【オーディションが始まるよ!の巻】

そしてそれから数週間後、美愉はオーディション最終審査が行われるスタジオにいました。

わりと早い時間に着いていた彼女は
同じく鳥居坂46を目指す女の子たちが続々とスタジオに入ってくる様子をぼんやりと眺めていました。

とてもスタイルが良くてモデル張りに背が高い子もいれば
色黒の小学生みたいな子もいます。
爺やに送ってもらってきた子もいます。
青い変なぬいぐるみを抱いている子もいます。
みかんを食べてる子もいます。

美愉「いろんな子がいるなあ…何人受かるんだろ」

そんなことを考えていると、「ここ空いてますかね」と言って隣に個性的なファッションの女の子が座ってきました。

美愉「あ、はい、どうぞ」

慌てて振り向いてそう言うと、女の子は「ひゃっ…!」と小さな悲鳴を上げました。

美愉「あ、すいません、息がかかっちゃったですか?耳が弱いんですか?」
??「他のスレのネタを持ち込むんじゃねーよ」
美愉「あ、すいません(こ、怖い…)」

元々が小動物である美愉にとっては
彼女が猫っぽいルックスだったのも怖さの一因だったのかもしれません。

それから間もなく、1人の少女が会場に入ってきました。

美愉「ん?…え?あれは…?」