>>56 >>76-77 の続き
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私は桜沢弘一。

娘の名前は、桜沢姫乃……。
高校3年生で受験生……だった。
“だった”というのは、姫乃はもういないからだ。

娘は、交通事故にあって昏睡状態が続いていたが、目覚める事は無く亡くなってしまった。
交通事故……歩道を歩いていた娘に、スマートフォンを見ながら運転していた車が突っ込んだのだ。
私は事故の事を聞いた時に、娘がどうしてそこにいたのかわからなかった。
“そこ”というのは、当然だが歩道の事ではなく地理的な場所の事だ。