【東京へ!の巻・後半】

平手「すいません、急に一緒に行ってくれませんかって頼んじゃって…」
美愉「あ、全然大丈夫だよ。私、慣れてるから」
平手「私、上京が初めてなんで、状況がつかめなくて」
美愉「…は、はい?(駄洒落なの?)」

平手「(笑)…あ、あの、やっぱり新幹線って速いですね」
美愉「う…うん、速いね。名古屋から東京まで2時間かからないし」
平手「昔は京都から東京まで1週間以上かかったそうですよ」
美愉「そんなに?」
平手「10日移動(とうかいどう:東海道)…なんてな!」
美愉「…はい?(笑)」

平手「(笑)…それに、この新幹線のぞみ号って、なぜ自由席が無いか知ってますか?」
美愉「…え?あ、ああ…確かに全席指定だよね」
平手「やっぱり『のぞみ』は立たれない(断たれない)ほうがいいですからね(笑)」
美愉「…なんか、駄洒落3連発(笑)…そんなキャラなの?」
平手「いや、あの、アイドルとして大成するにはまず駄洒落が必須と聞いたんで修行中なんです(笑)」
美愉「ああ…松井珠理奈さん(笑)」
平手「はい(笑)」

美愉は気付いていた。
まさに松井珠理奈を凌駕するような勢いでこれから彼女が推されていくことになるであろうと。

でも、私も負けないように頑張りたい。
そして、お互いに大切な存在として、支え合える関係になりたい。
まずは少しずつ、なんでも話せるような関係になりたいな。

窓の外の富士山に夢中になっている様子の平手。
彼女の足元のバックから甘栗が少しだけ顔を覗かせているのを見ながら
美愉はそんな決心をした。