をすると腰を下ろした。
「で、お前はどうしたい。」
「とりあえず此処で高校卒業する。大学は・・・まだ考えてる。」
「ずっと、ここで暮らせる訳やない。いづれ出ていかな行かん時が来る。」
「出ていかない・・・わたしはここに残る。」
姉はぼそっ、と呟いた。
「なんか言ったか?」
父は眼光鋭く姉を睨む。
「なんでも。」
中途半端に首を突っ込むくらいならいっそ、半永久的にほっといてくれ。と思った。
「どうするの、姉ちゃん。」
夜になると真昼に潜んでいた鈴虫が一斉に顔をだして、哭きたてる。亡くなった祖母の部屋に父と母を泊まらせ、僕らはいつもの通り、居間で寝ていた。
「・・・なんにも考えてない。」
ぽつり、と零した言葉は幾らかの疲労と困惑を滲ませていた。夜の黒に染まった畳にその2つは波紋を起こして行く。
ふとした間の、ため息が重なる。
秋の夜は確かに長いのだとそのとき感じた。
0441秋の終わりの思い出(12)(dion軍)
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2019/01/05(土) 13:15:22.83ID:X9ud0dt30
「とりあえず今後の件は今すぐには決められないから。今回は帰って。」
翌日の朝食はどこか薄ぼんやりとした霧がたちこめて、晴れなかった。
姉と父には透明で厚い間仕切りがあるようだった。件の父は諦念のような己を無理やり納得させるようななんとも言えない返事をした。
母は「居心地の悪い」という思いを全面に出し終始、翳っていた。
父はそんな母を特段、気にしていないようだった。
「じゃあ、もしかしたらまた来るかもしらん」
父は玄関戸を半開きのままそう告、母はその後ろで当たり障りのない話をした。
唐突に訪れた秋間の台風は、顬に不愉快な痛みを残して晴空の彼方を去ってゆく。
しかしその台風の後ろにはまた新たな台風の兆しが見えている。まだ、そのことに誰も気づかない。
0442秋の終わりの思い出(13)(dion軍)
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2019/01/05(土) 13:16:10.38ID:X9ud0dt30
放課後の教室というのはいつもと違う粧いで街を出歩く母親。のような違和感を覚える。さらにそのなかにいるとまるで自分がかけがえのない時を過ごす、あの失明するほど眩しい、青春小説の主人公になったように錯覚した。
僕はクリームのカーテンを引かれても尚、透けてこぼれる夕空を背に彼女と抱き合っていた。
「さと・・・」
彼女の名前を呼ぼうにも長い髪が口元にあって出来ない。
「しばらくこうさせて」
二、三歩後によろけて椅子が軋る。
その音がよりこの事実を生々しくさせていた。
甘い香水とシャンプーの香りが混ざって鼓動が早くなった。
僕は彼女の熱もつ背に手を回し、1時間前を頭に過ぎらした。

彼女と付き合っている。と噂が立ったのはいつのことだろう。もはや思い出せない程昔のことだ。しかし高校生にとっての昔など所詮二三ヶ月か半年かぐらいなものである。
噂は田舎特有の下衆の勘繰りが原因である。この町だけか知らないが、男女が不必要に親密だと付き合っている。と勘繰る類がいる。それは近所の年寄りだったり同級生だったり様々だが、大体は精神の浮ついた軽薄者である。
この付き合っている、いないは学校の話題ではほぼほぼ中心核だ。
0443秋の終わりの思い出(13)(dion軍)
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2019/01/05(土) 13:17:56.44ID:X9ud0dt30
今までは他人事だった自分がその渦中者に
なったとたん、隣の幼馴染があざやかな、
女性に変わるのだった。
そんな本人は、噂などまったく知らぬ存ぜぬという風を装っていた。
こんな狭い町では小学校も中学も人間関係に変わりはない。強いて言うなら高校でその関係に変化が、生じるがこの街には高校が二つしかなくそのどちらか1つを選ぶので結局は大して変わらないのだというオチがつく。
彼女、佐藤詩織とは小学校高学年からの仲だった。
きっかけは単にたったふたり、
あまり人の通らない、細道を通って此処へ通っていたからという理由だった。
なんの気無しの雑談が、巫山戯て背中を叩けるような関係になったが、
中学に入ると距離が不自然に離れる。
これは致し方のないことで、
その3年間あまりの空白を経て、また、この高校で再会した。
高校で会って以降は見違えるほど綺麗になった彼女に此方が戸惑って関係が離れたりしたが、いまはまたかつての、あの関係のままである。
そのまま進展の気配もないままだったが、つい一時間前、その気配めいたものが僕の辺りを取り巻いた。
0444秋の終わりの思い出(14)(dion軍)
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2019/01/05(土) 13:19:08.06ID:X9ud0dt30
「ねぇ、いい加減気づいてよ。」
「えっ?」
夕方5時のチャイムが鳴り響く。
読書を終え、カーテンを閉め帰ろうとした時、だった。
彼女の言葉が誰もいない教室に響いた。
「気づかなかった?今まで。」
彼女は追い討ちをかけるようにそう告げる。
「いや・・・何が?」
何も言えないのは彼女の言葉が理解出来ないからだ。言葉は通じるが話が通じない。
カーテンを閉めて、彼女の方を向く。
沈痛な面持ちといったら言い過ぎか。
ともかくそんな顔つきだった。
「ずっと気づいて欲しかったのに。噂があったときも、わたし、君から離れなかったじゃん。普通そんな噂あったら離れるでしょ?気づいてよ、好きだって。」
心の底に貯めておいた甘辛い言葉を目一杯装填したサブマシンガンの乱れ打ち。
彼女の口は閉じることがない。
「なにが佐藤さんよ。まったく知らない人みたいじゃん。10年近くも一緒にいて。小学校の英語の、ペアになったころから、ずっと・・・気づいて欲しくて、もどかしくて。最近も、こんなクソ田舎で噂になるのも構わずいつも一緒にいたのに。その理由考えたことない?」
「まったく考えたことない。」
「もう!」
茶色の髪が夕日に染まって揺れ、スカートの裾はそれを追いかけて踊る。
0445秋の終わりの思い出(15)(dion軍)
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2019/01/05(土) 13:20:01.11ID:X9ud0dt30
彼女は僕に近寄る。
「ずっと気づいて欲しくて待ってたけどもう我慢の限界、好き」
熱を帯びた彼女の体が僕を包む。
「わたしが言うつもりじゃなかったのに」
「いやでも」
「いまきみの答えは聴いてないから、聴きたくないから」
彼女は最後の弾丸をうち尽くしたようで黙り込んだ。
こうして今に至る。
「でも、わかってるよ、好きな人の好きな人くらい。」
長い沈黙が明けた。彼女は僕の薄い胸に身を預けて静かに語りだす。
「好きな人?」
「そう。お姉さんでしょ?」
彼女は瞳を涙で満たしていた。
「うん。」
「でも・・・」
僕の袖を掴んで頭を胸へ打ち付けた。
そして続けた。
「血の繋がったお姉さんへの、思いなんて実るの無理だよ」
返答を保留にした。これは彼女の一方的な通告みたいなものだった。こうして僕は一人で帰るという彼女に置いていかれ、半ば、呆然としたような気持ちで家にたどり着いた。
家について彼女の言葉を反芻し、振り子は速度を上げ、二箇所をひっきりなしに往来している。
0446秋の終わりの思い出(16)(dion軍)
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2019/01/05(土) 13:21:02.55ID:X9ud0dt30
「そりゃ、断然、詩織ちゃんでしょ。」
翌日の午後、女主人の元へ赴いた。
店先の白いベンチに今日は2人で座っている。
「というか姉ちゃんがその・・・好きなの」
「知ってるよ、さすがにわたしは。」
誇らしげな女主人の顔が憎かった。
「まぁでもゆいぽんはどうかな。」
腕組みをして続けざまに言った。
「まさか自分の弟がそんなことはって思ってるんじゃない。というか、そもそも君のことアウトオブ眼中よ。だって家族だもん。」
「そりゃ、そうだ。」
急に僕は冷水をかけれたような気になった。
「自分のそばにずっと居てくれてなおかつ好きなだなんてそんなひと二度と現れないよ。例えそれが東京に行ったとしても。」
女主人のヘラヘラとした顔が急に生真面目な顔に変わった。
「いま、好きじゃないならさ。これから好きになればいいじゃん。」
僕の顔を覗き込んで女主人は言った。
振り子はある一方を指し示している。
僕はベンチを立った。
一陣の秋風が真後で吹く。
0447秋の終わりの思い出(17)(dion軍)
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2019/01/05(土) 14:19:47.85ID:X9ud0dt30
川べりで彼女はカメラを構えていた。
話しかけようとしたら
「ちょっといま話しかけないで」
と言われた。
彼女のレンズが捉えるのは雲一つない
秋晴れの青。
僕は彼女が撮り終わるのを後ろでしばらく見ていた。
それが終わったのは10分後。
「で、どうなったの?」
彼女はカメラを首に下げたまま訊いた。
「よろしくお願いします」
「へっ、いまなんて言った?」
「だからよろしくお願いしますって」
「いいの?私で?」
己を指さして彼女は声を張る。
0448秋の終わりの思い出(18)(dion軍)
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2019/01/05(土) 14:27:44.86ID:X9ud0dt30
「お姉さんじゃなくて良かったの?」
「姉ちゃんは家族だし。しかも向こうは僕のことなんとも思ってないよ。それに自分のことを好きな人と一緒にいた方がいいからさ。」
「ふーん、そっか。」
草の上に寝転がると刺々しい感触が
皮膚を貫く。
「じゃ、わたしのことは好きじゃないんだ」
「いやそういうわけじゃ」
「いいの、別に。お姉さんにはもう降参。これからわたしが好きにさせるから」
僕が驚いて彼女の方を見ると、
「うそうそ、冗談。」
とヘラヘラ笑った。
「冗談か。」
僕もつられて笑う。
その時、突然柔らかい感触が唇に触れて、去った。
「どう?好きになった?」
彼女は声を落として、慎重に僕の顔を窺う。
僕は返事の代わりに彼女へキスをした。
「ちょっと、びっくりするじゃん。」
「それはこっちの台詞だ。」
「そっか、」
彼女がまたヘラヘラ笑う。
0449秋の終わりの思い出(19)(茸)
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2019/01/05(土) 14:29:45.92ID:gRznkofDd
「次は先にキスしてよね。」
右の掌を握って彼女は言った。
「わかってるよ」
「どうかな〜いがいとチキンだからな〜」
彼女は小馬鹿にしたようにニヤニヤする。
今度は僕が唇を重ねた。
ぎょっとした目で僕を見て、
「いまじゃないし。」
と呟いて、顔を逸らした。
しかしまた顔を見合わせて、
「よろしくね。これから、出来ればずっと。」
と言った。
僕は頷きながらまた彼女の手を握った。
こんどは強く。
0450東京都と呼ばれております(東京都)
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2019/01/05(土) 17:08:12.55ID:LrYttvw90
>>449

羨ましい。

文章が頭の中に自然に流れて入ってくる。情景もまた然り。
止まるのは私が読めない漢字の所だけで。
簡単に見えるけど、いやいやどうしてなかなか実際書いて見るとそうはいかない。

結構推敲なさるんですか?
0451名無しって、書けない?(dion軍)
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2019/01/05(土) 17:31:00.39ID:X9ud0dt30
>>450
筒井康隆の『 創作の極意と掟』にある、「なるべく、同じ語尾を続けて使用しない」と、三島由紀夫の知り合いが書いたエッセイで紹介されていた、三島からきた葉書のひとつに
「1行で書いてあることはなるべく32文字で書いて伝わるようにする。10行で書いてあることは1行でつたえる」みたいな箇所があり、それらを念頭に置きながら、考えた文章を頭の中で反芻しつつ、文字にします。
そしてそこからさらにその文章を読み返して二、三回引っかかるところを直してゆくという、感じです。
推敲は結局のところ、多くて三回くらいでしょうか。文字にするまでが長いので。
0452名無しって、書けない?(dion軍)
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2019/01/05(土) 17:32:38.64ID:X9ud0dt30
>>451
情景は自分が目にしたり、感じたりしたことがすべてです。細かい、日常の情景はやはり、
想像よりも経験の方が強いかなと。
0453名無しって、書けない?(dion軍)
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2019/01/05(土) 17:34:57.55ID:X9ud0dt30
>>452
ひらがなを漢字にしてしまうのは登場人物が漢字欅だから。というのは冗談で単に椎名林檎の影響です。そこだけは読みやすさより漢字の形、フォルムを優先してしまいます。
0454理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
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2019/01/05(土) 17:55:26.74ID:x8mdQqw6a
>>449
一気に読んでしまいました

これは千葉県さんの代表作になりうる名作ですな
0455オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2019/01/05(土) 18:02:23.21ID:2H99eG2H0
dionさんお疲れ様です。
シリーズが完ではないですよね。
また冬が終わる頃に続きがありますよね?
0456東京都と呼ばれております(東京都)
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2019/01/05(土) 18:10:44.28ID:LrYttvw90
dion様
ありがとうございます。
参考にさせて頂きます。
0457名無しって、書けない?(dion軍)
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2019/01/05(土) 19:58:45.02ID:X9ud0dt30
それはそうと米の谷のナナミンって面白そうですね。別のネタスレで見たのですが
0458名無しって、書けない?(dion軍)
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2019/01/05(土) 20:01:41.71ID:X9ud0dt30
>>454
過大評価、ありがとうございます
>>455
これで全て出し尽くしてしまったような気もしますが確かに、季節が変わればなにか思いつくかもしれません。とりあえずこのシリーズはかなりロウペースで更新します。
0459東京都と呼ばれております(東京都)
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2019/01/05(土) 21:16:50.02ID:LrYttvw90
>>419
守屋は除隊した後、間もなくして結婚した。
守屋の夫となったのは、不動産業を営み、多額の資産と不動産を有する成金、長岡徳之信の長男長岡徳夫である。
兄弟はおらず一人息子である。
 
