■長野式鍼灸治療法 2処置目の2■

0001名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2010/10/23(土) 23:21:24ID:hUfXCD+F
前スレがサーバー移転の際に消えて
復旧しないと決定したみたいなので立てました。
長野式の他キーコスタイルの話もどうぞ。

過去スレ
「■長野式鍼灸治療法■」 
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/kampo/1150895106/l50
http://mimizun.com/log/2ch/kampo/1150895106/

前スレ
 ■長野式鍼灸治療法 2処置目■
http://science6.2ch.net/test/read.cgi/kampo/1223997791/ 
http://2chnull.info/r/kampo/1223997791/1-1001
0616名無しさん@お腹いっぱい。
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2015/09/26(土) 08:15:17.05ID:GHQbXJxt
OCRにかけてそのままです、校正はしていないので想像力をはたらかせてください。

  はじめに

 「帯泳」が、鍼灸臨床上鋭い偉効を持っているということに度々遭遇した。
 成書には腰の冷えとか腹痛、帯下等に効くとなっているが、ただ単にそういうことではなく、上肢・下肢の痛みや炎症を取る
のに、また腰の痛みや頚・肩・背の痛みをとるのに非常に優れた効果がみられる。
特に、躯幹の捻れによって起こる上・下肢の痛み、なかでも肩関節や膝関節の痛みや運動障害に著効を奏する。「帯泳」はその他にも様々な症状を改善するのに
用いられ、臨床的応用価値の大変高い経穴であることがわかってきた。
 そこで、「帯泳」につい・て私なりに研究し理解したことについて発表しようと思う。

  「帯腺」の位置

 この場所は古典的に述べると、甲乙経に季脇の下一寸八分とあるが、季脇というのは第十一肋骨の先端「章門」のことをいい、その「章門」から下一寸八分で腸
骨陵の直上、つまり「章門」と腸骨陵との間を「帯豚」としている。また、「帯泳」は奇経の帯豚と交会している場所でもある。
 これを解剖学的に観察してみると、第五肋骨〜第十二肋骨の外面から起って腹桟部を通り鼠径靭帯にいく外腹斜筋と、腸骨陵
の外三分の二から起ってこの外腹斜筋の下を通り第十・十一・十二肋骨の先端に付着している内腹斜筋があり、「帯泳」は、こ
の外腹斜筋と内腹斜筋の腹横部における丁度クロスした部分に当たる。
そしてこれらの腱膜は、上は剣状突起から白線を通って下の恥骨結節までずっと続いて広がっている。
 臨床上で「帯腺」を探す時には、例えば、右の 「帯豚」ならば右の上肢を上に挙げると腹桟部の筋肉が緊張する。
「章門」の下で腸骨陵の直上の特に緊張した部位を「帯泳」とし、これを「正中帯豚」 (「正中帯泳」というのは私がつけた名前であるが)とする。
上肢を降ろし、「帯泳」 (以後「正中帯泳」を「帯泳」とする) の前一センチ、あるいは肥満した人では二センチ程の場所を「前帯泳」、同様に「帯泳」の後方一〜二
センチ程の場所を「後帯泳」とする。
これは成書にはないが「帯豚」と共によく使用するので私が創ったものである
0617名無しさん@お腹いっぱい。
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2015/09/26(土) 08:17:36.26ID:GHQbXJxt
  「帯腺」の刺鍼の前に

 「帯泳」にいきなり刺鍼しても「帯泳」の効果が充分に出てこないことがある。
「帯豚」の効果を充分に引き出すためには、刺鍼する前にいくつかのチェックが必要であり、それによって前処置をすることになる。
 まず先に、患者が「細・沈・遅」というような泳状で、非常に衰弱して疲れきっている、あるいは回復力や自然治癒力が低下
しているような場合には、「帯泳」に刺鍼する前処置として両側の「照海」、「愈府」、「尺沢」 に寸三・二番ないし三番鍼で十五分間の留鍼をしておく。
そうすると自然治癒力が増大して「帯泳」 の刺鍼がより著効を表す。
 泳状が「細」豚であるときには、ほとんど 「中泳」、いわゆる「胃の気」の泳が乏しい状態にある。
「中泳」が乏しいとは豚に流動性が乏しいということである。この場合は胃経(「胃の気」)三点、すなわちはぼ「足三里」の高さで脛骨の外側直際、同じく「豊隆」、
姦溝」の高さの脛骨外側直際の三点に寸三・二番ないし三番鍼で五ミリから一センチ程刺入し補鍼して豚の流れるのを待つ。
つまり流動性のある「中泳」の出てくるのを待つということである。
 「中泳」が出た後、もし泳がまだ細いならば「血虚」 があるということである。
「血虚」というのは血管が収縮している状態であ透から泳診ですぐわかる。
特に女性に多く、血管が収縮して血液の流れ方が非常に弱いという循環障害を起こしている場合である。このような時には「陰陵泉」に鍼を比較的深く、およそ三
センチ程刺入し補鍼する。
そうすると泳が出てくると同時に頚の付近の筋肉が軟らかくなってくる。
それから「血海」に同じように比較的深く補鍼をする。
それを済ませて豚をみると、豚の幅が広くなり血液の流れが改善されていることが泳状診をみることによってわかる。
また「血虚」 の場合、「陰陵泉」、「血海」にする代わりに「上太白」 (長野式「太白」) に補のタッビングを充分行っ
ても同様の効果がある。
 以上のことを済ませた上で「帯泳」に鍼をすると、「帯泳」の効果を充分引き出すことができるのである。
  
