いくら超美人の理佐ちゃんが忠告してくれても
所詮は俺の心の中の理佐ちゃん
そんなに怖くない
遠くの理佐ちゃんより目の前のキャバ嬢なのだ!今は!

「好事魔多し」
昔の人は上手い事言ったもんで楽しい時間は続かない
俺は浮かれ過ぎていたのだろう・・・たぶん・・・
盛り上がってるあいまにボーイさんに今幾らぐらい使ったって聞いたら
とっくに持ち金をオーバーしとる・・・
冷静を装いつつトイレでしばし黙考
一か八か無線飲食かましたる!
男の人生はいつだってギャンブルだ
トイレの窓からは逃げれそうもない
こうなったら正面突破しかないと覚悟を決める俺
席に戻ってキャバ嬢と盛り上がりながらもチャンスを伺う逃亡者な俺
しかし、捕まったら警察に突き出されて一生犯罪者の烙印を背負わねばならない
そうなると理佐ちゃんを世界一の幸せ者にするという俺の夢も潰える
なによりも俺を失った理佐ちゃんがこの厳しい世の中でどうなってしまうか
なによりも大切な理佐ちゃんの人生を背負った俺に
失敗は許されないというプレッシャーがのしかかる
よく見たらボーイさんめっちゃ怖そうだし
もう1回トイレで作戦を練ることにするか
こんな時、トイレの個室は俺を落ち着かせてくれる
落ち着いた俺は理佐ちゃんがくれたお守りを思い出した
理佐ちゃんの言うとおり神様にお願いしてから逃亡するか
信じる者は救われるのだ
試しにお守りの袋を開けてみたら
そこには理佐ちゃんの手紙と諭吉が3枚入ってた
きっと優しい理佐ちゃんがドジな俺を心配して入れといてくれたんだ
溢れる涙に頬を濡らしながら手紙を開いたら
「私の予想通りに困ってんじゃねぇよ」って書いててくれてそうだから好き