守屋は広瀬の事を忘れようと努めた。
注ぐべき相手を失ってしまった守屋の恵愛は、慈しみが空回りして、広瀬の居なくなった心の隙間を虚しく吹き抜け、彼の事を思い出してしまう度に凍みる様に傷んだ。
 その痛みは守屋自身の思っていた以上に辛いものだった。
 長岡徳夫という四十になる歳の離れた男との結婚を承諾したのは、両親の生活の保証と、主婦として義務的に身体を動かす事で、過去の出来事から気持ちを逸らして心の平衡を保ち、此から先の人生を慎がなく送って行きたいという気持ちからであった。
0460東京都と呼ばれております(東京都)
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2019/01/05(土) 21:18:53.71ID:LrYttvw90
>>459
長岡徳夫と守屋は、徳夫の実家付近に新たな屋敷を構え生活を始めた。
 坐臥行歩の定まった、極めて大人しく淡白な男であった。
寝床に入っても守屋の身体には余り興味を示さず、義務的に済ませた後、自分の寝床に戻っていった。

 刺激的ではないが経済的に不自由すること無く、日々の家事に追われる生活が半年程続いた。
 鋭く胸を掻き毟った広瀬の面影も、時に流され角が丸くなって、痛みを伴わずに心の中に善き思い出として保持する事が出来るようになっていた。
 空を仰ぎ、蒼空に霞む雲を見上げながら大きく息を吸いんだ。
 冷たい風が春の残り香の様に吹き掛け、艶のある栗色の髪を揺らした。
 こんな生活も悪くないと思い始めていた。
0461東京都と呼ばれております(東京都)
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2019/01/05(土) 21:38:34.22ID:LrYttvw90
>>460
二人の生活が軌道に乗りかけたと思われたそんな折りに。
味付けが口に合わぬと、徳夫は実家で夕食を済ませてから帰宅する事が多くなっていた。
 守屋が夕食を用意して帰りを待っていてもそれは無駄になり、用意した食事は廃棄された。
 自分の真心をどぶに棄てているような虚しさが心を痛めた。
 徳夫は事ある毎に実母と連絡を取り、家の営みについて相談を交わした。
 守屋との話し合いは形式であり、ほぼ全て徳夫の実父実母の意向が優先され、守屋にはそれが下達されるのみであった。
 守屋の行いが実母の意向にそぐわないと徳夫の実母に呼び出され、人格を損ねる様な底意地の悪い、一度聴いたら何時までも耳に張り付いて剥がれない辛辣で耳障りな嫌味を長時間に渡って聴かされた。
 守屋も両親に相談したが、経済的に多額の援助をもらっている以上、口を出すことは出来なかった。
0462東京都と呼ばれております(東京都)
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2019/01/05(土) 21:39:30.62ID:LrYttvw90
>>461
庄二郎と清子はこの結婚に後悔をし始めていた。
 古くは政権主派の崇仏派に抗し討たれ。先代は維新の折りに心ならずも賊軍の汚名を着せられ、城下に入る峠の一本道で弾雨と白刃に身を晒し。屍を踏み越える激闘の末恩謝を給り、家督の断絶を免れ士族の末裔として守屋の家を守ってきたのである。
 庄二郎は、屍を乗り越え命をかけて守ってきた先代まで誇りを踏みにじられるばかりで無く、美しい一人娘を札束で頬を張られて売ってしまった自分の不甲斐なさに、唇を噛み拳を握り悔しさを露にした。
0463東京都と呼ばれております(東京都)
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2019/01/05(土) 21:48:09.56ID:LrYttvw90
>>462
梅雨が明けると、葉に僅かな黄色味を残していた木々草々は、日に日に暑さを増して行く陽光と相まって、梅雨の水分を豊富に吸い上げ、深碧の度合いを増していった。
 
 徳夫の守屋に対する態度が変わり始めた。
 自分が如何なる状況にあっても、必ず両親とその資産に守られる存在であると確信した徳夫は、食事の味付けが気に食わぬと箸を投げ、頬を打った事を皮切りに、淡白な仮面に隠されていた粗暴な一面を覗かせ始めた。
 守屋は、いわれの無い暴力に怒りを露にし、打ち下ろされる暴力に対して鳩尾を蹴り挙げ抗議した。
 徳夫は意外な反撃に腹を押さえ実家に逃げ、その日は家に戻らなかった。
 しかしその翌日から、徳夫の暴力は更にその度合いを増していった。
 徳夫の実母はその暴力を躾とみなし、必要とあらば行使するよう徳夫に奨励した。
遠慮や容赦といった加減が失われて、卑劣な腕力を誇示するように守屋の身体に青い打撲痕が刻々と刻まれていった。
 最初のうちこそ負けん気の強さから、徳夫を実力で実家に追い返していたが、圧倒的な男の腕力でねじ伏せられると、華奢な守屋には抵抗する術がなかった。
0464東京都と呼ばれております(東京都)
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2019/01/05(土) 21:54:20.31ID:LrYttvw90
>>463
徳夫の怒声と守屋の悲鳴が家内に響き、守屋は疲弊していった。
 遂に耐えきれなくなった守屋は、着の身着のまま屋敷を飛び出し両親の基へ逃げた。
 守屋の身体に刻まれた生傷を目にした庄二郎と清子は、怒りを露にし、即刻離縁することを決めた。
 しかし翌日早朝。長岡徳之信が自動車で乗り付け、泣いて抵抗する守屋を自動車に押し込め連れ去っしまった。
 徳夫の元へ連れ戻された守屋に対して、再び容赦のない暴力が振るわれた。
 軽量な守屋は弾き飛ばされると柱に顔面を打ち付け意識が遠退いた。
 徳夫は守屋に馬乗りになると数発顔面を打った後、守屋を犯し始めた。
 守屋は徳夫を鋭く睨み付け抵抗したが、それが還って徳夫の嗜虐心を煽った。
0465東京都と呼ばれております(東京都)
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2019/01/05(土) 21:57:48.30ID:LrYttvw90
ごめんなさい途中なんですが。。。
dionさんの清々しさの後で、何か皆さん不快でしたらほんとにすいません。
0466名無しって、書けない?(dion軍)
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2019/01/05(土) 23:19:47.40ID:X9ud0dt30
バトルロワイヤルぽいものを書いているのですが、やっぱりただのバトルロワイヤルじゃ面白くないから書き直したら深みに嵌って長くなりそう。
0467名無しって、書けない?(dion軍)
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2019/01/05(土) 23:20:21.66ID:X9ud0dt30
>>465
続きが気になります。
耽美的ですね。どこか。
0468理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
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2019/01/06(日) 00:16:41.27ID:SUpnXvRva
>>464
だんだん東京都さんテーストが濃くなってきた!
0469理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
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2019/01/06(日) 00:17:34.31ID:SUpnXvRva
>>466
千葉県さんの創作欲羨ましいっす
0470So cold 001(dion軍)
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2019/01/06(日) 01:01:28.21ID:IosW5r7N0
地下道に反響する靴音。
水滴の垂れる音がそれを追いかける。
渡邉理佐はその音がする方向へ拳銃を向ける。
「平手?」
闇夜に蠢動する体を凝視する。
「あなたこそ誰?」
平手の声だと解った刹那、白い息が漏れた。
「わたし、理佐。」
「ああ、理佐か。」
iphoneの灯が微かに周辺を照らす。
「ずっと探してた。」
平手は地下道の奥にある空洞へ潜伏していた。
「理佐〜」
幼子のような邪気のない笑顔で理佐に近づく平手。理佐は後ろ手で弾倉に弾を込めた。
「油断すると思った?」
急に平手は声を低くして理佐の頚へ何かを押し付けた。瞑眩するiphoneから、その何ががナイフであることが解った。
「弾を込めるならもっと上手くやんなきゃ」
熱い感触がひとたび、頚を走った。
平手の顔が徐々に歪んでゆく。


鈴本が織田に駆け寄ったのは他でもない。
淡い幻想を抱いた為だ。
織田なら私を・・・。
しかし叢から覗き見をした織田の姿に鈴本は恟然とした。
織田は日本刀から滴る血を己の服の袖で拭っていた。
そしてその後で鈴本とは真逆の叢へ刀を
突き付けた。
「誰・・・?」
叢が揺れ、闇の中から何かが飛び出し、
空を切って爆ぜる音がした。
0471So cold 002(dion軍)
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2019/01/06(日) 01:02:56.55ID:IosW5r7N0
「ねぇ、おかしいよ」
ねるの言葉に真向かいにいる菅井と守屋は何やら考え込むように黙り込んだ。
「私もなんか変だと思ったの。」
沈黙を破ったのは守屋だった。
「まるで・・・夢が繋がってるみたい。」
詰まった守屋の言葉を引き取って菅井は続けた。
「発端は平手だった。」
菅井は瞼を閉じて首を振る。

五日前。
「変な夢見てさ。」
平手は菅井に語る。控え室は常に騒がしい。
小池は相変わらず何かを零して土生にティッシュを強請り、齋藤は佐藤と爆笑している。
「夢?」
菅井は首を傾げる。
「すごい、なんていうか、うーん。リアルで」
「リアル?」
「うん。」
あのね。と言ってから少し躊躇った。
「教えて。」
菅井は微笑む。
平手はそれに安堵して話し始める。
0472名無しって、書けない?(dion軍)
垢版 |
2019/01/06(日) 01:03:36.57ID:IosW5r7N0
>>469
とりあえずバトルロワイヤルの初めのところだけ投稿してみました
0473東京都と呼ばれております(東京都)
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2019/01/06(日) 05:15:39.30ID:VWZfrPJT0
>>464
「茜。お友達の菅井家のお嬢ちゃん、機銃でぶち抜かれて死んだよ。
 血吐きながら息も出来ずに、のたうち回って死んだって。
 余程苦しかったんだろう、胸掻き毟って爪が全部剥がれていたらしい。
 茜は運が良いね。
 こうして毎日、食うに困らず何不自由無く活きていられるんだから」
 
 守屋は、抵抗する気力を完全に失なった。
 茫然自失して、無感情に弛緩している彼女を、徳夫は犯し続けた。
 
 守屋の身体を弄んだ徳夫は、身体を離した。
 最近始めた紙巻き煙草を、慣れない手つきで呑みながら、むせて咳き込む徳夫の背中を、犯された事に対しての憤りや憎悪とか、そういった感情の一切を欠落させ、瞬きも忘れて只眺めていた。
 ヒグラシの声が茜色の薄暮の空に響いた。
 乾いた涙の跡が、青紫に腫れた目尻の痣を伝って頬に流れていた。
0474東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/06(日) 05:47:23.99ID:VWZfrPJT0
>>473
「疲れた時は無理せず使って、すこしなら大丈夫だから。」
 そんな物に頼りたくないと、断って受け取ろうとしない守屋に 。
 「我慢し過ぎて死んでしまったら元も子もないじやない。頑固はだめよ」
 頑に受け取ろうとしない守屋の掌に、菅井は薬と注射器をそっと握らせた。
 
 半ば強引に手渡してくれた薬液を掌に握り、蒸した夕暮れの雑木林の奥へ奥へと、足を引き摺ながら進んでいった。
 目の上の痣が視界を塞いでいて時々躓いた。
 藪蚊がまとわり付いた。
 一本の樹に身を寄せ座り込むと、左腕に注射器で薬液を注射した。
 然し暫く経ってみても、薬の作用は現れることは無く茜は拍子抜けした。
 量が足りないのであろうか。
 然し適量を越えての使用はためらわれたので、隣で鼻唄を口ずさんでいる友香に聴いてみた。
 「足りないんじゃあないのかしら?」
 「そうかしら?一度に沢山使うのは怖いわ」
 「中途半端が一番いけないわ」
 「そんなものかしら」
 茜は同量の薬液を再び左腕に打った。
 肩に、馴染みのある重さと温もりを感じた。
 武夫は背後から茜の肩を抱くと、耳元で「愛している」と呟いた。
 茜は耳を赤くして羞恥と艶を込めた視線で武夫の眼を観た。
0475東京都と呼ばれております(東京都)
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2019/01/06(日) 05:59:23.05ID:VWZfrPJT0
>>474
武夫と茜の艶を目の当たりにした友香は、茜と武夫の間を強引に割って、武夫に身体を寄せた。
 「茜。わたくしと武夫さんはアブノーマルなの、普通じやあないのよ。知ってるでしょ、この甘い鞭の疼きが貴女にわかるかしら?羨ましくて?」
 茜は、男を誘う仕草の中にも崩れることが無い品格がそなわっている友香に対して、強い嫉妬を覚えた。
 武夫は茜のものである。
 武夫から強引に引き剥がされた友香は、そのまま茜に抱きついて、彼女の唇に自らのそれを重ねた。
 唾液と薔薇のエッセンスが生々しく混じった友香の吐息は、茜の鼻腔を貫き脳髄を刺激して艶かしさが極まった。
0476東京都と呼ばれております(東京都)
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2019/01/06(日) 06:01:40.45ID:VWZfrPJT0
>>475
華奢な腕が、茜の締まった腰に周って、豊かに張った臀部を指先で優しく愛撫した。
 茜も負けじと、優香の小振りな乳房を乱暴に乱した。
 吐息と唾液が複雑に混じり合うと、二人は理性をかなぐり捨てて、傍らで二人の愛撫をじっと眺めている武夫に、摂理にもとった痴態を見せつけた。
0477東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/06(日) 06:06:33.94ID:VWZfrPJT0
お読み頂いている皆様ありがとうございます
続きはまた後程。
ねんちゃんごめんねぇー!
アルバムの握手会で、20秒間無言で事故った良き思い出。
0478東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/06(日) 22:05:11.01ID:rv1Ov8iT0
>>476
目が覚めた。
 茜は夢をみていた。
 日の暮れた薄暗い雑木の中で佇んでいた。
 時折蝉が、寝言の様に短く鳴いた。
 しつこく群がっていた藪蚊は寄り付いてこなくなった。
 身体中に負っていた痣は跡形もなく消えて、元の白い美しさを取り戻していた。
 茜は足元を見た。
 藪蚊が群がり、身体中に痛々しい痣が刻まれた、かつての自分の身体があった。
 半分開いた前歯の隙間からは野鼠の長い尾が覗き、萎んで乾いた眼球には蝿が数匹とまっていた。
 そんな変わり果てたかつての自分を認めても、惨めな感情等は微塵も沸いては来ずに、むしろ軛から解き放たれた解放感に満ちていた。
 
