アフガン大統領:
米によるケシ撲滅の薬剤空中散布を阻止

アフガニスタンで幅広く復活したアヘン製造用のケシ栽培を激減させるため米国が薬剤の空中散布を
計画したところ、同国のカルザイ大統領が反対し、当面は実施しないことになった。25日、AP通
信がワシントン発で伝えた。
アフガンでは旧タリバン政権の強権発動でケシ栽培が激減したが、米国の軍事攻撃に伴う同政権崩壊
を機に復活し、再び世界一の麻薬産地になった。カルザイ政権はアフガン全土を完全掌握できておら
ず、麻薬ビジネスは武装勢力の資金源にもなっている。
このためカルザイ大統領は麻薬ビジネスとの戦いを宣言しているが、空中散布については住民の健康
被害の可能性を指摘して反対したという。米当局者はその危険はないと主張している。
ただ、ケシ栽培がはびこる背景には主要産業がないという事情もあり、空中散布でケシ畑に大打撃を
与えれば多数の栽培農民が生活に困って政府をうらむのは確実。カルザイ大統領は住民の健康被害よ
り憎悪を恐れている可能性もある。

http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/america/news/20050127k0000m030132000c.html