※「上太白」 (長野式「太白」)…正規の「太白」から第一中足骨の骨底部に向かって擦上し、骨に当り止まったところ。つまり 福一中足骨の骨底部の内縁。
「公孫」 まで  はいかない。
0618名無しさん@お腹いっぱい。
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2015/09/26(土) 08:19:33.74ID:GHQbXJxt
  「帯腺」 の刺鍼の方法

 最初に両側の 「帯泳」 の緊張の度合がどちらが強いかを調べる。
健側と患側を同時に調べると通常は患側の方の緊張が強いのですぐ分かる。
そして緊張の強い方の 「帯泳」 に刺鍼する。刺入角度は皮膚に対して垂直に刺鍼する。
 「帯泳」は、痩せている人は別であるが、脂肪層が厚い人が多い。その脂肪を刺し貫いて脂肪層の奥にある硬い筋肉層、つまり
内・外腹斜筋に当るまで刺鍼する。その硬い筋肉層に当らないと効果がない。
特に肥満者は脂肪が厚いので注意する。
 比較的長い鍼、寸六・四番鍼で四センチ程度、あるいはもっと脂肪層の厚い人は二寸・六番鍼でそれ以上刺入する。通常、仰
臥位で刺鍼することが多いが、それで効きにくい場合には坐位をとるか、あるいは椅子に腰かけさせて刺鍼すると効果があがる。
 刺鍼してすぐに症状が消失するというのではなく、刺鍼してそこで微量雀啄をする。
そして、雀啄している時に、例えば、頚が回らないのは、頚が回り始めるまで、膝が痛い場合には患者に膝を曲げさせてみて、
痛みが取れるまで雀啄を続ける。あるいは、手が挙がらないのは、手が挙がってくるまで、肩関節が痛い場合には肩関節の運動を
させてみてその運動痛がなくなるまで「帯泳」に微量雀啄をしながら補鍼をする。
この時は、「帯泳」にいささか食い下がるように刺鍼すると嘘のように痛みや運動障害等が取れることが妙である。
 従って「帯豚」の刺鍼がうまくいった場合は肩関節なり膝関節等の症状が即効的に驚く程よく取れる。
「帯豚」一点だけで取れにくい場合には、「帯腺」、「前帯豚」、「後帯泳」と三ヶ所に刺鍼すると効果がよりはっきりする。
 そして、痛みが取れたならば、静かに吸気させ、吸気しているうちに抜鍼をしてすぐあとを閉じる、いわゆる吸気抜鍼をする。
  「帯腺」はなぜ効くのか 過度の運動障害とか、あるいは事故、長年の生活習慣等によって躯幹が捻れてくる。
つまり、捻れ、捻転、英語でtOrSiOn、を起こすことになる。この捻れによって腹筋が腹直筋を含めて前腹筋、側腹筋すなわち
腹横筋とか、内・外腹斜筋も捻れ、すなわち捻転を引き起こす。前腹壁は概ね緩んで下に下がり、内・外腹斜筋も前下方に緩ん
で下がるようになる。従って、後腹壁の腰方形筋、大腰筋、腸骨筋等はすべて前方、つまり前腹壁の方に引っ張られるので緊張
してくる。そうすると背部の諸筋の広背筋や僧帽筋、脊柱起立筋、つまり最長筋やら腸肋筋等もすべて緊張してくる。
あるいは、人間は加齢と共にどうしても筋肉が緩んでくる。特に前腹壁の筋が緩んできて前方に下がってくる。
すると当然側腹部の筋肉も下に引っ張られてくると前述と同様の結果になる。
0619名無しさん@お腹いっぱい。
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2015/09/26(土) 08:20:31.07ID:GHQbXJxt
もう一度言うと、前腹壁の諸筋は緩んで、後腹壁の諸筋および背腰部の諸筋は緊張してくる。
臨床的にこれらは躯幹の捻れによるものであり、だから当然内・外腹斜筋が捻れてくる。
そこで内・外腹斜筋の交差部位である「帯泳」 に補鍼することにより前腹壁の筋肉の緩みは適当に緊張し、そして、逆に緊張している後腹壁の筋、前述した腰方