 遠く犬の鳴き声が、湿った空気を伝って聞こえてきた。
輪郭が滲んだ月が梢を照らし、梢を漏れた月光が、かつて彼女であった遺骸に射した。
 夢を思い出した。
芳しい香りと生暖かい感触が、唇に残っているような気がした。
 あの生々しくて不埒な行為を思い還すと。最早稼働しているはずの無い心の音が、俄に高まり熱くなるのを覚えずにいられなかった。
0479名無しって、書けない?(庭)
垢版 |
2019/01/07(月) 07:51:56.99ID:0mrfZvq4a
わけわからんストーリーだな。
0480東京都と呼ばれております(茸)
垢版 |
2019/01/07(月) 11:41:52.45ID:LNZtGG4Cd
>>479
お読み頂きありがとう御座います
たまに自分でも確認しないとわからなくなります。
0481名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
垢版 |
2019/01/07(月) 12:15:22.05ID:3LJV6uryK
文学的に優れた作品が続いているのでここらで敢えて登場して間口を広げる作戦
・・・・
【SEIFUKU・1】

「なーこちゃん何してるの?」
「音楽聴いてるんだよ」
「珍しいね」
「そう?」
「いつもは絵を描いてるから」
「そう言えばそうか」
「何聴いてるの?不協和音とか?」
「いや、そういうのだと気持ちが暗くなっちゃうからさ、もっと明るいやつ」
「ふ〜ん」
「ぺーちゃんも音楽聴くイメージないよね」
「眠くなっちゃうから」
「眠くならないのってどんなとき?」
「…」
「いつも眠いんかい」
「(笑)」
「じゃあ寝ちゃいけないとき大変じゃない?」
「うん」
「どうするの?そういうときは」
「目薬さす」
「あれは実はそういうやつなのか」
「(笑)」
0482名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
垢版 |
2019/01/07(月) 12:17:25.08ID:3LJV6uryK
【SEIFUKU・2】

「ところでこの暇はいつまで続くんだろ」
「わかんないね」
「司令塔が倒れて休養するたびに作戦が止まるのは何とかしてほしい」
「でも…本来は司令塔ってちゃぷてんじゃないの?」
「ゆっかーはただのスポークスマンだから」
「体力はありそうだね」
「スポーツマンじゃないよ(笑)、広報係ってこと」
「広報係って何?」
「マスコミとかに無難なコメントをする係」
「なーこちゃんは無理そう(笑)」
「ぺーちゃんも別の意味で無理(笑)」
「(笑)」
「とにかく、またてち司令が休養に入っちゃったから、私たちはこんなところでひたすら待機する羽目に」
「どこなんだろうね、ここは」
「太陽系、って自称してる地域だとは聞いてるけどね」
「目の前の青い星さ、なかなかきれいだよね」
「まあ星自体はきれいに見えるけど、ほら、回りにゴミがいっぱい浮遊してて」
「ゴミぐらいよくない?どこにもあるし」
「また尾関に怒られるよ」
「(笑)」
「こういうゴミが宇宙船に当たると思わぬ事故につながるんだよ」
「じゃあ防御用にわざと撒いたのかな」
「いや、文明も技術もさほど進んでないのに高望みだけして適当にロケット打ち上げて失敗したんでしょ」
「それがこんなに?」
0483名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2019/01/07(月) 12:19:38.64ID:3LJV6uryK
【SEIFUKU・3】

「こういう了見の奴らだからそのうちに本当のゴミまで宇宙に捨てろとか言い出すよ」
「ひどい…」
「なんか腹が立ってきた(怒)宇宙環境を何だと思ってるんだ」
「半分妄想ってことは…?」
「でもこのゴミの量ハンパないじゃん」
「確かに」
「そのうちにゴミ屋敷ならぬゴミ宇宙になっちゃうよ」
「そんなに言うなら、なーこちゃんが何かできることあるの?」
「おっしゃ、Let's 世界征服だ」
「…どうしたの?(笑)」
「いま聴いてた曲の歌詞だよ。この星を征服しちゃおうと思って」
「征服…?どうするの?」
「とりあえず知的生命体ってやつを駆除しちゃえばいいんじゃない?」
「まあ確かに宇宙にゴミ捨てする存在は居なくなるね。でも…どうやって?」
「ちょっと調べたらやっぱりタンパク質が主成分の奴らだからさ、焼き払うのが一番確実」
「大変じゃないの?」
「この欅坂ミサイルを一発打ち込めば、この大きさの星なら全体が6000度〜10000度で1ヶ月くらい燃え続けるから大丈夫でしょ」
「そんなに燃やせるの」
「欅坂は『せいふく』に関わるとよく炎上するんだよ」
「誰がうまいこと言えと…それで、いつやるの?」
「今でしょ」
0484名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
垢版 |
2019/01/07(月) 12:24:08.49ID:3LJV6uryK
【SEIFUKU・4】

「え?急すぎない?」
「世界征服と梅干しはきしゅう(奇襲・紀州)に限るんだよ」
「またダジャレなのね」
「なんかよく映画である『我々は宇宙人だ』みたいなやつとかわざわざ大編隊の宇宙船でやってくるとかは、時代遅れだしご都合主義なんだよ」
「何でご都合主義?」
「あれは『私たちの星を征服しに来るならこれだけ真面目にやってほしい』『それはこんなに大げさで大変なことなんだ』という勝手な思い込みと希望でしょ?
実際には軽いノリで片手間でちゅどーんで全部おしまいなのに」フフッ
「なーこちゃんちょっと怖い」
「だから善は急げで」
「善、なのか…ていうか、勝手にミサイル使って怒られないかな」
「そこはうまくやるよ」
「どうするの?」
「ここの星の奴らに気づかれて攻撃されて正当防衛でって報告するよ。相手は全滅だから死人に口無し」
「ビデオ公開しろって言われたらどうするの」
「ぺーちゃんニュース見過ぎ(笑)」
「それにさ、突然じゃなくて予行練習も必要じゃない?初めての星だし狙いが外れたらそれこそ大変」
「そうか、確実に全滅してくれないと困るからね」
「試しに何か適当なものを打ち込んで経路を分析してみようよ」
「うん、そうしよう」
0485名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
垢版 |
2019/01/07(月) 12:29:24.10ID:3LJV6uryK
【SEIFUKU・5(終)】

『ここでニュースです。
1月3日早朝、西日本を中心に火の玉のようなものの目撃情報が多数寄せられ、専門家はいわゆる火球ではないかとの見方を示しています。』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190103/k10011766421000.html

―了―

※構想のヒントとなったのはきゃりーぱみゅぱみゅの名曲中の名曲『インベーダーインベーダー』です
0486千葉県だったりdion軍だったりする人、いまは茸(茸)
垢版 |
2019/01/07(月) 17:15:49.73ID:zws1dcgjd
>>485
タイムリーな話題を織り込んだギャグセンスの高い作品ですね。なーこの時折見せるサイコパス振りが堪らない。
0487理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/07(月) 18:28:06.45ID:LDrooEoWa
>>478
ついにあかねんも死んでしまった・・・

>>485
しばらくぶりの長編乙ですm(__)m
0488名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
垢版 |
2019/01/07(月) 19:56:37.30ID:3LJV6uryK
>>486
>>487
ありがとうございます
ついついいつものクセで余計なもの混ぜるので長くなりがちですね(笑)

因みになーこちゃんのセリフの大部分は私自身の考え方の反映なので
私がヤバいってことですね(フフッ)
0489東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/07(月) 22:07:33.37ID:0SWYLqMf0
>>485
面白いです!

「マスコミにとかに無難にコメントする係」
とかwww
0490東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/07(月) 22:35:25.09ID:0SWYLqMf0
>>487
理佐ちゃんさんいつも読んでくれてありがとうございます。
何かどいつもこいつも殺してばっかで申し訳ない。。。
でもねんちゃん好きなんですよ。
許して下さい。
0491名無しって、書けない?(dion軍)
垢版 |
2019/01/07(月) 22:40:50.76ID:X9EkStXK0
悪魔の辞典という本を読んでからふと思い立ちちまちま作っていた言わば欅坂46バージョンの悪魔の辞典を箸休めがてら投稿。


【 守屋茜】
極めて血気盛んな闘魂少女の代名詞。

【 菅井友香】
お嬢様でポンコツだが、やるときはやるという坂道グループのキャプテンシーを見事に受け継いだ欅坂46のキャプテン兼広報担当。イニシャルがSであるのにも関わらず強めのMだがこれはあまり知られていない事実。

【 渡邉理佐】
「こぼしてんじゃねーよ」で大量のドMファンを獲得した女王様気質のメンバーのこと。
握手会では度々罵ってくださいと言われるが本人がかなりウェッティで優しいためしばしば対応に困惑することがある。
このスレにおける最多登板者。

【 小林由依】
日頃の行動が時折とある人物によって観察日記にされているメンバーのこと。

【 長濱ねる】
その顔立ちからしばしば狸と言われるメンバーのことで同じ小動物の獺とは親友である。

【 W-KEYAKIZAKAの詩】
一部のものしか入国を許されない欅共和国における国歌。
0492名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
垢版 |
2019/01/08(火) 00:18:43.50ID:KTuo5yZOK
欅坂48版の悪魔の事典面白いっすね(笑)

【センター】
『〇〇withバックダンサーズ』の『〇〇』の部分の婉曲表現

【フォーメーション】
曲の間にしょっちゅうチェンジするので実際には大した意義はないが
メンバー叩きの材料として提供される情報

【冠番組】
出演メンバー、司会者、番組スタッフ、そして視聴者、の全てが忍耐を学ぶ場

【握手会】
メンバーが培った忍耐力を発揮する場
もちろん命を狙われても平然としていなければならない

【日本武道館】
ひらがなけやきの専用ライブ会場

【トランペット】
ブハブハという音を出す楽器
0493名無しって、書けない?(dion軍)
垢版 |
2019/01/08(火) 01:54:58.03ID:T37Z1TKB0
悪魔の辞典さらに続き。

【 欅共和国】
平手友梨奈を国家元首とした実質、独裁国家。

【 青空とMARRY】
青空が違うの歌唱メンバーで結成されたユニットだが、そのうちの一人、志田愛佳が卒業したためMAがいなくなり実際は青空とRRYだが、問題のMAは残りのメンバーのうち、守屋茜のイニシャルMAで補うことが予想される。

【欅って書けない?】
その、異様な盛り上がりの無さと静けさからお葬式と揶揄されるが、実際、お葬式は意外と賑やかなのでこの喩えは間違い。
ちなみに年一回没アンケートの慰霊会が行われる。
対義語) ひらがな推し

【 ぽんかんさつ】
小林由依の熱狂的ファンである織田奈那による観察日記。ここでぽんという渾名が広まったが、本人はこのぽんがあまり好きではなく、「なんでぽん付けるかな〜」と思ったらしい。

【平手友梨奈】
欅坂46にとっての脊髄。
負傷したらこのグループは半身不随に陥る。
0494名無しって、書けない?(dion軍)
垢版 |
2019/01/08(火) 01:56:31.75ID:T37Z1TKB0
【卒業】
アイドル界においては解雇、契約解除といった大人の事情を包み隠すために編み出された都合のいい言葉。このグループにとっては離脱、脱退という意味合いで使われる。

【五人囃子】
織田奈那、佐藤詩織ら5人によるユニット。
佐久間正英が所属していた日本有数のプログレバンドの四人囃子とは一触即発という意味で似ているような気がするが勿論全然違う。

