0064名無しって、書けない?(庭) (アウアウカー Safd-vlam [182.250.243.35])
2017/02/24(金) 11:16:03.62ID:xs4NZFgya当然の如く俺の初恋は理佐ちゃんだ
しかしビビりの俺が理佐ちゃんに告白出来るわけもなく
ただ可愛い理佐ちゃんを見てるだけで満足してる俺
しかし突然別れはやって来た
理佐ちゃんが遠い街に引っ越してしまって淡く消える俺の初恋
それから10数年
サラリーマンになった俺が出張で訪れた北の街
仕事の関係者と打ち合わせを兼ねた飲み会帰りに
一人でゆっくり飲もうと入った小料理屋
そこで再会したのが愛しの理佐ちゃんだ
小料理屋を営む理佐ちゃんは昔より綺麗になっていた
理佐ちゃんと再会出来た喜びを噛みしめながら
カウンターの角に静かに腰をおろす俺
懐かしさから理佐ちゃんは色々話してくれた
結婚したけど旦那さんには先立たれてしまったこと
旦那さんと二人で営んでいた小料理屋を一人で切り盛りしていること
中学の頃の俺の気持ちに気づいてたこと
そん時だけいたずらっ子みたいな笑顔の理佐ちゃん
そんなことを喋ってる間にも
他のお客さんの相手を愛想良く器用にこなす理佐ちゃん
昔の優しいくせに不器用でクールに見られてしまう
そんな理佐ちゃんを知ってる俺は
今の理佐ちゃんを見て
綺麗になったけどその分苦労もしたんだなと思って不覚にも涙
理佐ちゃんへの気持ちが蘇ったせいだろうか
それとも普段泣き慣れていないせいだろうか
とめどなく溢れ出す俺の涙にドン引きする客たち
俺の涙も収まり横隔膜に残る泣き癖だけがヒックヒックと響く頃には
客も居なくなり理佐ちゃんと俺しか居ない店内
「いきなり泣いてんじゃねぇよ」
中学の頃みたいにドスを効かせてくれる笑顔の理佐ちゃん
中学の頃の俺の気持ちに気づいてくれていた理佐ちゃん
そんな理佐ちゃんの前で不覚にも涙してしまうなんて
そして今でも理佐ちゃんを想う俺の気持ちに気づいた理佐ちゃん
なんだか気まずくなってしまったので帰ろうとする俺
その俺の手を握って帰るのを止めた理佐ちゃんは
「まだ早いけど暖簾しまっちゃうね」って優しく言ってくれそうだから好き