<タリバン>米同時テロの3年前にビンラディン氏暗殺を提案
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050821-00000036-mai-int

 【ワシントン吉田弘之】米同時多発テロ(01年9月)の約3年前、米国務省
当局者と接触した当時のタリバン政権幹部が、同時テロの首謀者とされる
ウサマ・ビンラディン容疑者の暗殺などを米側に提案していたことが分かった。
米公文書館が18日、公表した国務省の文書で判明した。
 米中央情報局(CIA)が当時、ビンラディン容疑者暗殺を計画していたことは
伝えられているが、タリバン政権が暗殺を容認する姿勢を見せていたことが
確認されたのは初めてと見られる。
 公開された文書は、在イスラマバード米大使館から国務省などにあてた
公電など、98年10月から00年9月にかけての6公文書。
 98年11月28日付公電によると、国務省当局者は同日、イスラマバードで
タリバン政権幹部と約90分間にわたりビンラディン容疑者の身柄引き渡し
問題などについて協議。その際、幹部は「米国がタリバン政権を認知して
いないので、表立ってアフガニスタンからのビンラディン追放に協力はできない」
と述べる一方、「米側が殺害するか、暗殺をアレンジする選択肢もある」と語った。
 その上で幹部は「米国はビンラディンを巡航ミサイルか他の方法で殺害でき、
タリバンはそれを防ぐことはできない」と語り、米国による暗殺を黙認する姿勢
を示した。
 しかし同年12月19日の公電によると、タリバン政権の最高指導者オマル師
と協議した幹部は同日の会談で一転、強硬姿勢を示し、98年8月7日の
在ケニア・タンザニア米大使館爆破事件について「ビンラディンが関与した
証拠はない」と主張。米国が同月10日、アフガンの軍事訓練キャンプを
巡航ミサイルで報復攻撃したことを激しく非難した。この時点でビンラディン
容疑者の暗殺協議は事実上、消えたと見られる。
(毎日新聞) - 8月21日19時42分更新