【文春砲】
アイドル界隈にとっては核兵器並に恐るるべき兵器で今まで数多の被弾者がいる。
大体の被弾者は自業自得である。
卒業した志田愛佳がその被弾者の一人。

【制服】
コインロッカーに預けたり、脱ぎ捨てたりと散々な扱いをされる衣服のこと。

【風に吹かれても】
ボブ・ディランの風に吹かれてとは無関係。
1期生21人全員が揃った最後の曲。
SMAPへの楽曲提供やORANGERANGEのプロデュースで知られるシライシ紗トリが作曲した。
0495東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/08(火) 04:54:01.05ID:ySmb6K/50
確かに葬式のが賑やかかも(笑)
0496東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/08(火) 21:32:05.69ID:D5hcvgj60
>>478
嶋田は私服刑事と共に遺体の場所へ戻った。
 第一発見者の嶋田は刑事から事情聴取を受けたが、動機もなくアリバイも証明されると容疑も晴れた。
 遺体は若い女性。
 薬物による中毒死であった。
 掌には注射器が握られていた。
 暴行を受けた形跡があり、身体中に痣が多数散見された。
 身元を示す遺留品は現場に残留していなかったが、歯の治療很と指紋から遺体の身元は守屋茜退役大尉と断定された。
 以後の捜査は国家憲兵に引き継がれた。
0497東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/08(火) 21:38:18.85ID:D5hcvgj60
>>496
この後が消えてしまっ。。。参りました。。。
すいません。。。
0498東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/08(火) 22:42:10.54ID:D5hcvgj60
>>496
長沢菜々香憲兵中尉は、管区国家憲兵隊長渡辺梨加憲兵中佐に捜査報告に訪れた。
 渡辺憲兵中佐は、慰問に訪れた少女達と、その付き添いである保育士に対していた。
 長い睫毛の奥にある濁りないしめやかな瞳は博愛に満ちていて、眼前のいじらしく小さな命に、極て真摯な態度で対応していた。
 少女達から花を一輪授かると、膝をついて「ありがとう」と言葉を掛けた。
 長沢は子供達を笑顔で見送る渡辺中佐に、一礼した後書類を手渡した。
 渡辺中佐は守屋退役大尉の件についての報告を聴き、遺体検分書を見た。
渡辺の態度は一変して、遂先刻までの暖かい微笑みは一切失せて、淡々と冷徹な視線を検分書に射していた。
0499東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/08(火) 22:46:01.70ID:D5hcvgj60
>>498
長沢は。
 「夫長岡徳夫からの暴力が度を越して酷かった様です。女の悲鳴と男の怒声、食器が乱れ飛び家具が破壊される様子を近隣の住民が目撃しております…」
 更に長沢の報告が、情交が極て一方的且つ強引であった事に話が及ぶと。
 「もういいわ」
 と、静かに制した。
 渡辺の静寂を秘めた瞳の奥に、命の美しさを真っ向から否定する卑劣極まる暴力に対して、怒りの焔が静かに燃えているようであった。
0500東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/08(火) 22:47:08.99ID:D5hcvgj60
>>499
兎に角一度、事情を聴取する必要がある思った渡辺は、勾留の手続きを長沢に命じた。
 「暫くお泊まり頂いて、お話を聴いてみましょう」
 「憲兵司令部への報告は如何にしますか……?」
 「報告は要りません」
「勝手に動いて大丈夫でしょうか…?」
 「私が責任を持ちます」
 「司令部に引き渡してしまうと長岡徳夫の人権が保証されてしまうでしょう。我々だけだからこそ出来ることがあるのと思うの。苦痛や試練を知る機会に恵まれなかった人には、それ等を得られる場所や道具の提供が必要だと思うわ」
 「そう…ですよね…」
 渡辺の静かな返答には、太い力で圧する様な強い意志が感じられ、長沢の不安を打ち払った。
 長沢は踵を返し、一礼した後退室した。
0501東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/08(火) 22:53:29.22ID:D5hcvgj60
>>500
「くぅーん」
 「なんだ、大吉。戻って来たのか?危ないから一人で来たらダメだろう」
 大吉は、人懐っこい瞳を嶋田に向け尾を降った。
 嶋田が腰を下ろして大吉を優しく撫でていると、大吉は嶋田の手や顔面を容赦なく舐めて答えた。
 「よしよしそうか、腹がへったか」
 その様子を傍らで眺めていた刑事は、大吉の頭を撫で、話し掛けた。
 「君は大事にされているね。君は本当に運が良いよ。長生きするんだよ」
 刑事は大吉を優しく抱きしめた。
 
 大吉は、知らない人から声を掛けられよく意味がわからなかったが、そんなに悪い気はしなかったので大人しく撫でられていた。
 大吉は腹が減っていた。
 嶋田を見た。
 嶋田は誰かと話をしているようでまだ家に帰れそうになかった。
 空を見上げた。
 月が満ちていた。
 星の瞬きがいつもより少なく見えるのは、満ちた月の仕業であることは大吉には解らなかった。

 終わり。
0502東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/08(火) 22:56:04.81ID:D5hcvgj60
お読み頂いている皆様。
長々とお付き合い頂きありがとうございました。
一応言い訳のあとがきもありますが、それはまだまだ後日に。
0503名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
垢版 |
2019/01/10(木) 10:16:23.19ID:pkdTSXhPK
小説の類をほとんど読まないくせに学生の頃から古本屋が大好きで
東京神田の古本屋街とかに行くと余裕で1日つぶせるタイプの人間でした。
最近はなかなか東京まで出る機会が無いので近場のブックオフに足繁く通ったりしてるんですが
ご存知のように店内放送でしょっちゅう音楽が流れてるんです。
その中になんかちょっと気になる曲がありまして。

スピーカーが悪い上に歌詞も早口で聞き取りにくかったんですが唯一初めから聞き取れたのが

『及び腰〜♪』

そうです。
何回か聞いてるうちにどうやらこれがアンビバレントという曲らしいということがわかりました。(笑)
同じく流れていたジコチューでいこうがあまりにク●曲なのもあいまって(こちらはタイトルが聞き取れた)アンビバレントの評価が相対的に日に日に高まりまして
ついにセールの日に通常盤を50円で買うことになりましたとさ

という近況報告で保守
0504オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
垢版 |
2019/01/10(木) 21:45:44.64ID:RL6wCBpv0
>>503
私も古本屋巡り好きです。
インターネットが普及する前などは、探してたちょっと昔の本を古本屋で見つけると嬉しかった。
神保町で古本屋をハシゴし、買った本を読みながら、喫茶店でコーヒーを飲み、カレーを食べて帰るのが、若い頃の休日の過ごし方でした。
今はamazonなんかであっという間に入手できて便利ですが、それでもたまにリアル古本屋に行きます。
0505東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/10(木) 21:48:11.40ID:ecxTJSKP0
古本の100円コーナーとかけっこう宝の山だったりしますよね。
0506理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/10(木) 22:11:14.72ID:cZQFQJbUa
神保町とゆうと高校生の頃友人とエロの性地芳賀書店に行ったのが思い出されます

まだ16才の俺と友人はエロな世界にはしゃいで騒いでたら

見知らぬオッサンに

「うるせえ!たとえガキでもエロな店には独りで来て黙々と探索しろバカ野郎!」
などと怒鳴られ男たるもののエロな店との向き合い方を教授されたものです

ああゆう大人の男が若い男にエロな世界との向き合い方を率直に伝授する世界が少なくなってしまったのが新潟のような事件が起きてしまう遠因だと密かに分析しています

天地開闢以来2番目の美人まほほんを傷つけあまつさえ謝罪までさせてしまうなど外道過ぎてドン引きですわ


おっと小説スレなのに余計なことを口走りました・・・
0507東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/10(木) 22:34:48.09ID:ecxTJSKP0
芳賀書店きたぁーー!!
あらゆるジャンルを網羅した、黒いビニールをこそこそと抱えて人目を避けながら人混みにいち早く紛れた良き思い出!
0508名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
垢版 |
2019/01/10(木) 22:47:41.83ID:pkdTSXhPK
芳賀書店は本とかも新品ばかりで値段が高くって手が出な(ry
0509名無しって、書けない?(dion軍)
垢版 |
2019/01/11(金) 00:01:57.40ID:wkUcuYem0
神保町だと@ワンダーか古書かんたんむ、か、羊頭書房。
あとは西荻窪の音羽館、ねこの手書店?と荻窪のささま書店はよく行きます。
0510オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
垢版 |
2019/01/11(金) 23:49:56.50ID:Wo2PNt0v0
2007年春

神奈川県郊外のある町の原っぱで、二人の女の子が遊んでいる。
小学二年生になったばかりの尾関梨香と上村莉菜だ。
二人でうす紫のオオイヌノフグリの花を、ままごとの茶碗に集めている。
梨香「わたし、がっかりしちゃった。二年生になると、背が高くなると思ったのに、少しも高くならないんだもん」
莉菜「その内に高くなるよ」
莉菜はのんびり答えた。

梨香は、莉菜に話そうと思ったことを、やめた。
梨香は同じチビの莉菜にもがっかりしてもらいたかったのに、莉菜は平気な顔をしていたからだ。
二人は歩き出して、ままごとの花を、もっと集めにかかった。
0511オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2019/01/11(金) 23:52:19.02ID:Wo2PNt0v0
梨香が莉菜に話したかったのは、昨日の晩と今朝の二度、家の柱で背を測ったことだった。
梨香が一年生だったとき、朝礼で並んでいる二年生を見ると、一番小さい人でも梨香よりずっと大きかった。
だから、梨香は二年生になったら、そのくらいになるはずと思い込んでいた。
二年生になる前の晩、寝ている間に背がぐぐーっと伸びるんだと考えていたのだ。
そして今朝、ドキドキしながら背の高さを測ってみると、残念ながら柱の印は昨日と同じ位置だった。
がっかりした梨香を見て、お母さんは笑いながら言った。
母「梨香。背というものはね、急には伸びたりなんかしないのよ。毎日、目に見えないくらいずつ伸びるのよ」
梨香「だって・・・」
梨香はふくれた。
梨香は自分の背の低いのがいやだった。
莉菜に話そうとしたのは、こういうことだった。
0512オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2019/01/11(金) 23:55:50.21ID:Wo2PNt0v0
今回は、童話です。
私の大好きな童話のシチュエーションをほぼパクっています。
特に何も起こらないのですが、たまにはこういうのもいいかなと。
0513手をつないで帰ろうか オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2019/01/12(土) 22:31:17.56ID:laxRQ5y90
梨香の住んでいる家から200メートルくらい離れた家に、渡邊理佐という女の子が住んでいた。
最近引っ越してきた子で、梨香や莉菜とは面識がなかった。
理佐は新一年生だが、背が高く、顔つきも大人びていた。
しかし見た目とは裏腹に、気の小さなおとなしい少女であり、泣き虫でもあった。
この日は入学式だったのだが、その帰り道に、崖の間の坂道を母に手を引かれながら泣きべそをかいていた。
この道は、両側に赤土の崖が切り立っていて、しかも崖の上には松などの高い木が何本もあった。
要は狭くて暗いため、臆病な理佐には怖くて仕方がなかったのだ。
ただし車が通らないため、学校から通学路に指定されたので、理佐は今後毎日ここを通らなければならない。

翌朝、ピカピカのピンクのランドセルを背負った理佐は、玄関で足をバタバタさせていた。
崖の坂道を通りたくなかったのだ。
母「仕方ないわねえ、この子は。今日だけは一緒に行ってあげるから明日からは一人で行くのよ」
理佐「いやだ、毎日お母さんが付いてきてくれなきゃやだよー」
0514手を繋いで帰ろうか オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2019/01/12(土) 22:34:40.49ID:laxRQ5y90
その時家の外で女の子の声がした。
「わたなべさーん」
母がドアを開けると、そこには小柄な少女が立っていた。
学校の決まりで、近所の子が1年生を一緒に連れて行ってくれるらしい。
母「ありがとう。あなた何て名前?」
梨香「おぜきりか。近所に住んでる2年生です」
母「うちの子の名前は・・・」
梨香「知ってます。わたなべりさちゃんですよね。先生が教えてくれました」
母「そう、あなた2年生なのに、ずいぶんしっかりしてるのね。うちの子は体ばかり大きくて弱虫なのよ。よろしくね」
梨香「行こうよ理佐ちゃん」
理佐「うん」
理佐はこの自分よりずっと小さい2年生が、とても頼りになる感じがした。

二人で崖の道を通る直前、理佐はごくりと唾を飲み込んだ。
暗い林の真ん中に、ぽっかりと口が開いていて、それが恐ろしい巨人の口のように見えたのだ。
泣きそうな表情になった理佐を見て、
梨香「手を繋ごうか、理佐ちゃん」
理佐はほっとして、梨香の手にすがりついた。
0515手を繋いで帰ろうか オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2019/01/12(土) 22:36:53.62ID:laxRQ5y90
その日の帰り、梨香が授業が終わって校門に向かうと、ランドセルを背負った理佐が木の下から出てきた。
1年生はだいぶ前に授業が終わっているはずだ。
梨香「どうしたの?」
理佐は恥ずかしそうに笑うだけで返事をしない。
二人は並んで歩き出した。
崖の道にかかったとき、理佐は梨香に向かって手を伸ばした。
梨香「わかった。この道が怖いんでしょ」
理佐「うん」
梨香は朝と同じように、手を繋いであげた。
坂道を降りていきながら、梨香はこの大きな子を、横目で見上げて思った。
私は小さくても、この子より大きいんだ。
こうして、これから後、毎日大きな1年生は自分よりずっと小さい2年生に手を引かれて、崖の坂道を上がって行き、また降りてくることになった。
0516理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
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2019/01/13(日) 05:43:45.05ID:7+fW7cw2a
>>515
この理佐ちゃんは良い!可愛い過ぎる

理佐ちゃんが主役張るだけで名作になるのは決まっているのにさらに心温まるハートフルなストーりー
天地開闢以来2番目に美人なまほほんが心配で落ち込んでた僕の心を癒してくれました
ありがとうございますm(__)m
0517オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2019/01/13(日) 08:34:51.59ID:I5scJpa/0
>>516
ありがとうございます。
理佐ちゃん激推しの方の温かい言葉で嬉しいです。
今でこそ姉御肌の面も出てきてますが、初期の頃のお化け屋敷ロケとかの、
ビビリ、人見知りキャラで可愛かった理佐ちゃんを思い出して書きました。
0518名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2019/01/13(日) 23:54:55.89ID:0jWl9lEAK
数日前に行った某チェーン店で不協和音の通常盤中古品が20円で売られてるのを見つけまして
店内うろうろしながら30分くらい迷ったあげく
結局買わないで出てきました

という近況報告で保守
0519名無しって、書けない?(dion軍)
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2019/01/14(月) 02:29:58.42ID:TkShdCph0
一応1通り完結させてから投稿しようとしているうちに頻度が下がってしまった。
おまけに途中で放り出すことがしょっちゅうなので完成はいつのことやら。
それに加えて最近書いてるものがダークなので
明るい方へ軌道修正中。
という保守
0520名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2019/01/14(月) 12:38:11.75ID:8M1s3glVK
以前欅坂板で活躍され(こちらにも来られていた)現在はアメブロで書かれているニャンコ坂先生のブログを見たら
今回のNGT48の一件に関する記事があり
そこに引用されていた相関図に志田愛佳の名前も出てきていて
しかもその内容が以前自分が書いた短編とそっくりなことに驚愕して

思わず保守
0521東京都と呼ばれております(茸)
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2019/01/14(月) 16:09:49.36ID:pLmq/W5md
>>520
戦争ってこうして始まるんだ、と思っております。
0522理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
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2019/01/14(月) 18:22:24.70ID:MF1dl/Iaa
まほほんを心配してるうちに好きになってしまいました・・・
0523名無しって、書けない?(やわらか銀行)
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2019/01/14(月) 19:46:44.78ID:JWtUsFYf0
わろりっち
0524オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2019/01/15(火) 01:07:13.80ID:EwLrdZL50
東京のある街ののどかな住宅街の昼下がり。
丸顔の若い女性が、電信柱にチラシの貼り付け作業をしている。
チラシには『やっと空室出ました。人気のレトロ賃貸物件。コーポ欅(朝夕食事付き)』

