「何故、二人そろって胃ガンに冒され、こんなに早死にしなければならなかったのでしょうか。
その理由をお話しするには、私達兄弟と両親との因縁を語らなければなりません」

「私と弟の憲治が前世では夫婦だったこと、両親が私達の息子だったことも、その通り受け止めています。
実際、そう考えると弟の死を始め、色んな謎が解けて来るのです」

息子を失った悲しみから身を投げた母親は、もっと生きたいと願いながら死んでいく辛さを、
今世で体験し、自殺という前世での重大な罪を償なわなければなりませんでした。

若くして世を去った二人の武士は、両親に味わわせる事になった悲しみ……子供に先立たれる親の悲しみを、
今度は自ら味わう事になりました。それが、二人の息子に先立たれた私の両親の因果応報です。

憲治さんの死も、前世で自ら命を絶ち、命を軽んじたため、この世では、
生きたいと懸命に願いながら死んでいかなければならなかったのだという。