マッサージは対症療法??「オフセット鎮痛」とは?

オフセット鎮痛とは、「直前に強い刺激にさらされると、直後の比較的弱い刺激を一時的に感じなくなる現象」と言えます。どういうことでしょうか。
わかりやすいように、例を挙げます。

銭湯でお風呂に入っている場面を想像してください。いくつかの湯舟があり、最初に43度のお湯に入ったとします。
すると入る時に「熱い」と感じます。次にさらに熱い45度のお風呂に移ります。するとさらに熱く感じます。
しばらくそこにつかってから、最初に入った43度のお風呂に戻ったとするとどうなるでしょう?43度のお風呂が今度は熱いとは感じないのが想像できますか?
全く熱くない、と感じるはずです。これは直前に45度の熱刺激にさらされたため、
その後の刺激を本来なら熱いはずなのに一時的に感じなくなっているのです。このような現象を「オフセット鎮痛」と呼びます。

つまり、強い刺激に一時的にさらされると、そのあとの一定の時間は「痛み」や「熱さ」を感じないように人間の身体はできています。

これと同じ現象がマッサージの直後に生じます。
つまり普段の痛みよりも強い刺激(もまれる)が一定時間加わることで、その刺激が終わった直後には、いつもの症状を感じず、「痛くない」「軽い」などと感じる現象のことです。

しかしオフセット鎮痛の鎮痛効果はずっと続くわけではないため、マッサージもその日は良いかもしれませんが、翌日には元に戻ってしまいます。

元に戻ってしまうだけでなく、後述するように異常な血管が肩こりの原因になってしまう人は、その血流を増加させてしまうので、
翌日以降にむしろ悪化させてしまう可能性すらあります。ですから一時的に良くなるからといっても、人によってはマッサージを繰り返し受けることのデメリットもあるわけです。
そのような場合、長期的にみると肩こりの場所へのマッサージはお勧めできません。