そこへ通りかかったのは、
麻衣「ただいま、美愉ちゃん」
美愉「あ、お帰りなさい麻衣さん。きょうは早いですね」
麻衣「きょうは仕入れだけだから。求人か・・・空室出ちゃったから大変ね。私も手伝うわ」

深川麻衣はコーポ欅の最初の入居者で、十数年ずっと住み続けている。
元舞台女優だが、今は近所の小さな古着屋の店長をしている。
もう30台半ばだが、気品溢れる美人だ。
性格も気さくでやさしく、美愉にとっては、年の離れた憧れのお姉さん的存在である。

麻衣「さて午後はのんびり読書でもしようかな」
美愉「きょうの晩御飯どうしましょうか。何かリクエストありますか?」
0525オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2019/01/15(火) 02:08:54.23ID:EwLrdZL50
二人がコーポ欅に帰ると、二階の一番端の部屋から、妖しい息遣いが聞こえる。
男女の営みのような声だ。
それを聞いた麻衣は驚きもせず、「ナーコちゃんも大変ね」と呟きながら、自室に引き上げる。
ナーコこと長沢菜々香は、別に男を連れ込んでいるわけではない(そもそもこの建物は一応男子禁制だ)。
部屋でアダルトビデオを見ていたのだ。
ただし、それは業務の一環と言えよう。
売れない漫画家である菜々香は、アダルトビデオを自分の作品の絵の参考にしていた。
マイナーな女性コミック誌で唯一の連載作品を持っているが、編集者の要望でエロ場面が必要なのだ。

菜々香の携帯が鳴って、何やら仕事の話をしていたが、やがて嬉しそうに着替えると、外出の準備を始めた。
美愉「ナーコさん、お出かけ?」
菜々香「ちょっと買い物に」
美愉「行ってらっしゃい・・・ってお金入ったんなら家賃払ってよ!」
しかし、もう菜々香の姿は消えていた。
0526オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2019/01/15(火) 22:41:22.12ID:EwLrdZL50
菜々香は、美愉の推測どおり、お金を下ろしに銀行に出向くところだった。
待望の原稿料が振り込まれたのだ。
ATMで嬉々として出金した後、菜々香はボロいメモ帳を開き、嬉しそうに眺めている。
いつも貧乏な菜々香は、買いたい物リストをメモしている。
そのリストの商品はノートからなかなか消えてくれない。
大したギャラではないからだ。
そのリストには、エアコン、かゆみどめ、マニキュア、プリン、健康サンダル・・・などがある。
エアコンは2年前くらいからの希望だが、いまだに買えない。
今回もこのリストから消えるのは無理そうだ。

そのころ、この銀行に勤める女子行員が、休憩室で私用電話をしていた。
「えっ!! 本当ですか? すぐに戻ります・・・」
彼女は上司のところに駆けつけ、早退を申し出た。
それもそのはず、彼女の住んでるマンションがガス爆発を起こしたのだ。
0527名無しって、書けない?(東京都)
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2019/01/15(火) 23:11:44.36ID:JfnZEJQa0
おっ新シリーズ 期待ですね
0528僕は幽霊に恋をする 第1話(dion軍)
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2019/01/16(水) 01:10:41.36ID:RiMeSwuH0
「寝んの早くない?」
平手友梨奈はベッドでうつらうつらする僕の横でぼそっと呟く。
「だって明日一限から有るし」
「あっ、そっか。いや、てかまじめかよ。」
「まじめで悪いかよ」
「人間、たまにはサボらないと」
「人間じゃないやつにいわれてもねぇ」
「うるせえ」
途端に室内が真っ暗闇になる。
「おやすみ。」
少し怒ったような低い声が耳元で聞こえた。
「おやすみ。」
僕がそう返事をする頃、彼女の気配はもう無かった。誰も聞いていないため息を吐いて、寝返りを打って目をつぶる。そのとき、カーテンの隙間から月光が差し込む。それは僕の上半身を突っ切って壁へ通り過ぎる。
彼女に出会ったのもそんな夜だった。
0529僕は幽霊に恋をする 第1話(dion軍)
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2019/01/16(水) 01:12:34.55ID:RiMeSwuH0
「いや、安いには理由がありましてね」
サンドウィッチマンの伊達みきお、みたいな風貌の男は軋む事務椅子を僕へ勧めながら呟いた。
「理由?」
「出るんですよ。」
伊達は声を潜めた。
「石油が?」
僕は伊達の琥珀色した眼鏡の向こうを覗いた。
「んなわけねーだろここはサウジアラビアか馬鹿たれ。」
「はっ?」
「しかも石油でるなら不動産屋なんて、いやいや、すいません。出るのはね。」
伊達は太い両手をだらんと垂らす。
「まさか指先からお茶が」
「中国雑技団か俺は」
「ちょっと何言ってるか分かんない」
「なんでわかんねーんだよ」
僕は昔から話を脇道へ逸らすのが癖になっている。
「幽霊が出るんですよ、若い女の。」
「大歓迎ですね、若い女なら」
「幽霊だぞ分かってんのかお前」
「幽霊だろうがなんだろうが女なら」
「どんだけモテねーんだよ」
兎も角興味をそそられたのでその物件をそのまま借りることにした。
0530オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2019/01/16(水) 23:25:00.30ID:bjOMsrtr0
>>527
これも実は昔のドラマの設定を参考にしたものです。
ちょっと年上の女性を出したかったので、姉さんグループの昔の一推しのまいまいに参加してもらいます。
0531理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
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2019/01/17(木) 22:12:47.26ID:kaC10h4Ua
オダオシさんも千葉県さんも新シリーズ乙でありますm(__)m
0532オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2019/01/18(金) 23:12:43.40ID:XHIGJZ8U0
鈴本家は母親が早くに亡くなり、父親がコーポ欅を経営しながら、男手一つで一人娘の美愉を育ててきた。
父親は現在、名古屋で新しい不動産屋の経営で忙しく、たまにしか東京には帰って来ない。
よってコーポ欅の管理は、美愉の手にほぼ委ねられている。
美愉は料理が好きでセンスもあり、いまだに賄い付きで運営している。
しかし今時東京でこのようなレトロなアパートが流行るわけもなく、現在店子は二人だけだ。
新しい入居者が来ないと、経営はジリ貧である。

美愉が食堂の掃除をしながら、テレビのワイドショーを見ていると、
昨日隣町で発生した、マンションでのガス爆発のニュースが流れている。
幸い死人は出なかったようだが、マンションは半焼したので、中には焼け出されてしまった人もいる。
テレビ局のレポーターが、住人らしき女性にインタビューしている。
まあ気の毒な事だが、我がアパートも火の元には気をつけないと。
さて、きょうも少しチラシ貼ってくるか・・・
0533オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2019/01/18(金) 23:20:58.58ID:XHIGJZ8U0
美愉がチラシを貼っている隣の通りで、昨日マンションを焼け出された銀行員の女性が、うつむいて歩いている。
「あーあ、住むとこ無くなっちゃったよ。これからどうしよう・・・」
とうとうその女性は近くのベンチに座り込んで、顔に手を当てて泣き出してしまった。

「どうしたの?」
ハンカチを差し出しながら優しく声を掛けてきたのは、帰宅途中の麻衣であった。
麻衣は困っている者を放っておけない性分である。
銀行員の話を聞いてやる内に、もらい泣きし始めた麻衣。
すると、麻衣を見つけた美愉が走ってくる。
美愉「何かあったんですか?麻衣さん。で、こちらの方は?」
麻衣「知らない人よ」
美愉「知らない人と一緒に泣いてるんですか? ってこの人どこかで見た気が。もしかしてマンション焼け出された人ですか?」
美愉「あれ?この人どこかで見た気が。もしかしてマンション焼け出された人ですか?」
銀行員「そうです。ニュースに映ってたのかな?」
0534理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
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2019/01/19(土) 00:40:24.68ID:Gj0GjRt8a
>>533
どんな話になっていくのか楽しみ過ぎる
0535僕は幽霊に恋をする 第1話(dion軍)
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2019/01/19(土) 02:25:00.04ID:gFIoVRm/0
新生活初日に容易く眠れる図太さはない。
真っ白の壁と月光の差し込むテラスを視線でいったり来たりする。
とろんとしはじめた時、レースのカーテンがヒラヒラと揺れた。
目を何度か瞬かせる。
青い布の裾と生白い脚が見える。
そして一言暖かな風に載って低くぼそっと、そして、興味津々という風情で。
「あ、新しい人だ。」
「あんた誰?」
驚きすぎると返って冷静になるらしい。
「えっ、ここの元住人。」
己を指さすその指先は酷く細白い。
黒髪は襟まで。ノースリーブの青いワンピース。艶やかな肌。白い唇。尖った眼差し。
「はっ?」
ベットサイドに起き上がってこの女性をじっと見る。
「だから誰よ。」
立て続けに僕は訊ねる。
「ここの元住人で平手友梨奈。年齢・・・あー、間違えた。」
頭に手を当て、少し恥ずかしそうに笑う。
「年齢はいくつって言えばいいんだ?」
僕の顔を見つめて呟く。
「僕に訊くなよ。」
0536理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
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2019/01/19(土) 11:26:32.76ID:Gj0GjRt8a
>>535
俺がイタコの理佐ちゃん書いた時に出せなかったファンタジーな雰囲気が見事に表現されてる・・・

羨ましいな
0537オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2019/01/19(土) 11:37:49.24ID:uivYJ99a0
>>533
うわーやってしまった。最後美愉のセリフが被ってしまったw

>>534
朝起きたら、隣にてちがいる。
夢のようなシチュエーションですね。
0538オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2019/01/20(日) 00:48:23.25ID:9boOVrkU0
麻衣「あの、あなたお名前は?」
銀行員「織田奈那といいます」
麻衣「呼びやすいし、可愛い名前ね。私は深川麻衣といいます。とりあえず、家に遊びに来ない?」

一時間後、奈那はコーポ欅の居間で寛いでいた。
一通り建物とその周りを見学させてもらった奈那。
確かに古そうな造りだが、共用スペースがゆったりしていて、小さいながら庭もある。
すぐ近くには用水路が流れており、緑も多い。

