【 いまだ問われざる問い 】


意識のさまざまな領域や高次意識への可能性を探究してきた中で、あなたの問う質問が、
あなたの受け取る答えを決定することに、おそらく気づかれたのではないでしょうか。
そこで、この最終章は 「 いまだ問われざる問い 」 と名付けたいと思います。
答えは質問そのものに包含されていますから、もっとも得るところの大きな回答が
そこにおのずと姿を現わすような、的を射た質問をすることが大事です。

私たちが、人類の進化のパターンを見るかぎり、人間の大半が自分の小さな世界や
欲望や願い、あるいは個人的なファンタジーの満足にはまり込んでいることは明らかです。
いうなれば、各人がばらばらに動いているかに見えます。 そのため、
人々の中心的な関心事は 「 自分は、ここから何を受け取ることができるか 」という問いです。

何かがあるとほとんどの場合、人が自問するのは 「 ここで私が得られるものは何か 」
というものです。 そして、これが人の最初の排除のプロセスです。
むろん、なかには少数ですが、こうした内的姿勢を卒業した人もおり、
これには勇気づけられます。 しかし、大多数の人はまだまだ多くの部分で
気づきのない状態にあります。
「 ここで私が得られるものは何か 」 という問いは、ある一定の進化レベルにおいては
適切な問いですが、今の人類が手を伸ばそうとしている高次の意識レベルにおいては
あまりに偏狭であると言えましょう。

友である皆さん、いまだ問われざる問いとは、その回答があなたに最大限の自由と、
最大限の進化への加速と、最大限の気づき、そして最大限の意識の自己統御を
もたらすような問いのことです。
生命のもっとも深遠で奥深い神秘に対する答えは、この重大な問いの中にあるのです。
その質問の文脈は、人は進みゆく大いなる生命体験の一部であるという悟りから
生まれます。
生命は、自らを生き、今はあなたを含めた無数の形をとって自らを表現しているのです。


( 続く )