ノックの音の後、一人の女の子が入ってきた。
16歳…17歳くらい……かな? セミロングヘアでたれ目っぽい顔立ち、おっ、タヌキ顔仲間!
「相沢ひめのです……」

えっ? そんな名前のアイドルいなかったっけ? たしか、桜沢ひめの……。

「この子、名前がかぶってるんだよね……」
森谷さんが髪の毛の先を指に巻きつけながら言った。

「だから、あなたの名前を借りる事にしたの……“長崎ねる”」
菅井さんは微笑んで言った。
「あなたは彼女たちのマネージャーを務めてください……見習いですけど……」

森谷さんが言葉の後を引き継いだ。
「だから、あなたのビジネスネーム、考えておいて」
げえええええええええええええええええええええええええええええ!?

森谷さんが私の顔のすぐ前に顔を寄せて言った。
「それと……マネージャーなんだから、いろんな人に会うし……」
はぁ……。
「男性恐怖症、治してね……」
うぇえええ! いつ見抜いた!


<今後の展開・ダイジェスト>

・平手友也という男性と出会い、土田広海(長崎ねる)、初めて恋をする。
・メンバー急病により、よんほんけやきのステージに支障が生じ、謝るためにステージに出ていた土田広海、何かする事になる。
・歌を歌い、その下手さがかえって受ける。

・視聴率がふるわず、この“漫画原作のドラマ”は8話に短縮され、実質打ち切りになる。


『るねねる』(完)