台所からは、美愉の作っているカレーのいい匂いが漂う。
きょうは夕飯をご馳走してくれるとのこと
すると二階から女性が下りて来た。
0539オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2019/01/20(日) 00:50:12.64ID:9boOVrkU0
奈那「お邪魔してます」
菜々香「麻衣さんの知り合い?」
そう言いながら食卓に並べられたらっきょをつまみ食いする菜々香。
麻衣「きょうお友達になったのよ」
奈那「深川さんには親切にしていただいて」
美愉「それにしても大変でしたね。いろいろ燃えちゃったんですか?」
奈那「日用品はほとんど・・・まあ火災保険には入っているので」
麻衣「これから住むところはどうするの?」
奈那「銀行の寮に入れるよう交渉しようと思ってるんですけど」
美愉「あの・・・ここ部屋開いてるでんですけど、よかったら入居しませんか?」
0541名無しって、書けない?(東京MX)
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2019/01/20(日) 15:40:10.88ID:KxRPmdjn0
スナック眞緒物語♯1(その1)
カランコロン。
「あら、いらっしゃい」
お店のドアのベルが鳴り、スナック眞緒の店内に眞緒ママの甲高い声が鳴り響く。
やって来たのは金村美玖だ。
普段ならバイトの愛萌は入り口に駆け寄るところだが、今日は質の悪い酔っ払い客につかまっている。
「おい、オメー、中日からドラフト一位指名受けているくせに春季キャンプに参加しなくていいのか!」
「根尾君じゃねーよ」
「バッキャロー、なんだ、客に向かってその口の利き方は!まあ、いい、与田祐希とミニラが似ているのはオメーわかるか?」
厭味ったらしくわざと丁寧な言葉使いで愛萌は答える。
「ミニラ様というとゴジラ様のご子息のミニラ様ですか?与田様と似ているということはワタクシ存じ上げておりませんのよ」(続く)
0542名無しって、書けない?(東京MX)
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2019/01/20(日) 15:41:04.13ID:KxRPmdjn0
スナック眞緒物語♯1(その2)
「与田祐希は能條愛未に似ている。能條愛未は富田鈴鹿に似ている。富田鈴は伊藤寧々に似ている。伊藤寧々はミニラに似ている。
だから与田祐希はミニラに似ているんだよ。どうだ参ったか、このやろー」
「ああ、しょうもない」と言って、その客から愛萌は離れ美玖のいるほうに行く。
眞緒ママが愛萌に声をかける。
「愛萌、怒らないの、根尾君っていい男じゃない」
「そりゃー根尾君はかっこいいですよ。でも、私は女の子なんだし、綺麗な女性タレントさんに似ていると言われるなら嬉しいけど、
男の人に似ていると言われたら怒りますよ」(続く)
0543名無しって、書けない?(東京MX)
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2019/01/20(日) 15:42:36.12ID:KxRPmdjn0
スナック眞緒物語♯1(その3)
二人のやり取りが終わるのを待って美玖が口を開く。
「ねえ、数学とかで円周上を点Pが一定の速度で動いたとき、その正射影の式はどういう式で表されるのかとかいう問題あるでしょ。
あれって、何の役にたつの?
今の日常生活でも役に立ったことはないし、将来でも何の役にも立たない気がするの!」
愛萌が共感の声を上げる。
「わかる、わかる。サイン、コサイン、タンジェントと呪文のように私も覚えたけど、なんのためこんな勉強しなくちゃいけないのかと思った」
「でしょう、中学生のころから疑問なの。『1個100円のミカンと1個200円のリンゴが合計で6個あります。
合計金額は800円です。ミカンとリンゴの数はいくらあるでしょう』とかいう問題もあるでしょう。
それぞれの値段もわかっていて、合計の数もわかっているのに、それぞれの個数が分からないなんていう状況なんてあるぅ?」(続く)
0544名無しって、書けない?(東京MX)
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2019/01/20(日) 15:43:53.94ID:KxRPmdjn0
スナック眞緒物語♯1(その4)
「ホントそういう設定って無理ゲーよね。
数学なんて本当にそれが必要な人だけがやるべきもの。
数学なんてやる時間あったら、古文とか漢文とかを高校のときからもっと勉強したかった」
「そうそう、高校のときから進路に応じて学ばなきゃいけない科目をはっきり分けるべき。
そう言えば、高校の普通科を見直して。専門性の高い学習を増やすという方針を今月の初めに文科省が打ち出したね。
私の思っていることが証明された」と美玖が誇らしげに言う。(続く)
0545名無しって、書けない?(東京MX)
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2019/01/20(日) 15:45:00.39ID:KxRPmdjn0
スナック眞緒物語♯1(その5)
近くにいた客がたしなめる。
「専門教育に特化しようとする文科省の目論見はおそらく失敗するね。
アメリカでは一流大学であればあるほど2年間みっちり教養教育をやるんだよ。
そしてそのほうが社会では成功しやすいという明確なデータも出ている。
ゲノムとかAIとかは社会にものすごく大きな影響を与えるので、技術者は専門知識があるだけではだめで、
社会の価値観を広く共有しなくてはいけない。
だから、リベラルアーツ、つまり、教養教育が必要なんだ。
俺は文系じゃないけど、同じように文系畑の人にも、今はその必要性が分からなくても、数学とかは必要となることはきっとある」(続く)
0546名無しって、書けない?(東京MX)
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2019/01/20(日) 15:46:15.67ID:KxRPmdjn0
スナック眞緒物語♯1(その6)
その話を受けて、文学少女の面目躍如たると愛萌が語りだす。
「そういえばフランスの女流作家サガンの『悲しみよこんにちは』でこんな場面があった」
遠くの席から先の酔っ払い客が叫ぶ。
「バッキャロー、サガンなんてモルヒネ中毒のジャンキーだったんだぞ」
無視して愛萌は話を続ける。
「父親との再婚が決まると、優しかったアンヌが主人公のセシルに突然厳しくなる。
『いま努力する理由はわからなくても、必ずあなたの将来の役に立つことがある』と勉強するのを特に強要する。
それはアンヌのセシルに対する深い愛情だというのが仄めかされているんだけど」
「愛萌、何で寝返るのよ!具体的には数学がどう必要になるの?」と美玖が不満そうに突っ込む。(続く)
0547名無しって、書けない?(東京MX)
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2019/01/20(日) 15:49:14.69ID:KxRPmdjn0
スナック眞緒物語♯1(その7)
「たったいま思い当たる節があるのを思い出した。
民俗学を勉強していて行き詰ったときに、高校数学で習った行列を思い出して、乗り越えられるような気がした」
「民俗学?」と美玖が尋ねる。
「一般庶民の生活・文化、つまり、民話を研究する学問で、私の大学に縁の深い折口信夫とかその師匠である柳田国男とかが研究者で有名」
また、酔っ払い客が叫ぶ。
「バッキャロー、折口信夫なんてモーホーだったんだぞ、モーホー」(続く)
0548名無しって、書けない?(東京MX)
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2019/01/20(日) 15:50:29.09ID:KxRPmdjn0
スナック眞緒物語♯1(その8)
美玖も無視して、愛萌に尋ねる。
「で、それが行列と何の関係があるの?」
「行列って、さあ、普通の数の0や1に相当する零因子や単位行列が存在するし、結合法則や分配法則は成り立つ。
だけど普通の数で成立する積の交換法則が成り立たず、普通の数とは違った論理体系がある。
その中に入り込んで地道に身に付けようとしなければ、その特有の論理を理解することはできない。
民俗学でも、現代の常識や価値観に染まった考えを殺さなければ、必ずしっぺ返しを食う。
ある民話はその民話の論理を以て貫徹され、異なった社会は異なった社会の論理の中でしか理解できない。
そこがとても似ているような気がしたの」(続く)
0549名無しって、書けない?(東京MX)
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2019/01/20(日) 15:51:30.51ID:KxRPmdjn0
スナック眞緒物語♯1(その9)
近くにいた客が口を開く。
「数学の考え方は世界を把握して記述する方法を教えてくれる。
より多くの方法を知っていれば見える世界もそれだけ多くなる」
再び不満そうに美玖が言う。
「え〜、私の味方はいないの?」
しびれを切らした眞緒ママが叱咤激励する。
「美玖ちゃん、アンタまだ高校生なんだから勝手に決めつけていないで、言われたことを素直にやっておけばいいの。
勉強することは大事よ、大事。
何なら、私が勉強教えてあげましょうか?」
「え!?教えるって?ママがですか?それだけは遠慮しておきます」と美玖は笑う。
愛萌はそのやり取りを聞いていない。
与田→能條→富田→寧々→ミニラのルートを頭に刻み込んで、明日誰かにそのネタを話そうと考えている。
今日もスナック眞緒は大繁盛♪(了)
0550名無しって、書けない?(東京MX)
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2019/01/20(日) 15:53:26.56ID:KxRPmdjn0
久しぶりです、以前にいた東京都です。
庭さんや大阪府さんにはお世話になりました。
別の東京都さんが今は常駐しているようなので、今後は「東京MX」で現れることにします。
0551名無しって、書けない?(東京MX)
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2019/01/20(日) 15:54:44.26ID:KxRPmdjn0
特に原案はないですが、先週の「ひらがな推し」の金村美玖のお題への回答を踏まえて書きました。

>点Pが動いたところで、私の将来に何の関係があるの?
0552名無しって、書けない?(東京MX)
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2019/01/20(日) 15:55:21.72ID:KxRPmdjn0
タイトルと冒頭と末尾の文は、宮田愛萌がブログで書いているのをテンプレとして使いました。
0553オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2019/01/20(日) 16:21:46.55ID:9boOVrkU0
東京MXさん、初めまして。
数学から民族学、文学と幅広い造詣、素晴らしい。
言われてみれば愛萌ちゃんと根尾は似てますねw
能條さんと与田ちゃんは似てるかな〜?
0554千葉県だったりdion軍だったりする人(catv?)
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2019/01/20(日) 16:31:07.21ID:u0cPkeYP0
また新たな人が・・・!
よろしくお願いします。
0555理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
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2019/01/20(日) 17:13:06.08ID:NvX66s/aa
>>539
だんだん住人が増えてコーポ欅が主役みたいな展開好き

>>550
お帰りなさいませm(__)m
相変わらず独特な作風が渋いです
0556太陽に背を向けて(catv?)
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2019/01/20(日) 17:15:52.28ID:u0cPkeYP0
メトロのホームで突然、心臓が歌いだしたのは、渡辺梨加に偶然出会ったからだ。
それは早春の昼下がりのこと。
「あ・・・久しぶり」
黄土色のトレンチコートは地下鉄の風に踊るようで、梨加は赤色のネイルをした指先でそれを抑えた。
互いに挨拶を交わしたきり無言になった。
列車は口を開き、人を吐き出したり、飲み込んだりしている。
梨加はそれを横目に立ちすくんだままだった。
僕もそうだった。
結局、田園都市線直通 急行 中央林間行は二人を待たずに走り去った。
汗が背中を伝ったのはまだ早い春の訪れに体がなれないせいだろう?
0557太陽に背を向けて(catv?)
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2019/01/20(日) 17:16:40.62ID:u0cPkeYP0
緑色の硬いベンチに二人。
ピンクのカバンを膝に僕へ尋ねる。
「何年ぶりだっけ」
「高校以来だから2年ぶりくらいかな」
「元気だった?」
梨加は僕にそう訊ねたあと小さく笑った。
僕も釣られて笑った。
「なんとか。大学も試験終わったし」
「そっか。大学。」
「梨加は?」
「わたし?わたしはいま青山のね、デザイン事務所にいるの」
「そうなんだ」
「うん。結構楽しい。」
途絶え勝ちの会話は今も昔も変わらない。
「お昼はなんか食べた?」
「ううん、これから」
梨加が首を振るとオレンジの香りがした。
「そっか」
「じゃあ、食べに行こっか?」
膝に爪をたて指先を白くする僕に梨加はそっと訊ねる。
いつもそうだった。
梨加は一歩、先回りをする。
いや、そうじゃない。
僕がたんに意志薄弱なせいだ。
0558太陽に背を向けて(catv?)
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2019/01/20(日) 17:17:40.69ID:u0cPkeYP0
「行こうか。」
シルバーの列車が滑り込むと。
また、あの生ぬるい風が吹く。
東武の列車です。と赤い文字列が瞬く。
それは各駅停車の南栗橋行き。
2人でそれに乗り込んだ。
古いエンジン音に看板が滲む。
大手町駅はもう青い闇の中に消え去って、
僕はグリーンのシートに座りながら思った。
この列車が各駅停車で良かった、と。
「どうしたの?」
コートのポケットに手を入れて梨加は訊ねた。
「いや、なんでもない。」
「揺れますのでご注意ください。」
アナウンスがそう告げた。
メトロはゆっくりと二人を次の駅へ運ぶ。
0559名無しって、書けない?(catv?)
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2019/01/20(日) 17:23:54.42ID:u0cPkeYP0
メトロのcm風に。
モチーフはそのcmに使われていた、太陽に背いて。タイトルは太陽に背いての誤字。
0560名無しって、書けない?(家)
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2019/01/20(日) 20:59:36.05ID:9boOVrkU0
美愉「これで荷物全部?」
奈那「焼け出されたんで身軽なものよ」
奈那は、勧誘されて入居を即決した。
一目見た時から、レトロで味わいのあるコーポ欅が気に入ってしまったのだ。
賄い付きというのも、今の奈那にはありがたい。
それに同居人の麻衣は本当に優しいし、若い大家の美愉は可愛らしいしっかり者で、姉妹が一度に出来たようだ。
落ち込んでいた時、麻衣が「世の中には幸も不幸もない。考え方でどうにでもなる」と言ってくれた言葉が、実感できた。

美愉は、大事な事を父親にメールで連絡するようにしている。
『真面目な銀行員の方が、正式に入居してくれました。アパートのやりくりも少し立ち直せそうです』
0561オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2019/01/20(日) 21:07:32.68ID:9boOVrkU0
初夏の陽気で暖かいある晴れた土曜日。
コーポ欅での生活にも慣れた奈那は、庭で鉢植えの花に水をやっていた。
「もしかして、暇?」

自室の窓から菜々香が声を掛けてきた。
菜々香はだいたい部屋にこもって原稿を書いているので、珍しい。
仕事が一段落ついたのかもしれない。
菜々香「散歩に行かない?」

菜々香と二人きりで話すのはほぼ初めてだった。
どこへ行くとも言わず、のんびり歩く菜々香。
そして金網をくぐったりしながら、近くの中学校に向かっていた。
0562オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2019/01/20(日) 21:13:18.93ID:9boOVrkU0
二人は、プールの見えるベンチに陣取った。
水着姿の生徒たちがプールで水の入れ替え作業をしているのが見える。
菜々香「私、水が一回空になって、また一杯になるのが好きなの」
そう言って、缶ビールを開ける。
奈那「へんな趣味ですね(笑)」
菜々香「人もこんなふうに、中身を全部出して、取り替えられたらいいのにね」
奈那「もしかして焼け出された私の事、励ましてくれてるんですか?」
菜々香「そんな偉い立場じゃないよ、私。その日暮らしの売れない漫画家だし。ねぇビール飲まない?」
そう言うと、バッグから財布だけ出して走っていった。

残された菜々香のバッグから、免許証なんかが飛び出ていたので戻してあげる。
何気なくその免許証を見る奈那。
「私より一つ年上か。若く見えるな。えっ明日誕生日じゃん」
0563東京都と呼ばれております(東京都)
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2019/01/20(日) 21:19:21.81ID:KkAK/ax80
>>550
何かすいません。
あまりお気になさらずとも良いですよ。
0564名無しって、書けない?(東京MX)
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2019/01/20(日) 21:41:49.15ID:KxRPmdjn0
>>553
はじめまして、よろしく。

>能條さんと与田ちゃんは似てるかな〜?
人によって見え方は違うものですね。
与田→能條と富田→寧々のラインだけは個人的には鉄板だと思っていました。
0565名無しって、書けない?(東京MX)
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2019/01/20(日) 21:42:26.05ID:KxRPmdjn0
>>554
こちらこそよろしくお願いします。
0566名無しって、書けない?(東京MX)
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2019/01/20(日) 21:42:52.86ID:KxRPmdjn0
>>555
お久しぶりです。
0567名無しって、書けない?(東京MX)
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2019/01/20(日) 21:43:45.88ID:KxRPmdjn0
>>563
こちらこそすみません。
他の人が混乱しないように、やっぱり「東京MX」を名乗るようにします。
0568名無しって、書けない?(東京MX)
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2019/01/20(日) 21:44:42.71ID:KxRPmdjn0
>>542
×富田鈴鹿
○富田鈴花
0569名無しって、書けない?(大阪府)
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2019/01/21(月) 23:07:49.31ID:qthBgg9x0
このスレの人たち的には黒い羊どうなんでしょうかね
個人的には、二番サビ前てちこさんの「全部僕のせいだ」がHydeっぽいなってだけですね
もっと他のメンバーのソロも聞きたいな

>>550
こちらこそその折はどうもお世話になりました
失礼ながらずっと東京都さんを元祖東京都さんと勘違いしてましたm(_ _)m

>>541-549
数学ってやっぱ必要ですよね
言語とも関わりが深いし、そもそも数学それ自体も面白いですからね
0570理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
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2019/01/21(月) 23:40:42.19ID:GFhU1YXra
>>569
正直あまり楽曲に興味が無くなってますね
この路線に飽きたというか・・・
そろそろ乃木坂姉さんみたいな衣装でアイドルっぽいのが見たいかなと
青空が違うみたいな笑顔が欲しいですな

