海上自衛隊の艦艇 過去の事故は?


海上自衛隊の艦艇と民間の船舶が衝突する事故はこれまでもたびたび起きています。

最近では去年3月、東シナ海の公海で警戒監視のために航行していた護衛艦「しまかぜ」と中国の漁船が衝突し、漁船の乗組員がけがをしました。

おととし6月には、広島県三原市の沖合で掃海艇「のとじま」と北九州市の海運会社が所有する貨物船が衝突し、けが人はいませんでしたが、掃海艇が一部浸水するなど双方に被害が出ました。

平成21年10月には関門海峡で護衛艦「くらま」と韓国籍のコンテナ船が衝突して護衛艦が炎上し、護衛艦の乗組員6人が軽いけがをしました。

平成20年2月にはイージス艦「あたご」が千葉県の房総半島の沖合で漁船と衝突し、漁船に乗り込んでいた親子2人が死亡しました。

そして昭和63年7月には潜水艦「なだしお」が神奈川県の横須賀市沖で遊漁船と衝突し、釣り客と遊漁船の乗組員合わせて30人が死亡する事故が起きています。
海自 元海将「こうした事故あってはならない」
海上自衛隊の元海将で、潜水艦の艦長も務めた経験もある金沢工業大学虎ノ門大学院の伊藤俊幸教授は「マストには潜望鏡があり、潜水艦は、潜望鏡を水面に出そうとする時に周囲の状況の確認が難しくなるため、最も事故が起きやすい。隊員は当然、そのことを認識しているので、ソナーなどで何度も周囲の安全を確保しながら、慎重に作業する。ソナーが故障したことも考えられるが、故障でないなら、隊員の練度やチームワークに問題がなかったのか、確認する必要がある」と指摘しています。

そのうえで「日本の潜水艦の性能や隊員の操縦技術は世界でも高く評価されており、ささいな事故も起こさないよう極めて慎重に運用してきた。こうした事故はあってはならない」と話していました。