1年前にイラクから戻った陸軍州兵の技術兵アビー・ピケットさん(22)も戦地
での体験による心の後遺症に苦しんでいる。米誌サイコロジー・ツデーによると、
人が集まるモールや、青果店などでパニックに襲われた。人々の群れを前にして、
戦場のように自分を守る銃を持っていないため、恐怖感に襲われたのだ。

 自宅にいても、ラジエターのうなる音が、迫撃砲弾のやって来る音に聞こえ、
緊張する。「夢をよく見る。銃撃戦の真っ只中にいる夢だ」とピケットさん。

 女性は、男性に比べ、精神的な障害についての治療を受けるのが遅いという。
前述のカニェス医師は「PTSDの場合は、治療を受けるのが遅れれば遅れる
ほど、症状が悪くなる」と警告する。

 一方、女性兵士の場合は、戦地での性的嫌がらせも増えている。また故国に
夫や、子どもを残して戦地に向かう女性兵士も多く、心理的なストレス要因に
なっている。

 帰国後、夫と離婚する女性兵士もいる。また、特に長く別れて生活していた
子どもとの関係を再構築するのにも神経を遣う。前述のバーキーさんは、イラク
から帰国後、現在6歳の娘と、かつての関係を取り戻すのに4カ月かかった。
不在中、祖父母が面倒を見ていたせいか、当初は、娘は、母親の存在を無視
するような態度をしたという。