遅くなりました。副腎処置のバリエーションについて書いていきます。

話は戻りますが、副腎処置は長野先生の著書でもその重要性が説かれています
が、松本先生の著書でも当然重要視されていますが、処置の手順がより詳細に
書かれていますので、ここでは松本先生の著書を参考に書いていきます。

副腎処置は3つのステップで行っていきます。

<ステップ1>
臍4時8時の圧痛に対し、同側の照海、兪府、尺沢を取穴
このステップ1では、臍周りやその他の所見により、下腿の腎経の配穴が変化します
照海意外を使用する例としては以下の通りです

復溜…帯脈に圧痛がある(この圧痛が緩むとこで取穴)、骨の痛みがある、遅脈である
太谿…呼吸器症状がある、甲状腺疾患(人迎の圧痛)
築賓…薬を常用している、鼠径靱帯の圧痛がある(この場合は同側四トクか外関を足す)
復溜+陰谷…然谷の圧痛がある、鼠径靱帯の圧痛がある(この場合は同側四トクか外関を足す
照海+築賓…更年期で照海のみでは腹部の圧痛変化が弱い場合

*上記適応が複数にわたる場合は、然谷の圧痛にたいする、復溜+陰谷が優先

<ステップ2>
ステップ1を行ったにも関わらず、臍の圧痛が40%以上残る場合に下記を適宜使用

陰陵泉…上にむけて15度の角度で押してみる。これで臍が緩むようであれば、その反応は脾の反応として出ている
京門…第12肋骨にそって10度の角度で刺鍼。これでとれるなら腎の機能低下
帯脈…帯脈に圧痛があり、復溜の刺鍼でその圧痛が緩むが、帯脈の圧痛がまだ残るときに使用
   これで、臍が緩むなら、腹斜筋等の緊張により腹筋周りの緊張バランスが崩れている

<ステップ3>
ステップ1、2を使用して30%以上臍の圧痛が残る場合に使用

方法は臍の4時や8時の残る圧痛または緊張に対し、直接刺鍼する。
角度は45度で臍の中心に向けて刺鍼する。その際に、硬い組織に鍼があたる
ことが多いが、無理して鍼を進めず、硬い組織に触れたときは、1ミリ以下の
微量雀啄をして緩んだ後にさらに鍼を進める(2〜3分置鍼しとくと良い)。

<ステップ4>
これは、臍4時8時の反応+沈遅脈の患者のみで使用可能
 
命門の華陀穴に対し脊柱に向けて45度の角度で刺鍼
L2、3の棘間が広い場合は、命門に灸を行う

以上が松本先生の著書で述べられている副腎処置の概要です