すると、別な人の声がした。大勢の男の人の声だ。
「上っ面」「上っ面」「浅い情報 乙」「全然わかってない」

私は目を覚ました。陳腐なテレビドラマの演技のように上半身をガバッと起こして……。
……心臓がドキドキした。思わず頭を振った。
確かに知らない……知らないまま、大勢のメンバーを上っ面の情報だけで使っていたのだ。

……でも、私は告白しなければならない……。

実は、私が一番よく知らないのは、ずっと主人公として使ってきた……長濱ねるちゃんなのだ……。


『ひめの』(完)

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と、いうことで今までやっていなかった私小説風の物語(完)