私は男性で、小さいころ、
田舎の街に住み、発達指導教室に通っていた。
今は、成人している。

発達指導教室のある街の、南の町外れに、
駅があった。
私は、その昼下がり、家に帰ろうとしていた。

その駅から、
男の知り合いと女の知り合いと一緒に、3人で、
汽車に乗ろうとしている。

しばらく待つと、汽車がやって来た。
なぜか、東京都内の通勤電車のような車両だ。
ロングシートだし、吊革もある。
なんと言っても、その地域にはありえない配色だ。
私たちは、その汽車に乗った。

「次は、終点上野です。上野まで、止まりません。」
車掌のアナウンスが聞こえた。

「家に帰れない」私は直感した。
迷う余地はなかった。
私は、咄嗟に汽車を飛び降りた。
続けて、男の知り合いと女の知り合いも、汽車を飛び降りた。