理佐ちゃんのポジションと扱いが良いかどうかしか興味無い俺はもはや欅坂ヲタでは無いかもしれないですw
0571名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2019/01/21(月) 23:45:40.25ID:mRmZ/3NOK
>>569
またブックオフで思いがけず耳にするまで待とうと思ってます(笑)
0572東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/22(火) 00:06:12.10ID:xapAIV4M0
初期の三部作から「月スカ」を経て辿り着いた欅坂46としての型とでも言いましょうか。

「二人セゾン」は声は無くともこれからこの世界で活きて逝こうとしている彼女達の喜びに溢れた生命力が目にに入って来るやうで大変耳障りの良い曲でした。少し秋めいた雰囲気も良かったです。

「黒い羊」は叫ばすとも伴奏や歌声の隙間から悲哀や嘆きが染み出て来るようで、言葉にできない想いがより心に刺さる様に思えました。

飽くまで個人の感想でありますが「僕は嫌だっ!」なんてわざわざ言わなくてもと思ってしまうのです。

などど評論家気取りで生意気に綴ってみたけどそんな事より個握のが楽しみであります!!
誰にすっかなぁー!!
0573理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/22(火) 00:21:03.78ID:Prk4PorIa
>>572
理佐ちゃんに行ったら仮病使ってでも休めって伝えて〜
最近目に見えて気が枯れてるから心配が半端ない・・・
0574黒い羊(dion軍)
垢版 |
2019/01/22(火) 01:13:48.27ID:I+sl1HQe0
雨に烟る街で彼女は一人佇む。
僕は傘をさしたままそれをじっと見ている。
人混みは夕方に忙しなく彼女を横目で通り過ぎる。
駅前の歩道橋。百貨店横の路地から僕は彼女を見ていた。
ほっておけず、彼女に傘を差し出した。
「濡れるから」
雨粒は掌の体温を容赦なく奪う。
そう彼女に告げる僕の唇も白くなっていた。
「いい。」
傘を退けて低く呻いた。
「濡れるから」
「ほっといてよ。あんたにわたしのなにが分かるの」
黒髪の先は透明の雫が垂れている。
青い制服のシャツが皮膚に張り付いている。
「風邪引くから」
僕はなかば無理やり彼女を傘の下に入れた。
僕が固く握る琥珀の柄に手を重ねて、
「ごめん、あんまり素直じゃなくて」
大人びた声が僕の耳を貫いた。
0575黒い羊(dion軍)
垢版 |
2019/01/22(火) 01:14:24.60ID:I+sl1HQe0
彼女はベットに寄りかかりながら二、三度嚔をした。
「やっぱ風邪引いてんじゃん」
黒のシャツに着替えた彼女は
「ごめん」
とバツが悪そうに謝った。
「謝るなよ。」
「うん。」
彼女は少し安心したような顔で僕を見た。
0576名無しって、書けない?(dion軍)
垢版 |
2019/01/22(火) 01:15:05.26ID:I+sl1HQe0
さきほど黒い羊を聞いた時に浮かんだ景色をかいてみるなど。
0577名無しって、書けない?(dion軍)
垢版 |
2019/01/22(火) 01:18:26.40ID:I+sl1HQe0
黒い羊、せめてベースは生を使って欲しかった。正直、またこの路線か。と思った。
0578名無しって、書けない?(東京MX)
垢版 |
2019/01/22(火) 20:59:48.58ID:mg1lb3va0
>>569
どうも久しぶりです。
0579名無しって、書けない?(東京MX)
垢版 |
2019/01/22(火) 21:02:07.82ID:mg1lb3va0
>東京都さんを元祖東京都さんと勘違いしてました
向こうの東京都さんのほうがたぶん元祖ですね。
このスレの系列に当方が最初に書いたのが1年半前くらい。
それ以前に向こうの東京都さんは書いていたような記憶があります。
口語なのに文語調のリズムで、ああいう文体は書けないなと思っていました。
0580名無しって、書けない?(東京MX)
垢版 |
2019/01/22(火) 21:05:33.64ID:mg1lb3va0
>黒い羊どうなんでしょうかね
曲はまだ聞いておらず、ネット検索で見た限りの歌詞で判断すると、またああいう路線かという感想ですかね。
CD発売の間が空いて、ひらがなメンの人気が急上昇していることもあり、おそらく軽くミリオンを超えそうだけど。
だけど、ひらがなメンの握手苦行の上にそれは成立するので、ああいう歌詞を見ると嫌な感情が湧き上がってきますね。
早くひらがなけやきをCDシングルで独立させてほしい。
0581名無しって、書けない?(東京MX)
垢版 |
2019/01/22(火) 21:10:45.82ID:mg1lb3va0
>数学ってやっぱ必要ですよね
数学を題材にした小説も多いですね。
たとえば、素数をモチーフにした「博士の愛した数式」とか。
でも、小説と数学との関連で個人的に思い出すのはラクロの「危険な関係」ですね。
主要な人物だけでも10人近くいて複雑に錯綜するのに、巧みに組み合わせた書簡だけで、かくもロジカルに書けるものかと驚きました。
ラクロは数学者でもあったということを知って、なるほどなと思いました。
0582名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
垢版 |
2019/01/23(水) 21:43:40.96ID:F8Qcs5AXK
皆さん乙です

欅ちゃん達を描くことが激減したことなどを理由に昨年4月にAKBサロン(裏)板に引っ越したお絵描きスレが完走間近になってきたため、本日次スレを立ててきました

というスレチ近況報告で保守
0583理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
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2019/01/23(水) 21:49:18.93ID:ijWqrj/+a
>>582
秋元G色々有りすぎて理佐ちゃんが心配で鬱々としてるので気分転換に鑑賞しに行きたいんでスレ貼ってくださいm(__)m
0584名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
垢版 |
2019/01/23(水) 21:55:47.85ID:F8Qcs5AXK
>>583
そうおっしゃるなら

現行スレ
【48&46】お絵描きスレ@サロン板
http://lavender.5ch.net/test/read.cgi/uraidol/1522539840/

次スレ
(まだdat落ち防止のための現行スレからの転載だけです)
【48&46等】続・お絵描きスレ@サロン板
http://lavender.5ch.net/test/read.cgi/uraidol/1548226088/

ついでに
【保管庫】HKT4コマ漫画【5コマもあり】
http://krsw.5ch.net/test/read.cgi/hkt/1536651109/
(ネタはHKT48ファンでないとわからないものが大半ですがダジャレネタもあります)
0585名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2019/01/23(水) 22:04:26.43ID:Td5+hKHfd
そろそろここも次スレのタイミングが
0586名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2019/01/23(水) 22:16:23.46ID:F8Qcs5AXK
>>585
現在はスレ3〜4日放置でdat落ちする感じみたいです
字数制限もかなり来てるでしょうしそろそろですね
0587理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/23(水) 22:21:27.29ID:ijWqrj/+a
俺も小説スレは卒業の身なのでスレ立てはお任せします
0588理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/24(木) 22:59:37.43ID:FS7pG2ata
【妄想】まほほんだから好き【小説】
https://mao.5ch.net/test/read.cgi/ngt/1548332954/

NGT 板にフランチャイズ1号店が出来ました
まほほんを応援してあげてくださいm(__)m
0589理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/25(金) 09:23:25.66ID:b+irjspPa
まほほんだから好きは誰でも妄想出来るスレなので書きに来てくだせえm(__)m
0590名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2019/01/25(金) 17:16:36.80ID:OAEnGJt8d
>>589
描きたいのは山々ですが如何せん、まほほん の知識があまりないので・・・
0591名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2019/01/25(金) 17:18:39.59ID:OAEnGJt8d
次のスレは7スレ目でいいですかね。
僕が間違ってこのスレを6にしなきゃいけないのを、5にしてしまったままだったので。
0592名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2019/01/25(金) 17:26:51.81ID:OAEnGJt8d
初代スレが2月17日に立てられたのでそれに合わせて次スレを立てたかったりしたけど
忘れそう
0593名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
垢版 |
2019/01/25(金) 17:39:45.59ID:cD7lXn7CK
次は7でいいんじゃないですかね
それに次スレを2月17日までに埋めるぐらいの勢いで投稿すれば無問題(笑)←他人事
0594名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2019/01/25(金) 18:19:33.11ID:OAEnGJt8d
立てられなかった・・・
0595名無しって、書けない?(茸)
垢版 |
2019/01/25(金) 18:21:08.17ID:OAEnGJt8d
>>593
意気揚々と新スレたてようと思ったらまたの機会にどうぞとやんわり拒否られました(泣)
0596理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/25(金) 21:52:04.48ID:fr6Ux+hDa
>>590
俺も俄まほほんヲタなのでまほほんヲタの皆さんに任せようかと思ってます
だから好きスレの主旨としては推しメンへのキモいぐらいの過剰な愛がテーマなのである意味我々には出番が無いのかもw

新スレ立ててみましょうか?
0597名無しって、書けない?(dion軍)
垢版 |
2019/01/25(金) 22:18:59.09ID:8DHkdNF00
>>596
お願いします
0598理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/25(金) 22:40:07.76ID:fr6Ux+hDa
>>597
報酬として理佐ちゃんだから好きスレのフランチャイズ募集の広告を貼ってもいいでしょうか(悪い顔)
0599名無しって、書けない?(dion軍)
垢版 |
2019/01/25(金) 22:46:34.34ID:8DHkdNF00
>>598
ウェルカムです
0601名無しって、書けない?(dion軍)
垢版 |
2019/01/25(金) 23:48:00.24ID:8DHkdNF00
>>600有難うございます!
0602理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/25(金) 23:52:10.69ID:fr6Ux+hDa
>>601
どういたし〜

しかし、過去スレの数が凄いw
0603名無しって、書けない?(東京MX)
垢版 |
2019/01/26(土) 19:35:46.06ID:xbJzQvgN0
>>600
乙です。
新スレのお祝いに何か書きますね。
0604理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/26(土) 20:52:38.70ID:AplQpFh/a
>>603
よろしくお願いしますm(__)m
0605名無しって、書けない?(東京MX)
垢版 |
2019/01/26(土) 23:03:53.44ID:xbJzQvgN0
>>604
すみません、もう一度、謝っておきます。
新しく立ち上げた個別小説スレにも書いたのですが、やっぱりIP表示が嫌なので、
せっかく庭さんがつくってくれたスレですが、そちらには書かないことにしました。
0606理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/26(土) 23:16:28.27ID:AplQpFh/a
>>605
わざわざこちらにまで御丁寧にありがとうございますm(__)m
0608理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/26(土) 23:28:40.31ID:AplQpFh/a
>>607
何をおっしゃいます

俺こそ早々に独立してしまった逃亡兵ですよw
今の小説スレの主宰である千葉県さんは優しい方なのでちょくちょく遊びに来てください

さりげなく千葉県さんに小説スレを託す俺w
0609千葉県だったりdion軍だったりする人(dion軍)
垢版 |
2019/01/26(土) 23:30:55.75ID:2QyPccib0
そして誰もいなくなった
0610千葉県だったりdion軍だったりする人(dion軍)
垢版 |
2019/01/26(土) 23:33:46.98ID:2QyPccib0
ミッシェル・ルグランが亡くなった・・・
0611理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/26(土) 23:35:38.29ID:AplQpFh/a
>>609
大阪府さん戻って来たと思ったらまた流浪の民になってしまいましたね

チワンさんは48系の板で千葉師匠として第2の生を生きて居られましたw

元々小説スレやネタスレは長く続かない定めですからね
長く続いた代わりに新陳代謝で作家さんが入れ替わるのは仕方ないのかも・・・
0612名無しって、書けない?(pc?)
垢版 |
2019/01/26(土) 23:36:21.05ID:7eOS65mK0
IPはマズかったな
もう小説スレは個々に立てたらいいよ
地下時代もあったが荒らされまくって廃れたし
0613理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/26(土) 23:38:31.64ID:AplQpFh/a
IPって良く分かんないんだけど教えてくだせえ
0614名無しって、書けない?(dion軍)
垢版 |
2019/01/26(土) 23:46:01.32ID:2QyPccib0
IPなしを建て直しますかね
0615理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/26(土) 23:49:57.04ID:AplQpFh/a
>>614
IP ってなんなの?
0616名無しって、書けない?(東京MX)
垢版 |
2019/01/26(土) 23:50:36.23ID:xbJzQvgN0
>>613
IPからは、個人名や細かい住所まではわからなくても、おおよその住んでいる地域などの情報を判別することができます。

スレ立するとき、1行目「!extend:checked:vvvvvv:1000:512」を書くとIP表示となるようです。
0617理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/26(土) 23:58:36.17ID:AplQpFh/a
>>616
そうなんだ
住んでる地域が分かるなんて凄いですね
0618東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/27(日) 23:15:42.11ID:t8PReufy0
保守がてら「あとがき」を寄せたいのですが。
。。。どうでしょうか
0619理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/28(月) 13:38:22.80ID:mgpikimta
>>618
よろしくお願いしますm(__)m
0620東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/28(月) 16:38:44.86ID:qwv5J32z0
東京都であります。
 皆様の御眼を、この「あとがき」と言う名の言い訳でもって汚さしめる事を御許しください。
 
 まず、良く理解出来ていなくて何となく想像で書いている所が多数あります。
 勿論調べられる所はネットと手持ちの資料と私の気力と集中力の続く限り調べましたが、地頭の悪さと浅識な教養は隠しようにも隠せず、体系的に文学を学んだ方々には敵いようもありません。
0621東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/28(月) 16:42:24.56ID:qwv5J32z0
>>620
また、歴史や事実に準えて書こうとしますと、全て一から十まで間違いが許され無くなります。
 そうすると私の知識量の限界値に容易に達してしまい先に進めなくなります。ですのであらゆる処でかなり不自然に曖昧です(例えば、本当は『九州』と書きたいところを『西』とかぼやかす等)。
 お恥ずかしい限りですがこれが工業高校機械化卒のおっさんの限界であります。
0622東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/28(月) 16:43:32.09ID:qwv5J32z0
>>621
「爵」とか「候」とか。字面が格好良くていざ使ってみようと思っても、貴族だの華族だのと呼ばれる人達の地位の差違や由来とかも良く解りません。
 昔の結婚の仕組みとか仕来たりとか。そうゆう制度とか慣習みたいなやつって私にはさっぱり縁がなく、見当がつきません(後日NHKの番組で旧華族制度を知る)
 何となく色々な組織を、それっぽく形にしようと努力はしていますが、物の解る人が観たら多分無茶苦茶です。
0623東京都と呼ばれております(東京都)
垢版 |
2019/01/28(月) 16:47:18.28ID:qwv5J32z0
>>622
ストーリーは自分でも確認しながらでないと解らなくなりました。
 時系列的に矛盾を無くそうとすると頭がパニクりました。
 最終的に何とか矛盾は無い様に出来たはずだと思いたい!
 
