『自殺のリスクは「生きることの促進要因(生きることを支える要因)」よりも
「生きることの阻害要因(生きることを困難にさせる要因)」が上回ったときに高くなります。
いまの10代を見ていると、全体的に、いじめや虐待、経済的困窮といった「阻害要因」を抱えやすい一方で、
自己肯定感や将来の夢、信頼できる人間関係といった「促進要因」を得づらい状況になっているように感じます。

 これはあくまでも実感ですが、とりわけSNSの影響が大きいのではないでしょうか。SNSが、日本の児童生徒間の「同調圧力」をより高める方向に悪い意味で機能しており、結果、児童生徒の「過剰適応」が深刻化しているように感じます。
フォロワー数やインスタ映えなど「他者から評価されている自分」を演出することに躍起になるなかで、いつのまにか生きること自体に疲弊してしまっている10代と出会うことは少なくありません。