長文自分語りさせてほしい。苦手な人はスルーしてください。

内定が決まった。春になればようやく親から離れられる。

わたしが高校を出るまでは本当に幸せな家族だった。
生活が苦しいのに部活もさせてくれた。大学も行かせてくれた。塾や予備校は行けなかったけど、必死になって勉強して、志望校に受かった。

大学生になって実家を離れているうちに、母がマルチにハマった。化粧水の販売だった。母は土木作業員だけど、本当は美容系の仕事がしたかったらしいと、その時初めて聞いた。

母のマルチがうまくいったのは最初だけで、結局母は借金を作った。
わたしの奨学金を返済に充てていた。学費が引き落とされず、未納の連絡が来たから発覚した。
それでも母はマルチをやめられなかった。

母が売っている美容品は、わたしのアトピー体質を心配し、色々調べるうちにたどり着いたものらしい。
父はお前の為なのだから許してやってくれと言った。
ずっとアトピー体質のことで心配をかけていた。自分では届かない、わたしの背中に薬を塗ってくれた。大学生になってからは、何度も「私が勧める化粧水を使え。そうすれば絶対に良くなるから」と化粧水を買うよう言われた。

さっき内定が決まったと報告をした。母はわたしに、仕事をしたら借金の返済を手伝って欲しいと言った。毎月のノルマも達成できそうにないから、化粧水を買ってくれとも言われた。

親を見捨てることはもう決めている。
高校生のとき、仕事が忙しすぎた母が、汚い作業着のポケットからボロボロの千円札を出して、お弁当作れなくてごめんね、これで買って食べて、と言ったのを思い出している。
貧乏なことも、アトピーのことも、結局わたしが追い込んだのだと思う。
自分のご飯くらい自分で作ればよかったし、背中に薬くらい自分で塗ればよかった。