「今日の食事がいただけることを天のお父様に感謝します」みたいなお祈りがあります。
キリスト教ではよくある食事前のお祈りです。しかし、この食事を作った人がいます。
その材料は農家や漁師の人たちの努力によって得られ、様々な流通関係者の手によって
届けられます。また、その食事をするためのお金は働き手が得たものです。つまり、
私たちの日々の生活は様々な人の活動によって支えられているわけです。
神に感謝するよりも、人に感謝すべきではないでしょうか。
三浦綾子氏は「旧約聖書入門(光文社文庫)」の中で、空には無数の星があり、
それらが一つの法則にしたがって運行している(これも造物主のなせる技)、
それに比べたら月に行ったと言っても大きな顔は出来ない、と言うようなことを
書いています。しかし、人類を月に送ったのはもちろんのこと、三浦氏が言及している
宇宙の星々の運行(さらに銀河の構造)を解き明かしたのは人間(科学者たち)です。
神も聖書も何も教えてくれず、何の手助けもしてくれません。このことを三浦氏は
どう考えているのでしょうか。何もしてくれない神や聖書を持ち出して、
何かをなし得た人間を不当に低く評価する、私には非常に傲慢なことのように思えます。