>>987
ジョン「小隊長、こんなに苦しみしかないって、僕は今まで経験した事がないです。
   最近たまに思うんです。こんな苦しみが現実なはずが無い。
   ひょっとしてこれは、この苦しみは、祖国が僕のために考えてくれた『訓練』なのでは?」
小隊長「おいジョン、何を言ってるんだ。ここはベトナムでアメリカじゃない。訓練な訳がないだろう。」

ジョン「小隊長、訓練とバレるのがまずい訳ですね。分かりました。僕には全てが。
   ここにきてようやく理解出来た。これは我が合衆国が考えた兵士のための訓練です。
   今も少し前方から敵兵が迫っていると小隊長は言いましたが、
実はそれって戦死したはずのマイクやポールが居てガサガサ音を立てている。そうでしょ?
いや待てよ、あの二人にしては随分と賑やかだ。
そうか分かったぞ!僕の家族もあそこに居るんだ。そうだ、そうに決まってる。
ここに来てからの、僕が苦しみに耐えている姿をずっと茂みの中から見守ってくれていて、いよいよ僕が死んでしまうシーンになったら
茂みから母さんが飛び出てきて、僕に訓練だと真相を打ち明ける。こうして祖国の偉大さと
家族愛を心の底から実感する。そんなシナリオですね?」

小隊長「軍曹、ジョンはまずい。後方へ下げるよう手配してくれ・・・ん?
   ジョンはどこへ行ったんだ?」
軍曹「小隊長、装備を捨てて、ジョンが敵のいる前方へ向かっています!!」
小隊長「何をしてるジョン!!戻れ!!そこにお前の家族が居るはずがない!!戻れ!!」
ジョン「何言ってるんですか小隊長。家族が居るんだ。あそこに。あの茂みの中に、母さんが居る。居るんだ・・これは全て訓練だったんだ・・」

・・・こうしてジョン上等兵は前方に消え、二度と部隊に戻ることは無かった。

   バカな話だと思うか?しかし実際にこういった事例は存在する。
   これほど有り得ない考えでも、人は信じてしまう思い込んでしまうほど、心理学の認知的不調和は強力なんだ。」
自分「こ、言葉が出ないっす・・・」