筋や大腰筋、腸骨筋等の緊張を取り、これに関連した腰背部の広背筋、僧帽筋、それに脊柱起立筋等の筋肉がはぐれてくる。
そうすることによって上肢や下肢に関する諸種の痛みや運動障害等の症状に即効的に効果をあらわすのである。
 例えば、「帯腺」に刺鍼すると肩関節部の 「肩偶」部分の痛みが取れるということは、ここは僧帽筋の停止部なので、遍腺」
の刺鍼により僧帽筋の緊張が緩むとコ屑牌」部分の筋の緊張も取れてくる。
すなわち僧帽筋の停止部である肩峰突起の部分が緩んでくるから痛みが取れてくるということになる。
 膝の痛みが取れるということは、鼠径靭帯が緩むことによりここを流れる大腿動脈等を圧迫することになる。
「帯泳」 の刺鍼により鼠径靭帯が適度に緊張してくるからそれらの動脈の流れも改善され、膝関節の内側部の血液の流れも改善されて膝の痛みが取れるという
ことになる訳である。
 また、どの筋が一番捻れているかということを診るのは、外腹斜筋の場合は鼠径靭帯の処を母指を除いた四指の指頭で圧迫す
ると痛みがある。内腹斜筋の捻れのひどい場合には腸骨陵外三分の二の処、それに第十・十一・十二肋骨の内腹斜筋の付着して
いる部分を少し押さえてみると痛みがある。
また、両方捻れている場合には剣状突起の下、あるいは「鳩尾」、「巨閑」の部分を押さえてみると痛みを感じる。
そしてまた、「帯泳」穴を圧迫してそこも緊張して痛みを感じるような場合には内・外腹斜筋共に捻れがひどくなっているのである。
 「帯泳」刺鍼の効果の有無の他覚的検索は、刺鍼する前に調べた圧痛、つまり「帯泳」 の圧痛と共に「鳩尾」、「巨閑」 の圧
痛等が刺鍼後に消失しているか、あるいは改善しているかを調べるのも一つの方法である。
この圧痛が消失することにより、腰痛症も上肢・下肢の痛み、頚の回らないもの等の運動障害等が嘘のように消失していく。
 捻れのために下肢の痛み特に膝関節とか、足関節とか足底の痛み、あるいは上肢、肩関節や頚肩の痛み、それに肘関節、腕関節等の痛み、これらを二次的に
発症している場合が多いわけである。だから、結局この捻れを取るために「帯泳」 に刺鍼することによってこれらの痛みが消失していくのである。
0620名無しさん@お腹いっぱい。
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2015/09/26(土) 08:21:24.31ID:GHQbXJxt
症例

 以上で「帯腺」についてご理解頂けたと思うので、最後に症例をあげてみたい。
 症例は、臨床上数多くあるが、単純な腰痛症、たとえば内臓に全く起因しない運動障害や動作痛、つまり筋肉の捻挫等の運動器系としての腰痛症等の症例に
「帯泳」が著効を表すことは前述した通りで、それら
の症例は皆様に追試して頂くこととしてここでは省き、「帯泳」で意外な症状が消失した症例をいつくか述べてみたい。


 症例一眼球痛
 女性、六〇歳、和裁仕立業
 〔主訴〕左眼球痛。
 〔現病歴〕
 以前より緑内障で眼圧が時々元進し眼球痛が起っていた。その度毎に当院を訪れ患側の「血海」に七壮、「陽輔」に二一壮の多壮灸で眼球痛は消失していた。
三四、五度もあるようなこの夏の暑さに、再び眼球痛が出現し眼科医で眼球神経痛との診断を受け治療したが、まだ少し眼球痛が残存し取れないといって来院し
た。
 〔治療・経過〕
 眼球痛は主に左が多く、今回もやはり左側であったので、いきなり「左帯泳」に刺鍼を試みた。患者は余り脂肪層が厚くないが、寸六・四番鍼を四センチ程刺入
し、脂肪層を抜けて筋層まで達するようにして、そこで雀啄を加えたところが「アッ、眼球の痛みが取れました」と言う。 「帯泳」で眼球痛が取れたのは今日が初め
てである。

