結論だけでいえば認知や知能に関しては恐らく地頭でしょう
認知能力や知能は神経生理学的にはニューロンの軸索と樹状突起の間に存在するシナプスのむすびつきとその強度を意味します
ニューロン同士の結びつきの発達は感受期という発達のピークが存在してこの時期を過ぎるとニューロン同士の結びつきの能力を失っていきます
脳の領野ごとに感受期は差がありますが、感覚野といったより原始的な領域では感受期が早く訪れ、そしてニューロンの結びつきの力である可塑性を失っていきます
高次機能を司る前頭前野では可塑性は長く保たれますが、おおよそ5歳から10歳に感受期を迎えてその後はニューロンの結びつきの力を段々と失っていきます

知能は前頭前野における高次の認知機能だけに支配されるのではなく
例えば問題を見て認識する、聞いて認識するといった低次の一次視野覚や一次聴覚野の入力を高次の認識部位で受けて処理を行います
この際に外界認知の役割として感覚野からの出力が影響しますが5歳にもなれば視野覚や聴覚野の可塑性はほとんどが失われてシナプスの結合を変化させる能力を失っています

脳を含む神経系の発達は伝統的にはスキャモンの発達曲線で示されており、12歳頃にはほぼ100%に達します
これが意味するところは、12歳以降にもなればそれまでに作り上げたシナプスの結合を含む脳のニューロンの既存のネットワークを利用した範囲内でしか基本的に認知能力や知能は伸ばせないという事です
これは、
12歳までに高い認知能力の訓練を行っていれば、その後にサボっていたとしても努力によって弱化したシナプスの強度を再び上げる事ができるという事です
逆に、12歳以降では努力してもニューロンのネットワークを伸ばす事は限定されるため、元々の土台となるニューロンのネットワークが12歳以前に既に構築されていない、つまり地頭がないとどれだけ努力しても元々存在するその人のニューロンのネットワークの能力を超えて知能を発達させる事はできないのです

これが、認知や知能というくくりでは努力よりも地頭が重要という理由です
一方で収入面などの外界を対象としたものでは必ずしもその限りではありません