財政難に苦しむイラクの中央銀行は、通貨ディナールの公定レートを対ドルで
約20%切り下げた。石油価格の下落や原油の減産で経済危機に直面していることが
背景だ。中銀は声明で、公定レートを1ドル=1450ディナールに引き下げたと
発表した。通貨切り下げは2003年以来。従来は1190ディナール前後だった。
ドルは国内銀行に対して1460ディナールで売却される。
世界第3位の石油輸出国であるイラクは、新型コロナウイルス感染拡大で
エネルギー需要が低迷し、石油価格が急落したことを受け、外貨準備の枯渇を
回避するための措置を講じている。政府は先月、逼迫した財政状況を和らげる
ため、長期の原油供給契約を結ぶ代わりに支払の前払いを求めた。

ttps://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-12-21/QLLVSMDWRGG001