 そして仕舞いには菅井様とあかねんを薬中で死なしめました。
 不謹慎この上無ありません。
 不快に感じる方もいらっしゃったと思います。素人の落書きと思い、どうかご容赦ください。
 また暫く潜ります。
 次はもっとエロに徹したものを!
 読んで下さった皆様ありがとうございました。
0624名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
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2019/01/28(月) 17:09:10.35ID:cSbppWzpK
あとがき乙であります

この件に関して私見を述べますと
ここは所詮5chであるので
そこの書き込みに完成度だけ求めてもつまらないんじゃないかと

もちろん向上心とかを否定するものではないですが
多少時代考証や設定が辻褄合わなくても
あとで自分で読んで楽しい(←ここ重要)ものが自由に書けるのがいちばんじゃないかと

そう思ってます
もちろんネットマナーは守ったうえでですが

とにかく楽しい作品をありがとうございました
またいずれ期待してますね(笑)
0625東京都と呼ばれております(東京都)
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2019/01/28(月) 18:53:14.40ID:qwv5J32z0
>>624
ちょっと考えすぎだったかもしれません。
もっと気楽に考えます!
ありがとうございました。
0626理佐ちゃんを愛し理佐ちゃんに愛される予定の男(庭)
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2019/01/28(月) 21:09:02.26ID:mgpikimta
気楽に適当が一番ですよ

そうじゃないと俺の妄想なんてめちゃくちゃな設定ですからねw
0628理佐ちゃんを愛し理佐ちゃんに愛される予定の男(庭)
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2019/01/28(月) 21:48:54.52ID:EwfH/L04a
>>627
スランプ解消にゆいぽんだから好きスレて妄想してくださいm(__)m
0629名無しって、書けない?(大阪府)
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2019/01/28(月) 21:54:48.79ID:Ijg5SahG0
>>623
僕は問題ないと思いますよ
他人の目を気にして客観的に自分のこと分析できてる間は、人間は正常のような気がします
むしろ気を付けなければばらないのは、いらぬ被害妄想で自己を傷つけるような考え方に陥らないことですかね
0630名無しって、書けない?(大阪府)
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2019/01/28(月) 21:59:07.37ID:Ijg5SahG0
>>628
今年はフランチャイズの年になりそうですね
MV公開で復活する可能性大なので、それまでにお邪魔するかもしれませんw

にしても、もんちゃん3列目か…
0631オダオシ ◆WtjE1ynjtQ (家)
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2019/01/29(火) 03:43:15.28ID:eIq9Y7Bm0
>>623
東京都さん、お疲れ様でした。
戦争ものですから、たくさん人が死んでしまうのは仕方ないですよね。
>>624
あとで自分で読んで楽しいものを、というのに非常に共感できます。
私はこれを重要視してるかも。
0632理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
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2019/01/29(火) 23:01:57.09ID:2FrHe1mEaNIKU
>>630
理佐ちゃんの名をより広めながら俺が『理佐ちゃんだから好きスレ』に集中するという二兎を追うためのフランチャイズ構想なんですけど

早くも妄想してくれる人不足でフランチャイズ構想が頓挫しそうですw

『ゆいぽんだから好きスレ』は東日本ちゃんが頑張ってくれそうなんですけど『まほほんだから好きスレ』は俺が書かないとダメかも・・・

小説は難しいけど妄想は我々ヲタの得意分野たから簡単に書き手が集まると思ってたんですけど絵に描いた餅を描いちまいました・・・

簡単に妄想浮かぶための方法を伝授するスレ立てて講座しようかなw
0633名無しって、書けない?(大阪府)
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2019/01/30(水) 19:36:32.01ID:sng69SKZ0
>>632
妄想を文字にした時の“これじゃない感”が一番の問題でしょうね
夢ノートなんかでも有りがちですが、空想のスケールに筆力がついていかず、無力感に苛まれて、やがて書くことに飽きる
みんな持っているものはそれぞれ素晴らしいんでしょうけどね

> 簡単に妄想浮かぶための方法を伝授するスレ
単純に気になる…
これだけで金取れるんじゃないですかねw
0634庭式妄想の流儀 その1(庭)
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2019/01/30(水) 20:31:12.81ID:RT+eGe3ja
>>633
先ずは妄想の基本のきたる主人公である理佐ちゃんをプロファイリングします

リアルなプロファイリングは絶対に無理なので自分の好みなどを加えて極力自分にとって完成度の高いプロファイリングを目指します

これはヲタならば基本的に日々無意識にやっている作業なので改めてしなくても問題ない作業だと思いますが

これの完成度が低いと妄想の中で理佐ちゃんが勝手に行動したり喋ったりしてくれないので妄想してて楽しくありません
せっかく妄想してるのに理佐ちゃんの行動や台詞を俺が自分で考えてたらデレること言われても感動出来ませんからw
0635庭式妄想の流儀 その2(庭)
垢版 |
2019/01/30(水) 20:35:42.53ID:RT+eGe3ja
さてここからが楽しい妄想の本番です

まず理佐ちゃんを思い浮かべます

この段階でその日1日の中で見た人や風景が投影されて妄想世界の設定が出来上がってます

そうすると妄想世界に丁度良い過去の俺が投影された俺君が現れます

あとは理佐ちゃんと俺君が妄想世界の設定に合わせて会話をし行動してくれるのでワクワクしながら成り行きを見守りながらスマホで文字にしていきます

だいたいこんな流れです
0636庭式妄想の流儀 その3(庭)
垢版 |
2019/01/30(水) 20:37:18.15ID:RT+eGe3ja
注意するのは妄想が動き出したらある程度意識して自由に流れさせることですかね
無理に話の流れをコントロールしようとすると妄想が止まってしまうのでw

慣れてくると力加減が分かってきて妄想が止まらない程度にはコントロール出来るようになりますけど

勝手に妄想が動いてる方が見てて楽しいので必要な時以外はコントロールしたいと思わなくなりますね

たまにピンチの方が面白いだろとイタズラで妄想に介入したりしますがw
0637庭式妄想の流儀 その4(庭)
垢版 |
2019/01/30(水) 20:41:13.98ID:RT+eGe3ja
俺の場合は妄想の目的が理佐ちゃんとイチャイチャしたいと明確なので無意識が勝手にハッピーエンドにしてくれるのでコントロールしなくても大丈夫なのです

たいていの人が幸せな状態を妄想するので当たり前と言えば当たり前かw


以上、庭式正しい妄想の浮かべば方でしたm(__)m


小説と違ってストーリー考えたり構成考えたりしなくていいから簡単に書けて圧倒的に楽なんですわ

その代わり小説のような緻密さや奥深さは描けないし風景描写もほとんど無しですw
0638理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/30(水) 20:43:17.17ID:RT+eGe3ja
ついでに俺が考える小説と妄想の違いなど
小説はちゃんと頭を使って考えて書くもの
妄想は放っておいても頭の中に浮かぶものですね

故に頭を使うのが苦手な俺は妄想しか書けないので小説スレの皆さんに敬意を抱いているのでありますm(__)m
0639(便乗)千葉県風の妄想の流儀1(dion軍)
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2019/01/30(水) 21:12:02.77ID:eUloEEmS0
てち「まぁなんといっても妄想をするにあたりいちばん大切なのはリアリティですね」
ねる「てっちゃん、難しい言葉使うね」
てち「うるせー、ばかにしてるだろ」
ねる「まぁ、まぁ」
てち「金曜日の夜の電車のなかとか、日曜日の昼の自分の部屋とかありそうでなさそうなところを舞台にするのがコツですね」
ねる「わたし、日曜日、休みだったことないんだけど」
てち「一般的には日曜日が休みですからね」
0640(便乗)千葉県風の妄想の流儀2(dion軍)
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2019/01/30(水) 21:12:40.76ID:eUloEEmS0
ねる「でもいま日曜日休みなんてひといるのかなぁ?」
てち「そこはいいんだよつっこまなくても。」
ねる「リアリティを追求するならそこ大事じゃない?」
てち「そんなに考え込まなくても、あっ、ほらねるのせいで文字数制限が」
ねる「ごめん、ごめん」
0641(便乗)千葉県風の妄想の流儀3(dion軍)
垢版 |
2019/01/30(水) 21:14:46.87ID:eUloEEmS0
てち「あとは共感されやすいストーリーにするのも大切」
ねる「共感?」
てち「たとえばあかねんに叱られたいとか、ゆっかーを怒ってみたいとか割とマニアックな妄想は駄目です」
ねる「ゆっかーはかなり濃いめのMだからね」
ゆっかー「ねぇ、ちょっと誰がドMよ」
てち「共感されやすいといえば学校とか職場とかそういう日常のなかで、ドラマとか小説に出てきてもおかしくないようなものが良いと思います」
ゆっかー「さぁ、ここで受験真っ最中の葵ちゃんで妄想をしてみよー」
0642(便乗)千葉県風の妄想の流儀4(dion軍)
垢版 |
2019/01/30(水) 21:15:57.32ID:eUloEEmS0
「ねぇ、聞いてるの?」
葵は耳元で大声を出した。
休日のフードコートは家族連れで酷く混雑している。
「数学のわかんないとこ教えて欲しいって言うから来たのに、全然集中してないじゃん」
子供みたいに頬を膨らませている。
「留年しても知らないからね」
真っ白なルーズリーフへシャープペンシルの先でとんとんと叩きながら僕を睨む。
「わかった、わかった」
「次、集中してなかった帰るからね」
そう言いながらなんだかんだ毎回勉強を教えてくれる葵ちゃんだから好き。
0643(便乗)千葉県風の妄想の流儀4(dion軍)
垢版 |
2019/01/30(水) 21:17:43.26ID:eUloEEmS0
てち「葵ちゃんってさ数学出来たっけ」
ゆっかー「まぁ、できるだけリアリティがあればいいからね」
ねる「(欠伸)」
ゆっかー「ちょっと、ねる」
ねる「ごめん、飽きちゃった」
てち「あっ、差し入れ、叙々苑の焼肉弁当だ」
ねる「えっ、どこどこ?」
ゆっかー「ちょっとふたりとも〜」
ゆっかー「まぁ、妄想にいちばん大切なのはリアリティだと言うことで」
0644理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
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2019/01/30(水) 21:44:57.57ID:RT+eGe3ja
>>641
実に惜しい
ストーリー考えたり読み手を意識したらもう小説ですw
妄想はもっとアホになって脳内麻薬出まくりながら書かんと妄想ちゃうでw

俺的には千葉県さんの作品は表現に工夫が凝らされていて描写力が優れているので妄想より小説の才能の持ち主だと羨ましく思っています

褒めすぎか・・・w
0645理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/30(水) 22:03:38.58ID:RT+eGe3ja
まあ本当は妄想ってするもんじゃなくてしちゃうもんなんだけどね
愛と一緒で気がつけばそこにあるものだからw
だから俺は理佐ちゃんでしか妄想出来ないのか〜
やっぱり理佐ちゃんは偉大だな〜
0646理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/30(水) 22:25:13.85ID:RT+eGe3ja
庭式妄想の流儀をブログに転載するのにちょっとだけ大阪府さんに登場していただきましたm(__)m
0647名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
垢版 |
2019/01/30(水) 22:40:45.09ID:YS4fp1CcK
やっぱり思うんですけど
庭先生は自分が天才だということをもっときちんと認識されたほうがいいですよ(笑)

その妄想術はおそらく万人に可能な範疇を越えてる気がします(笑)
0648理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/30(水) 23:05:29.24ID:RT+eGe3ja
>>647
天才やなんて照れるやないですか・・・

子供の頃に好きな子のこと考えてると自然に次から次に楽しい光景が浮かんでくるじゃないですか

どんなパンツはいてんのやろ?って思ったら自然に頭の中でスカートめくるじゃないですか

それを大人になっても理佐ちゃんでやってるだけで俺的には全然難しく無いんですけどね・・・
0649理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/30(水) 23:11:48.33ID:RT+eGe3ja
>>647
『まほほんだから好きスレ』と『ゆいぽんだから好きスレ』で妄想民を増やすために妄想術公開しようかとおもったんですけど・・・
もしかして俺以外には効果無いですかね?
0650名無しって、書けない?(広西チワン族自治区)
垢版 |
2019/01/30(水) 23:35:05.91ID:YS4fp1CcK
>>649
いや、効果ないという意味じゃなくて
庭先生のような量産性と創造性と変態性(誉め言葉)と教養性と娯楽性を全て兼ね備えた人間はなかなかすぐには出てこないだろうという意味です

なのでこうやって種を蒔いたら気長に広い心で待ってみたらどうかなと(笑)
0651理佐ちゃんだから好きスレの人(庭)
垢版 |
2019/01/31(木) 00:04:15.58ID:fULkyog8a
>>650
『ゆいぽんだから好きスレ』はぽん民が『まほほんだから好きスレ』では真帆民が妄想してくれると思ってたので困ってますw

理佐ちゃんにおける俺のような妄想民が現れるの待ってるんですけどね・・・
俺が書いてたらフランチャイズにならないですからねw

だから好きスレ本店として理佐ちゃんの名前を48Gや乃木坂のヲタに広めるために種蒔いて気楽に待ちますかw
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