非武装こそもっとも安全だ

講演会報告 「イラクでの日本人人質事件を考える」(2004.5.2)
『報道現場でおきていること』
本田 雅和氏(朝日新聞社会部記者)

非武装こそもっとも安全だ

NGOやジャーナリストも紛争地帯では軽武装くらいしていったほうがよいではないか、ということがいま議論になっています。
自衛隊派遣と同じような話です。実際に、私がバグダッドに入ったときもドイツのNGOなどで、
短銃をもっているジャーナリストや、ガードマンを雇って活動しているNGOもいました。

高遠さんらや安田さんたちが捕まったときも、まず彼らは全員、身体検査をされています。
もしこのとき短銃でも持っていたらヒドい目に遭っていたでしょう。あるいは殺されていたかもしれません。
しかし、彼らが非武装、つまり丸腰で、人道的活動家やジャーナリストであったからこそ助かったわけです。
これは非常に重要な点で、丸腰であることが自分の身を守るためにいかに有効であるか、ということです。

自衛のための最低限の武装をしていく、というのがいまの自衛隊、小泉政権の主張です。しかし実際には、
それはまったく有効性をもっていません。自分たちの安全保障にとって、もっとも大切なことは、
地元の人たちにとって自分たちが敵ではない、ということの証明、それはつまり、武器をもたないことでした。

今回の高遠さんらの事例で、それは明らかになりました。紛争地で活動するNGO活動家やジャーナリストは、
この「非武装の有効性」について、もっと主張していくべきだと思います。
http://www.ohdake-foundation.org/modules/xfsection/article.php?articleid=19