 症例二 境界型の糖尿病の左肩関節痛
 男性、六十二歳、農業
 〔主訴〕左肩が手を動かせない程痛む。
 〔合併症〕境界型の糖尿病という診断を受けている。
 〔所見〕肩関節に熟をもっている。
 〔治療・経過〕
 境界型の糖尿病なので、先に両側の「陰陵泉」に補鍼をし、その後患側の「帯泳」に補のタッビングをする。タッビングをしているうちに次第に一層関節の痛みが
緩和され、三分程続けるうちに痛みが全く消失した。この間、全く肩には治療をしていない(それから、伏臥位にさせ「脊中」に施灸をする。 その後少し痛みが戻る
というので、同様の治療を二週間に三回、灸は自宅で毎日して肩関節の痛みは日に日に改善され、運動痛も消失した。これは、糖尿性の肩関節炎を起こしたもの
と思われる。 境界型の糖尿病なので食事に充分留意するように指示して治療を終了した。
0621名無しさん@お腹いっぱい。
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2015/09/26(土) 08:22:41.85ID:GHQbXJxt
症例三 寝違い
 女性、四十四歳、OL
 〔主訴〕頚が痛く、硬くなって動かせない
 〔現病歴〕
 会社で毎日、一日中コンピューターを使い頚が凝って硬くなってきた。今朝起きると痛みと凝りで全く頚が動かないと言って来院した。
 〔所見〕
 泳状は「細・緊・沈」、「血虚」。胸鎖乳突筋、僧帽筋が硬くコチコチになっている。「肩井」、「肩外愈」も硬く凝っており圧痛が著明である。
 〔治療・経過〕 先に「肩井」の凝りを取るために「陰陵泉」に刺鍼し、それから「血海」にやって「血虚」を取る。また、僧帽筋、「肩外愈」の緊張を取るべく「内陰」
に刺鍼し、補のタッビングをする。これらの緊張が改善した後、患側の「帯泳」に補のタッビングを約二分間程したところ頚の痛みがすっかり消失した。頚を左右
上下に動かしても異常がないという。
 〔補足〕
 頚が動かないということは、肩部の筋肉、胸鎖乳突筋、僧帽筋、あるいは「肩井」、「肩外食」、「肩中愈」等が非常に緊張したり、凝ったりしている場合が多いの
で、前処置としてこれらを改善させておいてから「帯泳」に鍼をすると「帯泳」の効果が一層著しいようである。 この症例は「血虚」に対して「陰陵泉」、「血海」で処
置したが、前述のように 「上太白」を使用してもよい。また、僧帽筋の緊張や「肩外食」、「肩中愈」等の凝りは、「内陰」の補鍼で非常によく取れる。* 「内陰」…
平田氏十二反応帯の足の小腸帯と腎経との交点。腎経「陰谷」 の上方四横指。
 
症例四 足底痛
 女性、五十七歳、元市会議員
 〔主訴〕足底の痛み。
 〔現病歴〕一週間前から足底部が痛み出し、足をつくと痛み、歩くのもつらくなってきた。
 〔所見〕泳状は「細・沈・遅」。
 〔治療・経過〕
 自然治癒力を鼓舞し、代謝循環を活性化すべく「照海」、「愈府」、「尺沢」に十五分間の留鍼。その後、仰臥位の計ま下腹部の脂肪層が厚いので「帯泳」に寸六

・四番鍼を四センチ程脂肪層を通り抜け筋層に当るまで刺入し、雀啄補鍼をし吸気抜鍼をした。
 これを一日おいて二回治療し足底痛は消失した。
  おわりに
 奇経の帯豚は、「章門」から起って「帯泳」穴を巡り、それがクルッと海のように腰から腹の方を帯のように束ねている。諸経を環束しているので帯豚という、と成
書にはあるが、誠にその通りで、その諸経を束ねているという処に深い意味がある訳である。
 このことは、「帯泳」を治療することによって実感として会得され、また更に「帯泳」の広い応用を示唆しているのでは、と思われる。 「帯泳」に関してはこの他に
もまだまだ出てくるであろうが、一応以上で「帯泳」考を終了する。
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