こんばんは甜菜です

つづき
多分、レカロの場合は引き算的に、この部分さえ残せば腰椎の支持に支
障はない、と設計されたものでしょう。逆に、ポスチャーフィットは、積極的
に設計されたものと思います。

一方で、1980年代の高級電動レカロシートに必ず組み込まれていた、アジャ
スタブルショルダーサポート機能が、おそらくコストダウンの関係で、省略さ
れてしまいました。

もともと、この部分が可動式となっているレカロシートは、一部の高級品に限
られていました。しかし、その他のすべてのレカロシートは、この機能を最大
公約数的な角度に固定したような形状をしています。

この部分はレカロシートの目立たない特徴として、腰痛の軽減に役立ってい
るわけです。オフィスチェアとして、明確にこの特徴を持ったものに、ソリス
(ハイバック)やセラチェア、アトラスなどがあります。また、不足気味ではあ
りますが、多くのチェアが、荷重がかかることによってこの形状を保つよう
に工夫されているようです。

そもそも、固定角度という話ならば、既に1958年のハーマンミラー・アルミ
ナム・グループチェアにはこの形状が明らかに見られますし、それどころか
近世ヨーロッパの貴族を描いた美術品などに、この特徴を持った椅子が
描かれていたりします。

知らなかったのは日本人だけなのかもしれませんよ。

終わり