「各経のしめす段階層は、まず大きく分けたら、
一過性症状に膀胱経、肺経
発作性症状に心経、心包経、胆経、胃経、小腸経、三焦経、大腸経
常習性症状に脾経、腎経
構造性症状に肝経

例えばハリ治療において胃腸症状といえばすぐ足三里というツボが治療に用いられるが、しかし、このツボは「胃経」のツボであり、
精神緊張によって起こる胃腸症状または生命力がいちじるしく低下している患者の胃腸症状に対しては、ほとんど効果が期待できないのである。
前者は「胆経」からツボを求めるべきであり、後者は「腎経」からツボを求めなければならない。

同じことが生薬についても言うことができ、麻黄は膀胱経薬であるから、一過性の熱には適用できるが、
常習性または構造性の熱の解熱の目的で投与すれば、副作用ばかりが先行して治療効果はぜんぜん期待できない。」