自分で自分を診断して病人に「なる」病気なんて他にないぞw

http://d.hatena.ne.jp/annojo/20110404

1.「自称」と「本物」の性同一性障害の鑑別は困難である。

 本稿の趣旨と矛盾するようではあるが、まず記しておきたいのは、臨床的な現実として、「自称」と「本物」の性同一性障害の鑑別は困難である、ということである。それは以下のような理由からである。

(1) 性同一性障害は本質的に「自称」である

まず指摘すべきは、性同一性障害とは、ある意味において本質的にはそもそも「自称」のものであるという性質を有するということである。
すなわち、性同一性障害とは、客観的事実としての性別が明らかに男性ないし女性であるにもかかわらず、
主観的には、その性別とは反対に自己の性別を認識し、ジェンダー・アイデンティティを有する疾患なのである。この「主観」を「自称」という言葉に置き換えるならば、
医者を含めた周囲の認識のいかんにかかわらず、自分は性同一性障害だと自称することこそ、性同一性障害の根幹的な特徴だと言えるかもしれないのである。

(2) 性同一性障害患者は治療を求める

通常の疾患を疑い、医師の診察を受ける者は、「あなたは病気ではありません。ですから治療の必要もありません」などといわれれば、
多くの場合は安堵し通院もしなくなる。しかし、性同一性障害患者は、その疾患特徴として、反対の性別への身体になるための医学的治療を求める。
そのため、「あなたは、ただの『自称性同一性障害者』であり、本物の性同一性障害ではありません。ですから、ホルモン治療や手術を受けられません」などと言われることは、望まない。
そういった事態を避け、反対の性別に近づく身体治療を確実に受けられるように、典型的な性同一性障害患者像であるように自己を見せようとする場合がある。精神科医の問診に対しても、必ずしも事実は語らず、
典型的な症状であるかのように述べることがある。そのため、精神科医が患者の実像を把握するのは必ずしも容易ではない。