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それまでは普通のアパートで暮らしていましたが、先の事を考えると家賃の負担を少しでも減らしたいと思い、契約更新のタイミングもあったので家賃が1万円代のボロアパートに引越しをしました。
当然、引越し業者に依頼する費用もなかったので全部自分で運びました。人の迷惑にならない夜中に大きな荷物を一人で運んでいると、まるで夜逃げをしているような気分になり涙が出ました。

頼みの綱だった失業保険もそれほど長くは貰えません。勤続年数からみても90日が限界でした。
その間に希望する再就職先が見つかればよかったのですが、整骨院が乱立し、過当競争となった状態では雇用条件も横並びで厳しいものでした。
むしろ、一般的なバイトをした方が収入がよいほどでした。近所のラーメン店が高時給でバイトの募集を出していたのを見た時に「時給1000円?」という項目から目が離れなくなりました。

しかし高校卒業以来、柔道整復師の仕事しかしてこなかった私にはレジ打ちすらまともに出来ません。資格があれば職に困らない…と言われてはいますが、今の私にとっては足枷以外の何物でもありませんでした。
日を追うごとに仕事を選んでいる余裕が無くなってきましたが、同時に考える力も無くなって行き、どんどん泥沼には落ちて行きました。

まともな食事をしない日が続き健康状態も悪化していきました。そのため、以前のように働く事も出来なくなり半分引きこもりのような生活をしています。
気が付いたら借金を返すための借金をするようになり、今では絵に描いたような多重債務者になってしまいました。