待機勤務中に飲酒、空自三沢が29隊員を処分

Web東奥 6月29日 22時27分配信

 航空自衛隊三沢基地第3航空団は29日、領空侵犯機への対応など不測の事態に備えた夜間待機勤務中に飲酒したとして、
第8飛行隊の男性隊員29人を同日付で減給10分の1から30分の1(いずれも1カ月)の懲戒処分にしたと発表した。
また、飲酒の事実を知ったにもかかわらず隊員への調査・指導を怠ったとして、上官の2等空尉1人も減給15分の1(同)の処分とした。
同航空団司令部渉外室によると、計30人の処分は同基地で過去最大。
 同室によると、2015年12月18日午後10時ごろ、第8飛行隊の事務所で、当直隊員のバックアップとして待機する補填(ほてん)要員の2人が缶ビールを飲んでいるのを巡回中の隊員が発見し基地上層部に報告した。
 同航空団が過去にさかのぼって待機勤務に就いていた62人を調査したところ、29人が飲酒を認めた。
飲酒は2009年から確認され、多い隊員で10回程度だった。食事中や仮眠前に缶ビール1、2本を飲むケースが多かったという。
 補填要員は3人一組の交代勤務。緊急発進(スクランブル)の当直隊員だけでは対処できない事態が起きた場合に整備や機材運搬の任務に就くが、これまで補填要員が出動する例はなかったという。
同室は「気の緩み、心の油断が飲酒につながった」としている。
 処分は、隊員が申告した飲酒回数に応じて決定。減給10分の1(1カ月)が2人、同15分の1(同)23人、同30分の1(同)4人。
 同航空団司令兼三沢基地司令の今城弘治空将補は「多くの隊員が規律違反行為を行ったことは誠に遺憾。一層の服務指導と再発防止に努める」とのコメントを発表した。

 防衛省報道室によると、補填要員の待機勤務は三沢基地以外では行われていないという。